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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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栄村復興への歩みNo.146 (通算第180号) 5月14日


「子どもの声が響く村」のイメージが具体化し始めました

 昨13日午後、女性や若者と復興計画をめぐる懇談会が約2時間半、役場2階の大会議室で開催されました。
 討論に入るや、意見が続出、予定時間を超えて午後4時になってやむなく閉会しましたが、まだまだ議論は尽きないという感じ。私自身、久々に非常に楽しい座談の時間を過ごすことができました。私自身、主催者側の委員の一人なので写真撮影は遠慮しましたので、様子を紹介する写真がないのが残念ですが、速報的に議論の様子の一端をお知らせします。 


仮設住宅駐車場で遊ぶ北信保育園の子どもたち(4月27日)
「この時期、保育園の運動場がまだ積雪で思い切って遊べる場所がないので」とのことでした


賑やかな声が響く開会前の会場
 委員会の事前打ち合わせを終えて、懇談会場の2階に向かうと、会場の中から女性たちの元気な声が響いてきます。
 部屋に入ってみると、まだ5〜6名程度でしたが、お知り合い同士などがワイワイ、話しておられます。やっぱり、こういう雰囲気がいいですよね。
 9日の懇談会を反省して、復興計画策定委員会の「おじさん」たちがズラッと会場前方に並ぶ形はやめ、円卓形式に椅子を並べての懇談会になりました。


村が大好きな子どもたちに、栄村らしい教育をできる学校に
 「復興のキーワードは“教育”だと思う」、「栄村らしい教育を考えるチャンスではないか」、「栄中学校の3年生が復興ビジョンをつくった。そういうものをもっと活かす復興計画づくりにすべきだ」。
 子どもを育てているおかあさんや、子どもの教育に携わる女性などが集まられたので、話は“子ども”と“教育”をめぐって盛り上がりました。
「震災から救出された民具がたくさんありますが、この民具に今、子供たちが関わることチャンスがあると、いつまでも使いつづけることができるようになる。先日、史料保全有志の会と学校をつないだ」

 実際、5月1日、栄小4年生の子どもたちが旧志久見分校で民具と触れ合う学習の機会が設けられましたね。


「安心して遊ばせられる公園がほしい」
 子育て中のあるママさんからは、こんなエピソードの紹介も。
「他のママさんたちにも『参加してみないか』って、声をかけたんですが、『テレビで見ると、怖そうなおじさんたちが並んでいて、とても…』って。それでママさん代表で発言します」
 率直な声に、委員一同、思わず苦笑。そして、そのご発言ですが、
「子どもを安心して遊ばせることができる公園がほしい。私の子どもはまだヨチヨチ歩きですが、“たね”に落ちないかと心配で」
 「うーん、そういう心配があるのか。でも、これまで村でそういう事故は聞いたことがないんだけどなあ」というのが私の率直な感想。
 すると、「自分が子どもの頃は、志久見川で子どもだけで川遊びをした」という話も出てきました。
 思うには、子どもが少なくなって、「歳上の子どもが遊びながら、歳下の子どもたちの面倒を見てやり、そのうちに歳下の子どもたちも何が危ないかを覚えていく」というような機会がなくなっているのではないでしょうか。
 だとすれば、一つひとつの集落の単位では子どもの数が減っている現状の中では、たくさんの子どもが一緒に遊べる空間(=公園)を村内のどこかに確保する必要があるのかなあと、私は思いました。
 また、教育委員会が開催している自然学校がかなり役立っているとのこと。最近、村には野外活動のNPOの事務所もできたし、川遊びが大得意の青年が村に移住しようとしている状況もありますから、ハード施設だけでなく、遊びのバリエーションをどんどん増やすことも含めて、本当に「子どもの元気な声が響く村」を実現していく道筋を考え出していくことができそうな感じになってきました。

親子でラフティング(昨年9月)今年も7月に計画中
 ついでに言いますと、仮設住宅近辺は学校が終わった後の夕方の時間帯など、子どもの元気な声が響き渡っています。隣り合わせの     
仮設と横倉共同住宅に、結構な人数の子ども       
が暮らしているからですね。ここにも1つのヒントがあるように思います。

 
● 農業未体験で新規就農の若者や、大久保で農業を担おうという若者も
 この日の懇談会には、「農業はまったくやったことがなかったけれど、栄村に友人がいたので昨年から栄村に住んで農業を始めた」という長瀬の男性がおられました。まだ年間を通じて稼げるだけの仕事は確保が難しいようです。
 また、最近結婚し、大久保・天地で農業に取り組む若い男性も。
「大久保・天地周辺で農業をやり、消防団にも参加しているが、住宅は志久見。これでは、いざという時に大久保に駆けつけられない。村内で働いているのに村に住めない若い人もいる」
 若者の住宅問題、若者たちの具体的な声にもっともっと耳を傾けていくことが必要ですね。
 以上は、懇談会で出た意見のほんの一部です。
 「飯山や津南の人が『栄村に買い物に行く』というような商業施設をつくれるといいんだが」という声もありました。樓蘭さんのお客さんの顔ぶれを見ていると、半数以上が長岡ナンバーの車に乗ってくる人、長野市近辺の人ですね。大雪の季節の経営は厳しかったようですが、「栄村の自慢のお店」が誕生しているのです。「旬の野菜を買うんだったら、車で栄村の●●までひとっ走りしよう」というようなお店が出来、さらに栄村ならではの加工品も品揃えができると最高ですね。
 「集落の子どもたちの元気な声が響く村」のイメージがかなり見えてきた半日でした。たしかに参加者数は限られていましたが、参加者の後ろにいる女性や若者の思いも含めて、数十人、数百人の声が聴けたという実感がもてる、いい集まりだったと思います。
 こういう機会、場をどんどん増やしていきたいと思います。べつに復興計画策定委員会が主催するものだけに限られません。自主的な集まりがどんどん行われ、その声が反映される復興計画づくりが栄村の未来をつくっていくのだと思います。


