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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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ミズタビラコという花

 6月29日に中条川2号崩壊地の谷止工工事現場の様子を見に行き、不動滝の様子を撮影しようと滝壺に近づいた時、足元に見たことがない小さな花が咲いていました。

 


 上の写真は7月11日に再撮影したものです。花は直径2〜3伉度の本当に小さな花です。
 よく似た花にキュウリグサというものがあるそうですが、キュウリグサが「畑や道ばたに普通に見られる」のに対して、ミズタビラコは「山地の渓流ちかくの水辺や湿地などに生育する」ものです。また、花の真ん中がキュウリグサは黄色なのに対して、ミズタラビコは白いという違いもあるようです。
 ミズタビラコが咲いている場所は下の写真に見られるように、滝壺のすぐ近くで、沢水が流れているところです(写真ので囲ったところ)。

 

 

 この花が何という花なのか? 当初、ある別の花ではないかと思っていたのですが、花や生き物に詳しい知人に問い合わせたところ、ミズタビラコが浮かび上がってきました。漢字では「水田平子」と書くそうです。
 ミズタビラコをWebで検索する中で、コシジタビラコというものもあることを知りました。果実の分果の周辺部が白っぽい突起した部分で縁(ふち)取られたようになっているのがコシジタビラコビラコで、ミズタビラコにはそういうものは見られないとのこと。そこで、11日の昼、もう一度、現場に見に行った次第です。

 

ミズタビラコの果実。右上の黒いのは果実が熟したもの


 上写真が果実を撮影したものですが、「分果の周辺部が白っぽい突起した部分で縁取られている」という様子は見られませんでした。
 しかし、コシジタビラコの「コシジ」の漢字表記は「越路」、そして分布地は「近畿〜東北の日本海側」とされ、野花に関するブログでコシジタビラコとミズタビラコを紹介されている人は両方がすぐ隣り合わせに咲いている状況を確認したと報告されているので、コシジタビラコもあるのではないかとまだ期待しています。ただ、その観察は来年のことになるでしょう。


《前号のコシジシモツケソウについて》
 前号のTOPで紹介したコシジシモツケソウについて、複数の方から「トリアシショウマのことか?」と尋ねられました。たしかに、形は似ていますね。しかし、まず遠くから見ても色の違いが明瞭です。コシジシモツケソウは濃いピンク色であるのに対して、トリアシショウマは白っぽいですね。
 また、分類でいうと、コシジシモツケソウはバラ科シモツケソウ属、トリアシショウマはユキノシタ科チダケサシ属で、まったく異なる種です。
 いまの時期、コシジシモツケソウは終わっていますが、トリアシショウマは山に入るとまだまだ咲き始めで、とてもきれいですね。


日出山線のエゾアジサイは間もなく見ごろ

 この時期、村内を走っていて、エゾアジサイが最もきれいなところは日出山線だと思います。
 今年はアジサイの咲き具合がやや遅めという感じがしますが、日出山線では道沿いに開花したアジサイがズラッと並ぶ箇所がいくつか見られるようになりました。下写真は3日昼頃の撮影です。

 


 逆巻から日出山線へ進み、10分以上走って上日出山を越えてさらに数分進んだあたりからがエゾアジサイ群生場所です。秋山方向にむかって道路左側がとくに群生しています。
 道路幅が狭いので、車を停めてじっくり見たいという場合は、離合のための待機スペースとして道幅が広くなっているところがありますので、そこに停めるとよいでしょう。7月3日から1週間後頃が見ごろかもしれません。

 

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栄村復興への歩みNo.361
2019年7月3日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


木の花の写真二点

 

ナナカマドが花を咲かせている姿です。
秋の真っ赤な実は有名で、写真もよく紹介されますが、春の花が取り上げられることはあまりないのではないでしょうか。私も今回初めてカメラをむけました。花のクローズアップも紹介します。

 

 

 もう1枚、5月15日に野々海に向かう途中で撮ったものです。前々から「不思議な花(木)だな」と思っていましたが、樹木図鑑を調べると「ウワミズザクラ」というそうです。似たものとして「イヌザクラ」というものがあるそうで、もう少し厳密に確認作業をしなければならないと思っています。

 

 

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栄村復興への歩みNo.359
2019年6月3日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


マルバマンサク

 

