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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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今号も、草花アルバム!

 

 真っ白な花が一面に咲き誇る! 凄いでしょう。これ、ニリンソウの群生です。見たのは、代掻きされた田んぼの水面に桜が映るという素敵な場面の近く、秋山郷・小赤沢です。

 

 

 この田んぼはモチ米を作付けするため、早く代掻きさました。写真奥に白く見えるところが上写真のニリンソウ群生地です。
 群生場所の地主さんにお聞きしたところ、元々は行者ニンニクの畑で、ニリンソウがこんなふうにワーッと咲いたのは今年が初めてだそうです。なぜ、ニリンソウがいっきに広がったのか? その謎を解明したいなと思っています。

 ニリンソウ(二輪草)は、その名の通り、1つの花茎に花が2つ付くのですが、2つとは限りません。1つだけの場合、3〜4個が付く場合もあります。ニリンソウをクローズアップした写真もご覧ください。

 

 

 
 私は今春、春の花としてアズマイチゲ、キクザキイチゲを紹介してきましたが、イチゲのほうが早く咲き、イチリンソウやニリンソウはそれよりも少し遅い時期に咲くようです。図鑑ではイチゲ類の開花時期は3〜5月、イチリンソウやニリンソウは4〜5月とされています。

 

● シロモジの花とクロモジの花
 本紙No.332(4月13日付)で「何の花でしょうか?」というタイトルで写真紹介した黄色の花があります。
 読者の方から、「あれはシロモジだよ」と教えていただきました。私はクロモジの木はよく知っていますが、「シロモジ」という木の名前は初めて聞くものでした。No.332掲載の写真は近づけない崖の上の木を撮影したものでしたので、花を大きくクローズアップする写真は得られなかったのですが、5月6日に五宝木集落と五宝木トンネルの間で撮影した木の花がシロモジの花ではないかと思います(下写真)。

 


 ただし、シロモジの花とアブラチャンという木の花は非常によく似ていて、花を見るだけでは判別が難しいそうです。両方とも、クスノキ科クロモジ属です。判別には葉を見る必要があるとのことですので、葉が出た時期にもう一度観察したいと思っています。

 次は、クロモジの花です。

 


 この花が付いている木の細い枝を折って、クロモジ特有の香りを確認しましたし、図鑑でも確認できました。場所は天地の山のかなり高い所で、5月8日昼の撮影です。

 

● 前号掲載の「シロヤブケマン」について

 

 

 前号で掲載した上の花、「シロヤブケマン」とご紹介しましたが、本紙をメールでお送りしている大阪の知人から「シロヤブケマンではなく、ユキヤブケマンではないか」というご指摘をいただきました。
 シロヤブケマンもユキヤブケマンも共にムラサキケマンが脱色して白化した品種ですが、花の先端に紫色があるものがシロヤブケマン、先端に紫色がなく純白に近いものはユキヤブケマン。私が撮影・紹介したものはユキヤブケマンで、かなり貴重なもののようです。5月6日に撮影場所に再び赴きしましたが、花はすでに姿を消していました。来春、確認観察・撮影をしたいと思っています。

 

● シナノタンポポ
これも前号内容に関わることですが、No.334でご紹介した二ホンタンポポは「カントウタンポポ」ではなく、「シナノタンポポ」だったようです。これも大阪の知人からのご教示です。
 ポイントは、外総苞片が幅広で、しかもそこに角状突起がないことだそうです。前号の写真を再掲します。

 

 

● ヒトリシズカの群生
トマトの国近くの丸山の裾野と中腹でヒトリシズカが開花しました。温泉入浴の折などに是非、ご覧ください。

 

 

 これは群生のごく一部。こんなふうに何本ものヒトリシズカが集まって咲く姿が随所で見られます。ヒトリシズカという名前は源義経の話に出てくる「静御前」に由来します。静かに美しく咲く様を静御前の美しさにたとえたのです。
 なお、ヒトリシズカが咲く場所はつい先日までカタクリが咲いていたところで、現在はカタクリの葉っぱが残っています。これを踏みつけると、来春、カタクリが咲かなくなりますので、ご注意ください


草花アルバム

ミヤマキケマン

 

ムラサキケマン

 

 ミヤマキケマンは5月1日、東部パイロットから柳在家に下る直前のカーブのところで見ました。図鑑によれば、「『ミヤマ』とつくが、平地に普通に生える」とあります。
 ムラサキケマンは4月20日、秋山郷上野原にて。21日に森集落の人から「開田でこんな花を見たのだが、何だろう?」と携帯の写真データを見せられ、「あれっ、そっくりなものを私も撮った」と思って、図鑑を調べました。そして、「白いものも撮ったな
あ」と思い、写真データを取り出したのがシロヤブケマン。19日午後、秋山郷屋敷集落での撮影です。

