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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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下高井農林高校を“地域の学校”として栄村みんなで応援していきましょう

● 活躍する栄村の農林高生たち
 この1ヶ月ほどの間に、栄村の農林高生が3人もテレビニュースに登場しました。3年生13名が穂保の堤防復旧工事現場を研修で訪れた際の広瀬海人君(青倉)、月岡虎太郎君(森)、高校野球夏季長野大会に部員不足で単独出場が危ぶまれた時、助っ人として登場した滝沢新史君(森)です。
 凄いことです。栄村のみならず、飯水・岳北地区全体で大きな話題になっています。

 

● 下高井農林高校は、「県が配置する」ものではなく、地域が創立した地域に欠かせない学校
 すでに本紙で何回も取り上げている県の「第挟高校再編」、県教委は「高校配置」という言葉を頻繁に使います。高校に進学する県下の15歳人口の推移を見ながら、高校数と配置場所を決めるという発想です。そして、下高井農林高校について、「在籍生徒数120人」を基準に存続か否かを決めようとしています。
 しかし、この考え方は根本的におかしなものです。
 そもそも下高井農林高校は県が創った学校ではありません。下高井農林の創立は明治39(1906)年のこと。下高井郡会(当時は郡に議会がありました)の議決によります。いから今年で創立114周年になります。

 

下高井農林高校(正門前から)


 下高井農林の創立をめぐっては、少なくとも3つのことを知っておく必要があります。1つは、地域の産業振興のために実業学校が必要だと地域の人たちが判断したことです。そのことを象徴するのが「農林」という校名です。明治時代に長野県内で設立された農学校は12校ありますが、林業を校名にしているのは木曽山林学校(明治34年)と下高井農林の2校のみです。「この地域の農業は……米作と畑作と養蚕などを合わせた農業の他に、それに次ぐ産業として、林業にも力を注いでいる」(『百年の歩み』長野県下高井農林高等学校創立百周年記念実行委員会刊、339頁)という認識があったのです。
 2つは、明治39年には下高井郡で2つの農学校が同時に創立されていることです。岳南の中野町に下高井農蚕学校が設立されます。1つの郡に2つの農業学校が同時に設立されるのは珍しいこと。岳南と岳北の人口比、岳南地域選出議員が郡会の中で占める比率の高さからすると、奇跡的なこととすら言われます。岳北の地域の熱情が岳北選出議員の奮闘を引き出したのです。
 3つは、穂高村(現在の木島平村は「昭和の大合併」で、穂高村、住郷村、上木島村の3村が合併して成立)が穂高村中村の旧穂高小学校の敷地と校舎をそっくり下高井郡に寄贈したことです。旧小学校の校舎といっても築10数年のものです。これがなければ、1郡2校の農学校の設立はありえなかったといえます。前頁の写真右手に2本の松の木が見えますが、これは「二本松」と呼ばれ、旧穂高小学校から引き継がれているものです(下写真参照)。

 


 以上の3点からわかる「地域にとって不可欠な学校」ということは、今日においても何ら変わりません。それどころか、私たちの地域の資源・特性を活かすこれからの地域づくりを考えた場合、「農林高校」の必要性はますます高まっているといえます。

 

 長くなるので、今回はここまでとしますが、下高井農林高校の歴史や現在の生徒たちの活躍ぶりをどんどん栄村民共通の認識として、「農林頑張れ!」の声を村じゅうに広げていきたいなあと思います。

 


栄村復興への歩みNo.388(7月8日付)

 

 五宝木にて7月7日朝、撮影。赤い屋根は山田政治さん宅。


下高井農林高校を存続させよう

 

