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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第30号(9月17日付)

 9月4日から11日まで定例議会が開かれました。いわゆる「決算議会」です。しかし、議題は決算に限られていたわけではありません。暮らしに直結する内容の補正予算の審議もありました。
 秋山の路線バス廃止をめぐる対応策、地震被害を受けた農地の復旧に関わる予算措置、地方交付税交付金の大幅減額、平成29年度決算審議の内容、今後の村政のあり方に大きく関わる指定管理者制度に関する質疑内容。これらの点を中心として、9月議会の報告を記していきます。

 

 

◎ 暮らしに直結する問題――補正予算審議から
● 秋山の足をどう確保するか
 津南〜和山間で路線バスを運行してきた南越後観光バス蠅10月1日から見玉〜和山間の路線を廃止すると通告してきました。秋山の住民の足を保証する公共交通が無くなるという大変な事態です。
 村は、この間、秋山地区内で住民説明会を開催するなどしてきたようですが、議会に対して村がこの問題を明らかにしたのは、今回の9月定例会提出の一般会計補正予算(第5号)での代替措置の予算付け、議会全員協議会(村長提出)での説明が初めてのことでした。このこと自体、問題であると考えます。村は、「代替措置をめぐる津南町との調整が8月いっぱいかかった」ことを「理由」としていますが、最終確定案に至る前に議会と協議し、議会の意見を求めるべきだったと思います。
 代替措置は、津南町がすでに運行している見玉〜大赤沢間の代替交通(デマンドバス、1日3往復便)を和山まで延長するというもので、その経費の2分の1(375万円)を支出するというのが補正予算の内容です。(デマンドの運行時刻等は村の広報をご覧ください)。

 

■ 住民の意思やアイディアの汲み上げが不十分
 私は秋山の人たちからこの問題をお聞きしていたので、一般質問で村長の考えを質(ただ)す準備をしていました。「安心して暮らせる環境の確保と村財政の見通しについて」というテーマでの質問です。
 先にも書いたように、村は秋山地区の住民を対象とする説明会等を開催しています。住民の声に耳を傾ける姿勢であるかのように見えますが、私はそうは言えないと考えます。説明会というのは、村の方針を説明するものです。その方針が覆ることは基本的にありません。
 しかし、秋山地区の公共交通機関が無くなるというのは大問題です。そういう場合は、「方針」を決める前の段階で、「こういう問題が生じているが、どのように対応すべきか。みなさんの意見、要望、アイディアをお聞かせいただきたい」というところからスタートすべきです。1世帯から1人が出席するという通常の説明会タイプの会合だけではなく、秋山に居住する若者たち(平素は仕事との関係で「下」に居住場所を有しているが、頻繁に実家に帰り、秋山の地元行事の中軸を担っている人を含む)に意見・アイディアを求める会合や、秋山の地域おこし協力隊員の意見を聴く場などを設ければ、役場だけでは思いつかない斬新(ざんしん)な提案が出てくる可能性があります。
 一般質問でのやりとりから見ると、村(長)にはそういう発想法そのものがなかったと思われます。
 秋山の公共交通問題は、津南町が運行する3便の和山への延長という今回の策だけでは解決できていません。観光客への対応策を含めて、さらに対策を考えていかなければなりません。今後は、若者をはじめとする住民、そして観光関係者等を対策検討の主役として位置づけ、みなさんの意見・アイディアを汲み上げていくように、議会サイドから十分にチェックをかけていきたいと考えています。

 

● 5・25地震被災田んぼ復旧工事の自己負担率をめぐる問題
 今次補正予算には、農地に関わる「平成30年5月25日発生地震災害復旧事業」3,021万円が計上されました(国庫補助事業2,565万円、村単事業456万円)。
 復旧工事を求める農地はカバーされているようですが、問題は地権者・耕作者の負担率です。7年前の大震災時とは異なり、通常災害復旧工事の負担率20%が適用されています。負担額は305万円にのぼります。
 5・25地震で被災した農地の多くは7年前にも被災しています。「7年を経て再び同じ田んぼが被災」となれば、耕作継続意欲が削がれることも充分にありえます。ましてや、今回は20%の自己負担金が求められるとなれば、なおさらです。
 複数の議員が負担率の軽減を求めましたが、村は「この件の負担率を下げると、今後のさまざまな被害復旧工事の自己負担率に影響を及ぼす」として、軽減措置を拒否しました。
 私は納得できず、採決前の総括審議において、「7年前の震災の際、中越の被災経験者から言われたのは『農地の地震被害は1回の復旧工事だけでは治らないケースがよくある』ということだった。今回の農地被害について、7年前の被災との関係等をよく調査・検討すべきだ。そして、自己負担率は20%としたうえで、震災復興特別基金を活用するなどして、自己負担率を実質的に軽減する措置を検討すべきだ」と食い下がりました。
 これに対して、森川村長は、7年前の震災時に役場職員として農地復旧を担当した経験もふまえて、7年前の震災で被災した農地の現況等について調査する考えがあることを初めて意思表明しました。これが単なるリップサービスに終わらないように、私は他の議員とも連携して、今後も働きかけ・議論を続けていきます。

 

 

◎ 地方交付税交付金の大幅削減について
 7月24日、総務省が本年度の地方交付税交付金のうち普通交付税の決定額を発表しました(特別交付金は未確定)。栄村は13億6,540万円で、前年比13.3%の大幅減少です(平成29年度は15億7,452万5千円)。全国的にも前年度よりも減額されていますが、全国の市町村平均では2.7%の減少で、栄村の13.3%という減少率は突出しています。
 地方交付税の算出方法は「よほどの財政専門家でなければ分からない」と言われるほどに難しいものです。本年度、全国的に減額になっている原因の1つは、リーマンショックへの対応措置として続けられてきた特別枠が廃止されたことにあります。また、栄村の減額が突出して大きいのは震災から7年を経たことも関係しているのではないかと思われます。
 しかし、それにしても、13.3%という大幅減少は大ショック、きわめて大変な事態です。地方交付税交付金は栄村の年間予算の財源の45%近くを占めるものだからです。

 

■ 危機感にズレ
 9月定例会の一般質問において、相澤博文、保坂良徳、そして私の3議員がこの問題を取り上げました。いずれも村財政の今後に対する危機感を抱いての質問です。
 しかし、村当局の答弁は、「前年比では13.3%減だが、村の本年度当初予算での普通交付税見込額は14億8千万円なので、見込額比では8%減。特別交付税の交付額はこれから決まるので、その結果も見て、12月をメドに再算定を行い、12月議会ないし来年3月議会で補正予算を提出する」というものでした。
 村長及び村当局の答弁からは私たちと同様の危機感が共有されているとは到底思えません。財政に詳しい人からは、「そもそも本年度予算策定段階での交付税のヨミが甘い」という声も聞こえてきています。
 どう対応すべきでしょうか。
 第1には、地方交付税交付金というものが、石原慎太郎氏などが言う「地方への仕送り」などではなく、「税収は国7割地方3割、歳出は国3割地方7割」という現実をふまえて税収の適切な再配分を行うものだということをしっかり確認し、他の自治体と共同して地方交付税交付金の回復・増額を求めていくことです。
 第2には、村財政の見直しを徹底的に行うことです。
 栄村の財政規模は震災との関係で大きく膨らみ、いま、そこから平時の財政規模に戻るプロセスにありますが、森川村政においてはそのことが十二分に自覚されていないのではないかという危惧を多くの議員が抱いています。9月定例会の一般質問の質疑でもあったことですが、リップサービスのつもりなのか、億単位のお金を要する施設の改築などを村長が簡単に口にすることがあります。「村民の要望に耳を傾ける」というのは、必ずしも「予算付け」ということを意味するわけではありません。「“受け”が悪い」ということがあっても、財政の徹底見直しをきちんと行うことこそ、行政の長の責任・責務であることを肝に銘じてもらわねばなりません。

 

 

◎ 決算審議について
 9月定例会は“決算議会”です。今回は平成29年度の一般会計決算書と10の特別会計決算書が村長から提出されました。
 決算は、_餬彜浜者が村長に提出した決算を、村長が検討した上で監査委員に提出し、4萄紺儖の審査を受けたものです。監査委員は証拠書類や帳簿等もチェックし、決算の適正性を判断し、審査意見書を村長に提出します。ぢ篠垢牢萄紺儖の意見書を受けとめたうえで、その意見書と共に決算書を議会に提出し、認定を受けなければなりません。その際、「主要施策の成果説明書」等の必要書類を提出することも義務づけられています。
 議会は、9月7日の本会議で村からの決算書の提出をうけて、決算特別委員会を設置し(構成メンバーは全議員)、7日と10日の2日間、決算審査を行いまいした。決算特別委員会の委員長は慣例で2つの常任委員会の委員長が交互に務めることになっており、今回は産業社会常任委員会が当番ということで、私が委員長を務めました。そのため、私は今回の決算審査ではいっさい質疑を行わず、議事進行役に徹するところとなりました。

 

● 議会に求められる決算審査とは
 議会は、決算の審査において、決算の数字に誤りがないかについてもチェックする必要がありますが、それは監査委員が専門的な立場から精査されています。ですから、議会には、予算の執行によってなされた施策がどういう成果を出しているか、それらの施策の効果はどういうものなのかを吟味することこそが求められます。

 

● 浮かび上がった問題点
 2日間にわたって審査を行いましたので、質疑内容は多岐にわたります。そのすべてを紹介することは紙幅との関係で出来ませんので、とくに目立った論点を3つ、紹介・報告します。

 

■ 総額1億7千万円にのぼる「不用額」はなぜ発生するのか
 一般会計で見ると、歳出予算額38億9,846万円に対して、支出済額35億9,695万円、翌年度繰越額1億2,761万円で、じつに1億7,389万円が不用額になっています。「不用額」とは言いかえれば「執行されなかった予算」ということです。
 無駄遣いをすることは許されませんから、予算をただひたすらに使い切ればよいということではありません。しかし、「必要な予算」ということで決めていたものが使われずに残るというのは、やはり「何故?」という疑問が出てきます。
 審査は款(かん)(総務費、民生費等に区分されています)ごとに行われますが、保坂良徳議員が各款毎にくりかえし質問しました。村側の答弁の基本は「予算は執行率90%を目安にたてている」というものです。この答弁には一定の納得はできます。というのは、行政の通常業務の遂行や施策の実施にあたって予算不足が生じると困るからです。
 しかし、じつは3月議会に提出された補正予算において、年度内執行の見込みがない予算を減額する補正がすでに行われています。そういう減額修正があったうえでなお、1億7千万円余の「不用額」が発生するということにはやはり疑問が残ります。
 やはり予算編成に甘さがあるのではないかということです。
 私は今回で3回目の決算審査ですが、過去2回の審査では「不用額」の問題が問われることは基本的にありませんでした。今回は保坂議員の重要な問題提起が行われたと私は受けとめています。来年度の予算審議においては、そういう点にも留意して審議に臨むようにしたいと思います。

 

■ 特命対策課はどういう仕事で成果を上げているのか?
 第2款総務費の審査において、特命対策課の決算が1つの焦点となりました。
 特命対策課の予算支出済額は2,781万円でした。そのうち人件費関係が2,371万円です。人件費が占める割合が非常に高いのが特徴です。しかし、このことはある意味では当然です。というのは、特命対策課の設置にあたって村長は「特命課は事業予算を持たない課とする。事業予算が付く段階になれば、その施策の予算はその施策事業の執行に適した課につける」としていたからです。
 ところが、「予算執行の成果を示す」文書である「決算説明書」で特命対策課について言及があったのは、「食の高付加価値化プロジェクト」19万円と「利雪推進プロジェクト」50万円の2件のみ。「2,300万円余の人件費を使って、いったいどういう仕事をやっているのか」という疑問が生まれてきます。今回の決算審査では十分な説明は得られず、12月定例議会でより詳しい説明を求めることになりました。
 村長の肝いりで設置された特命対策課、設置から満3年まで残るところ半年余となりました。多くの村民の疑問に答えられる審議をしっかり進めていきたいと思います。

 

■ 社会福祉協議会への3千万円の補助金はどう執行されたのか
 昨年12月臨時議会で、村が高齢者総合福祉センターの指定管理者としている栄村社会福祉協議会に3千万円の補助金を追加支出する補正予算が決まりました。
 今回の決算審査では、上倉敏夫議員がこの3千万円の補助金の予算執行について繰り返し質問されました。答弁で3千万円が村から社協に支出されたことは確認されました。しかし、上倉議員は完全には納得されていないと私は受けとめました。
 この3千万円はじつは、運転資金の不足に直面した社協が村に「3千万円貸し付けてほしい」と申し出たことから始まっています。社協はデイサービスの実施に対して介護保険から支払いを得ることを重要な収入源としていますが、この支払いは2カ月遅れになるため、運転資金が不足するというわけです。これに対して、村は貸付ではなく、補助金として3千万円を社協に交付しました。補助金制度の本来から言えば、ある年度の補助金はその年度内に補助対象となった事業に使われ、所定の成果を出して、その結果を村に報告しなければなりません。しかし、社協では運転資金として使い、事業が軌道にのった段階で3千万円を村に返済するという態度を堅持していますので、平成29年度中に3千万円の補助金事業が実施されたわけではないということになります。上倉議員は財政の運用のあり方として、こうした事態は適正ではないということを言っておられるのだと思います。そして、一理あるご意見だと思います。
 私は、この問題の根底には、十分な財政計画なしで社協への指定管理をスタートさせたことがあると考えています。9月定例会期間中に担当課及び社協事務局から平成29年度の指定管理業務の報告書についてご説明いただきました。議員全員にも資料が配布されました。議会会期中に十分な検討をする余裕はありませんでしたが、今後、報告書の精査、さらなる聞き取り等を行い、村の介護保険行政の現状と将来展望についての検討を深めたいと思います。

 

● 特別委委員長としての審査報告
 決算特別委委員長は定例会最終日の本会議において特別委での審査結果について報告します。「審査の結果」として、「慎重に審査しました」とのみ発言することがこれまで慣例となってきたようですが、今回、私は次のように報告しました。

 

「決算特別委員会では、歳入歳出予算執行の結果を総合的に確認し、検証して予算効果と行政効果を客観的に判断すべく、多岐の論点にわたって質疑を行いました。その過程で、予算の執行をめぐって反省すべき事項や改善すべき事項の指摘も行いました。村長におかれては、今回の決算審査で指摘された事項を今後の予算編成や財政運営に活かされることを求めます。また、議会においては、今後の予算審議、財政運営に対するチェックに活かすことが求められます。
なお、審査の過程において、「主要施策の成果」等を記す「決算説明書」は、予算執行の単なる実績、データではなく、施策の実現を目指して措置された予算の執行によって成し遂げられた効果を明らかにすべきものであるところ、その効果についての説明が十分にはあきらかにされていないものがあるとの指摘があったことを明記しておきます。平成30年度以降の決算書における改善を求めるものであります。」

