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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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西大滝ダムに注目を

 最近、国道117号を飯山市方面に走ると、東大滝橋の手前で、西大滝ダム上に大きなクレーンがたっているのが見えます。写真は西大滝集落側から撮影したものです。

 


 現場に立てられている看板の文字(下写真)を見て、私は愕然としました。

 


 東京電力では、ダムのゲートを「洪水吐」と呼んでいるのです! 平素は千曲川を流れ下る水のほとんどを取りながら、洪水になれば取水を中止し、洪水すべてを下流に流す。その役割を果たすのがダムの「洪水吐ゲート」だというわけです。
 台風19号災害から1年が経過しました。千曲川治水対策のニュースで西大滝ダムの問題が取り上げられることはありません。しかし、台風19号クラスの大雨・洪水となった時、西大滝ダムは持ち堪えられるのかが大きな問題です。
 国交省の千曲川河川事務所は、穂保での決壊・越水量を含めると、立ヶ花での台風19号ピーク時流量は9,000トンだったと発表しています。他方、西大滝ダムの設計洪水流量は5,565トン。東京電力は「模型実験」で9,000トンの流下能力が証明されたとしていますが、長年、千曲川の問題に取り組んできた中沢勇氏は「自己都合に合わせた実験であり、とんでもない『偽装工作』である」と断じています。(同氏著『千曲川への遺言』、川辺書林)。
 箕作・月岡地区の治水対策とあわせて、西大滝ダムをめぐる問題にも注目・議論していくことが必要です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄村復興への歩みNo.395
2020年10月17日発行 編集・発行人 松尾真 定期購読料:年間2,400円
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


「洪水吐」という言葉に衝撃を受ける

 

 9月の半ば頃に気づいたのですが、国道117号を飯山市方向に走り、白鳥集落をぬけて、東大滝橋に入ろうとすると、前方の景色がいつもと異なっています。
 西大滝ダムの上に巨大なクレーンが載っているのです。


 西大滝集落側から撮影したものもご覧ください。。手前に見える水門は信濃川発電所に水を送るための取水門です。

 

 

 


 「ゲートの工事をやっているんだな」と思い、9月30日夕刻近くに西大滝集落のダム入口に行ってみました。そこで工事告知の看板の文言を見て、絶句しました。

 


 これまで「ダムがあり、水門(ゲート)がある」という認識でいましたが、その水門のことを「洪水吐」と呼称しているのです。
これには本当に衝撃を受けました。
 東京電力は、基本的に「千曲川の水をすべて取る。洪水の時は取水すると具合悪いので下流に流す(吐き出す)」と考えているのです。
 「洪水の時は取水すると具合悪い」というのは、第1に、洪水時に取水すると水路トンネル(直径6.5m)に収まらない、第2に、洪水と共に流れてくるゴミの除去が出来なくなる、ということで、取水を止め、全量、下流に流すのです。

 

 西大滝ダムは1939(昭和14)年から運用されていますが、2011年(震災の年)に水利権の更新期を迎えました。その時、東電が設定した放流量は20?/s。信濃川中流域水環境改善検討協議会が求めた「20?/s以上」に反するものです。
東電は水利権更新申請時の文書で、こんなことを言っています。
  「当該申請に当たっては、発電維持量ガイドラインに基づき

   河川維持流量について調査し、概ね7?/s程度を維持流量と

   して放流することを検討しておりました。」
  「信濃川発電所での20?/sという水力エネルギーは発電力で

   約2万kWに相当し、通年これを放流すると2万軒余りのご

   家庭で使用される分に匹敵する年間にして約8,000万kWh

   のエネルギーが失われるという非常に大きな影響となります」

 

 最近、再生可能エネルギーの1つとして水力発電所が再評価されていますが、大規模水力発電所のためのダムは、地域の環境に多大な悪影響を与えるものです。他方、電力会社にとっては初期投資(ダム建設コスト)を回収し終えれば、タダの資源で大儲けができるものという意味を持ちます。
 ちなみに、東電が言う「発電維持流量ガイドラインに基づく河川維持流量」の7?/s程度というのは何を根拠しているのか。東電が提出した「発電維持量ガイドラインに基づく西大滝ダム下流の調査結果」によれば、「河川は国道117号線とほぼ並行して流れており、河川を横断する橋梁等からの調査地点の景観を損なわないよう、見かけの川幅に対する20%の水面積を確保する」ための維持流量が7.3?/sだと言うのです。要するに「見た目に川と見えればよい」ということです。

 

 2011年以前、栄村を流れる千曲川は渇水期、歩いて渡れるほどでした。
その当時に比べれば少しは流量が増えたとはいえ、きわめて少ない流量です。西大滝ダムに写真を撮りに行ったのと同じ9月30日の午前、月岡集落地先の千曲川に下りて撮った写真をご覧ください。川底が見える程度の水量です。

 


