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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第27号(5月18日付)

◎ 「北野天満温泉・温泉棟改修工事」1,023万5千円の補正予算可決について
〜いかなる「不具合」が発生したのか? どのような改修をするのか? なぜ、改修方針決定に2ヶ月半も要したのか?

 

 5月15日午前、平成30年第3回臨時会が開催され、村から北野天満温泉浴室改修に関わる一般会計の補正予算案(第一号)が提出され、質疑を経て、議会は本案を可決しました。
 改修工事は約1ヶ月を要し、6月中に完了する予定です。「営業再開は7月13日から」と告知されていますが、工事が順調に進めば、営業再開が若干早まる可能性もあります。

 

● 「不具合」は浴室天井の垂れ下がり・落下の危険
 北野天満温泉は、2月下旬から「浴室不具合により温泉入浴営業中止」とされてきました。「不具合」の具体的内容については、村民のみなさんも伝聞情報でいろいろとお聞きになっていると思いますが、これまで正式発表はありませんでした。
 北野温泉の男性用浴室の天井は、かなり以前から水が落ちてくる事態が続き、雨漏りではないかと思われていました。が、2月後半に至って、天井が膨らみ(垂れ下がり)、見るからに落下の危険が生じました。このため、2月下旬、男性用浴室の使用中止が決められました。

 

● 鉄骨の腐食がひどく、本格修理が必要に
 村は当初、問題の天井を撤去し、新しい天井を設置する方針で、修理工事を発注しました(費用は平成29年度予算枠内で確保)。ところが、3月中旬、施工業者が天井板を撤去したところ、天井板を吊り下げている鉄骨が激しく腐食していること*が発見・確認され、新しい天井板を吊り下げることは不可能と判断されました。また、温泉棟を支える支柱の一部の腐食も確認されました。
   *厚さ3mmの鉄骨の上下各1mmが腐食し、実質的厚みは

    1mmしかない。
 ここで、村は、どのような修理が必要かつ可能かを検討するため、温泉棟建設時の設計業者と施工業者を呼び、調査を依頼しました。
 その調査結果をうけて、村は4月13日に会議を開催し、対策方針が協議されました。浴室棟の全面改築と、当面の温泉営業を可能にする仮設工事の2本立てが検討されたようです。そのうちの仮設工事について具体的な詰めの検討・協議が4月24日に行われ、今改修工事=仮設工事の方針が決められ、今回の補正予算案に提出に至りました。
 仮設工事の主内容は、‥薫罎鮟祥茲茲蠅盞變未里發里箸垢襪海函瞥畆偲錣隆靄楾格を形成しているH鋼から直接に吊り下げる)、腐食の激しい支柱2本を改修すること、女性用浴室の天井にも歪みがあるため、女性用浴室の天井も取り替えること、げ虻に雨漏り箇所が数ヶ所あるが、部分修復で対応する、ことです。

 

●「温泉棟改築」は未定
 ところで、5月16日の信濃毎日新聞では、「栄村は入浴棟を2020年度内に建て替える方針を示した」と報道されています。
 たしかに、質疑の過程で、商工観光課長が「今回の工事は仮設で、いずれ改築が必要。約1億8千〜9千万円を要する。過疎債発行で賄うにもすぐは無理。2〜2年半くらいのうちに出来るようにしたい」と答弁しましたが、これはあくまで「見通し」の類の発言で、村の方針として改築が決定されたものとは言えません。
 約2億円という巨額の投資になりますから、総合振興計画並びに事業実施計画との関係、また過疎地域自立促進計画(過疎債発行の前提となるもの)との関係で、村側での検討が必要です。また、議会としても、村側の考えを尋ね、議会としての意思形成を行っていかなければなりません。

 

●「地盤の傾き」について
 また、信毎記事では、「地盤の傾きで浴室棟全体が傾いている」、「浴室棟は耐震基準を満たしていない」とも報道されています。
 たしかに、3月下旬からの調査によって、浴室棟の地盤が北野川の方にむかって、120分の1傾いていることが判明しました。「120m進むと、地盤が1m下がっている」ということです。そして、この傾きは耐震基準を満たさないものです。
 これは当然にも7年前の地震の影響だと考えられますが、断定的なことは言えません。たしかに地震直後、浴室の洗い場の水が浴槽方向に流れる異変が生じ、洗い場の水が浴槽に入らないようにする対応措置がとられた経緯があります。その際に詳しく調査していれば、地盤の傾きが明らかになっていた可能性があります。
 しかし、地震当時、国の震災被災判定・復旧支援においては、建物の傾きは被災判定・復旧支援の対象になっていましたが、地盤については調査や支援の対象とされていませんでした。個人の家でも、「建物は基本的に大丈夫だが、地盤が傾斜し、家に住めない」という事態をめぐって、地盤の傾きは被災判定において考慮されなかったという事例がありました。
 この点、国の地震対策のあり方の問題として被災地である栄村から声をあげていく必要があると考えます。

 

 今回の北野天満温泉浴室をめぐる問題は、経緯等が複雑であり、説明するには難しさがあります。私は15日の本会議で、「村が責任をもって村民への説明を行うように」求め、村長が「6月の広報で経緯を含め、説明する」と約束しました。私は当初、詳細な説明は村の広報に委ねたいと考えていましたが、上記の信毎の報道もあり、「広報」を待たずにある程度の報告説明をしなければならないと判断し、ここまでの報告を書きました。
今回の事態、村は「浴室不具合」としか発表せず、対策方針の決定までに2ヶ月以上を要するなど、対応の遅さ、不明瞭さが目立ちました。村がこの点を反省し、もっと透明性のある行政にしていくことが求められていることを最後に指摘しておきたいと思います。