 

 これが平成29年度決算についての私の判断を言い尽くしています。これをもって、決算審査に関する報告のまとめとします。

 

 

◎ 指定管理者制度について
 私は9月定例会の一般質問で、「観光は村の基幹産業」という認識について森川村長の確認を求めるとともに、指定管理者制度についての森川村長の考えについて尋ねました。
 森川村長は、「観光は栄村の基幹産業である」という認識を改めて表明するとともに、「村の公の施設の管理運営のために指定管理者制度は必要だ」という考えを示しました。そして、「指定管理者の公募にあたって、村側が示すべき募集要項はいかなるものか。施設の管理運営に要する経費、利用料収入、そして指定管理料はいくらになるのかを算出し、それを示す第一次的責務は募集者、応募者のいずれにあるのか」と私が問うたのに対して、「提示する責任は募集者側(村)にある」旨を答弁しました。
 私は、観光4施設の(一財)栄村振興公社への指定管理の実態に鑑みて、「実際はそのようになっていないのではないか」と再質問しました。それに対して森川村長は「確かにそうだ。相手側となれ合いになっていたところもある」旨の答弁をしました。
 私は、この質疑は非常に重要なものだと考えています。
 指定管理者制度の運用は観光施設の振興公社による指定管理だけでなく多岐の施設において行われていますが、とくに4つの観光施設の管理運営が大きな問題となっている現在、平成31年度にむけての指定管理者の募集にあたって、今回の答弁に則った措置がきちんと行われるかどうか、しっかり見守っていきたいと思います。

 


 以上、9月定例会についての私の報告とします。


松尾まことの議員活動報告第29号(7月31日付)

 7月も、各種の会議への出席(村外への出張3件を含む)など、議員としての仕事はかなり多くありました。しかし、議会(本会議)の開催はなく、みなさんにご報告しなければならない議会の新たな決定事項はありません。
 そういう時期ですので、今号では、「議会・議員がなすべきことは何か」という根本的な問題にたちかえっての議論を少ししてみたいと思います。

 

受け身から課題・政策の積極的提案・実現へ

 

◎ 議員は政策実現の活動をできているか
 議員は4年に一度の選挙の際に、さまざまな“公約”を掲げます。しかし、実際のところ、“公約”に掲げられた政策は実現されているでしょうか? お世辞にも「実現されている」とは言えませんね。それには原因があります。議会・議員の仕事が基本的に、行政が議会に提出してくる議案の審議・採決にとどまっているからです。自らが実現したいことを政策として具体化し、その実現のために必要な条例案や予算案を議員(議会)自ら立案するような活動を基本的にはやっていないのです。
 私は選挙における公約の基本に〈情報の徹底公開〉を掲げてきました。その点ではそれなりのことをやってきていると自負していますが、〈情報の徹底公開〉というのは、議会・議員の使命として大きく言えば2つのものがあるうちの一方だけに関わるものです。

 

■ 議会・議員の2つの役割
 議会・議員の2つの大きな使命とは、行政に対するチェック機能政策立案・提言の二つです。〈情報の徹底公開〉は、この2つの使命のうち、基本的には,亡悗錣襪發里任后「議員活動報告」を発行することなどによって、議会で何が議論・決定されているかを村民のみなさんが以前よりは知ることができるようになったということは言えるのではないかと思います。このことがひいては〈行政に対するチェック〉につながっていると思います。
 しかし、これだけでは村が抱えている様々な課題の解決、また、村民のみなさんが願っておられることの実現には至りません。やはり、議員自らが政策を立案し、それを行政に提案して協働して実現していく、あるいは、議員自らが政策を立案すると同時にその実現のプロセスを主導していくという活動が必要です。
 一昨年4月の補選で議員になって以降の2年余の議員活動を振り返ってみて、やはりこの政策立案・提言・実現の活動が圧倒的に弱いと痛感し、厳しく自省しているというのが正直なところです。

 

◎ 村(村民)が直面している課題をずらっと並べてみる
 今回の「議員活動報告」では、政策立案・提言・実現活動への第一歩として、〈いま、栄村にはどういう課題があるのか〉をずらっと並べてみるという作業から始めたいと思いました。以下、その作業をざっくりとやってみますので、ちょっとお付き合いください。

 


 上に掲載したのは、この1〜2カ月の間に私がみなさんからお聞きした意見、要望、不安などを付箋(ふせん)に書き込んで、とりあえずアトランダム(順不同、無作為)に貼り付けたものです。
 いま、村民のみなさんが思っていることをすべて網羅できているとはけっして思っていません。また、言葉足らずで、私に話してくれた人の思いを十二分に表現できていないケースもあるかと思います。

 

■ ジーッと見つめて、問題の共通群を見つける
 さらに、問題群の間のつながり(関連性)を見つける

 つぎに、上の小タイトルに書いたように、この意見・要望・不安の中から、〈問題の共通群〉、さらに〈問題群間の関連性〉を見つけます。
 そうすると、1、2、8、12、13、14は〈交通〉、〈移動の足の確保〉という点で共通する点がありますね。
 4、16、17はいわゆる〈高齢化にともなう問題〉、あるいは〈介護〉をめぐる問題という括(くく)りができるかと思います。さらに、1や3、10、18も〈高齢化〉に関わる問題だと捉えることができます。
 他方、5はズバリ〈子育て環境〉の問題です。と同時に、12と共に、〈秋山郷の暮らしの環境〉という問題として括ることもできます。また、6は〈子育て環境〉の問題であると同時に、働く人(とくに若者)を取り巻く環境の問題という面もあり、次の〈若者が栄村で暮らす環境〉の問題でもあると思います。
 11、20は〈若者が栄村で暮らす環境〉と言い換えてもいいですね。さらに、9もこれに関連していますね。あるいは、20と19は15と共に〈働く場・雇用〉と括ることができます。また、15と3(+10)の間には密接なつながりがありますね。18も〈働く場・雇用〉と関係しています。
 視点を変えて、〈農業をめぐる問題〉という問題群を設定すると、3、10、15、さらに20を1つの問題群として括ることができます。
 あと、7と21が残っています。これは〈観光〉と括るのがいちばん分かりやすいでしょうが、じつは〈働く場・雇用〉の問題であり、〈若者が栄村で暮らす環境〉の問題でもあるといえるでしょう。観光客やスキー客を増やし、観光施設やスキー場を発展させていくことができなければ、若者が仕事を確保し、栄村で暮らしていくことはできませんから。


◎ 発想法を大きく転換する
 図表をながめ、さらにその後に示した〈問題の共通群〉や〈問題群間のつながり〉=関連性を少し時間をかけながら、じーっと見つめていると、これまではあまり見えていなかったことが何か、少しずつですが、浮かび上がってくる、見えてくるのではないでしょうか。
 ただちに、それぞれの問題(課題)の解決策が浮かんでくるというのではありません。でも、さまざまな問題は相互に様々な形で結びついている、だから個々の問題に直対応する個別の対応策では不充分になる、ムダが出てくる、このことが見えてくると思います。これに対して、「総合的な施策を」と言えば解決案のように思えるかもしれませんが、「総合的」とは言っても、いくつかの大項目を並べ、その下にいくつもの小項目を並べて、「総合計画です」とか言うが、実際の施策となると、結局、個々の問題に対する施策が個々バラバラに実施されるということになってしまっているのではないでしょうか。
 なにか、もう一歩、踏み込んで考えることが必要だと思います。

 

■ 《働く場を創り出す》を中心軸に据える大挑戦が鍵を握るのでは
 そこで、大きな軸を1本立てることが大事なのではないかと、私は考えました。
 それが《働く場を創り出す》です。これは言い換えると、《会社を創る》とも言えると思います。
 《働く場》が確保されたら、若者の定住も増えます。栄村に明るい陽が射(さ)し込んできます。

 でも、きっと、「えっ! 何の会社?」って、尋ねられますね。
 「これまで無かったような、栄村発の新しいことをやる会社」とお答えするのがよいかなあと思います。
 会社というのは、お客さまの需要(ニーズ)がある商品やサービスを提供するもの、そしてそのニーズを満たすのに必要な経費を賄うと共に、利益も生み出すものですね。
 栄村には、新しい会社を必要とするようなニーズはあるでしょうか?
 あります! 先に見たさまざまな問題(課題)です。あのさまざまな問題(課題)、すべて行政が対応する行政課題だと思っていませんか? そこから考えを変える(脱け出る)ことが鍵だと思うのです。この考え方の転換は、けっして行政の責任を曖昧にしたり、軽くしたりということを考えているのではありません。でも、一方でいろんな人が働く場を求め、他方でいろんな人が種々のサービスや利便さを求めているのです。それをマッチングさせていけば、〈商品・サービスの提供(会社側)〉と〈求めているものが満たされる(お客側)〉がうまく出会って、新しい会社ができ、働く場を創り出すことができますよね。
 ただ、難しい問題があります。先に見たさまざまな問題(課題)=ニーズ、栄村の人口規模では1つ、1つのニーズの量が少なくて、1種類ないし2種類程度のニーズに対応するというのでは会社として成り立たないのです。
 この難題の打開方法は?

 

■ 「栄村の基幹産業は農業と観光」と言うけれど…
 ここでちょっと、別の視点から考えてみます。普段から、「栄村の基幹産業は農業と観光です」と言われていることです。
 「基幹産業、基幹産業と言うけれど、基幹産業を守り、発展させていくようなことはちっともやっていないんじゃないか」――かなり人がこう思っているのじゃありませんか。
 私もそう思っています。
 「だったら、ここに踏み込めばいいのではないか」というのが私の発想法です。
 私はこの間、さまざまな機会に観光について問題提起をしてきましたので、観光を主軸に《働く場を創り出す》というのはいいと考えます。
 でも、それは、ただ観光施設を管理するだけというような貧困な発想ではモノに成らないです。

 

■ 村民多くの参加でワイワイガヤガヤ
 村民の多くの人がワイワイガヤガヤ、いろんな形・方法で参加するので、外から来るお客さまにとって面白いし、村民も楽しくなる、さらに、先に見てきた様々な問題(課題)の解決にもつながる――そういう発想法での新しいタイプの事業です。
 たとえば、「私は足(車)がないので、買い物が不便、行きたい温泉にも行けない」と言う人、しかし、その一方で、「おらはまだまだ元気だぜ。出来上がった料理をお客さんの席まで運んで、ただ置いてくるだけじゃなくて、気の利いた声かけの一つもやって、お客さんを喜ばせる自信はあるよ」と言う人、5本、10本の指では収まりきらないほどにおられると思います。そういう人を送迎してでも、短時間でよいので観光施設で働いていただく。若い人が軸の会社が、こういう発想法をもってやっていけば、観光の発展になるし、栄村の深刻な課題である〈交通(足)〉の問題の打開や〈高齢者の楽しみの機会の不足〉という問題の打開にもつながります。
 さらに、「観光施設は外からのお客さまが利用するところ」という固定観念を、施設運営の会社も村民自身も打ち破っていけば、先に挙げた「飲める処、食べる処がない」という問題の打開にもつながります。さらに、どうしても季節的な要因で観光客が少なくなる時期に観光施設をただ遊ばせておくのではなく、村民の楽しみを増やす場として活用し、そして施設運営会社もそれなりに稼げますよね。よく言われる「ウィン?ウィンの関係」ということになるでしょうか。

 

◎ 行政や議会が果たすべき役割は?
 ここまで書いてきたことは、あくまでも一つの試論です。
 みなさんそれぞれが、いろいろ考えて、アイディアを出して下さることが大事だと思います。
 ところで、ここまでに書いてきたことは、いわば《民間主導》の話です。となると、行政(役場)は何をするのでしょうか? また、議会・議員の役割は何なのでしょうか?
 結論から先に言うと、民間がやろうとすることを邪魔しない、後押しすることだと思います。村民からよく聞く言葉ですが、「役場の上層部は何かにつけて、『前例がない』、『何かあった時、責任をとれるのか』と言って、若手職員の提案を潰してしまう」と言われます。いや、若手職員の提案だけではなく、村民の斬新なアイディア・提案に対しても同じではないでしょうか。
 行政(役場)にやってもらいたいことは、新しいチャレンジへの補助金(制度)の検討ではありません。村民側も何かといえば「補助金頼り」という考えはやめるべきでしょうね。欲しいのは補助金よりも、なによりも、「おー、そのアイディア、いいね。やって下さい。何か困ったことあったら、一緒に考えますから」という積極的な応援の姿勢を示してくれることだと思います。もちろん、素敵な補助制度がある場合は、その紹介も有難いですが。
 議会・議員も同じです。村民の声に耳を傾け、村民のチャレンジを応援する、行政がそういうものを応援する方向に向いているかをチェックする。そういう姿勢が求められていると思います。
 私は今回の「議員活動報告」を「議員は政策立案・提言の活動をできているか?」といわば自問自答することから始めました。そのことからすると、ここまでの記述は《民間主導》の動きについての提起で、議員の政策立案とは言えないかもしれません。しかし、「何でも行政施策で解決する」という発想法の政策ではダメだと考え、ここまでの提起をおこなってきました。みなさまの感想、ご意見をいただければ有難いです。

 

◎ 情報を繋げる−思いを繋げる!
 最後に、一つ、ある意味で最重要のことを提起させていただきたいと思います。
 見出しに書いたとおり、《情報を繋げる》ことです。
 十年ひと昔、村には有線電話がありました。いま、70歳以上の世代の人はこの〈有線〉でずいぶんと色んな人と繋がり、お喋りし、情報を交換し合いましたね。いまも、NTTの固定電話があると言っても、料金もかさむし、〈有線〉のようには使いませんね。
世の中はネット時代、SNS時代になりました。パソコンを使わない人でも、「家族の間ではLINE(ライン)を使っている」という人も結構おられるようです。比較的若い世代だとFacebook(フェイスブック)をやっている人もそこそこおられます。でも、村内の情報が縦横無尽に繋がるという状態にはなっていません。
 私自身はネットでの情報発信を行う一方、村内では紙媒体での情報伝達もしていきますが、この《情報を繋ぐ》ことが栄村のこれからにとって最重要のテーマであることを指摘しておきたいと思います。《情報》は単なる《情報》ではありません。《情報》にはみんなそれぞれの《思い》が詰まっています。それを繋げていきたいのです。

 