月岡には資源がいっぱい

 つぎは、月岡集落の紹介です。
 9日、懇談会前に役場駐車場で出会った南雲成一さんに、「月岡は仙当城だけじゃないぜ。すごい水芭蕉の群生地があるんだ。一度、見にいらっしゃい」と声をかけられました。
 で、12日昼前、教えられた方面に一人で出かけたのですが、相当の奥地に入っても見つかりません。成一さんにSOSの電話をして、結局、ご案内をいただきました。
 資源保全の観点から具体的な場所は明かしませんが、「野々海や貝立山裏よりすごい」というのが私の実感です。
 
 まだ満開ではなく、私の撮影技術の低さもあるので、その凄さを十分にお伝えしきれていないと思いますが、とにかく素敵です。
 月岡の人たちは、周りの草刈り、雑木伐りなどをして、手入れをされているとのこと。仙当城址の整備といい、月岡の人たちの平素からの取り組みは1つのモデルだと思います。そして、こういう素晴らしい自然環境を守ることと、この豊かな自然・歴史環境を観光等に活かすことを、どううまく調和させていくか。知恵を絞ることが必要になっています。これも栄村復興の1つのポイントでしょう。
 水芭蕉以外にも、素敵な風景、空間がいっぱいあります。何枚かの写真で紹介します。


 一面、ふきのとうの花が咲く畑。元はアスパラ畑だそうです。


白樺の木の芽ぶきとその木肌。



 
 月岡集落から大巻川沿いにどんどん山道を入っていくと、とても素敵な水の流れやブナの新緑に出会えます。


 
仙当城址の真下近辺です。

 また、雨引と呼ばれる集落から2km以上奥に入るところまで行くと、元は田んぼだったと一目瞭然でわかる広々とした大地が現れます。


 青倉の西山田や四ッ廻りよりもはるかに条件がいい圃場です。木村和弘先生の教え子さんが、高速のサービスエリアで「コーヒー一杯のお値段です。ごはん1食分300g300円」ということでのお米販売に成功されていると伺いました。販売さえうまく工夫できたら、この田んぼが蘇える日も来るかもしれません。
 ちょっと脇道にそれて、山に上っていくと、まだ雪が残るあたりに1台のバイクが。周りを見ると、山に入っていく地元の人の姿が…。


 
 ちょっと小さくて見づらいですが、写真の真ん中に姿が見えますね。声をかけてお話を聞くと、「ゼンマイの手入れに来た」そうです。月岡の「中村屋」さん。近くには山菜採りに案内するお客さん用の素敵な小屋もありました。
 
 月岡には素敵な資源がいっぱい。
13日は集落総出の普請で、こういったところに行く道の手入れを行うというお話でした。
栄村の観光−復興の手がかりはいっぱいありますね。


いたるところで道路復旧工事。通行には十分な注意を

 国道117号線、東部地区の県道、車で走ると、いたるところで復旧工事が盛んに行われています。そのため、片側通行の箇所がいっぱいあります。仮設信号機が設置されているところも多いですが、道幅が少しだけ狭くなっていて、対面通行が危ない箇所も。
 私自身の自戒の念も込めて、運転にはくれぐれも最新の注意をはらいたいものです。

北野天満橋は工事通行止め(う回路あり、8日撮影)

●菅沢の道路復旧を早く!

 8日、菅沢農場でズッキーニの苗植え作業中の野田沢の人たちに出会いました。「道路を早く治してくれないと、野田沢からまっすぐに来れないんだ」とのこと。一日も早い復旧工事をお願いします。


「ショウジョバカマ」でした


 前号で紹介・お尋ねした花、泉平の島田米造さん、青倉の柳さんから教えていただきました。「ショウジョバカマ」です。
 私もWebで調べましたが、「しゃみせんばな」は「ナズナ」の別名で下の写真のもののようです。
 
 ところで、もう1つ。8日に東部ではよく見かけたのですが、水内ではあまり見かけないように思います。何という花なのでしょうか。


<後記>

  • -
  • 2012.05.14 Monday
 昨13日の懇談会、本当に楽しく、充実した集まりでした。もっともっと、やりたいですね。
 今週木曜17日の号はお休みし、次回は21日(月)になります。