 


◎ 振興公社への村の資金支援について ―― 5月15日全協での村との協議内容の報告
 5月15日は午前の臨時会本会議に続き午後1時半から、議会全員協議会(村長提出)が開催されました。協議内容は、「栄村振興公社の経営状況について」。3月定例会の際に、振興公社のH30年度収支見通しが約5,800万円の赤字であること、村としては6月定例会に振興公社への追加資金の投入を考えていることが表明されていましたが、その「追加資金投入」にむけての村側の基本的考えが示されたわけです。

 

● 村の方針概要
 村の方針概要は、振興公社のH30年度収支見通しをベースに形成されています。その収支見通しでは、
   事業収入 1億0,397万2千円
   事業費用 1億4,020万6千円
   管理費 1,532万4千円
   全体収支 ▽5,155万8千円
となっています。3月29日の臨時議会で示された収支見通しの赤字額は5,800万円と比べると、赤字額が約644万円減となっています。
 これに対して、村は、
   ・ H30年度予算ですでに投入済みの指定管理料1,850万円

    に加えて、新たに4,305万8千円を投入する。
     うち、3,305万8千円はH30年度の赤字の補填
        1,000万円は次年度4月の運転資金の確保
   ・ この資金投入は、指定管理料の追加として行う
という方針を表明しました。

 

● 議会側が問題視した論点
 村側のこの方針表明をうけて、約2時間半強、協議しました。
 議会は、3月29日の臨時議会で村と振興公社の間での指定管理契約(1年間)を認める議決をした時点で、振興公社を破綻させないためには今年度、追加資金の投入が必要となることを認識していました。したがって、追加資金を投入すること自体への反対意見はありません。しかし、だからと言って、「何でもあり」は許されません。5名の議員(相澤博文、上倉敏夫、松尾眞、保坂良徳、阿部伸治)が複数回にわたって、質問と意見表明をしました。その主な論点を紹介・報告します。

 

■ 指定管理料の支払は年1回と定められており、指定管理料の追加増額は認められない
 第1の問題点は、指定管理料の支払は、従来、「指定管理に関する協定書」第20条で「毎年度1回支払う」と定められています。議員は、この条項を基に「指定管理料の追加増額はありえない。認められない」としました。
 村はこれに対して、「協定書の改定を行い、指定管理料の追加増額をしたい」と答えました。
 私は、この「議員活動報告」を書くにあたって、改めて「協定書」を精査しました。すると、3月29日の臨時議会に提出された議案34号では、「協定書」第20条から「毎年度1回」の文言が削られていたことが判明しました。3月定例会に提出された議案22号の「協定書」第20条に手が加えられていたのです。議案22号と議案34号の変更点は、協定締結の一方の当事者・栄村振興公社理事長の変更と、指定管理期間の5年間から1年間への変更の2点と了解されていたので、気がつかなかったものです。私たち議員のミスとして反省しなければなりません。ただし、この「変更」について役場担当部署に問い合わせたところ、契約期間が1年間になったため、いわば機械的に「毎年度…」という表記を削ったもので、特別な意味はないとのことです。
 指定管理制度は、村の観光レクリエーション施設の振興公社への指定管理だけでなく、村の他の諸施設をめぐっても運用されています。「指定管理料の支払は毎年度1回」の規定をご都合主義的に変えると、さまざまな分野で村の指定管理料支出が際限なく増える危険が生じます。

 

■ 指定管理料の追加増額を認めない場合、追加資金の投入はどのような形になるのか。
 追加資金をどのような形で投入するか。ありうる方法は、出捐金、補助金、貸付の3つです。
 村長は昨年1月の「出捐金5千万円の投入」提案時に、「私の任期中、出捐金や補助金の投入はこれっきりで、二度目はない」旨の発言をしています。その発言との兼ね合いという問題があるとは思いますが、訂正しなければならない事態に直面した場合、前言を訂正するのが筋でしょう。もちろん、「5千万円の出捐金で充分」という見通しになぜ狂いが生じたのかをきちんと説明する必要があります。それが行政の長の責任というものだと思います。きちんとした説明がされれば、出捐金という選択肢もありえないわけではありません。
 貸付については、村側は「金融機関のようなことはできない」という考えのようですが、それはおかしいです。地方自治法制度上、出捐金の根拠となっている「投資及び出資金」と並んで、「貸付金」という財政支出項目があります。
 ところで、振興公社に約4,300万円の追加資金を投入する場合、そのかなりの部分が人件費の不足分の補填に充てられます。人件費の補填というのは、指定管理料の趣旨に馴染みませんし、「出資」とほぼ同義の出捐金にも馴染みません。補助金ないし貸付で考えるのが妥当と思われます。

 

■ 北野天満温泉の営業停止等への補償、のよさの里の特殊事情にどう対応するのか
 第2の問題点は、北野天満温泉とのよさの里をめぐる問題です。
 北野天満温泉は、H30年度1,043万9千円の赤字見通しとされています。しかし、北野天満温泉は従来、4施設の中で経営状況が比較的よいところで、黒字決算の年度もあります。
   *ただし、H29年度は約898万円の赤字決算。最大要因は