 千曲川をめぐっては、昨年の台風19号災害をふまえた治水対策が大きな課題ですが、治水対策にとっても西大滝ダムは厄介な存在です。その点はまた機会を改めて議論したいと思います。

 


栄村復興への歩みNo.392(9月2日付)

 

素敵な風景だと思いますが…

 砂浜、小石やちょっと大きな岩もある、そして爽やかな水色の流れ、さらにその先には黄金色になり始めた田んぼも見える。
 じつに素敵な風景です。
 村のみなさんもあまりご覧になったことがない景色でしょう。
 近くには下写真のものも見えます。

 


 素敵な景色なのですが、じつは、悩み多き場所でもあります。その“悩み”をめぐる思考を試みるのが今号のテーマです。

 

千曲川の洪水と水害、治水を考える
 いよいよ台風シーズンを迎えます。昨秋の台風19号災害の記憶も生々しい中、箕作・月岡周辺の千曲川の洪水と水害、そして治水について考えたいと思います。

 


 まず、google(グーグル)地図の航空写真を引用してみました。
 1頁に掲載した写真は上航空写真図のD地点から月岡集落方向を見たものです。また1頁下の写真は日隠橋の下をD地点から撮影したものです。柱状(ちゅうじょう)節理(せつり)を見ることができます。
 2011年3月12日の震災以来9年半、災害箇所を取材し続けてきて私が確信するに至ったことが一つあります。「美しいものと災害危険箇所は同じところにある」ということです。

 

◇ そもそも川とは何か、そして洪水と水害は同じことか
 千曲川という川をめぐる問題を考えるわけですが、そもそも川とは何でしょうか。

 

● 生活と密着した存在だった川
 一般的には、つぎのように言われます。
   「河川とは、地表面に落下した雨や雪などの天水が集まり、

    海や湖などに注ぐ流れの筋(水路)などと、その流水と

    を含めた総称である。」
 じつに分かりやすい定義であり、私たちの理解ともほぼ重なります。しかし、河川工学の第一人者であり、信濃川(千曲川)との関わりも深い大熊孝氏(新潟大学名誉教授、現在78歳)は、この定義は「水循環は意識されているが、そこに住む生物や人間の文化などには全くふれていない」として、つぎのような定義を提唱されています。
   「川とは、山と海を双方向に繋ぐ、地球における物質循環

    の重要な担い手であるとともに、人間にとって身近な自

    然で、恵みと災害という矛盾のなかに、ゆっくりと時間

    をかけて、人の“からだ”と“こころ”をつくり、地域文化

    を育んできた存在である」(この後に紹介する本の68頁。

    下線は引用者)
 どうでしょうか。
 最近では、千曲川を話題にするのはほとんどが水害をめぐる話です。でも、現在、50歳代後半の人たちにとって夏の水遊びとは、「学校のプール」ではなく、千曲川での泳ぎや魚とりであったはずです(そもそも「学校のプール」など無かった。青倉集落などでは「小学生は中条川、千曲川は中学生以上」という「ルール」があったと聞いています。)。さらに80歳代以上の人であれば、千曲川で鮭やウナギをとって夕食のおかずにしたという思い出があるはずです。まさに「人の“からだ”と“こころ”をつくり、地域文化を育んできた存在」です。

 

● 洪水と水害は違う
 昨秋の台風19号水害の記事を書く時、じつは考え込んだことがありました。「洪水」、「氾濫」、「水害」という3つの言葉をどう使い分ければよいのか、しっかりした判断基準が私の中になかったのです。
 川の定義をめぐって上で紹介した大熊孝さん、じつは20年ほど前に徳島県の吉野川で初めてお会いし、私が栄村に移り住んだ後、新潟のご自宅をお訪ねしたこと、そして2011年の震災の約1週間前には川についてのお話を伺うために栄村にお出でいただいたことがあります。近年は直接の交わりが途絶えていたのですが、6月に『洪水と水害をとらえなおす』(農文協刊)という本を出版されたことを新聞で知り、早速購入して、約280頁の本ですが、いっきに読みました。
 その本で、洪水と水害の違いが明確に説明されていますので、引用紹介します。
   「川から水が溢れ、家や田畑、道路などが浸水すること

    が一般に「水害」と呼ばれている。しかし、これは

    間の営みがあるから被害が出るのであり、いわば社会

    現象で「水害」と表現される。小出博は「河川には自

    然史と社会史がある。洪水は河川の自然史のひと駒で

    あり、水害は社会史のひと駒である。」と述べている。

    名言であると思う。川の流量が平常時より増えること

    は自然現象であり、これが「洪水」の第一義である。
     川の流量のもとは降雨であるが、これが大地に浸透

    すると、ゆっくり時間をかけて流出してくる成分と、

    浅い地下水や地表を流れて早く流出してくる成分とに

    分かれる。降雨量が多いと、この早く出てくる成分が

    卓越して、洪水と呼ばれるのである。」

    (同書85―86頁。下線は引用者)
 洪水自体は自然現象であり、ただちに災害を意味するわけではないのですね。
 しかし、箕作・月岡地区を見ればわかるとおり、千曲川の畔には私たち人間が暮らしています。どういう歴史があって、いまの箕作や月岡の集落が生まれたのか、興味が大いにあるところですが、残念ながら、今回はそこに立ち入っている余裕はありません。