 

シロヤブケマン

 

 「ケマン」と名がつくものはすべてケシ科の植物で、よく見る「エンゴサク」も同一科です。


(図鑑は『いっしょに探そう野山の花たち』(信濃毎日新聞社)、『日本の野草300』を使用しています。)


スキー場の頂上はいま

 「復興への歩み」の中で言及したことがあると記憶していますが、私は昨夏、スキー場の頂上に6〜7回通い、草刈りをしました。カタクリの群生地をより良い状態にするためです。
 今春、その成果がどう出るか、早く見たいという思いで、19日と23日にスキー場の頂上まで行きました。まだ雪があり、19日は残雪のゲレンデを30分ほどかけて上りました。23日は頂上まで歩いて5分程度のところまで軽トラで行けました。
 カタクリは、23日午前、まだ1〜2分咲きという状況ですが、草刈りの成果なのか、群生の範囲が広がっています。
カタクリの様子はもう少し開花が進んでから紹介したいと思いますが、23日の頂上行きの最大の成果はイワウチワとの出会いでした。写真は頁を開いて次のページをご覧ください。まだ雪に覆われている林の中を進んでの出会いでしたので、すごく感動しました。

 


 ここで見られるイワウチワは葉がかなり大きいです。葉の基部の形も心形に見えますので、「オオイワウチワ」というものではないかと思われます。花に詳しい方がおられたら、是非、ご意見をお聞かせください。
 「イワウチワ」(岩団扇)という名前につながっているのでしょうが、岩場や断崖に咲いていることが多いです。
スキー場頂上の林の場合、カタクリ群生地になっている平らな地に近い部分にはイワカガミが群生し、イワウチワは崖っぷちに近いところに咲いています。
 4月20日には、秋山林道沿いの断崖の林道から見上げるような岩場にイワウチワが咲いているのを見ました。下写真の赤いマークをしたところです。凄いところに咲いているものです!

 


 これも栄村の自然の豊かさを物語るもの。
 スキー場頂上の草刈りを今年も続けることをはじめとして、栄村の自生植物の環境を保全する取り組みを拡げていきたいと思っています。(写真に見える滝はたびたび紹介している不動滝です)
 


ツルウメモドキ

 災害や工事の話が続きました。
 ちょっとここでひと息抜いて、木の実の写真をご覧ください。

 

 

 

 ツルウメモドキです。
 この季節になると、お家の玄関などに飾られることが多いですね。
 私は「木にできる実」だとばかり思っていましたが、じつは名前のとおり、蔓(つる)で、それが他の木に絡みついているのですね。雪が降り、モノクロの世界になったとき、この鮮やかな色はみんなの気持ちを和ませるものだと思います。
 11月25日に秋山に配達に行った時、天池の近くで、下写真のように天高く、蔓をひろげていました。

 


ヤマアジサイをめぐる異変

 

 日出山線の道路脇にヤマアジサイが咲き乱れる様子です。8日昼に撮影しました。知人もほぼ同じ場所で撮ったと思われる写真をFBに投稿されました。
 やはり綺麗なものは、誰が眺めても「いいなあ!」と感じるのですね。
 ここ1週間ほど、私はヤマアジサイが群生するところを求めて、村内のいろんな所に出かけています。

 

雑木や草に負けて、ヤマアジサイが咲きにくい、育たない
 7月初旬段階、標高が高い所ではまだ開花までにちょっと間があるようですが、もう群れるように開花しているはずの場所で開花を見るのに苦労したところがありました。
 その一例が、下の写真の場所です。スキー場内の村道沿いです。

 


 よく見ると、すでに開花しているのですが、これまではこんな量ではなく、この一帯がすべてヤマアジサイで埋め尽くされているような感じでした。ところが、写真に見えるように、様々な木々の枝が張り出し、ヤマアジサイに十分な光が当たらないようになってしまっているのです。やはり、木々の枝をはらうなどの環境保全の手入れが必要なのですね。もう1枚ご覧ください。

 


 軽トラで進んできた山道なのですが、道の両側から草木が覆い繁り、もうこれ以上進むのは危険という状況になっています。しかし、この場のすぐ近くで撮った写真の1枚が次のもの。

 

 

 場所は坪野集落の奥の橋をこえて、野沢温泉村にむかう林道の途中です。集落の衰退にともない、山に入る人がいなくなり、年々、この林道の状況は悪化の一途をたどっています。でも、豊かな自然の財産、生態系があり、なんとかしたいなあという思いが募ります。