    宿泊費の値上げによる宿泊利用客の減少。昨秋、料金再

    改訂(値下げ)が行われ、宿泊客数が回復し始めていた。
 北野天満温泉のH29年度第3・第4四半期とH30年度第1四半期の大幅赤字には、東部地区の県道の通行止めによる日帰り入浴・食堂利用客の減少と、浴室不具合による日帰り入浴中止、さらに約2ヶ月間の宿泊営業の停止が大きく影響しています。
 振興公社の営業努力では対応しようのない自然災害による損失、村施設の不具合により営業停止による営業損失については、村等から損失補償が行われるべきものです。
 村は15日の協議の中で、「それは指定管理料の追加で対処する」と答えましたが、それはおかしいです。振興公社の営業努力の不足の結果としての赤字と、自然災害や村の施設不具合による営業損失とを区別しないというのでは、経営・営業の実態が分からなくなります。
 公社にとって不可抗力の営業損失額の明確化、そして公社赤字の補填とは区別した補償を求めていきます。

 

 のよさの里をめぐっては、次のような問題があります。
 H30年度は、事業収入269万7千円、事業費用1,613万3千円で、1,343万6千円の赤字見通し。
 H29年度実績は、事業収入1,377万6千円、事業費用1,730万9千円で、393万3千円の赤字。
 事業費用はほぼ同じなのに、事業収入は1桁違います。約1,600万円の経費を投入して、事業収入はわずか270万円というのはありえない話です。
 この異常事態の直接の原因は、H30年度、のよさの里では宿泊営業はせず、営業内容をオートキャンプ場と分家の1棟貸しのみに限定したことにあります。さらに、その背景には、/橋集社側が「のよさの里の指定管理は受けられない」としたのに対して、村が「どうしても指定管理を受けてほしい」としたこと、⊃橋集社はH30年度、秋山には4名の職員しか配置していなくて、とても雄川閣とのよさの里の2施設を同時営業できない、という問題があります。
 この,療世鮃佑┐譴弌△里茲気領い砲弔い討蓮◆崟峪の補填」ではなく、「営業がほとんど出来ず、施設の保守管理を委託する」という意味で、指定管理料とは区別した「施設保守管理費」のようなものを別途交付することを考えるべきでしょう。
 また、△療世鬚瓩阿辰討蓮⊃Π配置(増加)の問題を振興公社との間で真剣に協議すべきでしょう。
のよさの里の経営については従来から困難があることが認識されていますが、H30年度の「約1340万円の赤字」については本来の営業赤字とは性格が異なるものとして捉える必要があります。

 

■ 実務的レベルの詰め作業が必要
 以上、振興公社への追加資金投入をめぐる主な論点を紹介・報告してきましたが、まだまだ「大きな数字」の議論にとどまっていて、振興公社の再建の展望を明らかにすることはできていません。
 全協に提出された文書には、「平成30年度 栄村振興公社収支計画(案)」というものがあり、たとえば、トマトの国について次のような記述があります。

 

    事業収入 35,607(千円) 4・5月は予約をもとに予測値にて

                算出。7〜9月は宿泊人数を1割増に

                て算出。10月からは前宿泊人数実

                績を反映。6月から宴会2割増にて

                算出。宿泊・食事費等は過去二年

                の平均単価にて算出
    事業費用 43,662(千円) 人員は前年+1名(4月〜)+調理

                人(5月〜)+宿直1名(6月〜)

                にて算出。法事用器代追加。
    差引利益 ▽8,055(千円)

 

 事業収入はH29年度よりも約300万円の増。他方、事業費用が約760万円の増で、収支赤字が約470万円増となっています。人員の増加についてはまともな営業を行ううえで必要なものと理解されますが、事業収入については、前年度の宿泊実績や宴会実績等の数字がまったく示されていないので、H30年度の事業収入見通し額について、その是非を判断する術(すべ)がありません。
 私は、15日の全協で、「議会、村、公社の三者でワーキンググループのようなものを作り、事業収入見通し等について具体的な詰めをしてはどうか」と提案しました。村側はこの提案に乗るようです。
 誤解のないように言いますが、この「ワーキンググループ的なもの」はあくまで実務的レベルの作業を行い、議会での審議の前提となる具体的な事項、たとえば「トマトの国の10月からは前年宿泊人数実績」とは何名であり、それによる事業収入はいくらなのか等を明らかにしようとするものです。そういう作業を通じて、追加投入額の妥当性、公社経営再建の見通し等がもう少し具体的に検討できる材料が出てくると思います。したがって、「ワーキンググループ的なもの」は、議会での審議にとってかわるようなものではありません。

 

 議会では、「今回の全協のみで、あとはいきなり6月定例会というのでは審議できない」という見解が多数です。6月定例会は6月15日からの予定ですが、そこにむかって、村民のみなさんのご意見をお聞きしながら、議会全員協議会等で議論をさらに詰めていきたいと思います。

 


<最後に>
 村民の暮らしに直結する村政に遅滞は許されません。よって、北野天満温泉浴室改修の審議、振興公社への追加資金投入に関する協議を粛々と行い、その内容をここまで報告してきました。
 同時に、村の政治のあり方をめぐって、もっともっと議論し、明確にしなければならないことがあることも明白です。村民のみなさまからの様々なご意見をお聞きしています。議会においては村民のみなさまのご意見をふまえて、さらに議論を深めていくことになります。今号ではもう紙数が尽きましたので、その点は次号以降でご報告したいと思います。
 なお、3〜4月、私の「議員活動報告」を配達しきれていない地域があります。今後の議論にとって不可欠な資料としての意味がありますので、未配達地域では今号と共に第24〜26号を配達させていただきます。私の活動量不足でご迷惑をおかけし、申し訳ございません。なにとぞ、ご理解を賜れますよう、お願い申し上げます。


松尾まことの議員活動報告第26号(4月1日付)

               北野天満温泉前のカタクリ

 

臨時議会(29日)で指定管理契約を議決

 

春爛漫にふさわしい新年度のスタートを切りましょう!