<後記>
 みなさん、同じ思いだと思いますが、猛暑に参っています。
 外での仕事に携わっておられる方はそうも言っておれないでしょうが、午後の1時〜3時の頃はあまり外で騒がない方が賢明ですね。
 暑さも厄介ですが、私は太陽光線の激しさに気をつけるようになりました。TVで言っていましたが、「目から強い光線の刺激が入ると、それが脳に伝わって、めまい症状などを引き起こす」そうです。そんな次第で、7月末から昼間の外出時にはサングラスをかけるようにしています。みなさんのお宅に配達に廻った際、「えっ?」と驚かれるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 

 

9月議会の予定のご案内

 

 9月は定例議会開会の月です。
 今年は9月4日(火)に開会し、11日(火)まで続く予定です。

 9月議会は〈決算議会〉とも呼ばれます。平成29年度の村の一般会計・特別会計の決算書が提出され、審議されるからです。
決算書は決算特別委員会という議員全員参加の委員会で審議されます。決算特別委員会は9月7日(金)と10日(月)の2日間の予定です。午前10時から(正午〜午後1時半の昼休憩を挟んで)午後5時近くまで、ぶっ通しで行われます。
 4日は決算以外の議案の提案とその審議です。理事者側からどういう議案が出されてくるかはまだ分かりません。5日(水)と6日(木)は一般質問です。
 私は補選で議員になって2年半近く、昨年の選挙で初当選された議員も1年半近くになり、これまでの一般質問のやりとりを総括し、より深みのある質疑を実現していかなければならにと考えています。
 11日(火)は総括審議と議案採決です。

 多くの方々の傍聴をお願いします。
 私自身の傍聴経験からも、傍聴者には議案書などが配られない中での傍聴は結構キツイものです。傍聴予定をあらかじめご連絡いただければ、議案書を提供することはできませんが、関連資料などをご提供できるようにしたいなあと思っています。傍聴をご希望の方は是非、ご一報ください。
 よろしくお願いいたします。


松尾まことの議員活動報告第28号(6月22日付)

「公社解散・新会社設立」の真意と展望について

 

 6月21日付信毎3面で、「栄村の4温泉施設 村、新会社で管理 検討」と大々的に報じられました。その記事を読まれた方も多いと思います。
 この動きは村議会6月定例会での審議によって浮上したものですので、6月定例会での議論と今後の展望について、議員として村民のみなさまにご報告させていただきたいと思います。

 

◎ 6月定例会での議論と結論
 6月定例会には、村から「一般会計補正予算(第2号)」が提出されました。村の4月人事異動に伴う役場人件費の調整*が主内容の1つですが、最重要の問題は、「村の4観光施設の指定管理料として3,300万円を追加支出する」という件でした。
     *役場職員の給料等の人件費は「総務費」「民生費」等の費目

      毎に計上されています。4月人事異動で、たとえば総務課の

      人が産業建設課に動いた場合、その職員に係る人件費を総務

      費から産業建設課関係の該当費目に移す補正予算措置が必要

      になります。

 

■ 振興公社理事長と議会全員協議会で話し合い
 議会は、この指定管理料3,300万円追加の是非について判断するために、定例会初日15日の午後、議会全員協議会(全協)を開催し、振興公社理事長山田功氏にご出席いただいて、公社経営の現状と見通しについて説明をいただきました(理事長の補佐役として総支配人が同行)。
 まず、すでに5月の全協に資料として提出されていた「平成30年度収支計画書」をベースとして、本年4〜5月の実績、今後の見通しについて説明を受けました。
 4〜5月は、「収支計画書」よりも約130万円増の営業収入が得られたとのことでした。とくに雄川閣での増収が大きかったようです。6月以降については、4~5月のような営業取り組みを展開していけば、「収支計画書」通りの営業、あるいは「収支計画書」よりも赤字を減らすことが可能という説明が得られ、私たち議員も納得できました。

 

■ 問題は基本財産(資本金)の減失
 つぎに、「栄村が出資する法人の経営状況」として村から6月議会に提出された振興公社の平成29年度決算書をめぐる話し合いに進みました。
 企業の経営と資産の状況を一目瞭然に示すものは「貸借対照表」(いわゆる「バランスシート」)です。これを見ると、 峪慊蠕橘財産」(通常の「資本金」にあたるもの)は8千万円と記載されているものの累積赤字が6千万円規模になっていて、純資産は、実際には約1,900万円しかなく、さらに、固定資産として定期預金2,900万円があるものの(昨年の村の出捐金を定期預金に入れたもの)、この定期預金を担保として平成29年度中に2,500万円の短期借入がされていることが明らかになります。
 そこで、議会は、この2,500万円の短期借入金を返済するに足る営業利益確保の見通しがあるかを尋ねました。回答は、そのような営業利益確保の見通しはないというものでした。議員は、短期借入金の返済のために、定期預金2,900万円のうち少なくとも2,500万円が消失するものと受け止めました。

 

■ 19日、再度の全協で議会の対応方針を協議
 15日の公社理事長との話し合いの結果をふまえて、議会は「指定管理料3,300万円追加」という補正予算案への対応を決めるため、一般質問日程終了後の19日午後、再び議会全員協議会を開催しました。
 この全協では、冒頭に議長から、事の重要性に鑑(かんが)みて、議員全員が自らの考えを述べることを求める旨、告げられました。
 おおよそ2時間強に及ぶ協議でしたが、「振興公社の自主解散、新会社設立による村4施設の管理運営」、「指定管理料3,300万円の追加は承認するが、公社への一括交付は認められない。公社による運営期間に対応する分だけを公社に交付し、新会社がスタートすれば、新会社による管理運営期間分は新会社に交付する」という結論に達しました。なお、当然のことながら、振興公社で現に働いている人たちの雇用は新会社が保証するという考えです。
 その後、全協を中断し、議長・副議長・議運委員長の3名で村長に上記の内容を申し入れ、村側の基本的同意を得ました。


■ 20日の6月定例会最終日の議事進行と採決
 6月定例会最終日の20日、議会は議事日程を変更し、指定管理料3,300万円追加を含む一般会計予算案を除く議案の採決を先に行い、その後、いったん議会全員協議会に切り替えて村長と協議し、19日に申し入れた議会側提案への村の基本同意を確認しました。
それをうけて、本会議を再開し、指定管理料3,300万円追加を含む一般会計補正予算(第2号)案を全会一致で可決しました。

 以上、やや煩雑になったかと思いますが、審議の経緯の報告です。

 

◎ 4施設の維持の必要性と経営改善の可能性
 ここまでにご報告した審議において、私たち議員が議論の根底に据えた1つの重要な認識は、雄川閣、のよさの里、トマトの国、北野天満温泉の4施設を維持しなければならないということです。
 4つの施設は、開設してから50年近くを経て老朽化しているものもありますが、村民と栄村にとってなくてはならない施設だと思います。4つの施設が閉鎖されるという事態になれば、村中(むらじゅう)が「灯が消えた」ような状況になってしまいます。仮に施設の統合のようなことを検討するとしても、それは4施設の運営・経営状況が改善され、村の将来について希望をもてる状況の中で行われるのでなければならないと思います。
 ところで、「栄村に限らず、周辺の市町村を見ても観光客は減少傾向。4施設の経営改善は望めない」という声が少なからぬところから聞こえています。
 でも、本当でしょうか。
 「圧倒的な黒字経営」とはいかなくても、もっともっと利用客を増やし、健全な経営状況に近づけることは可能です。早い話、公社理事会の当初方針では「4月以降、宿泊受入は金・土曜日のみ」とされていた雄川閣を全曜日宿泊受入に転換する等の営業努力を行った結果、雄川閣が4〜5月の営業収入増のけん引役になったという事実があります。
 また、私は温泉入浴するために毎夕、トマトの国に行きますが、この6月、信越トレイルのお客様(マイクロバス1台)や、野沢温泉村の人たちの1泊宴会、スマホでトマトの国を知っての飛びこみ宿泊等、さまざまな利用があります。これまでの公社ではやってこなかったことですが、こういうお客さまの動向をネット等で情報発信すれば、「お客がお客を呼ぶ」という構図が生まれてきます。
 4つの施設は、観光施設としてのみならず、村民の福利施設として必要不可欠のものです。4施設に行く「足」の提供など、利便性を高めれば、村民の利用度もぐっと高まります。
 村民の大事な財産として、4施設をなんとしても維持し、経営状態を改善していかなければならないと思います。

 

◎ 「振興公社の解散」はなぜ必要か
 「4施設の経営改善の見込みあり」ならば、なぜ、振興公社を解散し、新会社を設立する必要があるのか? という疑問が出てくるかもしれません。
 その点について、以下に説明します。
 栄村振興公社は平成25年度以降、「一般財団法人」として存在していますが、「財団法人」とは一定の基本財産があることをもって「法人」として成立しているものです。栄村振興公社の場合、その「基本財産」は、設立当初に村が出資した3千万円と平成28年度に村が追加出資した5千万円の計8千万円です。
 しかし、2頁の前半に書いたとおり、この8千万円のほとんどがなくなっています。これは栄村振興公社定款の第31条で「解散」する事由として規定されている事態です。さらに、平成30年度末(来年3月31日)の決算では、基本財産がもっと減り、「一般財団法人に関する法律」で法的に「解散」が決まる事態にもなりかねません。言葉をかえれば、いますぐに何らかの策を講じなければ、「破綻」という事態になりかねないのです。
 そういう事態はなんとしても回避すべきです。事と次第によっては「栄村が破綻」と受け取られかねない事態になりかねません。
そういう事態を回避するためにも。振興公社を自主解散し、替わって、村民が主役となる新会社を設立して4施設を運営する方向に舵をきるべきです。
     *村民の方からは、「そもそも追加投入した5千万円を

      食い潰した経営者の責任はどうなっているのか」とい

      う疑問の声、質問が届いています。従来の経営陣の経

      営に対しては、私自身を含め議員はこの間の議会審議

      等で追及してきたところです。そのうえにたって、公

      社を解散となった場合、法律で定められた「清算」の

      手続きが行われることになります。その過程で、さま

      ざまな問題点が明らかになってくるだろうと考えられ

      ます。

 

◎ 新会社の設立と健全経営の展望
 新会社を設立できるのか、新会社では健全経営は可能なのか。これが、つぎに明らかにしなければならない問題です。
 一番のポイントは、「村の資金投入に頼る」という、いわゆる「親方日の丸」体質を一掃し、「自分の食い扶持は自ら稼ぐ」という民間企業にとっては当たり前の会社にするということです。ですから、議会が全協で意思統一した提案では、まず、「新会社には村は出資しない」ことを確認しています。
 栄村には、そういう民間企業の経営を現にやっておられる方が何人もおられますし、そういう企業経営の経験者もかなりの人数おられます。
 そして、新会社で働くみなさんには、接客サービス業に従事する者としての自覚を新たにしていただき、創意工夫を凝らして、村民利用客、村外からのお客さまに満足していただける仕事をしていただくことが求められます。
 さらに、新会社には多くの村民の方々に4施設運営の主体として積極的に参加していただくことが大事になります。たとえば、これまでも自家栽培の野菜を4施設の食材として無償提供して下さっている村民がおられますが、そういう村民のご支援・協力を施設営業計画にきっちりと取り込み、それを含めて収支改善に取り組んでいくことが必要です。
 また、そうした村民のみなさんからのご支援・協力をいただくことの大前提として、4つの施設の運営をめぐって、施設地元の村民のみなさんなどで構成される運営協議会、あるいはサポーター(支援者)協議会のようなものを設けることになっていくと考えます。

 人間、最後に逃げ込める場所があると、なかなか本気にならないものです。4施設の運営でいえば、「最後は村にお願いすればお金が出てくる」というのではダメだということですね。
 新会社による4施設運営に展望があるかどうか。それは、「栄村に未来はあるのか」と問うのと同じだと思います。私たち栄村村民の未来をかけて、村民が心を一つにして奮起するときだと思います。

 

◎ 職員のみなさんには新会社で頑張っていただきたいと願っています
 現在、振興公社にお勤めのみなさんは、「公社解散、新会社設立」によって、みなさんの雇用がどうなるのか、たいへん不安に思われていることと思います。
 議会は、職員のみなさんに新会社に移って、その力を存分に発揮していただきたいと願っています。
 新会社の設立は、職員のみなさんが働きやすい環境、働き甲斐のある環境を創り出すためのものでもあると、私たちは考えています。新会社は、経営者と働く人たちが対立するようなものではなく、働く人たちが会社経営の先頭にたつ会社でなければなりません。
 厳しい経営環境の中での出発ですから、給与体系の見直し等も当然に課題として出てくることと思われます。しかし、大事なことは、「接客サービス業として、きっちり働けば働いた分が自分たちに還ってくる」、そういう経営を実現していくことです。
 私たち議員は、そういう環境が実現されるように全力で支援していく思いでいます。
 是非、新会社で頑張ってください。

 

◎ 議会はリーダーシップを発揮します
 議会は、19日の全協で一人ひとりが自らの考えを述べ、総意で「公社解散、新会社設立」を提言しました。
 である以上、議会は新会社の設立と成功のために全力でリーダーシップを発揮する責務を負っています。
 新会社は、村からの出資を求めません。振興公社との決定的な相違点です。同時に、村の4施設を指定管理で引き受けますので、一定額の指定管理料が村から支払われます。そのため、新会社の経営に議員が携わることは法律的に許されません。
 しかし、新会社の設立にむけてアイディアを出すこと、新会社への村民のみなさんのご協力をいただけるように努力することは法的に許されるばかりでなく、積極的にやらなければなりません。また、新会社が始動し始めた後も、新会社による4施設の運営がうまくいくように、村民の先頭にたって頑張る責務を負っています。
 議会が一丸となって、そういう責務を果たしていくことを議員としてみなさまにお約束したいと思います。


地震被害復旧関係補正予算について

 6月定例会では、5月25日発生の地震被害の復旧に関わる補正予算4,470万円が議会最終日に提出され、可決されました。

 

● 農地復旧と公共建造物の復旧が主
 農地関係では、国庫補助による災害復旧事業2,166万円と村単の小規模災害復旧166万円の計2,332万円。この農地復旧事業では、農地で20%、農業施設で10%の受益者負担が課せられます。
 農地以外は、学校等の公共建築物の復旧工事事業が主で、個人住宅被害の復旧に関わる施策・予算は見当たりません。
災害復旧予算は基本的に承認せざるをえませんので可決しましたが、問題点は残っています。

 