 

◇治水の役割は何か
 千曲川をはじめとする大きな河川には「河川整備基本計画」というものがあります。それは言いかえれば治水計画だと言ってもよいでしょう。洪水をうまく処理し、水害が起こらないように河川を治めるための計画です。箕作・月岡の堤防嵩上げもこの「河川整備基本計画」に基づいています。
 河川整備基本計画では、まず、「基本高水(たかみず)」というものが設定されます。その河川の最大規模の洪水を意味していると理解していいでしょう。つぎに、上流部分でダムや遊水地を計画し、それによって洪水をどれくらい調節(低減)できるかが計算されます。この低減された洪水のピーク量が「計画高水流量(たかみずりゅうりょう)」と呼ばれます。そして、その低減された洪水を海まで無事に(=水害を起こさずに)流せるように堤防や護岸などが設計されます。
 水害が発生するのは、大雑把な整理ですが、イ)河川整備基本計画に基づく堤防などが未整備である場合、ロ)堤防等は整備計画通りに整備されていたが、降雨量がかつてないもので洪水量流量が「基本高水」や「計画高水流量」を超えた場合、さらにはハ)堤防等は整備されていて、洪水量も「基本高水」の範囲内であったが、土砂の堆積などで河床が上がったため、洪水が堤防を越水した場合や、堤防に問題があって決壊する場合、に大別できると思います。大熊孝さんは台風19号での穂保での越水・堤防決壊はハ)のケースであったと分析されています。
 治水のために上流に大きなダムを建設することの是非については、今回は議論しませんが、千曲川の現状は治水計画(河川整備計画)が描いた通りにはなっていないと言えると思います。

 

◇ 箕作・月岡の千曲川を見る
 いささか理屈っぽい話が長くなりました。目で確認できる話に戻りましょう。
 私は本紙No.390で「千曲川を空から見る」という記事を書き、箕作・月岡地区での堤防の基本設計に問題があるのではないかと提起しました。そこで問題として指摘した箇所を今回は平滝スノーシェッド付近(2頁航空写真のB点)から撮影しました。ご覧ください(写真イ)。

 

写真イ

 

 手前に百合居橋があり、その先で千曲川が左へ大きく曲がっているのが見えます。百合居橋の先に見える緑色の土地、ここを百合居橋上から撮影したものをつぎに示します(写真ロ)。流れの先には青色の家が見えます。保坂照夫さんのお宅です。その手前に大
きな木が1本見えます。

 

写真ロ

 

 ほぼ同じ場所から7月2日と8日に撮影したものを写真ハ、写真ニとして示します。

 

写真ハ

写真ニ


 写真ロ、ハ、ニを「大きな木」を目印として見比べてみてください。
 7月2日は栄村近辺の雨ではなく、上流部での雨で少し水位が上がっています。そして、7月8日は上流の犀川に流れ込む上高地での大雨が流れ下り、深夜に月岡・後川原の水田の一部が浸水した日です。写真ニの撮影は午後4時半すぎです。
 これに加えて、昨年10月13日の氾濫時の写真があれば、もっと分かりやすいのですが、その時は百合居橋は通行止めになっていて、撮影は不可能でした。
 今度は見る場所を変えて、さらに考えていきます。

 

写真ホ
 上の写真ホは、写真ロ〜ニに見える「大きな木」がある地点の田んぼから百合居橋方向を撮影したものです。千曲川が「大きな木」とこの田んぼにむかって真っすぐ進んでくる(流れてくる)ことがわかります。
 千曲川の洪水量が次第に増えてくると、写真ハ、ニに見られるように、「大きな木」の根元まで水位が上がり、さらに洪水量が増すと、川は左へ蛇行するのではなく、この田んぼへと流れ込むのです。昨秋10月13日未明に起こった事態です。その結果を示すのが下の写真へです。

 


写真へ

 

● 堤防位置変更の提案
 そこで、私は本紙No.390で箕作・月岡の堤防の堤防を今の県道と一体の直線型ではなく、写真ホの河岸を護るようにカーブさせることを提唱したのです。それを航空写真図に書き込んだものを示します。緑色で塗った箇所です。

 

 