 

 3月29日午前、栄村議会の臨時会が開催されました。
 議題は、3月定例会から持ち越しとなった「栄村観光レクリエーション施設の指定管理者について」。傍聴席では多くの村民のみなさんが審議の成り行きに注目しました。
 栄村振興公社の高橋規夫理事長の辞任と指定管理契約期間の暫定1年化という2つの条件を満たした村と公社の契約書が提出されました。
 現在の指定管理期間が3月31日で満了という切羽詰まった状況の中で、また、“2つの条件”が満たされたからといって、しかし、いわゆるシャンシャンで議決されたわけではありません。
 いま、栄村振興公社で最も重大な問題は、現場で奮闘する職員と理事会の間に深い溝があることです。また、北野天満温泉の入浴設備に問題が発生し、日帰り入浴が中止になっているのに、村の対応方針が明示されていないことも大問題。
 議会では、これらの問題点について慎重に審議し、現場職員と施設地元住民が力を合わせて施設運営を進めていくことを中心とする今後の方向性を明確にしたうえで
、1年間の指定管理契約を可決しました。
 率直に言って、振興公社は絶対的な職員不足の現状にあり、その補充が早急に求められています。しかも、ただ人数を揃えれば事足りるということではありません。施設を熟知している人、不本意に公社を去らねばならなかった人、そういう人たちの力を得ていくことが大事です。また、「理事会、評議員会とは何なのか?」ということを明確にし、それにふさわしい体制を築いていくことが必要でしょう。
 振興公社を再建軌道にのせることができるかどうか。栄村の今後がかかっています。施設地元の住民のみなさんが施設運営に積極的に関わることを中軸にして、村民の振興公社への関わりを強め、新しいスタートを切っていきたいものです。

 

 

◎ 北野天満温泉の浴室不具合について
 北野天満温泉の日帰り入浴が、2月下旬から中止になっています。浴室の天井が垂れ下がり、危険になったためです。
 議会は2月26日に現場視察を行なうなどして、早急な対応を求めてきましたが、3月26日になって、当初計画された応急復旧工事では対応できないことが判明しました。
 このため、3月29日の臨時議会終了後、森川村長が議会に対して、村の対応方針についての説明を行いました。ポイントは2つです。
 1つは、天井裏の鉄骨から新しい天井を吊り下げる応急対応を追求したが、鉄骨そのものの腐食が激しく、この応急対応が出来ないことが判明したこと(3月26日に判明)。
 2つは、北野天満温泉の浴室は全面建て直しを基本とし、その建て直しが完成するまでの間、仮設浴室の設置も検討すること。
 議員からはさまざまな意見が出ましたが、私は浴室の全面建て直しに全力を注ぎ、それを最大限短期で実現することを基本方針とすべきだと考えます。
 全面建て直しを急ぐとともに、北野天満温泉を指定管理で運営する振興公社の赤字増大の要因とならないよう、経営上の検討・判断をしっかりと行って、当面の運営方針を決める必要があります。北野天満温泉周辺の住民のみなさんのご理解、ご支援をいただくことも欠かせないものです。ご意見を北野天満温泉支配人や議員にお寄せいただくことが大事だと思います。

 

 

◎ 県道笹原〜長瀬間の全面通行止め解除をめぐって
 3月23日午後、県道笹原〜長瀬間の全面通行止めがようやく解除されました。1月25日の全面通行止めから約2ヶ月ぶりのことです。
 通行止め解除後、私もすでに何度も通行しましたが、北野・極野などの地区との往き来がスムーズにできて、本当に嬉しいです。

 

● 本格復旧工事が間もなく始まります
 今後、昨秋10月23日の台風21号で土砂崩落した箇所の復旧、雪崩予防柵の設置や土留めの本格復旧工事が始まります。
 すでに工事入札が終わり、竹花組が落札して、工事の準備を進めています。4月1日からの新年度開始に伴い、早々に現場での作業が始まるものと思います。工期は11月までで、予定通りに進めば、次の冬の前に完成します。

 

● 災害から今日までの事態について、しっかり総括・反省が必要です
 一日も早い復旧完成を望むものですが、しかし、そのためにも昨秋の災害発生以降の県建設事務所や村の対応の問題点は曖昧にせず、きちんと総括・反省しておくことが必要だと思います。
 私が考える問題点を3つ、指摘します。
 第1点は、災害直後(10月23日〜11月一杯)の問題です。
 笹原〜長瀬間の災害箇所での流出土砂や倒木の撤去には約1ヶ月もかかり、また、地元住民への説明会が初めて開催されたのは災害から1ヶ月余を経てからでした。
 11月28日の説明会での建設事務所の話などを総合すると、「崩落斜面にかなり多くの土砂等が残っていて、二次災害の発生を防ぐために、土砂・倒木の撤去より前に地盤調査等を先行させる必要があった」ということのようです。たしかにその通りだったのだろうと思います。
 しかし、そうであればこそ、もっと早い時期に地元説明会を開催する必要がありました。「いま、二次災害の危険があるので、こういう調査をしています」という説明会をまず開くべきなのです。この点、しっかり反省して、今後の災害対応に活かしていってもらいたいと思います。
 第2点は、1月25日〜3月23日の全面通行止めに関してです。
 雪崩の危険に対応しての措置でしたが、私は頻繁に現場を訪れ、積雪の様子を観察しました。私は素人ですので、雪崩の危険の有無について確たることは言えませんが、どう見ても建設事務所の現場観察の頻度は低く、状況把握が不十分だったとしか思えません。また、2月26日の議会の現場視察の際、本格復旧工事担当の職員からは雪崩発生危険の観察・判断ポイントについて説得力のある説明が聞けましたが、道路管理担当からはただ天気予測の話ばかりで納得のいく説明が聞けませんでした。長野県は栄村などの一部地域を除くとじつは豪雪県ではなく、雪・雪崩への対応力が充分でないと思わざるをえません。改善を望みたいと思います。
 第3点は、村の対応です。
 県道の道路管理者は県であり、村独自の判断での対応ができないことはよく承知しています。しかし、もっと村が主張すべきを主張し、県を動かしていくという対応があって然るべきだったと多くの人が思っています。
 「日本一安心安全な村」という村長のスローガンに恥じない村であってほしいという思いは村民共通のものでしょう。村長に村長らしい仕事の遂行を求めたいと思う次第です。