 7月17日、飯山市の文化交流館「なちゅら」で、高校再編に関する「住民説明会」が開催されます。主催者は県教育委員会です。(午後3時と午後6時の2回開催)
 3月24日に公表された高校の「再編・整備計画【一次】」(案)では、岳北地区については、「今後の学校配置」の項では「当面の間、現状の高校配置を維持する」としながら、その後(うし)ろに「今後の検討が必要な計画」として「将来的に学校規模の縮小や再編基準への該当により2校の存続が困難になった場合は、下高井農林高校を飯山高校の地域キャンパスとする」と書き込んでいます。これは、下高井農林高校の地域キャンパス化(=分校化)に反対し、その存続を求めた栄村議会、木島平村議会、野沢温泉村議会の意見書を無視し、踏みにじるものです。県教委の暴挙・暴走と言わざるをえません。
 県教委の暴走をとめるためにも、17日の説明会への参加を呼びかけたいと思います。


● 「高校再編の基準」と岳北地域の現状
 県教委は「再編に関する基準等について」というものを決めています。それによれば、中山間地の高校(「中山間地存立校」と呼ばれる)の場合、
  ・ 募集定員は120人以上が望ましい
  ・ 在籍生徒数が120人以下の場合、
   もしくは、在籍生徒数が160人以下かつ卒業生の半数以上が

   当該高校へ入学している中学校がない状態が2年以上続いた

   場合には、再編対象とする
  ・ 再編方策は、‖捷擦箸療合、地域キャンパス化(分校化)、

   「中山間地存立特定校」の指定、な臀個篁漾△里い困譴と

   する
とされています。
 岳北地域(旧第1通学区)には、現在、飯山高校と下高井農林高校の2つの高校があります。
 飯山高校は、現在、募集定員200名で、クラス編成は普通科2、探究科2、スポーツ科学科1の計5クラス。R元年度在籍生徒数は621名です。下高井農林高校は募集定員80名、クラス編成はグリーンデザイン科、アグリサービス科の2クラス。R元年度在籍生徒数193名、県教委は、「1クラス40名」をクラス編成の基準としています。
 下高井農林高校の場合、昨年後半期に新聞報道等で「分校化」の懸念が伝えられたためか、今年度の入学者が55人に減少し、心配されています。

 

● 「2035年(R17年)の中学校卒業予定者数の予測」を前面に押し出す県教委
 県教委が「高校再編」の議論で前面に押し出すのが「中学校卒業予定者数の予測(2017年〜2035年)」というものです。
 それによれば、岳北地区(旧第1通学区)は、
    2017年(H29年) 320人(A)
    2020年(R2年) 265人
    2035年(R17年) 156人(B)
と予測されていて、(B)−(A)=マイナス164人、(B)/(A)=49%であるとして、
    飯山高校、下高井農林高校の2校で4クラス(156÷40は4弱)

    の維持すら困難になるので、2つの高校は維持できない。再

    編の対象となる
と結論づけています。
 まったく数字のみの判断で、それぞれの高校の存立意義や歴史、地域の想いなど、まったく思慮に入れられていません。
 また、そもそも、「中学校卒業予定者数の予測(2017年〜2035年)」ですが、私たちの地域の村づくり、地域づくりの努力をまったく否定するものです。
 わが栄村でも「少子高齢化」と人口減少が進んではいますが、ちょうど「2035年の中学校予定者」に該当するH31年4月2日〜R2年4月1日の間に誕生したお子さんが現在8人おられます(村での誕生者と転出入を合算)。近年の栄村ではとても多いといえます。そして、ご両親の双方あるいはいずれかがIターン者であるケースが過半以上を占めています。これから、栄村、さらに他の3市村が移住・定住の促進=地域づくりを進めていった場合、「2035年の中学校卒業予定者」が大きく増える可能性を否定できないのです。
 ましてや、コロナ禍の中で、東京でのアンケートで、「東京在住は無理」とし、とくに若い世代に「地方への移住を望む人が多いという結果が出ています。“テレワーク”というものが普遍化し、東京への移動時間が短い(3時間以内)我が地域への若者(世帯)の移住が展望できる時代になってきているのです。

 


農林高校の新聞(役場ロビーで入手できます)

 

 今回は、高校再編をめぐる現状、とくに生徒数をめぐる問題を紹介しました。数字のみを偏重した拙速(せっそく)な結論(決定)は避けるべきです。
 高校問題への関心を高め、地域での議論を広げて、県教委の独走・暴走にストップをかけましょう。7月17日の「説明会」に是非、ご参加ください。
参加は予約制です。メール(kokoshitsu-info@pref.nagano.lg.jp)または電話(026?235?7452)で、参加日時・氏名・市町村名を伝えて前日までに申し込み。

 


「夢を語れる学校づくり」――下高井農林高校の存続へのモデルを学ぼう!