● 被害を受けた村民の実状にもっと細かな気配りと対応を
 今回の地震では、長瀬集落などを中心に個々の世帯がさまざまな被害を受け、修復・復旧の工事等を迫られています。
 7年前の大震災と比較すれば軽微な被害だとはいえ、個々の世帯にとっては、〜芦鹵録未良旧工事で背負った借金の返済が完了しないうちに新たな復旧経費を要することになった、∩芦鷽椋劼悗梁弍で蓄えた資金のすべてを使い尽くし、資金力がなくなっているという中で自己負担を迫られ、非常に苦しい立場に追い込まれているケースがかなりあります。
 復旧予算審議での役場側答弁は、「被災判定の調査は求められれば行うが、半壊以下なので補償は考えていない」というもので、被災者の苦しみに心を寄せない、非情な冷たさを感じざるをえないものでした。
 これは改善しなければならないと強く思います。お困りの方は是非、議員にご一報、ご相談ください。


村の財政展望、自然保護策――一般質問と補正予算質疑でかなり厳しい議論

● 「村財政は厳しい」との認識が必要
 栄村の財政規模は本年度一般会計予算で約37億円。しかし、その元になる歳入で見ると、基金(家庭で言えば「貯金」にあたる)からの繰り入れ(取り崩し)が約8億円、新たな起債(=借金)が4億2千万円にのぼっています。これで果たして持続可能な村財政と言えるのか、大きな疑問です。
 6月定例会では、一般質問において保坂良徳議員と私・松尾がこのテーマで質問しました。村側の答弁は納得・満足のいくものではなく、今後、いっそうの勉強・研究をおこなって、引き続き論議を深めていきたいと考えています。
 また、一般会計補正予算(第2号)では、とくに特命対策課の予算で、無駄使いに近いのではないかと思われるもの、説明が十分ではないものが目立ちました。議会は今後、個々の予算の基になっている政策内容の精査を深め、政策と財政に対する厳しいチェックに取り組んでいく考えです。

 

● ギフチョウをめぐる自然保護、観光資源の保全・管理
 一般質問では、相澤博文議員が秋山郷でのギフチョウの密猟の事例を挙げて、自然保護条例の制定の必要性を強く主張しました。監視体制の整備や罰則も備えた自然保護条例は待ったなしで求められています。議員や関心がある住民、専門家の知見を総合し、早急な対策に取り組んでいきたいと思います。
 また、私・松尾は、村民のみなさんから「きれいだ。素敵だ」という反応をいただいている景観の写真を議場で示しながら、観光資源としての評価とその管理・保全について村長の考えを具体的に問いました。村長は私が示した事例について「観光資源だ」と評価しましたが、その管理・保全策については具体的な施策が示せない現状です。

 私は相澤議員とも連携し、関心を有する村民のみなさんに声をかけさせていただいて、栄村の貴重な自然資源のマップを作るなど、自然保護にむけての取り組みを進めていきたいと考えています。みなさんのご協力を是非ともお願いします。

 

 1〜6頁で取り上げた4観光宿泊施設の問題について早急な報告が必要だと判断し、それを中心とする速報の議員活動報告としました。7〜8頁で取り上げた村財政問題などは今後、さらに深めて詳しく議論していきたいと考えています。

 


松尾まことの議員活動報告第27号(5月18日付)

◎ 「北野天満温泉・温泉棟改修工事」1,023万5千円の補正予算可決について
〜いかなる「不具合」が発生したのか? どのような改修をするのか? なぜ、改修方針決定に2ヶ月半も要したのか?

 

 5月15日午前、平成30年第3回臨時会が開催され、村から北野天満温泉浴室改修に関わる一般会計の補正予算案(第一号)が提出され、質疑を経て、議会は本案を可決しました。
 改修工事は約1ヶ月を要し、6月中に完了する予定です。「営業再開は7月13日から」と告知されていますが、工事が順調に進めば、営業再開が若干早まる可能性もあります。

 

● 「不具合」は浴室天井の垂れ下がり・落下の危険
 北野天満温泉は、2月下旬から「浴室不具合により温泉入浴営業中止」とされてきました。「不具合」の具体的内容については、村民のみなさんも伝聞情報でいろいろとお聞きになっていると思いますが、これまで正式発表はありませんでした。
 北野温泉の男性用浴室の天井は、かなり以前から水が落ちてくる事態が続き、雨漏りではないかと思われていました。が、2月後半に至って、天井が膨らみ(垂れ下がり)、見るからに落下の危険が生じました。このため、2月下旬、男性用浴室の使用中止が決められました。

 

● 鉄骨の腐食がひどく、本格修理が必要に
 村は当初、問題の天井を撤去し、新しい天井を設置する方針で、修理工事を発注しました(費用は平成29年度予算枠内で確保)。ところが、3月中旬、施工業者が天井板を撤去したところ、天井板を吊り下げている鉄骨が激しく腐食していること*が発見・確認され、新しい天井板を吊り下げることは不可能と判断されました。また、温泉棟を支える支柱の一部の腐食も確認されました。
   *厚さ3mmの鉄骨の上下各1mmが腐食し、実質的厚みは

    1mmしかない。
 ここで、村は、どのような修理が必要かつ可能かを検討するため、温泉棟建設時の設計業者と施工業者を呼び、調査を依頼しました。
 その調査結果をうけて、村は4月13日に会議を開催し、対策方針が協議されました。浴室棟の全面改築と、当面の温泉営業を可能にする仮設工事の2本立てが検討されたようです。そのうちの仮設工事について具体的な詰めの検討・協議が4月24日に行われ、今改修工事=仮設工事の方針が決められ、今回の補正予算案に提出に至りました。
 仮設工事の主内容は、‥薫罎鮟祥茲茲蠅盞變未里發里箸垢襪海函瞥畆偲錣隆靄楾格を形成しているH鋼から直接に吊り下げる)、腐食の激しい支柱2本を改修すること、女性用浴室の天井にも歪みがあるため、女性用浴室の天井も取り替えること、げ虻に雨漏り箇所が数ヶ所あるが、部分修復で対応する、ことです。

 

●「温泉棟改築」は未定
 ところで、5月16日の信濃毎日新聞では、「栄村は入浴棟を2020年度内に建て替える方針を示した」と報道されています。
 たしかに、質疑の過程で、商工観光課長が「今回の工事は仮設で、いずれ改築が必要。約1億8千〜9千万円を要する。過疎債発行で賄うにもすぐは無理。2〜2年半くらいのうちに出来るようにしたい」と答弁しましたが、これはあくまで「見通し」の類の発言で、村の方針として改築が決定されたものとは言えません。
 約2億円という巨額の投資になりますから、総合振興計画並びに事業実施計画との関係、また過疎地域自立促進計画(過疎債発行の前提となるもの)との関係で、村側での検討が必要です。また、議会としても、村側の考えを尋ね、議会としての意思形成を行っていかなければなりません。

 

●「地盤の傾き」について
 また、信毎記事では、「地盤の傾きで浴室棟全体が傾いている」、「浴室棟は耐震基準を満たしていない」とも報道されています。
 たしかに、3月下旬からの調査によって、浴室棟の地盤が北野川の方にむかって、120分の1傾いていることが判明しました。「120m進むと、地盤が1m下がっている」ということです。そして、この傾きは耐震基準を満たさないものです。
 これは当然にも7年前の地震の影響だと考えられますが、断定的なことは言えません。たしかに地震直後、浴室の洗い場の水が浴槽方向に流れる異変が生じ、洗い場の水が浴槽に入らないようにする対応措置がとられた経緯があります。その際に詳しく調査していれば、地盤の傾きが明らかになっていた可能性があります。
 しかし、地震当時、国の震災被災判定・復旧支援においては、建物の傾きは被災判定・復旧支援の対象になっていましたが、地盤については調査や支援の対象とされていませんでした。個人の家でも、「建物は基本的に大丈夫だが、地盤が傾斜し、家に住めない」という事態をめぐって、地盤の傾きは被災判定において考慮されなかったという事例がありました。
 この点、国の地震対策のあり方の問題として被災地である栄村から声をあげていく必要があると考えます。

 

 今回の北野天満温泉浴室をめぐる問題は、経緯等が複雑であり、説明するには難しさがあります。私は15日の本会議で、「村が責任をもって村民への説明を行うように」求め、村長が「6月の広報で経緯を含め、説明する」と約束しました。私は当初、詳細な説明は村の広報に委ねたいと考えていましたが、上記の信毎の報道もあり、「広報」を待たずにある程度の報告説明をしなければならないと判断し、ここまでの報告を書きました。
今回の事態、村は「浴室不具合」としか発表せず、対策方針の決定までに2ヶ月以上を要するなど、対応の遅さ、不明瞭さが目立ちました。村がこの点を反省し、もっと透明性のある行政にしていくことが求められていることを最後に指摘しておきたいと思います。

 


◎ 振興公社への村の資金支援について ―― 5月15日全協での村との協議内容の報告
 5月15日は午前の臨時会本会議に続き午後1時半から、議会全員協議会(村長提出)が開催されました。協議内容は、「栄村振興公社の経営状況について」。3月定例会の際に、振興公社のH30年度収支見通しが約5,800万円の赤字であること、村としては6月定例会に振興公社への追加資金の投入を考えていることが表明されていましたが、その「追加資金投入」にむけての村側の基本的考えが示されたわけです。

 

● 村の方針概要
 村の方針概要は、振興公社のH30年度収支見通しをベースに形成されています。その収支見通しでは、
   事業収入 1億0,397万2千円
   事業費用 1億4,020万6千円
   管理費 1,532万4千円
   全体収支 ▽5,155万8千円
となっています。3月29日の臨時議会で示された収支見通しの赤字額は5,800万円と比べると、赤字額が約644万円減となっています。
 これに対して、村は、
   ・ H30年度予算ですでに投入済みの指定管理料1,850万円

    に加えて、新たに4,305万8千円を投入する。
     うち、3,305万8千円はH30年度の赤字の補填
        1,000万円は次年度4月の運転資金の確保
   ・ この資金投入は、指定管理料の追加として行う
という方針を表明しました。

 

● 議会側が問題視した論点
 村側のこの方針表明をうけて、約2時間半強、協議しました。
 議会は、3月29日の臨時議会で村と振興公社の間での指定管理契約(1年間)を認める議決をした時点で、振興公社を破綻させないためには今年度、追加資金の投入が必要となることを認識していました。したがって、追加資金を投入すること自体への反対意見はありません。しかし、だからと言って、「何でもあり」は許されません。5名の議員(相澤博文、上倉敏夫、松尾眞、保坂良徳、阿部伸治)が複数回にわたって、質問と意見表明をしました。その主な論点を紹介・報告します。

 

■ 指定管理料の支払は年1回と定められており、指定管理料の追加増額は認められない
 第1の問題点は、指定管理料の支払は、従来、「指定管理に関する協定書」第20条で「毎年度1回支払う」と定められています。議員は、この条項を基に「指定管理料の追加増額はありえない。認められない」としました。
 村はこれに対して、「協定書の改定を行い、指定管理料の追加増額をしたい」と答えました。
 私は、この「議員活動報告」を書くにあたって、改めて「協定書」を精査しました。すると、3月29日の臨時議会に提出された議案34号では、「協定書」第20条から「毎年度1回」の文言が削られていたことが判明しました。3月定例会に提出された議案22号の「協定書」第20条に手が加えられていたのです。議案22号と議案34号の変更点は、協定締結の一方の当事者・栄村振興公社理事長の変更と、指定管理期間の5年間から1年間への変更の2点と了解されていたので、気がつかなかったものです。私たち議員のミスとして反省しなければなりません。ただし、この「変更」について役場担当部署に問い合わせたところ、契約期間が1年間になったため、いわば機械的に「毎年度…」という表記を削ったもので、特別な意味はないとのことです。
 指定管理制度は、村の観光レクリエーション施設の振興公社への指定管理だけでなく、村の他の諸施設をめぐっても運用されています。「指定管理料の支払は毎年度1回」の規定をご都合主義的に変えると、さまざまな分野で村の指定管理料支出が際限なく増える危険が生じます。

 

■ 指定管理料の追加増額を認めない場合、追加資金の投入はどのような形になるのか。
 追加資金をどのような形で投入するか。ありうる方法は、出捐金、補助金、貸付の3つです。
 村長は昨年1月の「出捐金5千万円の投入」提案時に、「私の任期中、出捐金や補助金の投入はこれっきりで、二度目はない」旨の発言をしています。その発言との兼ね合いという問題があるとは思いますが、訂正しなければならない事態に直面した場合、前言を訂正するのが筋でしょう。もちろん、「5千万円の出捐金で充分」という見通しになぜ狂いが生じたのかをきちんと説明する必要があります。それが行政の長の責任というものだと思います。きちんとした説明がされれば、出捐金という選択肢もありえないわけではありません。
 貸付については、村側は「金融機関のようなことはできない」という考えのようですが、それはおかしいです。地方自治法制度上、出捐金の根拠となっている「投資及び出資金」と並んで、「貸付金」という財政支出項目があります。
 ところで、振興公社に約4,300万円の追加資金を投入する場合、そのかなりの部分が人件費の不足分の補填に充てられます。人件費の補填というのは、指定管理料の趣旨に馴染みませんし、「出資」とほぼ同義の出捐金にも馴染みません。補助金ないし貸付で考えるのが妥当と思われます。

 

■ 北野天満温泉の営業停止等への補償、のよさの里の特殊事情にどう対応するのか
 第2の問題点は、北野天満温泉とのよさの里をめぐる問題です。
 北野天満温泉は、H30年度1,043万9千円の赤字見通しとされています。しかし、北野天満温泉は従来、4施設の中で経営状況が比較的よいところで、黒字決算の年度もあります。
   *ただし、H29年度は約898万円の赤字決算。最大要因は

    宿泊費の値上げによる宿泊利用客の減少。昨秋、料金再

    改訂(値下げ)が行われ、宿泊客数が回復し始めていた。
 北野天満温泉のH29年度第3・第4四半期とH30年度第1四半期の大幅赤字には、東部地区の県道の通行止めによる日帰り入浴・食堂利用客の減少と、浴室不具合による日帰り入浴中止、さらに約2ヶ月間の宿泊営業の停止が大きく影響しています。
 振興公社の営業努力では対応しようのない自然災害による損失、村施設の不具合により営業停止による営業損失については、村等から損失補償が行われるべきものです。
 村は15日の協議の中で、「それは指定管理料の追加で対処する」と答えましたが、それはおかしいです。振興公社の営業努力の不足の結果としての赤字と、自然災害や村の施設不具合による営業損失とを区別しないというのでは、経営・営業の実態が分からなくなります。
 公社にとって不可抗力の営業損失額の明確化、そして公社赤字の補填とは区別した補償を求めていきます。