 

 

 「議員活動報告」は第25号を3月15付で発行したばかりで、全戸配達もまだあまり進んでいませんが、29日の臨時議会があったことから、第26号を4頁版で急遽発行することにしました。そのため、次号(27号)はよほどの緊急事態がないかぎり、しばらく時間をおいて5月になります。ご了承ください。

 


松尾まことの議員活動報告第25号(3月15日付)

“正念場”突破へなんとか一歩踏み出しました
           3月定例会の報告

 

 2月21日発行の「議員活動報告」第24号では、3月定例議会を「栄村の正念場」と位置づけ、みなさんに傍聴して下さるよう、お願いしました。
 定例会は5日に開会し、13日に閉会しました。その評価を一言で言うと、どうなるか? 注目されるところですが、私は次のように考えています。

 

   “正念場”を突破することはとても大変なことであり、実際、

   本定例会は連日夕刻5時まで議論が続くなど厳しい展開が続

   きましたが、“正念場”を突破していく第一歩を踏み出すこと

   はできたのではないか。

 

 「第一歩を踏み出せた」と評価するメルクマール(指標)は3つあります。
 第1は、議案審議、とくに新年度予算の審議において、予算・施策が村民の思いを充分に反映したものとなっているか、予算は充分に精査されているか(無駄な支出を削ること等)を議員が具体的かつ徹底的に解明していったことです。
 第2は、振興公社をめぐって、職員(村民)が気持ちよく仕事に取り組め、地域住民の元気の源となる振興公社の実現にむけて、経営体制の刷新の大きな一歩を築いたことです。高橋規夫公社理事長は3月12日付で辞任しました。
 第3は、議員が本会議・委員会、さらに全員協議会で徹底論議し、村民目線での議会意思の形成へ不断に努めたことです。
 もちろん、まだ始まりにしかすぎません。少しでも気を緩めれば、後退しかねません。村民のみなさんに3月定例会の結果をしっかり報告し、みなさんのご意見を募り、それを基にさらに研鑽を深め、村の予算執行へのチェック能力、さらに政策形成能力を高めていかなければなりません。みなさんの一層の注目とご意見をお願いする次第です。

 


◎ 振興公社が新しい道を踏み出します。住民の支援・協力で支え、応援していきましょう。

 村の4施設を指定管理で栄村振興公社に託する5ヶ年契約が3月31日で期限切れとなります。そのため、3月定例会には、村と振興公社の新契約が村から提出されました。
 議会は3月5日の指定管理関係議案の審議に高橋公社理事長(当時)を参考人として招致するなどして、徹底審議を行いました。
 その結果、高橋理事長に退いていただき、新しい体制で振興公社の事業を展開していく方向性を確立することで議会全員の一致をみ、さらに村にも同意してもらい、近日中に臨時議会を開催して、村と公社の新契約を議決するとの結論に達しました。

 

● 職員がやる気を発揮できる環境の整備――公社立て直しの最重要テーマ
 「議員活動報告」前号で報告したとおり、振興公社の赤字は限りなく膨らんでおり、3月定例会に提出された今後5年の収支計画書はさらにひどい予測を示していました。
 私たちは、2月16日に行った公社理事会との懇談会、26日開催の公社職員との懇談会で聴取したことなどをベースに問題点を検討した結果、「理事長と職員の間に深い溝が出来ている。問題は理事長側にあり、そこにメスを入れて、職員が気持ちよく働ける環境を取り戻すことが公社立て直しに不可欠」という判断に達しました。
 7日の本会議終了後、議会全員協議会(議員のみでの議論)を開催し、議員が一人残らず全員自分の意見を述べて、高橋規夫氏の理事長辞任を求めることを確認し、その結論を村と公社の双方に申し入れました。
 3月12日、振興公社の評議員会(理事の任免権を有する)が開催され、高橋規夫氏が3月12日付の辞表を提出、評議員会はこれを受理しました。
 これによって、議会最終日には、新体制の公社との間での指定管理契約が議決されるはずでしたが、「辞任した理事長がなお当面の間、公社を統括する」というまったくおかしな動きがあったため、3月定例会会期中の決着とはせず、1週間ほどの期間をおいて、誰もが納得できる新契約書を整えてもらうということで、村側の新議案提出−審議・議決を臨時議会に先送りしました。

 

● 公社職員と地元住民の協力が重要に
 新体制の構築に踏み出した振興公社ですが、難題が山積しています。職員の絶対的な不足、経営監理体制の不備、赤字を解消できるだけの誘客の方策をまだ編み出せていないこと、等々です。これからの1年間でいっきに再建を実現することは難しいと思われます。〈再建への礎を築く1年〉と考えるのが妥当でしょう。
 そのために取り組まなければならない課題は多々ありますが、いちばん大事なことは公社職員と住民の連携・協力関係を創り出していくことだと思います。村の宿泊温泉施設というものは、純民間企業がただ利益をあげることだけを目的に経営するものとは異なります。やはり、〈村民みんなが気持ちよく利用できる〉ことがベースにあって、職員と住民が力を合わせていくことによってこそ、外からの観光客のみなさんを温かく出迎え、よりよいサービスを提供することができます。
 そういう考えにたって振興公社を再建すべく、議会は村が関連議案を出してきた時だけ議論するという域を脱し、平素から公社の経営・運営をチェックし、よりよい運営のために知恵を絞るように努めていきたいと思います。
(なお、振興公社の再建にむけてのアイディアの一端は私が編集・発行する「栄村復興への歩み」No.329で提案したいと思います。)