 堤防をこの緑色の部分まで伸ばすのに要する経費はそんなに大きなものではありません。逆に、この箇所に堤防を造らないとすれば、それは河川管理者(県・国)が大洪水時に洪水量調節のために、緑ラインのところから洪水を河道を外れてCの田んぼゾーンに流し込もうとしている、言いかえればCゾーンを実際には遊水地として扱っていると言わざるをえません。
 台風19号災害をうけての「緊急治水プロジェクト」で国は千曲川でかなり多くの箇所での遊水地設定の計画を打ち出しています。田畑などが水に浸かるのですから、交渉が難儀になっているところもかなりあるようです。ところが、月岡のCゾーン(後川原)では何の話し合いもないまま、実質的に遊水地扱いしてきているのです。こんなことが許されてよいはずがありません。


● 後川原の田んぼをどう守るか
 私の提案では緑色の堤防は千曲川の湾曲部だけをカバーするので、Cゾーン(後川原)の田んぼの多くは千曲川の洪水の影響を受けることになります。それへの対策が必要です。

 


 上の写真は、後川原の田んぼの千曲川沿いの部分を下流側から撮ったもので、赤ラインは現在耕作されている田の畦を示しています。この赤ラインよりも川側に草が生えるゾーンがあります。これは千曲川の洪水のたびに徐々に削られ、田畑としては使用できなくなった月岡の人たちの民有地です。ここに河畔林のように一定の笹垣と樹木を植栽すれば、洪水時に田んぼに水は入ってもゴミや砂地が大量に入ることは防げるはずです。そのことは京都府の桂川沿いにある桂離宮の水害対策で効果が立証されています。また、今年7月8日の浸水直前の田んぼの状況からも有効性を主張できます。

 


 上写真は7月8日午後6時すぎのものですが、千曲川の洪水水位は田んぼの高さと変わらないところまで上がってきています。しかし、田んぼの畦の外側にある自生の笹などが洪水の浸入をこの段階では食い止めているのです。
 この種の対策は「1回やれば完了」というわけにはいかないでしょうが、粘り強くやれば効果が出てくると思います。さらに、これに河道掘削が加われば、効果はさらに高まるでしょう。
 以上は素人の提案にすぎません。が、こういう議論を積み重ねていくことが大事だと確信しています。
 今号は治水問題一色になりましたが、台風10号も迫る中、喫緊の課題としてご理解ください。


千曲川を「空から」見る

 

 栄村で暮らす私たちの多くは、毎日のように千曲川を目にしています。月岡や箕作の人はとくにそうでしょう。
 でも、「千曲川って、どんなふうに流れているの?」と尋ねられたら、どう答えますか?
 ちょっと戸惑ってしまうかもしれませんね。
 上の写真は、2日朝、平滝から野々海に向かった時に箕作・月岡が見える眺望点から撮ったものです。川の流れを格段に意識して撮ったのではないのですが、写真データをパソコンに取り込んで眺めたとき、「えっ!」と思ったのです。
 平素、百合居橋を横倉側から箕作の方へ渡って左折し、月岡方向に向かって走る時、大巻川と千曲川の合流点の手前で千曲川がこんなに大きく湾曲していることを意識していません。でも、写真で見ると、写真左下隅に見える箕作のお宮近くでの大きな湾曲、そして大巻川手前でのこの湾曲。千曲川はこのあたりで大きく蛇行しているのです。次頁にgoogleマップの航空写真から栄村域内での千曲川の流れを示します(いま問題にしている月岡の湾曲部を赤線で囲っています)。

 

 

● 洪水をいかにうまく流すかが治水の根本
 台風19号被害をふまえて、この地域の水害防止・治水を考える際、私たちは〈氾濫と氾濫による住宅地の浸水の防止〉という問題のたて方に何の疑問も持たないと思います。
 でも、それはちょっと違うのではないかというのが、今回の問題提起です。
 じつは川に洪水はつきものであり、それ自体は災害ではありません。大量の降水によって川の水位が上がり、その高水位の水が川を流れることが洪水ですから。そして、その洪水が河道の範囲を越えて河川沿いの地域に溢れ出すのが氾濫です。治水とは、氾濫をできるだけ抑え、氾濫しても人間の暮らしに被害を及ぼさないようにすることが課題です。そのために堤防を築いたりします。
 川・洪水・氾濫・治水ということで写真の一帯を考えると、下写真の緑の線を入れた箇所、ここにぶつかる洪水をいかにスムーズに下流にむけて流すかをこそ考えなければならないのではないでしょうか。

 


 ところが、写真で赤の線で示した県道ばかりが意識され、県道よりも写真右側の住宅があるゾーンだけが意識され、川をうまく流すということが忘れられているのではないでしょうか。
 河川は自然の状態で蛇行して流れるものです。そして、洪水の際は、その蛇行の湾曲部が川の流れのネックになります。
 私は、台風19号ですべてが濁流に呑み込まれ、大きな被害を受けた後川原の田んぼ一帯を堤防で囲うというのは無理だと思います。しかし、いま設計されている堤防を緑の線のところへ曲げて築くことが必要なのではないかと思います。いかがでしょうか。