 

 のよさの里をめぐっては、次のような問題があります。
 H30年度は、事業収入269万7千円、事業費用1,613万3千円で、1,343万6千円の赤字見通し。
 H29年度実績は、事業収入1,377万6千円、事業費用1,730万9千円で、393万3千円の赤字。
 事業費用はほぼ同じなのに、事業収入は1桁違います。約1,600万円の経費を投入して、事業収入はわずか270万円というのはありえない話です。
 この異常事態の直接の原因は、H30年度、のよさの里では宿泊営業はせず、営業内容をオートキャンプ場と分家の1棟貸しのみに限定したことにあります。さらに、その背景には、/橋集社側が「のよさの里の指定管理は受けられない」としたのに対して、村が「どうしても指定管理を受けてほしい」としたこと、⊃橋集社はH30年度、秋山には4名の職員しか配置していなくて、とても雄川閣とのよさの里の2施設を同時営業できない、という問題があります。
 この,療世鮃佑┐譴弌△里茲気領い砲弔い討蓮◆崟峪の補填」ではなく、「営業がほとんど出来ず、施設の保守管理を委託する」という意味で、指定管理料とは区別した「施設保守管理費」のようなものを別途交付することを考えるべきでしょう。
 また、△療世鬚瓩阿辰討蓮⊃Π配置(増加)の問題を振興公社との間で真剣に協議すべきでしょう。
のよさの里の経営については従来から困難があることが認識されていますが、H30年度の「約1340万円の赤字」については本来の営業赤字とは性格が異なるものとして捉える必要があります。

 

■ 実務的レベルの詰め作業が必要
 以上、振興公社への追加資金投入をめぐる主な論点を紹介・報告してきましたが、まだまだ「大きな数字」の議論にとどまっていて、振興公社の再建の展望を明らかにすることはできていません。
 全協に提出された文書には、「平成30年度 栄村振興公社収支計画(案)」というものがあり、たとえば、トマトの国について次のような記述があります。

 

    事業収入 35,607(千円) 4・5月は予約をもとに予測値にて

                算出。7〜9月は宿泊人数を1割増に

                て算出。10月からは前宿泊人数実

                績を反映。6月から宴会2割増にて

                算出。宿泊・食事費等は過去二年

                の平均単価にて算出
    事業費用 43,662(千円) 人員は前年+1名(4月〜)+調理

                人(5月〜)+宿直1名(6月〜)

                にて算出。法事用器代追加。
    差引利益 ▽8,055(千円)

 

 事業収入はH29年度よりも約300万円の増。他方、事業費用が約760万円の増で、収支赤字が約470万円増となっています。人員の増加についてはまともな営業を行ううえで必要なものと理解されますが、事業収入については、前年度の宿泊実績や宴会実績等の数字がまったく示されていないので、H30年度の事業収入見通し額について、その是非を判断する術(すべ)がありません。
 私は、15日の全協で、「議会、村、公社の三者でワーキンググループのようなものを作り、事業収入見通し等について具体的な詰めをしてはどうか」と提案しました。村側はこの提案に乗るようです。
 誤解のないように言いますが、この「ワーキンググループ的なもの」はあくまで実務的レベルの作業を行い、議会での審議の前提となる具体的な事項、たとえば「トマトの国の10月からは前年宿泊人数実績」とは何名であり、それによる事業収入はいくらなのか等を明らかにしようとするものです。そういう作業を通じて、追加投入額の妥当性、公社経営再建の見通し等がもう少し具体的に検討できる材料が出てくると思います。したがって、「ワーキンググループ的なもの」は、議会での審議にとってかわるようなものではありません。

 

 議会では、「今回の全協のみで、あとはいきなり6月定例会というのでは審議できない」という見解が多数です。6月定例会は6月15日からの予定ですが、そこにむかって、村民のみなさんのご意見をお聞きしながら、議会全員協議会等で議論をさらに詰めていきたいと思います。

 


<最後に>
 村民の暮らしに直結する村政に遅滞は許されません。よって、北野天満温泉浴室改修の審議、振興公社への追加資金投入に関する協議を粛々と行い、その内容をここまで報告してきました。
 同時に、村の政治のあり方をめぐって、もっともっと議論し、明確にしなければならないことがあることも明白です。村民のみなさまからの様々なご意見をお聞きしています。議会においては村民のみなさまのご意見をふまえて、さらに議論を深めていくことになります。今号ではもう紙数が尽きましたので、その点は次号以降でご報告したいと思います。
 なお、3〜4月、私の「議員活動報告」を配達しきれていない地域があります。今後の議論にとって不可欠な資料としての意味がありますので、未配達地域では今号と共に第24〜26号を配達させていただきます。私の活動量不足でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。なにとぞ、ご理解を賜れますよう、お願い申し上げます。


松尾まことの議員活動報告第26号(4月1日付)

               北野天満温泉前のカタクリ

 

臨時議会(29日)で指定管理契約を議決

 

春爛漫にふさわしい新年度のスタートを切りましょう!

 

 3月29日午前、栄村議会の臨時会が開催されました。
 議題は、3月定例会から持ち越しとなった「栄村観光レクリエーション施設の指定管理者について」。傍聴席では多くの村民のみなさんが審議の成り行きに注目しました。
 栄村振興公社の高橋規夫理事長の辞任と指定管理契約期間の暫定1年化という2つの条件を満たした村と公社の契約書が提出されました。
 現在の指定管理期間が3月31日で満了という切羽詰まった状況の中で、また、“2つの条件”が満たされたからといって、しかし、いわゆるシャンシャンで議決されたわけではありません。
 いま、栄村振興公社で最も重大な問題は、現場で奮闘する職員と理事会の間に深い溝があることです。また、北野天満温泉の入浴設備に問題が発生し、日帰り入浴が中止になっているのに、村の対応方針が明示されていないことも大問題。
 議会では、これらの問題点について慎重に審議し、現場職員と施設地元住民が力を合わせて施設運営を進めていくことを中心とする今後の方向性を明確にしたうえで
、1年間の指定管理契約を可決しました。
 率直に言って、振興公社は絶対的な職員不足の現状にあり、その補充が早急に求められています。しかも、ただ人数を揃えれば事足りるということではありません。施設を熟知している人、不本意に公社を去らねばならなかった人、そういう人たちの力を得ていくことが大事です。また、「理事会、評議員会とは何なのか?」ということを明確にし、それにふさわしい体制を築いていくことが必要でしょう。
 振興公社を再建軌道にのせることができるかどうか。栄村の今後がかかっています。施設地元の住民のみなさんが施設運営に積極的に関わることを中軸にして、村民の振興公社への関わりを強め、新しいスタートを切っていきたいものです。

 

 

◎ 北野天満温泉の浴室不具合について
 北野天満温泉の日帰り入浴が、2月下旬から中止になっています。浴室の天井が垂れ下がり、危険になったためです。
 議会は2月26日に現場視察を行なうなどして、早急な対応を求めてきましたが、3月26日になって、当初計画された応急復旧工事では対応できないことが判明しました。
 このため、3月29日の臨時議会終了後、森川村長が議会に対して、村の対応方針についての説明を行いました。ポイントは2つです。
 1つは、天井裏の鉄骨から新しい天井を吊り下げる応急対応を追求したが、鉄骨そのものの腐食が激しく、この応急対応が出来ないことが判明したこと(3月26日に判明)。
 2つは、北野天満温泉の浴室は全面建て直しを基本とし、その建て直しが完成するまでの間、仮設浴室の設置も検討すること。
 議員からはさまざまな意見が出ましたが、私は浴室の全面建て直しに全力を注ぎ、それを最大限短期で実現することを基本方針とすべきだと考えます。
 全面建て直しを急ぐとともに、北野天満温泉を指定管理で運営する振興公社の赤字増大の要因とならないよう、経営上の検討・判断をしっかりと行って、当面の運営方針を決める必要があります。北野天満温泉周辺の住民のみなさんのご理解、ご支援をいただくことも欠かせないものです。ご意見を北野天満温泉支配人や議員にお寄せいただくことが大事だと思います。

 

 

◎ 県道笹原〜長瀬間の全面通行止め解除をめぐって
 3月23日午後、県道笹原〜長瀬間の全面通行止めがようやく解除されました。1月25日の全面通行止めから約2ヶ月ぶりのことです。
 通行止め解除後、私もすでに何度も通行しましたが、北野・極野などの地区との往き来がスムーズにできて、本当に嬉しいです。

 

● 本格復旧工事が間もなく始まります
 今後、昨秋10月23日の台風21号で土砂崩落した箇所の復旧、雪崩予防柵の設置や土留めの本格復旧工事が始まります。
 すでに工事入札が終わり、竹花組が落札して、工事の準備を進めています。4月1日からの新年度開始に伴い、早々に現場での作業が始まるものと思います。工期は11月までで、予定通りに進めば、次の冬の前に完成します。

 

● 災害から今日までの事態について、しっかり総括・反省が必要です
 一日も早い復旧完成を望むものですが、しかし、そのためにも昨秋の災害発生以降の県建設事務所や村の対応の問題点は曖昧にせず、きちんと総括・反省しておくことが必要だと思います。
 私が考える問題点を3つ、指摘します。
 第1点は、災害直後(10月23日〜11月一杯)の問題です。
 笹原〜長瀬間の災害箇所での流出土砂や倒木の撤去には約1ヶ月もかかり、また、地元住民への説明会が初めて開催されたのは災害から1ヶ月余を経てからでした。
 11月28日の説明会での建設事務所の話などを総合すると、「崩落斜面にかなり多くの土砂等が残っていて、二次災害の発生を防ぐために、土砂・倒木の撤去より前に地盤調査等を先行させる必要があった」ということのようです。たしかにその通りだったのだろうと思います。
 しかし、そうであればこそ、もっと早い時期に地元説明会を開催する必要がありました。「いま、二次災害の危険があるので、こういう調査をしています」という説明会をまず開くべきなのです。この点、しっかり反省して、今後の災害対応に活かしていってもらいたいと思います。
 第2点は、1月25日〜3月23日の全面通行止めに関してです。
 雪崩の危険に対応しての措置でしたが、私は頻繁に現場を訪れ、積雪の様子を観察しました。私は素人ですので、雪崩の危険の有無について確たることは言えませんが、どう見ても建設事務所の現場観察の頻度は低く、状況把握が不十分だったとしか思えません。また、2月26日の議会の現場視察の際、本格復旧工事担当の職員からは雪崩発生危険の観察・判断ポイントについて説得力のある説明が聞けましたが、道路管理担当からはただ天気予測の話ばかりで納得のいく説明が聞けませんでした。長野県は栄村などの一部地域を除くとじつは豪雪県ではなく、雪・雪崩への対応力が充分でないと思わざるをえません。改善を望みたいと思います。
 第3点は、村の対応です。
 県道の道路管理者は県であり、村独自の判断での対応ができないことはよく承知しています。しかし、もっと村が主張すべきを主張し、県を動かしていくという対応があって然るべきだったと多くの人が思っています。
 「日本一安心安全な村」という村長のスローガンに恥じない村であってほしいという思いは村民共通のものでしょう。村長に村長らしい仕事の遂行を求めたいと思う次第です。

 

 

 「議員活動報告」は第25号を3月15付で発行したばかりで、全戸配達もまだあまり進んでいませんが、29日の臨時議会があったことから、第26号を4頁版で急遽発行することにしました。そのため、次号(27号)はよほどの緊急事態がないかぎり、しばらく時間をおいて5月になります。ご了承ください。

 


松尾まことの議員活動報告第25号(3月15日付)

“正念場”突破へなんとか一歩踏み出しました
           3月定例会の報告

 

 2月21日発行の「議員活動報告」第24号では、3月定例議会を「栄村の正念場」と位置づけ、みなさんに傍聴して下さるよう、お願いしました。
 定例会は5日に開会し、13日に閉会しました。その評価を一言で言うと、どうなるか? 注目されるところですが、私は次のように考えています。

 

   “正念場”を突破することはとても大変なことであり、実際、

   本定例会は連日夕刻5時まで議論が続くなど厳しい展開が続

   きましたが、“正念場”を突破していく第一歩を踏み出すこと

   はできたのではないか。

 

 「第一歩を踏み出せた」と評価するメルクマール(指標)は3つあります。
 第1は、議案審議、とくに新年度予算の審議において、予算・施策が村民の思いを充分に反映したものとなっているか、予算は充分に精査されているか(無駄な支出を削ること等)を議員が具体的かつ徹底的に解明していったことです。
 第2は、振興公社をめぐって、職員(村民)が気持ちよく仕事に取り組め、地域住民の元気の源となる振興公社の実現にむけて、経営体制の刷新の大きな一歩を築いたことです。高橋規夫公社理事長は3月12日付で辞任しました。
 第3は、議員が本会議・委員会、さらに全員協議会で徹底論議し、村民目線での議会意思の形成へ不断に努めたことです。
 もちろん、まだ始まりにしかすぎません。少しでも気を緩めれば、後退しかねません。村民のみなさんに3月定例会の結果をしっかり報告し、みなさんのご意見を募り、それを基にさらに研鑽を深め、村の予算執行へのチェック能力、さらに政策形成能力を高めていかなければなりません。みなさんの一層の注目とご意見をお願いする次第です。

 


◎ 振興公社が新しい道を踏み出します。住民の支援・協力で支え、応援していきましょう。

 村の4施設を指定管理で栄村振興公社に託する5ヶ年契約が3月31日で期限切れとなります。そのため、3月定例会には、村と振興公社の新契約が村から提出されました。
 議会は3月5日の指定管理関係議案の審議に高橋公社理事長(当時)を参考人として招致するなどして、徹底審議を行いました。
 その結果、高橋理事長に退いていただき、新しい体制で振興公社の事業を展開していく方向性を確立することで議会全員の一致をみ、さらに村にも同意してもらい、近日中に臨時議会を開催して、村と公社の新契約を議決するとの結論に達しました。

 