 


◎ 新年度予算について

 3月定例会は別名「予算議会」。議会は村長が提出した一般会計総額37億1千万円と特別会計(10本の特別会計がある)総額12億4,542万7千円の平成30年度予算を可決しました。
この予算を執行する形で、4月1日から1年間の村の行政が展開されていきます。
(なお、一般会計と特別会計を合わせると49億5,542万7千円になりますが、この金額が栄村の年間財政規模を表すわけではありません。というのは、一般会計から特別会計に繰入れられたものがあり、その金額が一般会計と特別会計で二重にカウントされているからです。その分を差し引くと、栄村の平成30年度財政規模は約46億5,700万円程度になります。)

 

● 予算案はどのように審議されたか
 予算案は、5日の本会議で村長から提案されました。その後、8日の本会議で総務課長が補足説明をした後、議会が予算特別委員会(議員全員が委員となる)を設置し、同委員会で総務費、民生費等々の費目順に2日間にわたって審査しました。
 予算特別委員会では、議員が「質問の必要がある」と判断した予算の項目を指摘し、村長や課長の答弁を求めます。さまざまな問題点が指摘されますが、村長や課長は予算を正当化する立場から答弁します。
 予算特別委員会ではこういう質疑を一般会計、各特別会計のすべてについて行いました。そして、定例会最終日13日の本会議では予算案に対する反対、賛成の討論を行い、その後、採決が行われました。討論では反対討論はなく、保坂良徳議員が賛成討論を行いました。ただし、保坂議員の討論は「予算案に諸手(もろて)を挙(あ)げて賛成」(=無条件に賛成)ということではなく、むしろ予算案の種々の問題点を指摘し、予算執行に際してその点に留意することを村長に厳しく求めるというものでした。
 採決は起立方式で行われ、議長を除く9議員全員起立の全会一致でした。

 

● 予算案可決の意味
 「賛成討論」について「諸手を挙げての賛成ではない」と書きましたが、私を含めて多数の議員がそういう思いです。
 では、なぜ「反対」し、否決しなかったのか。新年度が間近に迫り、3月定例会で予算が成立しない場合、4月1日からの村行政がストップするからです。国レベルでは、3月31日までに新年度予算が成立しない場合、当面する行政執行に必要な経常経費のみを計上した暫定予算を編成しますが、村レベルではそういう暫定予算の編成には困難があります。
 否決を選択するのは、4月1日からの行政機能のマヒを覚悟してでも否決しなければならないほどの大問題がある場合に限られます。
 残された対応策として「一部修正」を議員が提案するという方法がありますが、削るべき費目を削るというだけでは修正案として認められません。予算の歳入・歳出の全体について整合性がつくように修正することが求められ、かなりの時間と専門知識を要する作業となります。議会開会1週間前に初めて予算書を渡された議員が議会開会中にそこまでの修正作業をすることは限りなく不可能に近いことです。
 したがって、私たちは予算の成立を認めた上で、今後の予算執行段階で無駄な支出をしないことや補正予算での実質修正を村側に求めていくという道を選択しました。

 

● 村民の暮らしに直結する事項
 新年度予算で村民の暮らしに直結する事項を紹介します。
 1つは、介護保険料の値上げです。
 予算と同時に3月定例会に提案された「栄村介護保険条例の一部を改正する条例」が賛成多数で可決されました。この結果、65歳以上の1号被保険者の支払額は基準額で月300円(年間3,600円)引き上げとなりました。年金のみで生計をたてている人にとっては非常に大きな打撃となります。
 2つは、保育園の保育料の引き下げです。
 少子化対策の重要性が叫ばれる中、子育て家庭の負担が軽減されること自体はいいことだと思いますが、今回の予算での保育関係施策は、保育園父母のみなさんが村に要望されている最優先事項(保育士体制の充実など保育環境の整備・充実)に充分に応えるものにはなっていないと思います。
 3つは、秋山の交通対策です。
 朝と夕の秋山・和山行きの路線バスが無くなったことに代替するデマンド交通を津南町と共同で運行する予算(総額1千万円、津南町と折半)が一般会計に計上されました。

 

● 無駄な支出、疑問のある支出・経費算出について
 先に書いたように、新年度予算は全面賛成できるものではありません。とくに問題があるものについて(紙幅が許す範囲ということで)4点に限って指摘します。
 第1は、村民の思いが予算に反映されていないものがあることです。典型が消防団の待遇改善をめぐる問題です。3月定例会には消防団の待遇に関する条例の改定案が出され、予算もそれに合わせる形になっています。ところが、総務省基準では消防団員への報酬が3万6,500円であるのに対して、村ではわずか1万4千円(月額ではなく年額です)。背景には村の財政事情もありますが、いちばんの問題は消防団の活動に対する思い(評価)が村側から伝わってこないことです。
 第2は、無駄な支出、練られていない支出があることです。前者の典型は「食の高付加価値化プロジェクト」(約128万円)。予算の77%が村外アドバイザーへの謝金や委託料に充てられ、村民はタダ働き同然の扱いになっています。また、物産館食堂・厨房改修費として4,950万円も計上されていますが、「道の駅」と物産館をどんな施設にしていくかの全体像がまったく練られていません。
 第3は、この1年間の議会での村長答弁が守られていないことです。たとえば、12月定例会で村長は私の質問に答えて、「若者定住マイホーム支援事業」と「住宅リフォーム支援事業」を抜本的に見直すとしたにもかかわらず、新予算に前年とまったく同じ予算をつけてきました。しかも、3月補正予算でこれらの費目のほとんどが使い切れないで減額する修正をしているにもかかわらずです。
 第4は、不明瞭な金額があることです。簡易水道の水源地・配水池の買収が予算計上されていますが、計12か所で総額は約127万円。1崚たり283〜319円になります。ところが昨年、切明の水道源泉地の買収は1崚たり1,500円。まったく納得し難いことです。