 雪深い栄村で真っ先に咲く花といえばマンサクですね。 昨年は平滝から野々海に上がる道路沿いで撮ったのですが、6日に行ってみると、道路除雪がまだ昨年の撮影地点まで進んでいなくて、翌7日、森の開田を上がって撮影しました。
ある人の話では、「道が開いた直後(3月上旬)に雪の中から枝が跳ね上がるとすぐに花をつけた」とのことですから、ひと月遅れの撮影ということになってしまいますね。
 昨年も書いたかもしれませんが、栄村で見られるマンサクは正確には「マルバマンサク」というもので、雪深い地域に咲くものです。マンサクは主に本州の太平洋側、四国、九州の山野で見られ、マルバマンサクとマンサクでは葉の形に違いがあるそうです。「あきた森づくり活動サポートセンター」の総合情報サイトによれば、「マルバマンサクの葉は、倒卵形または倒卵状円形で先は半円形になるが、マンサクは、菱形状円形で先は三角状にとがる」そうです。たしかに私が昨春、花の後に出てきたのを見た葉っぱは先っぽが半円形でした。しばらく先になりますが、葉が出てきたら撮影して紹介したいと思います。

 

        開花直前の蕾のようす

 

● 結束素材としてのマンサク
 上の写真を撮った日の夕刻、トマトの国でお湯に浸かりながら、森の広瀬敏男さんから、「マンサクの枝をねじって、いろんなものを結わえたんだ」というお話を聞きました(表現が正しく再現できていないかもしれませんが)。
 上記した「あきた森づくり活動サポートセンター」のサイトでは、「マンサクは生のうちに、ねじって繊維をほぐして縄のように使う。皮つきのまま河川工事用の柵や蛇籠の材料、背負いかごの骨組みにも利用された。昭和20年代までは、薪や炭俵、粗朶、刈柴を結束するのに用いられた」と紹介されています。世界遺産になっている白川郷の合掌づくりの屋根下地の部材の結束にも使われているそうです。
 機会を見つけて、一度、やってみたいと思います。

 

 

 これはこの時期にしか見られない景色。森開田の道路沿いのマンサクの先に青倉集落が見えます。


花の写真のコラム

 花の写真4点を紹介します。4つの花とも、平素あまり気にもかけないようなものです。でも、ちょっと立ち止まって観察すると、なかなか面白いものです。花の名前は図鑑で調べてもなかなか判断が難しいです。「違うよ」という方、おられましたら、是非、ご一報ください。

 


ハクサンフウロだと思われます。ゲンノショウコと同じフウロソウ科の高山植物。栃川高原で10月10日撮影。

 

スカシタゴボウというアブラナ科の花だと思われます。田の畦に小さな花を咲かせています。10月9日、森の開田で撮影。

 

カントウヨメナという野菊の一種だと思われます。10月10日、天池の近くにて。

 

花はカントウヨメナと似ていますが、こちらはノコンギクだと思います。区別のポイントは葉。縁に粗い鋸歯があります。栃川高原にて撮影。

 


ゲンノショウコ

 

 上の写真は8月30日に撮ったものですが、写っている花はゲンノショウコ。
 みなさんも畦や法面でよく見ることがあると思います。でも、意外と名前をご存じないのではないでしょうか。私は8月半ば頃に秋山郷・上野原とっちゃのソバ畑で見かけて以来、「きれいだなあ」と気に入り、名前を知りたいと思っていました。が、調べないまま9月末になってしまい、ある人に「これは名前は何と言うんだい?」と尋ねられ、ようやく調べるに至った次第です。漢字では「現の証拠」と書くそうです。古くから茎や葉が民間で薬草として下痢止めなどに用いられ、「現に良く効く証拠」という言い回しから、この名が付いたそうです。
 「ゲンノショウコ」という名前を知った時、「どこかで聞いたことがある名前だな」と思ったのですが、漢方薬の名前として記憶していたのだと思います。
 花をクローズアップしたものが次の写真です。

 


 ゲンノショウコの花には白色のものの他に、紅紫色のものがあるそうですが、紅紫色は主に西日本で見られるそうです。栄村では白色に限られるのではないかと思いますが、「紅紫色のものを見たことがある」という人がおられましたら、是非、お教えください。
 葉は草紅葉になるそうで、その様子を是非撮りたいと思っています。
 


コウメバチソウとウメバチソウ

 コウメバチソウとウメバチソウ、とても似ています。

 


 上の写真はコウメバチソウ。9月後半、野々海池の堤付近に群生しています。先端に黄色の丸い粒状のものがついている仮雄しべがありますが、これが7〜11裂のものがコウメバチソウ。それに対して12〜22裂だとウメバチソウ。
 ウメバチソウは北海道から九州まで山地帯から亜高山帯下部の日当たりの良い湿った草地に生え、コウメバチソウは北海道から中部地方以北の高山帯に分布するそうです。
 先日、程久保の方から「きれいな花が咲いている」とご連絡をいただき、写真を撮って調べました。仮雄しべの裂数を確認するのが相当に難しかったのですが、どうやら12裂。ウメバチソウだと思います(下写真は程久保集落入口付近で群生するウメバチソウ)。