 


石から石へ

 今日9月30日午前9時半前から1時間強、石から石へと渡り歩いた。いろんな種類の石があって、とても面白かった。
 この間、地層に関する本を数冊読んでいるが、こういう石を見ると、次は岩石図鑑を手に入れたくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 もちろん、元々の目的は石を見ることではない。次の写真2枚をご覧あれ。

 

 

 

 千曲川の月岡地区あたりの右岸の様子を見ることが本来の目的。
 「元々は田畑があった」というゾーンの現在の様子もわかった。その他、いろんな知見を得ることができた。「調査に優るものはなし」だと思う。
 このあたりの土地(人が住んでいるところ、田畑が耕作されているところ)がそもそもどのようにして出来たものなのか。そして、それと千曲川の関係は、どういうものなのか。いろいろと調べ、考えなければならない。そこからのみ、真の治水対策のあり様が見つかるのではないかと思う。
 今日のデータをじっくり整理してレポートしたいと思っている。

 


千曲川の治水について、さらに研究と議論を深めましょう

 熊本県など九州で大規模な豪雨被害が発生しています。
 昨年の台風19号災害、その前年の西日本豪雨災害、さらに前々年の九州北部豪雨災害と、大規模豪雨災害が毎年発生するようになっています。背景にあるのは気候変動(地球温暖化)ですね。
 台風19号災害の復旧もまだまだという中で、梅雨後期の大雨期の次には台風シーズンが控えています。川の氾濫、土砂災害、さまざまな災害に備えなければなりません。
 本号では、7月初旬の千曲川の月岡集落付近の様子を観察し、考えてみました。

 


 何処を撮ったものか、お分かりいただけるでしょうか。
 写真左上の家並みがヒントになるかもしれません。日隠橋(村道月岡小滝線)の上から百合居橋方向を撮影したものです(7月5日)。
 千曲川はここで流れの方向を東に変えるのですが、スムーズに曲がって流れるのではありません。一度、日隠橋の下の断崖にドーンとぶつかるのです。上の写真はその様子を撮影したものです。
 このため、千曲川の流れは「いったん止まる」と表現しても間違いではなく、大水時の水のスムーズな流下を妨げます。

 県建設事務所は先月、村議会の治水対策要望の1項目「月岡工区下流部での千曲川の氾濫について、河川管理者が災害の実情について調査し、氾濫に対する対処方針を明らかにすること」への回答の中で、「河川災害復旧助成事業に係り築堤計画策定時において検討」とすると共に、「令和2年度は応急対策として、マレットゴルフ場対岸(小滝地区)での河道掘削を実施します」としています。
 上の写真で示した箇所の流れをスムーズにするために、たしかに必要なことだと思います。と同時に、それだけでは不十分だと思います。3枚の写真を示します。

 


 まず、左写真は千曲川が東方向に流れを変えた先の様子です。写真左端に見える砂地は台風19号で護岸が崩れた跡です。川の様子が写真中央よりやや上のところで変わっています。左岸側が浅くなっています。ここから先の流れがもっとスムーズになるようにする必要があるのではないでしょうか。

 


 写真はマレットゴルフ場先の被災箇所。大水が来たら、また抉(えぐ)られること必至です、

 

 

 その手前の左岸。ここは護岸措置が施されていません。「河川災害復旧助成事業に係り築堤計画策定」に際しては、この箇所も対策してもらわないと、箕作・月岡地区の災害防止を実現することができないと思います。

 


栄村復興への歩みNo.385(6月1日付)

 

台風19号被害から復旧し、田植えを終える
 千曲川沿いに田植えを終えた田んぼがきれいに並んでいます。
 月岡の後川原(うしろがわら)の田んぼです。台風19号では増水した千曲川の濁流が流れ込み、田んぼは完全に水没しました(下1枚目写真)。水がひいた後は大量の川砂、ごみが残され(下2枚目写真)、畔や水路も壊れました。
 今春の雪消え後、県費での災害復旧工事が行われ、なんとか田植えに間に合いました。よかったです。ただ、今年ももう間もなく梅雨期に入り、出水期を迎えます。根本的な治水対策は未だなされていません。箕作・月岡の堤防嵩上げをはじめとする千曲川の治水工事の抜本的強化にさらに関心を注ぐことが必要です。

 

 


 


栄村復興への歩みNo.376(2月2日付)

 

千曲川緊急治水対策プロジェクト、栄村の治水対策を読みとり、考える
 2月1日、信濃毎日新聞で台風19号災害をうけての「緊急治水対策プロジェクト」について予算規模、対策工事実施箇所等が報道されました。お読みになった方も多いと思います。
 信毎はかなり紙面を割いて詳しく報道してくれていますが、記事を読んでも栄村域内の千曲川の対策はほとんどわかりません。1頁冒頭の図をご覧ください。
 これは国交省北陸地方整備局が1月31日に発表した「緊急プロジェクト最終とりまとめ」の中にある対策工事等の「位置図」から栄村に関係する部分を切り抜いたものです。図の中の印の意味はつぎのとおりです。