● 職員がやる気を発揮できる環境の整備――公社立て直しの最重要テーマ
 「議員活動報告」前号で報告したとおり、振興公社の赤字は限りなく膨らんでおり、3月定例会に提出された今後5年の収支計画書はさらにひどい予測を示していました。
 私たちは、2月16日に行った公社理事会との懇談会、26日開催の公社職員との懇談会で聴取したことなどをベースに問題点を検討した結果、「理事長と職員の間に深い溝が出来ている。問題は理事長側にあり、そこにメスを入れて、職員が気持ちよく働ける環境を取り戻すことが公社立て直しに不可欠」という判断に達しました。
 7日の本会議終了後、議会全員協議会(議員のみでの議論)を開催し、議員が一人残らず全員自分の意見を述べて、高橋規夫氏の理事長辞任を求めることを確認し、その結論を村と公社の双方に申し入れました。
 3月12日、振興公社の評議員会(理事の任免権を有する)が開催され、高橋規夫氏が3月12日付の辞表を提出、評議員会はこれを受理しました。
 これによって、議会最終日には、新体制の公社との間での指定管理契約が議決されるはずでしたが、「辞任した理事長がなお当面の間、公社を統括する」というまったくおかしな動きがあったため、3月定例会会期中の決着とはせず、1週間ほどの期間をおいて、誰もが納得できる新契約書を整えてもらうということで、村側の新議案提出−審議・議決を臨時議会に先送りしました。

 

● 公社職員と地元住民の協力が重要に
 新体制の構築に踏み出した振興公社ですが、難題が山積しています。職員の絶対的な不足、経営監理体制の不備、赤字を解消できるだけの誘客の方策をまだ編み出せていないこと、等々です。これからの1年間でいっきに再建を実現することは難しいと思われます。〈再建への礎を築く1年〉と考えるのが妥当でしょう。
 そのために取り組まなければならない課題は多々ありますが、いちばん大事なことは公社職員と住民の連携・協力関係を創り出していくことだと思います。村の宿泊温泉施設というものは、純民間企業がただ利益をあげることだけを目的に経営するものとは異なります。やはり、〈村民みんなが気持ちよく利用できる〉ことがベースにあって、職員と住民が力を合わせていくことによってこそ、外からの観光客のみなさんを温かく出迎え、よりよいサービスを提供することができます。
 そういう考えにたって振興公社を再建すべく、議会は村が関連議案を出してきた時だけ議論するという域を脱し、平素から公社の経営・運営をチェックし、よりよい運営のために知恵を絞るように努めていきたいと思います。
(なお、振興公社の再建にむけてのアイディアの一端は私が編集・発行する「栄村復興への歩み」No.329で提案したいと思います。)

 


◎ 新年度予算について

 3月定例会は別名「予算議会」。議会は村長が提出した一般会計総額37億1千万円と特別会計(10本の特別会計がある)総額12億4,542万7千円の平成30年度予算を可決しました。
この予算を執行する形で、4月1日から1年間の村の行政が展開されていきます。
(なお、一般会計と特別会計を合わせると49億5,542万7千円になりますが、この金額が栄村の年間財政規模を表すわけではありません。というのは、一般会計から特別会計に繰入れられたものがあり、その金額が一般会計と特別会計で二重にカウントされているからです。その分を差し引くと、栄村の平成30年度財政規模は約46億5,700万円程度になります。)

 

● 予算案はどのように審議されたか
 予算案は、5日の本会議で村長から提案されました。その後、8日の本会議で総務課長が補足説明をした後、議会が予算特別委員会(議員全員が委員となる)を設置し、同委員会で総務費、民生費等々の費目順に2日間にわたって審査しました。
 予算特別委員会では、議員が「質問の必要がある」と判断した予算の項目を指摘し、村長や課長の答弁を求めます。さまざまな問題点が指摘されますが、村長や課長は予算を正当化する立場から答弁します。
 予算特別委員会ではこういう質疑を一般会計、各特別会計のすべてについて行いました。そして、定例会最終日13日の本会議では予算案に対する反対、賛成の討論を行い、その後、採決が行われました。討論では反対討論はなく、保坂良徳議員が賛成討論を行いました。ただし、保坂議員の討論は「予算案に諸手(もろて)を挙(あ)げて賛成」(=無条件に賛成)ということではなく、むしろ予算案の種々の問題点を指摘し、予算執行に際してその点に留意することを村長に厳しく求めるというものでした。
 採決は起立方式で行われ、議長を除く9議員全員起立の全会一致でした。

 

● 予算案可決の意味
 「賛成討論」について「諸手を挙げての賛成ではない」と書きましたが、私を含めて多数の議員がそういう思いです。
 では、なぜ「反対」し、否決しなかったのか。新年度が間近に迫り、3月定例会で予算が成立しない場合、4月1日からの村行政がストップするからです。国レベルでは、3月31日までに新年度予算が成立しない場合、当面する行政執行に必要な経常経費のみを計上した暫定予算を編成しますが、村レベルではそういう暫定予算の編成には困難があります。
 否決を選択するのは、4月1日からの行政機能のマヒを覚悟してでも否決しなければならないほどの大問題がある場合に限られます。
 残された対応策として「一部修正」を議員が提案するという方法がありますが、削るべき費目を削るというだけでは修正案として認められません。予算の歳入・歳出の全体について整合性がつくように修正することが求められ、かなりの時間と専門知識を要する作業となります。議会開会1週間前に初めて予算書を渡された議員が議会開会中にそこまでの修正作業をすることは限りなく不可能に近いことです。
 したがって、私たちは予算の成立を認めた上で、今後の予算執行段階で無駄な支出をしないことや補正予算での実質修正を村側に求めていくという道を選択しました。

 

● 村民の暮らしに直結する事項
 新年度予算で村民の暮らしに直結する事項を紹介します。
 1つは、介護保険料の値上げです。
 予算と同時に3月定例会に提案された「栄村介護保険条例の一部を改正する条例」が賛成多数で可決されました。この結果、65歳以上の1号被保険者の支払額は基準額で月300円(年間3,600円)引き上げとなりました。年金のみで生計をたてている人にとっては非常に大きな打撃となります。
 2つは、保育園の保育料の引き下げです。
 少子化対策の重要性が叫ばれる中、子育て家庭の負担が軽減されること自体はいいことだと思いますが、今回の予算での保育関係施策は、保育園父母のみなさんが村に要望されている最優先事項(保育士体制の充実など保育環境の整備・充実)に充分に応えるものにはなっていないと思います。
 3つは、秋山の交通対策です。
 朝と夕の秋山・和山行きの路線バスが無くなったことに代替するデマンド交通を津南町と共同で運行する予算(総額1千万円、津南町と折半)が一般会計に計上されました。

 

● 無駄な支出、疑問のある支出・経費算出について
 先に書いたように、新年度予算は全面賛成できるものではありません。とくに問題があるものについて(紙幅が許す範囲ということで)4点に限って指摘します。
 第1は、村民の思いが予算に反映されていないものがあることです。典型が消防団の待遇改善をめぐる問題です。3月定例会には消防団の待遇に関する条例の改定案が出され、予算もそれに合わせる形になっています。ところが、総務省基準では消防団員への報酬が3万6,500円であるのに対して、村ではわずか1万4千円(月額ではなく年額です)。背景には村の財政事情もありますが、いちばんの問題は消防団の活動に対する思い(評価)が村側から伝わってこないことです。
 第2は、無駄な支出、練られていない支出があることです。前者の典型は「食の高付加価値化プロジェクト」(約128万円)。予算の77%が村外アドバイザーへの謝金や委託料に充てられ、村民はタダ働き同然の扱いになっています。また、物産館食堂・厨房改修費として4,950万円も計上されていますが、「道の駅」と物産館をどんな施設にしていくかの全体像がまったく練られていません。
 第3は、この1年間の議会での村長答弁が守られていないことです。たとえば、12月定例会で村長は私の質問に答えて、「若者定住マイホーム支援事業」と「住宅リフォーム支援事業」を抜本的に見直すとしたにもかかわらず、新予算に前年とまったく同じ予算をつけてきました。しかも、3月補正予算でこれらの費目のほとんどが使い切れないで減額する修正をしているにもかかわらずです。
 第4は、不明瞭な金額があることです。簡易水道の水源地・配水池の買収が予算計上されていますが、計12か所で総額は約127万円。1崚たり283〜319円になります。ところが昨年、切明の水道源泉地の買収は1崚たり1,500円。まったく納得し難いことです。

 

 以上、新年度予算に関する報告です。今後の予算執行状況をしっかりチェックしていきたいと思います。

 


◎ 森川村長の不適切発言について

 すでにご存じの方も多いことと思いますが、3月6日の一般質問への答弁において、村長森川浩市氏が、私・松尾眞の名を挙げて、まったく根拠なき誹謗中傷を延々と行うという前代未聞の事態が起こりました。私の名誉を毀損(きそん)するものであり、議会の秩序と規律を破壊する暴挙です。
 議会は8日に議会全員協議会を開催し、この事態について協議し、全会一致で森川氏に撤回と謝罪を求めることを決めました。そして、翌9日、森川氏に〈撤回・謝罪〉をするように申し入れました。しかし、森川氏は拒否。事態は暗礁に乗り上げました。
 12日、私は公式的なルートで、村長が発言を撤回すること、それに対して私が冷静に対処することを求める打診を受け、了解しました。しかし、議会最終日の13日になると、森川氏は「撤回を撤回」、すなわち撤回も謝罪もしないというのです。これにはもう呆れ果てるしかありません。

 

● 刑法230条違反が明々白々な誹謗中傷
 森川氏の発言は、刑法230条が犯罪と規定する「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀し、損した」ものです。森川氏は、私が議員という公職の地位にあることから、同条の例外規定に該当し、森川氏は罰せられないと強弁しているようです。しかし、その例外規定は、「真実であることの証明があったとき」に適用されるものです。いま現に松尾が「中核派と関係がある」とか、「村民を脅している」というような荒唐無稽なでっち上げ話が「真実である証明」など出来ません。森川氏の発言が刑法230条に違反するものであることは誰の目にもあきらかです。

 

● 議会の秩序と規律を破壊する暴挙
 森川氏の暴言は私・松尾を誹謗中傷するにとどまらず、議会の秩序と規律を破壊するものであり、議会への攻撃でもあります。
 地方自治法や議会会議規則は、議員が他の議員を個人攻撃することを固く禁じ、そのような行為は懲罰の対象とすることを規定しています。最も厳しい懲罰処分は議会からの除名、すなわち議員資格のはく奪です。しかし、行政の首長がそのような行為を行うことは想定しておらず、議会の懲罰権は首長には及びません。
 そこで、議会は全員協議会を開催し、徹底議論の結論として、森川氏に発言の撤回と謝罪を求めたのです。森川氏がこれを拒否したことは、議会の意思をまったく無視することを意味します。

 

● 法的手段を用意しつつ、事態に冷静に対処していきます
 議会には森川氏に〈発言撤回・謝罪〉を強制する権限がありません。同時に、〈撤回・謝罪〉を求める姿勢を堅持しています。9日の全員協議会でそのことが確認されました。
 私・松尾は誹謗中傷を受けた被害者本人です。
 村民の方々から、また近隣市町村の方々から「攻撃に負けないで」という励ましの声をたくさんいただいています。有難うございます。
 私は、栄村議会の議員(議会の一員)として、議会の意思に基づいて行動します。すなわち、森川氏に〈撤回・謝罪〉を求めるということです。
 同時に、被害者当人として、身を守るために必要なことはせねばなりません。すなわち、法的手段に訴えることです。私はすでにその用意を整えていますが、究極の目的は議会の秩序と規律の回復にあります。そのことを肝に銘じ、議会のみなさんと緊密に連携しながら、冷静かつ慎重に対応していく考えです。
 村民のみなさまのご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。

 

 

◎ 議会と議員の役割について思うこと

 今回の3月定例会を終えて、私は予算議会を2回経験したことになり、早いもので議員になって満2年を迎えようとしています。
 昨年の村議選で初当選された議員の方々からは、「1年生議員だが、今度の議会では1期4年分くらいの勉強をさせてもらった」という感想をお聞きしています。私自身もたいへん学ぶことの多い議会でした。3点ほど、思うところを記したいと思います。

 

 第1点は、時間をかけた調査・勉強・話し合いが大事だということです。
 予算議会に臨むにあたっては議員仲間で勉強する機会もありましたし、また、議会全員協議会で時間をかけて議論し、議会の意思を形成することも多くありました。今後、審議すべき内容が量的にも質的にも膨大なものとなる予算議会などでは会期以前の段階で議会全員協議会をフルに活用し、役場の説明を求め、議会としての意思形成を進めていくことが望ましいと思います。
 第2点は、〈チェック機能〉の発揮が新しい政策・政治をきりひらいていくということです。
 「この予算はどういうことを実現しようとしているのか」――ここをしっかりと把握すると、村民の願いを反映する施策の実現にむけて、役場と詰めた議論をすることができます。平素から行政担当者に実務的なことをしっかり聞き取ることを不断に行っていけば、自(おの)ずと〈チェック能力〉が高まり、より良い施策に実現にむけて提案することもできるようになります。
 第3点は、報告活動を中心として日常活動をいっそう強めていかなければならないということです。
 3月議会には多くの村民の方々が傍聴に来てくださいました。が、「傍聴者への資料配布がないため、議場の質疑が理解しづらい」という声をたくさんいただきました。議員が平素から村の施策等についての報告をしっかりやっていけば、議会の質疑を理解する土台が形成されるのではないかと思います。それには、私自身がもっともっと勉強しないと充分な報告ができません。改めて、議員としての責務の大きさをしっかりと受け止め直し、日常活動のいっそうの強化に愚直に取り組んで参りたいと思います。
 今後とも、様々なご意見、ご指導をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 


松尾まことの議員活動報告第24号(2月21日付)

 

3月議会(5日〜13日)は栄村の正念場
傍聴に是非お越しください

 

 3月議会は新年度予算を決める定例会で、年間で最も重要な議会です。さらに今年は、森川村政の動向と振興公社の4,600万円強にものぼる大赤字への対応をめぐって、重要度が高まっています。栄村の正念場と言って過言ではありません。
 第1に、森川浩一村長の施政方針の提示をめぐる状況です。3月定例会では冒頭に村長が「施政方針」を述べることになっており、演説草稿を事前に議会側に示すことが慣例となっています(一般質問の準備の関係での措置です)。しかし、今回は事前提示がなく、3月5日にぶっつけ本番の演説になるそうです。森川氏は年初来、「4年任期の折り返し点。公約実行へ大胆な予算措置をとる」とさまざまなところで発言しています。なのに、施政方針の草稿が当日まで出来ないというのは理解し難いことです。率直に言って、「森川氏は何を考えているのか?」、「栄村をどこに導こうとしているのか?」、さっぱりわからない状況だと言わざるをえません。
 第2に、栄村振興公社の深刻な経営状況です。村は昨年1月と3月に計5千万円にのぼる出捐金を振興公社に出しました。ところが、今年度3月末決算の見通しはじつに4,600万円の大赤字だというのです。3月末に公社に残る財産はわずかに300万円余。1年余で5千万円を喰い尽くしたわけです。
 こんな中で、村の4つの温泉宿泊施設の指定管理の5年契約が3月31日で切れます。経営能力が無いことが露呈した現理事長体制の公社と新たな指定管理契約を結んでよいのか? 重大な判断が迫られています。
 第3に、保育園児父母たちの保育士増強の願い、国保や介護保険での個人負担の増大への不安など、村民みんなの暮らしを守り育てていくのに不可欠な政策課題に森川村政はどう応えるのか。予算審議、そして一般質問での質疑は真剣勝負です。