● 「高校再編(一次分)」での決定をひとまず食い止めました
 前号でお伝えした下高井農林高校の存続をめぐる問題、3月24日の県教育委員会の定例会で何が打ち出されるかが注目されました。
 私は県庁8階の「教育委員会室」で開催された定例会を傍聴してきました。結論から先に言うと、「下高井農林の地域キャンパス化(分校化)」が「高校再編(一次分)」に盛り込まれることにギリギリのところでストップをかけることができました。

 

 

 これが県教委の「再編・整備計画(一次分)」の旧第1通学区(岳北地域)に関する記述内容です。「地域キャンパス化(分校化)」は「今後の高校配置」(=再編・統合)から外され、「今後の検討」に先送りされました。
 この「今後の検討」というのは、私たちが油断をしないかぎり、来年3月の県全体の高校再編計画決定時まで「猶予期間」が確保できたということです。

 

● 下高井農林高校をどんな学校にしていくのか
 そこで、これから私たちに問われるのは、《下高井農林高校をどんな学校にしていくのか》ということです。
 私たちは、いま現在の下高井農林高校で実現されていることの素晴らしさを学ぶことが必要だと思います。下写真は3月28日の信毎北信地域版の記事。「木鋪さん考案パン」は農林の素晴らしさの1つの事例であって、これがすべてではありません。国際部(部活の1つ)の生徒が英語会話力を駆使して、インバウンド観光客にインタビューし、北信地域の魅力を探るというような活動もあります。

 

 

●『奇跡の学校』を紹介します
 私は『奇跡の学校』(光村図書発行、現在品切れ、ネットで中古本入手可能)という本をネットで購入し、3月29日夜、2時間ほどでいっきに読みきりました。2006(H19)年から3年間、村立おといねっぷ美術工芸高校の校長を務められた石塚耕一さんが書かれたものです。生徒たちがどのような状況で高校に入学し、3年間の学びを通じてどのように成長していったか、じつにいきいきと描かれています。

 


 石塚さんが赴任時に示された「学校経営方針」のタイトルは「夢を語れる学校づくり」。そして、「すべての教職員が一人ひとりの生徒を大切にする」、「一人ひとりの生徒の可能性を見つけ、伸ばし、自信を与える」などの項目が掲げられています。本に書かれた事例を読むと、たとえば小学校・中学校で不登校だった生徒が高校の学びの中で自らの可能性を見つけ、自信をもって巣立っていく様子などが手にとるようにわかります。世界的レベルの家具デザイナーをめざす卒業生も誕生しています。
 私たちがめざすべき下高井農林高校像を探っていくうえで大いに参考になると思いました。
今後は、下高井農林の生徒さん、卒業生にみなさんにお会いして、農林の無限の可能性を探っていきたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
栄村復興への歩みNo.379
2020年3月30日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


栄村復興への歩みNo.378(3月20日付)

 

 

地域の力で下高井農林の存続を!
 写真は下高井農林高校の生徒さんが考案された「野沢菜おやきパン」です。とても美味しい! 3月2日に野沢温泉村道の駅で購入し、写真を撮りました(パンについて詳しくは3頁)。
 栄村議会は3月定例会で、「下高井農林高校の地域キャンパス(分校)化ではなく現在のまま存続を求める意見書」を可決しました。木島平村議会では13日、野沢温泉村議会では19日に同様の意見書が可決されました。他方、飯山市議会では残念ながら意見の一致をみることができませんでしたが、5名の市議が下高井農林高存続の立場を明確にされました。

 