 

 以上、新年度予算に関する報告です。今後の予算執行状況をしっかりチェックしていきたいと思います。

 


◎ 森川村長の不適切発言について

 すでにご存じの方も多いことと思いますが、3月6日の一般質問への答弁において、村長森川浩市氏が、私・松尾眞の名を挙げて、まったく根拠なき誹謗中傷を延々と行うという前代未聞の事態が起こりました。私の名誉を毀損(きそん)するものであり、議会の秩序と規律を破壊する暴挙です。
 議会は8日に議会全員協議会を開催し、この事態について協議し、全会一致で森川氏に撤回と謝罪を求めることを決めました。そして、翌9日、森川氏に〈撤回・謝罪〉をするように申し入れました。しかし、森川氏は拒否。事態は暗礁に乗り上げました。
 12日、私は公式的なルートで、村長が発言を撤回すること、それに対して私が冷静に対処することを求める打診を受け、了解しました。しかし、議会最終日の13日になると、森川氏は「撤回を撤回」、すなわち撤回も謝罪もしないというのです。これにはもう呆れ果てるしかありません。

 

● 刑法230条違反が明々白々な誹謗中傷
 森川氏の発言は、刑法230条が犯罪と規定する「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀し、損した」ものです。森川氏は、私が議員という公職の地位にあることから、同条の例外規定に該当し、森川氏は罰せられないと強弁しているようです。しかし、その例外規定は、「真実であることの証明があったとき」に適用されるものです。いま現に松尾が「中核派と関係がある」とか、「村民を脅している」というような荒唐無稽なでっち上げ話が「真実である証明」など出来ません。森川氏の発言が刑法230条に違反するものであることは誰の目にもあきらかです。

 

● 議会の秩序と規律を破壊する暴挙
 森川氏の暴言は私・松尾を誹謗中傷するにとどまらず、議会の秩序と規律を破壊するものであり、議会への攻撃でもあります。
 地方自治法や議会会議規則は、議員が他の議員を個人攻撃することを固く禁じ、そのような行為は懲罰の対象とすることを規定しています。最も厳しい懲罰処分は議会からの除名、すなわち議員資格のはく奪です。しかし、行政の首長がそのような行為を行うことは想定しておらず、議会の懲罰権は首長には及びません。
 そこで、議会は全員協議会を開催し、徹底議論の結論として、森川氏に発言の撤回と謝罪を求めたのです。森川氏がこれを拒否したことは、議会の意思をまったく無視することを意味します。

 

● 法的手段を用意しつつ、事態に冷静に対処していきます
 議会には森川氏に〈発言撤回・謝罪〉を強制する権限がありません。同時に、〈撤回・謝罪〉を求める姿勢を堅持しています。9日の全員協議会でそのことが確認されました。
 私・松尾は誹謗中傷を受けた被害者本人です。
 村民の方々から、また近隣市町村の方々から「攻撃に負けないで」という励ましの声をたくさんいただいています。有難うございます。
 私は、栄村議会の議員(議会の一員)として、議会の意思に基づいて行動します。すなわち、森川氏に〈撤回・謝罪〉を求めるということです。
 同時に、被害者当人として、身を守るために必要なことはせねばなりません。すなわち、法的手段に訴えることです。私はすでにその用意を整えていますが、究極の目的は議会の秩序と規律の回復にあります。そのことを肝に銘じ、議会のみなさんと緊密に連携しながら、冷静かつ慎重に対応していく考えです。
 村民のみなさまのご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。

 

 

◎ 議会と議員の役割について思うこと

 今回の3月定例会を終えて、私は予算議会を2回経験したことになり、早いもので議員になって満2年を迎えようとしています。
 昨年の村議選で初当選された議員の方々からは、「1年生議員だが、今度の議会では1期4年分くらいの勉強をさせてもらった」という感想をお聞きしています。私自身もたいへん学ぶことの多い議会でした。3点ほど、思うところを記したいと思います。

 

 第1点は、時間をかけた調査・勉強・話し合いが大事だということです。
 予算議会に臨むにあたっては議員仲間で勉強する機会もありましたし、また、議会全員協議会で時間をかけて議論し、議会の意思を形成することも多くありました。今後、審議すべき内容が量的にも質的にも膨大なものとなる予算議会などでは会期以前の段階で議会全員協議会をフルに活用し、役場の説明を求め、議会としての意思形成を進めていくことが望ましいと思います。
 第2点は、〈チェック機能〉の発揮が新しい政策・政治をきりひらいていくということです。
 「この予算はどういうことを実現しようとしているのか」――ここをしっかりと把握すると、村民の願いを反映する施策の実現にむけて、役場と詰めた議論をすることができます。平素から行政担当者に実務的なことをしっかり聞き取ることを不断に行っていけば、自(おの)ずと〈チェック能力〉が高まり、より良い施策に実現にむけて提案することもできるようになります。
 第3点は、報告活動を中心として日常活動をいっそう強めていかなければならないということです。
 3月議会には多くの村民の方々が傍聴に来てくださいました。が、「傍聴者への資料配布がないため、議場の質疑が理解しづらい」という声をたくさんいただきました。議員が平素から村の施策等についての報告をしっかりやっていけば、議会の質疑を理解する土台が形成されるのではないかと思います。それには、私自身がもっともっと勉強しないと充分な報告ができません。改めて、議員としての責務の大きさをしっかりと受け止め直し、日常活動のいっそうの強化に愚直に取り組んで参りたいと思います。
 今後とも、様々なご意見、ご指導をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 