 

 

◎ 振興公社の大赤字と今後について
 議会では、2月16日に振興公社理事会との懇談会を開催し、さらに2月20日、議会全員協議会(村長提出)で「栄村振興公社の経営状況について」の村の説明を聞き、協議しました。ここでは、全協での協議内容を報告します。

 

● 出捐金5千万円がわずか1年間で喰い尽くされた!!
 20日の全協で村から示された「公社の経営状況」のデータによれば、3月末収支見通しは(a)4,666万9,923円の赤字、指定管理料1,850万円でその一部を相殺しても(b)2,816万9923円の赤字です。
 これはどういう金額なのか?
 前年度(H28年度)との比較では、前年度の赤字(a)2,941万5,011円、(b)1,881万5,011円よりも増大しており、また、公社理事会が昨年2月に示した「再建5ヶ年計画」のH29年度収支計画での(a)赤字3,658万1,904円、(b)赤字1,808万1,904円を大きく上回っています。
 この結果、期末正味財産(3月末に公社の手にある資産)はH28年末の3,118万4,989円が、1桁少ない301万5,066円に減少することになります。1ヶ月分の運転資金にも満たないような額です。
 昨年1月と3月に投入された計5千万円の出捐金との関係でいえば、1月投入の2,100万円はH28年度ののりきりに使われ、3月投入の2,900万円は、当初の「運転資金確保のための金融機関からの借入金の担保にする」というのではなく、H29年度赤字の穴埋めのためにほぼ使い尽くされるということです。

 

● いちばん大きな問題――中間期決算もせず(出来ず)、赤字の雪だるま式増大を招いた理事長の経営責任の自覚と能力の無さ
 20日の全協では、「悪天候の連続による宿泊客のキャンセルの続出」などを赤字理由として挙げられていましたが、そこに膨大な赤字の原因があるのではありません。悪天候の影響を最も大きく受ける山岳観光を担う苗場山観光蝓並爾了慊蟯浜委託先)は本年度収支トントンでの決算を見通しているとのことです。
 では、何が問題なのか?
 私は、村の観光センター長という立場で全協に出席した斉藤賢一氏に、「公社のH29年度赤字が深刻になってきていると気づいたのはいつ頃か」、「一般の企業では年度の上半期を振り返り、9月末の中間決算を出すが、公社の9月末中間決算は出ているのか」と問いました。
 斉藤氏の回答は、「事態の悪化は秋口頃に感じとった」、「中間決算の提出を求めたが、年を越えて、最近になってようやく出て来たのが今日示した数字だ」というものでした。
 つまり、公社の経営陣(=理事長・理事会)は、中間決算もやらず(出来ず)、何の手も打たないままにズルズル今日まで無為無策できたということです。
 しかも、理事長は少なくとも月額15万円の報酬を受け取り、赤字深刻化の中でも「2割カット」と称して少なくとも月額12万円の報酬を受け取り続けているようです。民間企業ならば「報酬全額返上」が当たり前なのではないでしょうか。
 経営責任感も経営能力も共に無いと言わざるをえません。

 

● 3月議会に出る村(長)の方針は「毎年5千万円投入」になりかねない危険なもの
 20日の全協で示された村(長)の対処方針は以下のとおりです。
    イ) H30年度当初予算では、前年と同じ額の指定管理料

      1,850万円を計上する。
    ロ) その金額では足らないので、6月定例会に追加資金

      入のお願いを出すことになる。
    ハ) 4施設の指定管理の契約が3月31日で切れるが、これ

      まで通り4施設とも振興公社に指定管理を委託する5

      年契約を結ぶこととし、3月議会で承認を求める。
 ロの項が示していることは、村が3〜5千万円の追加資金投入をするということです。
 森川村長は、昨年、5千万円の出捐金を提案した際、「出捐金や補助金は金輪際出さない」と明言しています。その発言との整合性をどう確保するのでしょうか。
 たしかに森川村長も苦しいところでしょう。
 しかし、行政の長たるもの、曖昧なことは許されません。振興公社問題の核心に自ら雌を入れるべきです。

 

● 事態打開の鍵は、公社理事会の抜本的刷新、そして村民の公社運営参加
 私はこの間、毎日のように公社関係の書類を見つめ続け、考えに考えています。
 振興公社の経営は栄村の観光(産業)のあり方と一体の関係にあり、栄村の観光の展望を明確にしていかないかぎり、公社の黒字経営の展望も開けてこないという問題があります。
 しかし、振興公社の経営問題の最も深刻なことは、その点にあるのではありません。
 最も深刻なことは、経営判断をするために当然存在して然るべき書類(数字)が存在していないことなのです。収入についても支出についても、黒字・赤字を判断する指標となるまともな予算書や決算諸書類が充分にはなく、たとえば月々の結果が出た時に「今月はヤバイ。来月は支出のこの項を削る、あるいは支出を先送りにする。収入面では、ここに営業をかけて、いくらの収入増を実現しよう」というような議論ができないのです。
 いいかえれば、経営陣が経営者としての仕事をしていないということです。
 現在の経営陣=理事会、とくに理事長には退陣していただくしかありません。これが事態打開の鍵です。
 そして、村民の運営参加を実現していくことです。村民のみなさんは振興公社と公社が管理する4つの施設を“なくてはならないもの”と思っています。そして、その存続と発展のために知恵と力を提供したいという気持ちを強く持っておられます。
 理事会(さらには評議員会)を一新し、村民が心を一つにして守り、発展させる振興公社に変えていこうではありませんか。いまこそ、栄村村民の底力を発揮するときです。
 3月議会ではそのために全身全霊を尽くして頑張りたいと決意しています。

 


◎ 飯山警察署が捜査に乗り出しました
  ――誹謗文書の長瀬団地ロビーへの貼付け事件
 2月7日午後2時、飯山警察署生活安全刑事課の捜査員が、村役場所管課長の立ち会いの下、村の長瀬団地1階ロビーに立ち入り、本事件の現場検証を行いました。私も被害者として現場に立ち会いました。
 現場の写真撮影等が行われ、誹謗文書貼付けのガムテープの痕跡も明確に確認されたようです。
 また、飯山警察署が書類を作成し、私が署名・捺印して正式の被害届が受理されました。こうして、刑法231条(侮辱罪)違反での捜査が正式に開始されました。
 村ではこれまでにも同種の事件がありながら、正式捜査にまで行かずに曖昧なまま終わっていたことがあるようですが、今回は徹底的に追及し、この種の犯罪を根絶します。

 


私・松尾に対する「質問」にお答えします

 

● 2月1日、村長から「質問状」を手渡されました
 私は2月1日、県道笹原〜長瀬間の通行止め問題に関して斉藤康夫議員(産社副委員長)とともに役場で産業建設課長と話をしていましたが、その話の終わりかけた頃、誰かが私の斜め後ろから近づき、私の手に押し込むような感じで封筒を渡すのに気づきました。振り向いて見ると、森川村長でした。役場の封筒に入り、担当課欄には「村長」と手書きされていました。宛先は「松尾眞議員」ではなく、「栄村森 松尾眞様」でした(下写真参照)。

 

文書には「下水内 役場印」の割印があり、公文書です


 産建課長との話を終えてロビーに出た後、開封すると、「女性の皆さんと語る会」の席上で村長に手渡された私に関する質問状(原文は手書き)を村長がワープロで打ち直したので、それに答えられる限り答えてほしいというものでした。「質問状」は2つあり、一つは主に私の学歴について詐称ではないかと問うもの(+京都精華大学勤務の職歴も詐称ではないか)、もう一つは昨年6月に逮捕された大阪正明被告の逃亡に私・松尾が関わっていたのではないかという趣旨のものでした。
 村長(行政の長)は議員の資格等を所管する役職ではないし、また、村民個々人の学歴等について問い合わせに答える職責・立場にあるわけではありません。したがって、私が森川村長にお答えするような問題ではないと考えます。
 他方、私は選挙で選出された議員ですので、村民の方々の中に私の経歴等について疑問を持つ方がおられたら、いつでもお答えする用意があります。今回は、残念ながら、質問者の名前は知らされていませんので、直接にお答えすることができません。そこで、基本的に村内全世帯にお配りさせていただいているこの「議員活動報告」に書くのが妥当だと判断し、以下を記すものです。


● 京都大学が私の在籍を証明する書類を交付
 私は若い頃、新聞・テレビ等でしばしば「京大生 松尾真」として紹介されてきましたので、いまさら証明書など不要だと思っていましたが、今回の「質問状」では「証明書をもって本人から証明がなければ……経歴詐称または学歴詐称になる」とまで書かれていますので、京都大学に証明書の発行を求めました。その証明書は写真で掲載するとおりです。念のため、この証明書を栄村選挙管理委員会に提出いたします。

 

 

 なお、この「質問状」を書かれた方は、「除籍になれば在籍の事実が消える」と誤解されているようですが、京都大学はそのような扱いをしていないことを申し添えます。


● 私は民事訴訟で京都精華大学を訴え、「京都精華大学は原告(松尾)に対して解決金を支払う義務を負う」とする裁判所の和解調停で決着しました
 私の学歴を問われた方は、私と京都精華大学の関係をめぐっても、「懲戒解雇以上に大学側は松尾眞が准教授として存在していたこと自体を無くすということで示談しているのではないでしょうか。これが本当ならば、これもまた職歴詐称に当たりますよね」と書かれています。
 私が京都精華大学で懲戒解雇処分を受けたことは事実ですが、それはまったく不当な処分であり、私は処分直後(2012年秋)に京都地方裁判所で「処分取り消し」を求める訴訟を起こしました。
 その結果、2015年、京都地方裁判所において、大学側が原告たる私に対して解決金を支払う義務を負うとした裁判所の和解勧告に原告・被告双方が同意するという決着をみました。専門家からは私の実質勝訴という評価をいただいています。
 以上のことから「職歴詐称」云々が当たらないことは明白です。一言申し添えるならば、「准教授として存在していたこと自体を無くす」というような処分が日本社会において法的にあり得るのでしょうか。「質問者」の方に逆にお尋ねしたい心境です。

 

● 満11年に及ぶ私の村での暮らしぶりは皆さんがご存知です
 もう一つの「質問状」は、私を直接に名指すのではなく、「渋谷暴動事件で委員長として命令した人が栄村の議員」、「この議員と大阪正明の関係(過去〜現在)と、逃亡についての関係を村民全員に報告して下さい」と書いています。しかし、この「議員」というのは私・松尾を指していることはどなたでもお分かりになると思います。だからこそ、森川村長も私にこの「質問状」を渡されたのでしょう。
 「議員活動報告」第20号でも書きましたように、私が破防法事件で逮捕・起訴されたこと、学生運動をしていたことは事実です。ただし、大昔のことです。私は2007年4月から栄村で暮らしています。今年で満11年です。その間の暮らしぶりは多くの村民がご存知です。「大阪正明の逃亡との関係は」などと問うこと自体が愚かであり、ひいては私の名誉を毀損しかねないものです。
 申し添えますが、渋谷暴動事件当時、私は破防法事件で警視庁に留置中であり、「命令」など出来ようがありません。また、新聞報道によれば、今回の大阪正明被告の起訴にあたって、警視庁は渋谷暴動事件関係者全員に対して再事情聴取をしたそうですが、私はそのような事情聴取を受けていません。「関係者」ではないということです。

 

●「質問状」の不可解さ
 以上、私は議員という公職に就いている者として、あえて個人のプライバシーも曝け出して、 “疑問”にお答えしました。
 そのうえで、私は森川村長から渡された「質問状」について、不可解に思う点がありますので、最後にそのことについても書かせていただきます。
 「質問状」が森川村長に渡されたのは「女性の皆さんと語る会」の席上だということですが、その「会」が開催されたのは昨秋の4回、うち最後の会が12月9日(東部地区)でした。なのに、なぜ、2月1日までその「質問状」を村長が放置されていたのか、ということです。
 それに関連して、一つめの「質問状」に添付されていた文書に非常に不可解な点があります。一つめの「質問状」は計3枚で構成され、1枚目が「質問」本文、2〜3枚目はインターネット記事を印刷したものです。その印刷物にはネット記事を印刷した日付が入っています。それは「2017/12/23」という日付です(下写真参照)。2月20日に森川村長にお尋ねしたところ、その2枚は「女性と語る会」の席上で渡された「質問状」に付けられていたものだということです。しかし、「女性を語る会」の最終回は2017年12月9日です。なぜ、12月9日までに村長に渡された文書の中に「2017年12月23日」に印刷されたものが入っているのでしょうか。非常に不思議です。

 

黒塗りは村長側が行ったものです

 

 以上です。私は今後も、必要なことはきちんとお答えする姿勢ですが、疑問のある方は私に直接お尋ねいただくか、公職選挙法上で問われる経歴等については栄村選挙管理委員会にお尋ねいただくようにお願いいたします。村長という行政の長は議員の経歴や言動について所管する立場にはないことをご理解いただきたいと思います。

 


松尾まことの議員活動報告第23号(1月27日付)

 1月23日から1週間近く、猛烈な寒波の襲来でしたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
 降雪量・積雪量としては豪雪地・栄村にとって特異なものとは言えませんが、何日も降り続いたのが困りましたね。さらに、寒さが種々の難儀を引き起こしたと思います。
 何かお困り事がありましたら、私をはじめとして議員に気軽に声をおかけください。役場にかけ合うことを含め、全力で対応させていただきます。

 

 さて、議会は12月の定例会が終了した後、1月は臨時議会の開催はなく(1月16日に議員のみの全員協議会)、今のところ2月も臨時議会の予定は入っていません(19日に全員協議会)。臨時議会が相次いで開催された1年前とは対照的な状況です。
 しかし、3月には定例議会(6日〜13日の予定)が控ええています。新年度予算の審議がメインです。その中には昨年夏以来の温泉条例の問題、そして振興公社への指定管理の契約の期間満了・更新の問題、それに伴う指定管理料(2017年度は1,850万円)の問題があります。通常ならば、定例会を前にして村長から議会全員協議会開催の申し入れがあるものですが、そういう動きは現在のところ見られません(健康支援課関係の協議のみ、申し入れがあります)。
 3月議会にむけて、村政の動向に強い関心をもって注目すべき状況です。