 

「誘客のために国道沿いなどにアジサイを植えよう」という提案――ちょっと違うなあと思います。
 最近、上の中見出しに書いたような提案を耳にしました。
 「飯山には菜の花がある。津南町はヒマワリ。栄村もなにか欲しい」というのが、この提案の出発点にあるそうです。
 でも、私は「ちょっと違うなあ」と思います。栄村の場合、国道からちょっと外れて、集落や里山近くに向かうと、ヤマアジサイをはじめとして多種多様な花が咲き乱れている。その姿をこそ、栄村を通りかかる人たち、栄村にやって来てくれる人びとに紹介できるようにすべきだと思うのです。
 そういう次第で、このヤマアジサイの記事を書いた次第です。ひとまずは、人が近づきやすい場所からでいいですので、道沿いの草刈り、枝はらいを行なって、栄村の至る所でヤマアジサイがたくさん見られるようにしたいものです。

 

一口メモ
 ヤマアジサイとよく似ているものにガクアジサイがあります。花だけを見ていると区別がつきにくいです。見分けるポイントは葉です。ヤマアジサイは葉が細長くて薄く、光沢がありません。それに対して、ガクアジサイの場合は、大きくて厚みがあり、光沢もあります。日出山線で撮影の群生。葉はあきらかに「細長く、光沢がない」ものです。ヤマアジサイですね。


イワカガミの群生など

 〈山つながり〉ではありますが、“議論”はちょっとひと休み。きれいな花をご覧ください。まず、イワカガミが群れ咲いている姿です。

 

 

 

 

 イワカガミのクローズアップです。

 

 


 こちらはイワウチワです。

 

 いずれもスキー場頂上の林の中で、イワカガミは5月29日、イワウチワは5月14日の撮影。

 

 

 

 3枚目はシャクナゲ。
 秋山・小赤沢の福原秀樹さん宅の庭です。5月23日午後撮影。


栄村復興への歩みNo.307

 

 


 今号は2枚の風景写真から始めることにしました。
 1枚目はヒトリシズカという花です。「トマトの国」の前の丸山の辺りで16日午後の撮影です。2枚目は「鳥甲牧場」での幻想的な風景。11日夕に通りかかり、あまりの美しさに車を停めて撮影しました。雪融けの水蒸気で霧が立ち昇り、流れています。
栄村にはきれいな花、美しい風景がたくさんありますね。


「ママコノシリヌグイ」を探しています

 変なタイトルでごめんなさい。「ママコノシリヌグイ」とはじつは花の正式の名前です。

 


 上の写真に見られる小さな花、9月から10月にかけて、畦の近くや山の道端でよく見かけるでしょう。写真に見えるのはミゾソバという名前の花ですが、花を見ただけだと、これとソックリなものに「アキノウナギツカミ」と「ママコノシリヌグイ」というのが

変なタイトルでごめんなさい。「ママコノシリヌグイ」とはじつは花の正式の名前です。
左の写真に見られる小さな花、9月から10月にかけて、畦の近くや山の道端でよく見かけるでしょう。写真に見えるのはミゾソバという名前の花ですが、花を見ただけだと、これとソックリなものに「アキノウナギツカミ」と「ママコノシリヌグイ」というのがあるのです。見分けるポイントは葉です。ミゾソバの葉は牛の顔に形が似ている(下写真)ので、「ウシノヒタイ」という別名があります。
 

 

 アキノウナギツカミは偶然にスキー場の駐車場の手前、スキー場内・今泉への道に入るところで見つけました。葉が披針(ひしん)形で、基部は茎をやじり形で抱くことに特徴があります。下写真です。

 

 

 同じような花を見かけるたびに車を停めて葉の形を見ていますが、ミゾソバばかりです。「ママコノシリヌグイ」の葉は三角形だといいます。
 見かけられたら、是非、教えてください。
 こういう花、平素は気にもかけず、名前も知らないというのが普通だと思いますが、こういう花がないと、私たちが日頃見る景色はじつに殺風景なものになると思います。
 調査に是非、お力をお貸しください。
 


絶滅危惧B類 アイナエ

 

 栄村青倉今泉地区の田んぼの法面に群生している様子。2016年9月12日13時57分撮影。
 広瀬明彦氏のFB投稿に刺激を受け、場所を教えていただいて、確認・撮影を行った。

 

 

 

 


茎および葉を見やすいものを撮影。

 


生育地の全体状況。

 現場は、冬は最大時3mほどの積雪に覆われる。写真右上方に見える照明塔はスキー場のもの。
 

現場の法面・畦は今季に少なくとも1回は草刈りが行われた形跡があった。草刈りが行われても、アイナエの成長・開花は可能なのだと思われる。

 