● 状況は緊迫しています
 県教育委員会は3月24日に定例会議を予定していて、そこで「第2期高校再編第一次分」を具体的な高校名を入れて決定しようとしているようです。栄村議会の意見書はまさにその「第一次分」に下高井農林高校を含めないよう求めるものです。
 下高井農林高校の存続の可否は栄村を含む岳北地域の存亡にかかわる大問題です。高校・教育の問題であると同時に、地域の問題そのものだとうけとめて、考え・行動する必要があります。

 

● 「中学生人口が減れば高校をなくす」――そんなことでは少子高齢化対策はできない
 県教委が進める「高校第2期再編」は、
   ・ 岳北地域の中学校卒業生は、平成30年の265名に対し、

    15年後には167名(H30年の約63%)に減る。飯山、農

    林2高校のクラス数は7から4に減る
ことを前提として、
   ・ 生徒数が120人以下、もしくは160人以下で中学卒業生

    の半数以上が当該高校に入学してくる中学校がない状態が

    2年連続した場合は、飯山・農林の統合か、地域キャンパ

    ス化(分校化)する
としています。
 じつに馬鹿げた、過疎地域を蔑(ないがし)ろにした考えです。
 高校を減らしたら、地域が守られるどころか、中学生がいる家庭はこの地域から脱出しようとするでしょう。高校再編は究極の岳北地区潰し策だと言わざるをえません。

 

●人口800人の村が村立高校を43年間運営し、全国から注目されています(北海道)
 長野県の高校再編策、岳北地区の首長さんたちが認める下高井農林分校化路線とまったく逆をいく地方自治体があります。
 北海道でいちばん小さな村、音威子府村です。「おといねっぷむら」と読みます。人口わずか800名。北海道北部に位置する村です。

 


 ここに道立ではなく村立の高校があります。音威子府美術工芸高校です。生徒たちが造る(創る)作品は優れていて、全国から注目されています。私はNHKの番組「ぐっさんの国道トラック旅 札幌〜稚内」で山口智充さんと女優の田中美佐子さんが同校を大型トラックで訪れる様子を見て、この高校の存在を知りました。
 「廃校」がささやかれた昭和53年に赴任した狩野剛校長は音威子府村を隅から隅まで視察し、村の宝物である「豊富な木材」と「村人の心の熱さ」に着目、《全国どこにもない高校づくり》に人生をかけることにしました。それから43年、音威子府美術工芸高校は全国から注目が集まる高校になっています。生徒は道内各地はもとより、全国から集まり、約120名です。生徒たちはチセネシリ寮という全生徒が入寮できる寮で暮らしています。
 音威子府村は、村民の2割近くが高校生という、とても夢ある村になっています。

 

● 生徒たちが次々と実績をあげている下高井農林高を地域の希望の星に!
 下高井農林高校の生徒たちは、地域に密着したユニークな活動に色々と取り組んでいます。信毎で紹介された飯山の伝統工芸「小沼箒」の技の継承はその一つですね。栄村の森集落が4年前から取り組んでいるソバ栽培の収穫祭でソバ打ちの先生役を務めているのは栄村在住の農林校生です。
 そんな生徒たちの取り組みの中で誕生したのが1頁に写真紹介した「野沢菜おやきパン」です。
これは、毎年、静岡県の伊豆の国市で開催される「全国高校生パンコンテスト」の第14回大会(本年1月18、19日)で同高の木鋪杏莉さんが「特別賞」(日清製粉賞)を獲得したものです。全国から435名がエントリー、第1次書類審査を突破した24名が伊豆の国市に集い、パンづくりの技を競いました。
 「野沢菜おやきパン」はまずパン生地がとても美味しい。一流のパンです。そこに適量の野沢菜がサンドされています。野沢菜が目立ちすぎることもなく、パン生地と絶妙のバランスです。是非、一度お試しください。きっと大きな満足をしていただけることと確信します。(お問い合わせは下の電話番号へ)

 


 農林高校生は地域の希望です。下高井農林高校を岳北地域の宝としていくことこそ、栄村をはじめとしてこの地域が持続可能な山村として活性化していくキーポイントとなると思います。みんなの力で下高井農林高を守り、育てましょう。

 

 


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