 

 

 

 この図(と関連文書)から、栄村での対策は、箕作・月岡地区での堤防整備*、大巻川・天代川・北野川・志久見川での災害復旧工事、中津川(屋敷)での災害復旧工事、中津川での砂防堰堤工事であることがわかります。箕作・月岡での堤防整備はH27年度策定の河川整備計画にある堤防整備計画の実施であり、その計画からのさらなる延長や嵩上げは入っていないと見られます。
    *なお、図では箕作・月岡の堤防整備箇所のすぐそばに

     「×」印が入っていますが、これが示す災害復旧工事が

     何であるのかは、この原稿を書いている段階では未判明

     です。すでに国の査定が済んでいる平滝の農地・農道崩

     落箇所での護岸工事を指している可能性があると思いま

     す。


● 災害対策と地域メディアの重要性
 「信毎を詳しく読んでも栄村域内での対策の内容が分からない」というのは、信毎の責任だとは私は思いません。信毎は長野県全域を対象とする新聞ですから、紙面にも限りがあって、今回のような場合、栄村域内の対策内容までは掲載できなくてもやむをえないからです。
 そこで重要になるのがもっと狭い地域範囲を対象とする地域メディア、ミニコミです。栄村で地域紙といえば妻有新聞が思い浮かびます。でも、妻有新聞でも、本紙今号の1頁の図などを掲載することが難しいことはありえるかと思います。やはり栄村には栄村の地域メディアが必要になってきます。私は9年前の震災以降、そういう思いもあって本紙「栄村復興への歩み」を発行し続けてきました。役割を充分に果たせているとは言えないと思っていますが…。

 私はじつはスマホを使っていません。ガラケイのままです。それなりの理由があってのことです。私がfacebookやtwitterに発信する場合はパソコンからのものです。ただ、これからの災害を考えると、スマホを駆使しての地域メディアの情報発信も必須かなと思います。ただ、今から私がその役割を果たすことには躊躇があります。若い世代の人がそういうことにチャレンジしてくれるといいなあと思っています。どなたか手を挙げていただけないでしょうか。
 こんなことを言うのは、台風19号災害を振り返る中で、ある問題提起を目にしたからです。その問題提起の趣旨を簡潔にまとめると、「災害時、テレビやラジオでは視聴者が暮らす地域の緊急情報が充分に伝わらず、逃げ遅れなどの問題が生ずる」ということです。「緊急治水対策プロジェクト」でも「逃げ遅れ」をなくすために情報発信・伝達をどう改善するかが重要課題の1つとして取り上げられています。なかなか難しい問題ですが、真剣に検討する必要があります。

 

● 台風19号での栄村での災害・被害の状況を詳しく検証し、住民全員共有の認識にすることが大切
 村民のみなさんは、台風19号の際、千曲川の水位が百合居橋付近でどのように上昇していったのかをご存じでしょうか。百合居地区の人も含めて、詳しくはご存じない方が多いのではないでしょうか。
 次の数字をご覧ください。

 

  日付   時刻   水位(cm)
  12日  23:00   320
  13日   0:00          360

                   0:30          375

                   1:00          400

                   1:30          420

                   2:00          450

                   2:30          480

                   3:00          500

                   3:30          550

                   4:00          610

                   4:30          660

                   5:00          700

                   5:30          750

                   6:00          800

 

 これは百合居の排水門のところにある水位計で10月12日夜から13日朝にかけて1時間毎ないし30分毎の水位の変化を記録したものです。月岡の関係者がメモされていたものを教えていただき表にしました。
 午前3時以降、30分間で水位が50センチ上がっていることがわかります。12日午後11時〜午前3時の間よりもいっきに水位上昇のテンポが速くなっています。
 この水位観測データを基に、箕作の人たちは浸水が予想される倉庫から農機具等を移動・避難させること、月岡の人たちは暗闇の中での避難行動を避け、夜明け近い時間帯での避難行動を選択することが可能となりました。
 これは現場で警戒にあたっていた消防団の、長年の経験をふまえた沈着冷静な判断が導いたものだと思います。この他にも、減災のために、災害発生時前に箕作や月岡で実施されたさまざまな措置があります。
 こうしたことを記録として留め、地域の住民全員が共有するものとすることが大事です。それはまた、他の地域の人たちにも役立ちます。実際、津南町の人は「足滝では収穫したばかりのお米や農機具がダメになってしまったのに、栄村の箕作・月岡ではなぜ農機具などの被害を防げたのですか」と尋ねてこられています。記録集をお見せし、「こういう行動をするといいんだよ」とアドバイスできるようになると良いと思います。

 

10月13日午前6時の百合居橋付近の水位状況(写真右に百合居橋が見える)