石沢進氏による自生確認
 新潟大学名誉教授・石沢進氏が、2005年10月3日に、同所において初めて自生を確認している(「長野県環境保全研究所研究報告」2009))。
 長野県内では、他に、2007年10月4日、南木曾町で大塚孝一・尾関雅章氏によって自生が確認されている(同上)。

 

大阪教育大学・岡崎純子氏の調査研究報告
 岡崎氏は大阪市立大学理学部附属植物園で、アイナエの生活史と個体数変動の経過観察を行われた。その結果、以下のことが明らかになったと報告されている。
(http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~kenkyo/kenkyuseika/pdf/H25_2/08))
   1. アイナエは6月中旬に実生が出現し、8月中旬から開花、結実を

    開始した。袋掛け実験から自家和合性であり、もっぱら自殖をお

    こなっていることが示された。
   2. 出現頻度と土壌水分含量に関連性は認められなかったが、光条件

    とは相関が見られ、この種の生育には十分な光条件が必要である

    ことが判明した。
   3. アイナエの生育場所では開花前の7月上旬と8月上旬に機械による

    芝刈りが毎年実施されているが、アイナエの個体数の変動にはこの

    影響はほとんどなかった。

 

 この3.の点は、前述した今泉で現認状況とも一致する。

 広瀬明彦氏は、石沢進氏との間で、「どこにでもありそうですね」、「あるなら教えてください」という会話があったと紹介されている。意識しないと見つからない、目立たない小さな花であるが、今後、他の場所でも意識して探すように努めたいと思っている。


注:絶滅危惧B類とは、近い将来における絶滅の危険性が高い種


春の花の移り変わり

 今春はカタクリが例年よりも2週間ほど早く開花。北野天満温泉やカタクリ街道のカタクリ満開を伝えたのは3月末でした。
それから4週間近くが経ち、秋山郷でもサクラの満開が見られるなど、各所で見られる花の様子はめまぐるしく変わっています。
この数日、花の変化を意識してみた。



 25日午後、カタクリ街道です。
 “スプリング・エフェメラル”(春の妖精)のカタクリの花はもはやどこにも見えない。フキの葉がいたるところに見える中で、少し注意すると、カタクリの葉っぱが見える。

 そんな中、すでに道が完全に開いているスキー場内をどんどん上がり、頂上まで行くと、カタクリ群生地で開花が始まっている。



 上写真は24日午前の様子。今日26日あたりはもうこの残雪もほとんど消えているかもしれない。





 スキー場頂上のカタクリはGW前半くらいまで楽しめるのではないでしょうか。

 このカタクリ群生地の山側左手、林の中に入っていく「道」が見える。



 この先の林の中がじつはイワウチワの群生地。
 林へ一歩足を進めるや、足元はイワウチワの葉で埋め尽くされている。



 でも、いま、開花が見られるのはもっと奥。開花場所へは、下写真のような根曲りの低木の「ジャングル」のようなところを進まなければならない。軍手を付けているほうがいいですね。





 このようにかたまって咲いているところがあちこちにある。
 でも、花に夢中になっていると、西入沢川へ真っ逆さまに転落する崖に面しているので要注意。
 では、イワウチワの可憐な姿を2点。






 ところで、カタクリ街道。カタクリの花が終わってしまい、見られるのはカタクリの葉だけかと思いきや、それが違う。
ヒトリシズカが清楚な感じの花を咲かせているのです。



 ポツンと1本だけで咲いているものもあれば、5〜6本がかたまって咲いているところもある。
 ヒトリシズカは山道の脇にひっそりと咲く姿がより美しく、志久見街道に入ると、小峠から小滝に下る途中あたりで出会えるが、今年はまだ見に行っていない。


 昨年も今年もカタクリを真っ先に見ることができた清水河原のスノーシェッド手前の崖面では、今年もカタクリの次の花、イカリソウが姿を見せている。



 ここは人の背より高いところの崖面で、しかも手前にフェンスがあるので写真が撮りづらいのだが…。これは22日の撮影。


 この他、スキー場の山に行くと、今年は早くもヤブデマリが見られる。去年は5〜6月だったように記憶している。



これは青倉・西山田の棚田のさらに上、城ヶ館(じょうごだて)の農道斜面崩壊地点のそばで24日撮影。自然環境の厳しいところに綺麗なものが咲く。



 こちらは貝立水路の水が今泉地区にむかって落ちる滝の水をバックに咲く姿。


 今日はここまで。