 

 そんな中、今号では、振興公社の経営状況をめぐる問題(1月中旬配布の「公社新聞ゆめさかえ」に対する批判を含む)、さらに、私・松尾に対する異常な個人攻撃、誹謗中傷の実相と、それに対する私の対応についての報告、この2点を中心に「議員活動報告」をお伝えします。

 

 

振興公社の経営はどうなっているのか?
 〜経営状況には触れず、「政治新聞」のごとき内容の「公社新聞」〜

 

● 公社がどうなっているのか、とても心配な状況
 年末、公社施設の利用者の間でとても評判のよい職員が「退職」しました。「定年」や「転職」ではありません。とても働き者で、公社施設への愛情溢れる人です。「退職」を聞いた人はみんな、「どうして?」と首をかしげています。なにか公社組織の中がギクシャクしている感じがします。
 また、春の観光シーズンに向かってすでに走り出しているべき時期になっていますが、とくに秋山郷の2つの施設、「のよさの里」(今冬期は休業)、雄川閣がどんな営業をしていくのか、まったく見えていません。現状では2つの施設をあわせて職員が2人しかいない状態なのです。
 そして何よりも「公社新聞ゆめさかえ」(1月17日付第2号特別版)が経営問題そっちのけで「政治」論議ばかりしていることが気がかりです。公社は村から指定管理で観光施設を預かり、サービス事業を担う存在であって、村政担当機関ではありません。

 

● 異様感を多くの村民が感じた「公社新聞」
 1月18〜20日頃に各世帯に区長文書配布で届いた「公社新聞」。私はかなり多くの村民から聞かれました。「いったい、あれは何だい? 公社は村から観光施設を受託管理している民間法人。経営状況の報告をすべきで、「『福利厚生』よりも『村民の公平性』とか、『日本一安心できる村に』とか、いつから村政担当になったんだい? 挙句の果てに議会批判。おかしいじゃないか」と。
 私も同感と言わざるをえません。

 

■ 温泉条例に関してデタラメな記述
 付け加えれば、温泉条例に関する記述のデタラメさ。共通入浴券の料金、年間1万2千円について、「温泉条例で40年前に決められたまま」としていることです。たしかに温泉条例の制定は40年前の昭和52年ですが、その後、5次にわたって条例改正が行われています。直近は平成20年3月です。現在の「1人年間1万2千円」という料金が「40年前に決められた」などというのはデタラメもいいところ。こういう重要な事実関係を知ってか知らずか、デタラメを書きながら、「みんなで考えよう村のこと」という見出しを掲げるとは、その基本姿勢に根本的な疑問をもたざるをえないのではないでしょうか。

 

■ 議会の議決を「一部の意見で決定」と言うのは議会制民主主義の根本否定
 「ゆめさかえ」第2号特別版は、昨年9月議会での温泉条例改定案の否決について、「住民に知らされることなく、一部の意見で決定」と書いています。
 どうやら「1票差」というのが「ゆめさかえ」執筆者にはご不満のようですが、議会制民主主義というものは徹底議論の後は多数決で物事を決めるものです。「1票差」ということも議会制民主主義の仕組みの想定内です。それを「一部の意見で決定」と言うならば、議会というものは成り立ちません。
 さらに、「住民に知らされることなく」と書いていますが、私は昨年7月の全協から9月議会に至るまで、「議員活動報告」等で議論の内容を詳しく書いてきました。村民のみなさんにお読みいただき、さまざまなご意見を頂戴しました。そして、そのご意見を議会での議論に反映させています。9月議会の際には、「公社管理施設の温泉でも共通入浴券を維持し、年間1万2千円を2万円に改定する」という案を村長に提言することもしました。
 公社が自前で入浴券を発行したいというなら、本来ならば、理事長自ら議会への出席を求め、ご自身で説明されればよいのではないでしょうか。議会に参考人として出席されること、いつでも歓迎します。

 

● 公社管理施設を利用するお客さまに対する感謝の気持ちはないのでしょうか?
 「ゆめさかえ」の「経営は甘くない」という項には呆れてしまいました。
 たとえば、「昼食客、宴会など宿泊に比べ、単価が低く、サービス提供時間の制約のあるものは、多くの人手を要し、人件費がかさみます」という一文、お客さまのことをどう考えているのでしょうか。
 たとえば村の小学校や中学校の同窓会。村民のみなさんは同窓会の世話役を引き受け、「少しでも公社の儲けにつながるように」と願い、公社管理の施設をご利用下さっています。村外から同窓会に参加される皆さんも同じ思いを共有して下さっています。
 引用した一文は、そのお客さまにむかって、「手がかかる割に儲けにならない」と言っているに等しいではありませんか。
 「お蕎麦1杯8百円」の例示も、「これが経営者を名乗る人が言うことなのか?!」と呆れてしまいます。「お蕎麦10杯で8千円」の収入に対して、「1人アルバイトを頼めば、1日8千円程度の人件費がかかります」と言うのです。わずか10杯のお蕎麦を提供するのに、時給を仮に千円として8時間ものアルバイト雇用が必要だと言うのでしょうか?
 日帰り入浴客や共通入浴券利用者に対しては、「宿泊者から住民の入浴マナーにクレームが入ったらしい」とか、「村民の中のわずかな人だけ」と言っています。みなさん、怒っています。「入浴マナーが悪い」と言うならば、具体的に指摘してください。そもそも、「村民の中のわずかな人だけ」と言うのは、たしかに安いとはいえお金を払って入浴しているお客さんをお客さんとは思っていないとしか言いようがありません。

 

● 経営状況の報告こそが求められています
 村民が一番大きな関心を抱いているのは、「公社の経営は続けていけるのか?」です。
 振興公社は私たち栄村民の財産であり、無くては困るものです。そのゆくえが本当に心配です。
 ところで、公社は、昨年1月に「当面の支払不能危機の回避」用として2,100万円、3月には「金融機関からの借入の担保金」として2,900万円の出捐金を村から受け取りました。
 他方、昨年2月に公社理事会が議会に示した「再建5ヶ年計画」ではH29年度の収支予定について、事業収入1億6,790万円、経常費用1億8,598万円余とし、約1,800万円余の赤字が出るとしています。「計画」の範囲にとどまったとしても赤字が約1,800万円も出れば、出捐金2,900万円の6割強が消え、H30年度の経営見通しを立てられないことになります。
 もう2月を迎えます。H29年度の決算の見通しが出せる時期(出さなければならない時期)です。そして、4月からのH30年度の経営見通しを出さなければならない時期です。
 さもないと、この3月31日で契約期限が切れる4施設の指定管理について、引き続き振興公社と指定管理の契約を結ぶのかどうか、3月議会で審議・決定することができません。
 公社理事長は、「組織のTOP」としての責任をもって、公社の経営の現状と見通しをただちに明らかにすべきです。
 村民が楽しく利用できる公社施設、職員が明るく元気に働ける公社、村外のお客さまに喜んでいただける公社施設を守り、発展させることが大事だと考えます。

 


許されない誹謗中傷攻撃
 1月12日、私・松尾に対する誹謗中傷ビラの公共の場所への貼り付け事件が発生しました。下写真のものです。

 


 貼り付けられた場所は長瀬団地の公共スペースです。私は、団地住民の方からご連絡をいただき、12日夕、現場を確認してきました。
 私が12日夕に訪れた時には、団地住民の方々がこの誹謗中傷ビラの貼り付けに抗議する文章を出しておられ、とても感動しました。その内容は、
  「この中傷の貼紙をした方 誰ですか? ここに貼っているという

  ことは団地内全世帯が言っていると思われてしまいます。 個人

  であるならば、自分のポストへ貼ってください!」
というものです。この方はご自分のお名前をはっきりと書かれていました。
 また、別の方が、この住民の抗議文の横に「まったく同意見です」と書き込みされていました。この方も自らのお名前を書かれていました。
 住民の方々の抗議文が貼り出された時点で、誹謗中傷ビラを貼り付けた者の策謀は破綻したと言えます。

 

■ 刑法230条での処罰の対象となる悪質犯罪
 写真で示した誹謗中傷ビラは、刑法230条に規定される「名誉毀損」の犯罪行為そのものです。「名誉毀損罪」というのは、
  「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有

  無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の

  罰金に処する」
というものです。
 この刑法230条で言う「公然と」というのは、「不特定または多数の人が認識し得る状態」のことを指します。今回の誹謗ビラが貼り付けられたのは長瀬団地の1階ロビーという公共の場です。「公然と」という構成要件に該当します。また、「事実を提示し」の「事実」というのは、後段に「その事実の有無にかかわらず」とあるように、内容の真偽を問いません。私を指して「信用できない松尾議員」と書いたことが刑法230条の構成要件に該当するわけです。

 

■ 飯山警察署に通報
 私は1月15日、飯山警察署に出向き、この名誉毀損事件の被害者として届けをしてきました。証拠となる写真などを求められ、提出しました。

 

● 私の言論活動への不当な圧力
 12月後半から1月前半にかけて、「松尾まことの議員活動報告」などの私の言論活動に対する不当な圧力が強まっています。
 最初は「小さなこと」から始まりました。12月19日、議会事務局長から電話があり、私の「議員活動報告21号(11月28日付)」で「先輩議員から厳しいご指摘」と書いていることについて、「村長が、この『先輩議員』の名前を知りたいと言っている。教えてもらえますか」というものです。私は「お答えできません。村長が知りたいならば、ご自分で私に申し入れてください」とお答えしました。
 その件はそれで終わったのですが、翌12月20日にも議会事務局長から電話があり、「『議員活動報告』のことで議長が協議したいので、27日に事務局に来てください」と言うのです。

 

■ 村長が議会に干渉
 12月27日午前9時から、議会事務局で福原議長とお会いしました。「村長が松尾議員に謝罪文を求めている」との話でした。30分強くらいだったでしょうか、議長とお話して別れ際に文書のコピーをいただきました。
 文書は12月19日付で、「栄村村長森川浩市」の署名と公印があります。宛先は「栄村議会議長 福原和人様」、文書見出しは「『松尾まことの議員活動報告』記事について」というもの。
 内容は、‐照議員への議会としての聴取とその結果の文書による報告、⊂照議員の謝罪文掲載、の2点を求めるというものです。
 これは、地方自治制度の根幹を成すものの1つ、〈議会の自律権〉、すなわち「議会が国や県の機関やその町村の執行機関からなんらの干渉や関与を受けないで、自らを規律する権限」(『議員必携』54頁)を、村長が侵(おか)し、議会に不法・不当な干渉をするものです。

 

■ 1月9日、10日のやりとり
 12月27日は「仕事納め」の日でしたので、議長とは「年明けにお話しする」約束でお別れしましたので、私は年明けの3連休も終わった1月9日午前8時半に議長に電話し、翌10日に会談することが決まりました。9日の電話の際、私は村長の12月19日付文書が〈議会の自律権〉を侵すものではないかという指摘をさせていただきました。
 その結果、議長は「受け取るべき文書ではない」という判断を示して、9日段階で村長に文書を返されたそうです。10日の議長との会談ではその旨をお聞きしました。

 

■ 「ネットでの発信をしないで」という情報発信への圧力
 以上の他にも、いろいろあります。一例だけ挙げますと、県道笹原〜長瀬間の台風21号災害箇所の件です。
 12月27日には、「産業建設課からの申し入れ」として、「危険箇所に立ち入って写真を撮らないでほしい」と言われました。また、1月5日には、宛先は「議員各位」となっていましたが、災害箇所の「積雪等」について、「インターネットに掲載しないよう」にという文書通知を受けました。他の議員さんは「ネットで発信しているのは松尾さんだけだから、あれは松尾さん宛の文書だね」と言っておられました。

 

● 私は議会での議論を村民のみなさまに報告し続けます。また、自分の考えも率直に書きます。
 議会でどういうことが議論されているかを村民のみなさんにご報告することは議員の責務です。ですから、誹謗中傷攻撃を受けようが、村長からあれこれ言われようが、報告すべきことは「議員活動報告」にしっかりと書いていきます。
 「松尾まことの議員活動報告」第22号(12月10日付)で村長が問題視したのは、12月議会での一般質問をめぐって、私が「重要な内容の質問であるにもかかわらず、村長あるいは副村長、課長の答弁が内容空疎で、議員の質問に真剣に答えないケースも見られました」と書いたことでした。しかし、これは一般質問をめぐって、実際の質疑を聞いて私が率直な論評を行ったものです。私が「内容空疎」、「真剣に答えない」と思ったやりとり、実際に質問された議員ご自身がそのように感じておられます。また、傍聴者も私と同じ感想をもっておられます。
 私は圧力を感じて、報告する内容・書く内容を自己規制するようなことはしません。それは村民・有権者のみなさんへの背信行為になります。
 また、災害現場への取材等は、「栄村復興への歩み」を発行するジャーナリストとしての活動を含めて、危険な場所にも自己責任で赴き、取材と報道を行います。もちろん、復旧工事の現場等にあっては、現場代理人など、現場の責任者の方に事前了承をお願いして取材します。
 また、この際、インターネットやSNSを使っての情報発信についても一言します。
 いまの社会は、「情報化社会」、「ネット社会」と呼ばれ、インターネットはある意味では新聞やテレビ以上に重要な情報通信手段になっています。「情報が瞬時に世界中に伝わる」というのは現代の常識です。現に栄村の震災の時、東京キー局でのテレビでは栄村の震災が報道されていないのに、栄村に多くのボランティアのみなさんが来てくださった、10億円以上に義援金が寄せられたのは、まさにネットのおかげでした。
 私の情報発信内容がすべて正しいとは言いません。ご意見やご批判があって当然です。むしろ大歓迎です。それによって発信内容がよりよいものになると思います。しかし、意見・批判と誹謗中傷・圧力とは異なります。後者は許されるものではありません。
みなさまの温かいご支援を支えに今後とも頑張って参ります。よろしくお願いします。

 

◎ 1月全協について
 1月16日に議員のみの議会全員協議会が開催されました。ただし、主たる協議が行われた午前中は非公開でした。栄村の観光施設に関する「事業診断報告」というものが村側から説明され、その「報告」を村が「部外秘」扱いとして非公開を望んだためです。
 「事業診断報告」が出されたこと自体は村長が公に場で明らかにされていることです。議員からは、内容を村民に公開すべきだという意見が相次ぎました。
 3月議会の一般質問をはじめとして、私だけでなく、多くの議員が議論していくと思われますので、今後、村民のみなさんにご報告できるよう、努力していきたいと考えています。

 紙幅が尽きましたので、今号はここまでとさせていただきます。