 

● 2月13日の箕作公民館での話し合いに注目
 県北信建設事務所職員を招いて、箕作・月岡での堤防改修についての話し合いが2月13日(午後6時半)に開催されます。元々は地区住民を対象とするものですが、村議会議員にも案内されています。
 これは「説明会」ではありません。「話し合い」です。
 建設事務所から「緊急プロジェクト」等についてしっかり聞くと同時に、地元側が台風19号の被害の実相と地元がとった避難行動・減災対策等をしっかり説明することが大事だと思います。それによって国・県にとってもらわなければならない対策(堤防の延長、内水排水、大巻の農地の洪水流入防止対策等)を浮き彫りにして、建設事務所の理解を得られるようにしていくということです。2年前にも話し合いの機会があったようですが、建設事務所は「災害時、いっぱい写真を撮っておいてください」と言っていたようです。大巻の田んぼ・畑への洪水の流入の様子など、リアルに伝えることはとりわけ重要だと思います。
 2月13日の話し合いに注目したいと思います。

 


大巻地区の田畑への洪水の流入。赤ラインの左は、平時はすべて田畑。


遊水地整備は大きな決断。我が事として注目しよう。

 今回の「緊急プロジェクト」では、千曲川流域の4ヶ所(ただし、犀川の1ヶ所を含む)で《遊水地の整備》が打ち出されました。
 これはきわめて重要なことで、私は非常に強い衝撃をうけ、かつ、感心しています。
 本紙No.372(12月23日付)で報告したとおり、私は昨年12月22日に千曲川沿いを佐久市まで辿ってみました。私の1つの目的はじつは、〈佐久市〜千曲市の間に遊水地を確保することができるか〉を実地見分(けんぶん)することにありました。ただ、千曲川沿いに住宅が多いところなどは立ち退き問題が生じますし、農地の場合も地権者の了承を得ることの大変さが念頭にあり、No.372では遊水地のことを真正面から書くことはできませんでした。日和見(ひよりみ)であったと言われれば、そのとおりだと思いますが…。
 私が「遊水地が必要」と考えたのは、千曲川の源流部〜佐久〜千曲市間の勾配と、長野市より下流域の勾配の大きな違いです。千曲川が流れる地域の標高の差を示す図を再掲します。上流での勾配率1/50、長野盆地〜飯山盆地での勾配率1/1,000〜1/1,500という数字に注目してください。

 


 長野盆地等で氾濫させないためには、1/50を下ってくる大水を途中で少しでも貯留させて、「いっきに流下する」ことを食い止める以外にないと思います。
 「緊急プロジェクト」で打ち出された佐久市と千曲市の「遊水地整備候補地」を見てみましょう。

 

 

 

 いずれも候補ゾーンだけが示され、「遊水地の位置、対策内容については、今後の調査・検討等を踏まえ、決定する」と但し書きされています。
 佐久市の候補ゾーンはじつは私も「ここは候補地だなあ」と思っていたところです。No.372の冒頭写真で示した場所の周辺です。農用地が主たるゾーンですが、幹線道路の国道141号線が通っており、また佐久市の新興市街地も近いところです。
 千曲市の候補ゾーンは次の写真で示すあたりです。千曲川の水位を知らせる時に「杭瀬下(くいせけ)」として出てくるところです。 

 

千曲橋上流左岸から撮影。写真右奥に市役所新庁舎が見える。

 

左岸堤防内側すぐの所に住宅

 

千曲市市役所新庁舎


 このゾーンの河川敷にはスポーツ施設等があります。これは台風19号の際には水没しました。しかし、この河川敷だけでは十分な遊水地の確保はできません。そこでさらに千曲川沿いの地域に目を向けると、「遊水地の確保は大変だなあ」というのが私の実感でした。なぜなら、堤防のすぐ内側には住宅が密集しています。また、右岸には昨年8月に新築オープンしたばかりの千曲市役所庁舎があります。

 以上のような状況ですので、「緊急プロジェクト」で遊水地整備が打ち出されたのは本当に大きな決断だと思います。
 千曲市役所周辺の浸水については、「その原因が霞堤にあるのではないか」という見方が市長から出されるなど、論議があります。2月2日の信毎によれば、千曲市は台風19号での浸水をコンピューターで解析するシミュレーションを行うとしています。きわめて冷静で的確な措置だと思います。その結果も踏まえて、遊水地をどのように確保するか、慎重に検討されることを望みます。と同時に、千曲市から遠く離れた栄村でも、この問題を他人事としてではなく、我が事として受けとめ、考えることが必要だと思います。そうしたことによってこそ、《上下流一体となった治水対策》が可能になるのだと考えます。