 


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栄村復興への歩みNo.346
2018年10月1日発行 編集・発行人 松尾真 連絡先:電話080−2029−0236
mail;aokura@sakaemura.net ゆうちょ銀行 11100−01361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


栄村復興への歩みNo.340(7月1日付)

 

 

 

 梅雨が6月中に明け、暑い日が続いています。
 里ではタチアオイの花が随所に見られますが、別名「ツユアオイ」とも呼ばれ、「梅雨入りの頃に花が咲き始め、梅雨明けと共に花期が終わる」と言われます。今年は梅雨が明けてもしばらくは咲き続けるのかもしれませんね。
そんな中、山に入ると、里とは異なる花々が見られます。
 上1枚目はコシジシモツケソウ。庭にシモツケ(下野)や京(きょう)鹿子(かのこ)の花を育てておられるお家を見よく見かけますが、コシジシモツケソウは山形県、新潟県、富山県、そして長野県の深山の沢沿いや山地のやや湿った場所に自生するものです。「コシジ」という名は越後を意味する「越路」から来ています。上左の写真はスキー場内の沢沿いの湿り気の多い場所で撮りました。これまでは、この撮影場所の他には1ヶ所でしか見たことがありませんでしたが、今年はスキー場内の村道沿いでさらに2ヶ所、トマトの国の近くで2ヶ所、見かけました。もうそろそろ花期は終わりです。
 これから山野で多く見られるのが上2枚目のオカトラノオ、上3枚目のヨツバヒヨドリです。
 ヨツバヒヨドリとよく似ているものにヒヨドリバナがありますが、見分けるポイントの1つは葉が3〜4枚の輪生(ヨツバヒヨドリ)か、2枚の対生か(ヒヨドリバナ)、です。
 私は村に住むようになって以来、ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナが大好きなのですが、昨年夏、ある出会いがあって、ヨツバヒヨドリへの関心が一層強くなってきています。

 

 

 きれいなチョウでしょう!
 アサギマダラといいます。昨夏にも一度本紙で紹介しましたが、このチョウがヨツバヒヨドリの花に寄って来るのです。
 南信の宮田村では「アサギマダラの里づくり」という事業が行われています(下:昨年10月の信毎記事)。アサギマダラが宮田村ではフジバカマの花に飛来するというので、フジバカマを増やす取り組みをしているのです。

 


 このチョウは海を渡り、最長2,000kmもの距離を移動します。栄村で見られるのは7〜8月、宮田村では9〜10月、そして沖縄の南西諸島や台湾まで飛んで越冬します。
 アサギマダラがどれだけの距離を、どれだけの日数で移動しているかを調査する作業が1980年代から行われ、現在では全国規模の調査ネットワークが活動しています。栄村もその仲間に入れるといいなあと思います。関心がある方は私(松尾)までご連絡ください。観察場所にご案内します。


稀少な花

 

 シラネアオイです。長野県の絶滅危惧脅錣忙慊蠅気譴討い覽少植物ですので、撮影場所・日時は公表しません。シラネアオイという名は、日光白根山に多く咲き、花がタチアオイに似ていることに由来するそうです。別名は「山(やま)芙蓉(ふよう)」、「春芙蓉」。
 長野県で絶滅したとされている動植物や稀少化している動植物が、栄村には多種、存在しています。存在の調査と保全が求められます。ギフチョウなどが典型ですが、密猟業者などが入り込んで無断違法採取を行って、絶滅の危機を深刻化させています。村民の関心の高まり、そして村による保全策の強化が求められます。

 

 

<後記>
 6月は議会定例会があるのと、体力の低下のため、配達ペースがダウンしています。長続きできるように、体と相談しながら進めていきますので、ご理解をお願いします。
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栄村復興への歩みNo.339
2018年6月17日発行 編集・発行人 松尾真
連絡先:電話080−2029−0236、mail;aokura@sakaemura.net
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花のアルバム

 

 アマナという花です。5月13日、暮坪の田んぼの法面で撮影。「食用になる地中の丸い鱗(りん)茎(けい)に甘みがある」のでこの名に。
 

 

 チゴユリです。
 図鑑では、「山地の林に普通に生える多年草」と書かれていますが、「最近はあまり見ない」という声を聞いたこともあります。
荒らされると困るので、撮影場所は明かさないことにします。5月12日撮影です。
 「花は杯形で、茎の先に1〜2個つける」、「花被片は白色の披針形で6枚」で、葉に特徴があります。「長さ4〜7cmで長楕円形で互生」し、「縦の筋が目立つ」。図鑑にこのように書かれていますが、その特徴をすべて確認できました。