   *霞堤:堤防のある区間に開口部を設け、その下流の堤防を

    堤内地側に延長させて、開口部の上流の堤防と二重になる

    ようにした不連続な堤防。
 なお、中野市・飯山市で検討される遊水地は、立ヶ花狭窄部と戸狩狭窄部での河床掘削との関係で必要不可欠になるものだと思います。今回は詳しく触れることができませんが、この箇所についても我が事として受けとめ、考えていくことが必要だと思います。


千曲川の災害、国交省はどう対応しているのか

 抒情的な話題から一転して、厳しい現実に話題を転じます。千曲川の災害の話です。

 

● 信毎1月12日記事の衝撃
 本紙No.374(1月11日付)を発行した後、12日付の信濃毎日新聞に紙面2頁ぶち抜きの「流域見直し 大河と向き合う」という特集記事が掲載されました。紙面全体を使った大きな地図に《主な被害》が書き込まれています。

 


 ここには栄村百合居地区での氾濫・越水・浸水は書き込まれていません。私は危機感を抱き、「声を大にしないと、栄村の災害の事実が消されてしまう!」というチラシを主に月岡・箕作地区でNo.374と共に配布しました。村全体へのお知らせは今号が初めてとなります。
 じつは11月下旬だったと思いますが、やはり信毎で千曲川流域の被害一覧の地図から「月岡」が消えていました。10月中旬の地図でははっきり「月岡 越水」が書き込まれていたのですが。

 

● 国交省の「令和元年台風第19号等による被害状況等について(第52報)」
 その後、さらにweb検索で「令和元年台風第19号等による被害状況について(第52報)」という国交省の1月10日付の文書を見つけました。A4判で143頁もあるものです。(下写真)

 


 百合居地区での千曲川の氾濫・越水・浸水、たしかにこの国交省文書には書き込まれています。下に国交省の文書の中の該当箇所を示します。

 


 この表の各項目の意味はつぎの写真を見てください。

 

 

 栄村での千曲川に関わる被害は「浸水家屋」が床上2戸、床下2戸で、その浸水の原因は「越水」であること、「田畑等浸水」は空欄のまま、そして「被害状況」としては「浸水解消」となっています。栄村欄の上欄や下欄にある東御市や佐久市の被害箇所では「田畑等浸水面積」の項が「調査中」となっているもの、「被害状況」の欄に「緊急復旧中」と記載されているものがあります。
 とにかく、「田畑等浸水」の記録がないこと、「応急復旧中」の記載もないこと、まったく納得がいきません。
 そして、千曲川の水位がかつてなく上昇し、大巻の田畑が完全に川の一部と化して、大量の土砂等が流入したこと(県(国)はその復旧工事の必要性を認め、予算措置をしたのだが)、さらに平滝の明石大橋(建設中)のすぐ下流の左岸で千曲川の増水で田んぼと農道が崩落したこと(これも田と農道の復旧経費は予算化された)、こういう被害状況が国交省の被害データにまったく反映されていません。これも納得し難いことです。

 

● この事実は今後にどのような悪影響をもたらすか
 このような状況では、第1に、百合居での今回の越水が、既存の千曲川整備基本計画にある堤防計画の見直し(嵩上げ・延長等)につながらない可能性が大ということになります。別の言い方をすれば、前号で紹介した「緊急治水対策プロジェクト」の対象にならないということです。
 第2に、大巻の田畑の増水による水没は治水対策の検討対象にすら上がらない可能性が大だということ。

 

大巻の田畑が完全に水没し、千曲川の濁流は住家のすぐそばで渦巻いている。10月13日午前9時16分撮影。これが「被害」として認知されていないとは、一体、どういうことなのか?!


 第3は、平滝の田・農道の崩落箇所について、台風19号レベルの水害に耐えうる護岸工事はなされない可能性が高いということです。

 

● 問われているのは栄村行政の力、もう1つは住民力
 村行政はこういう状況をきちんと認識し、危機感を抱いているのでしょうか。台風19号災害以降の議会や議会全員協議会での村長の発言・答弁を聞くかぎりでは、そういう危機感は私には感じられません。森川氏はよく「国との太いパイプ」ということを口にしますが、昵懇の関係にある国会議員がいるかどうかという問題ではありません。国の関係役所にきちんと被害データを示し、対策措置の必要性をしっかり訴えていけば、それは必ず通じるものです。私は戯言(たわごと)を言っているのではありません。震災等の際の自分自身の経験に基づいて言っています。また、これは首長の政治的行政的指導力の問題であって、断じて「役場担当職員の責任」という次元の問題ではありません。首長の災害に対する感受性、村民への思い、そして政治的判断力・行動力が問われているのです。
 もう1つの問題は住民自身がどのように声を出すのかということです。前号でも「国(県)待ちではダメ」と書きましたが、住民自身が国や県に直接訴えていくのでないと、栄村の千曲川の対策は進みません。長年にわたって住民が主体となって堤防強化等に取り組み、要望を実現してきたお隣の桑名川に学ぶことが必要だと思います。是非、頑張りましょう。