松尾まことの議員活動報告第24号(2月21日付)

 

3月議会(5日〜13日)は栄村の正念場
傍聴に是非お越しください

 

 3月議会は新年度予算を決める定例会で、年間で最も重要な議会です。さらに今年は、森川村政の動向と振興公社の4,600万円強にものぼる大赤字への対応をめぐって、重要度が高まっています。栄村の正念場と言って過言ではありません。
 第1に、森川浩一村長の施政方針の提示をめぐる状況です。3月定例会では冒頭に村長が「施政方針」を述べることになっており、演説草稿を事前に議会側に示すことが慣例となっています(一般質問の準備の関係での措置です)。しかし、今回は事前提示がなく、3月5日にぶっつけ本番の演説になるそうです。森川氏は年初来、「4年任期の折り返し点。公約実行へ大胆な予算措置をとる」とさまざまなところで発言しています。なのに、施政方針の草稿が当日まで出来ないというのは理解し難いことです。率直に言って、「森川氏は何を考えているのか?」、「栄村をどこに導こうとしているのか?」、さっぱりわからない状況だと言わざるをえません。
 第2に、栄村振興公社の深刻な経営状況です。村は昨年1月と3月に計5千万円にのぼる出捐金を振興公社に出しました。ところが、今年度3月末決算の見通しはじつに4,600万円の大赤字だというのです。3月末に公社に残る財産はわずかに300万円余。1年余で5千万円を喰い尽くしたわけです。
 こんな中で、村の4つの温泉宿泊施設の指定管理の5年契約が3月31日で切れます。経営能力が無いことが露呈した現理事長体制の公社と新たな指定管理契約を結んでよいのか? 重大な判断が迫られています。
 第3に、保育園児父母たちの保育士増強の願い、国保や介護保険での個人負担の増大への不安など、村民みんなの暮らしを守り育てていくのに不可欠な政策課題に森川村政はどう応えるのか。予算審議、そして一般質問での質疑は真剣勝負です。

 

 

◎ 振興公社の大赤字と今後について
 議会では、2月16日に振興公社理事会との懇談会を開催し、さらに2月20日、議会全員協議会(村長提出)で「栄村振興公社の経営状況について」の村の説明を聞き、協議しました。ここでは、全協での協議内容を報告します。

 

● 出捐金5千万円がわずか1年間で喰い尽くされた!!
 20日の全協で村から示された「公社の経営状況」のデータによれば、3月末収支見通しは(a)4,666万9,923円の赤字、指定管理料1,850万円でその一部を相殺しても(b)2,816万9923円の赤字です。
 これはどういう金額なのか?
 前年度(H28年度)との比較では、前年度の赤字(a)2,941万5,011円、(b)1,881万5,011円よりも増大しており、また、公社理事会が昨年2月に示した「再建5ヶ年計画」のH29年度収支計画での(a)赤字3,658万1,904円、(b)赤字1,808万1,904円を大きく上回っています。
 この結果、期末正味財産(3月末に公社の手にある資産)はH28年末の3,118万4,989円が、1桁少ない301万5,066円に減少することになります。1ヶ月分の運転資金にも満たないような額です。
 昨年1月と3月に投入された計5千万円の出捐金との関係でいえば、1月投入の2,100万円はH28年度ののりきりに使われ、3月投入の2,900万円は、当初の「運転資金確保のための金融機関からの借入金の担保にする」というのではなく、H29年度赤字の穴埋めのためにほぼ使い尽くされるということです。

 

● いちばん大きな問題――中間期決算もせず(出来ず)、赤字の雪だるま式増大を招いた理事長の経営責任の自覚と能力の無さ
 20日の全協では、「悪天候の連続による宿泊客のキャンセルの続出」などを赤字理由として挙げられていましたが、そこに膨大な赤字の原因があるのではありません。悪天候の影響を最も大きく受ける山岳観光を担う苗場山観光蝓並爾了慊蟯浜委託先)は本年度収支トントンでの決算を見通しているとのことです。
 では、何が問題なのか?
 私は、村の観光センター長という立場で全協に出席した斉藤賢一氏に、「公社のH29年度赤字が深刻になってきていると気づいたのはいつ頃か」、「一般の企業では年度の上半期を振り返り、9月末の中間決算を出すが、公社の9月末中間決算は出ているのか」と問いました。
 斉藤氏の回答は、「事態の悪化は秋口頃に感じとった」、「中間決算の提出を求めたが、年を越えて、最近になってようやく出て来たのが今日示した数字だ」というものでした。
 つまり、公社の経営陣(=理事長・理事会)は、中間決算もやらず(出来ず)、何の手も打たないままにズルズル今日まで無為無策できたということです。
 しかも、理事長は少なくとも月額15万円の報酬を受け取り、赤字深刻化の中でも「2割カット」と称して少なくとも月額12万円の報酬を受け取り続けているようです。民間企業ならば「報酬全額返上」が当たり前なのではないでしょうか。
 経営責任感も経営能力も共に無いと言わざるをえません。

 

● 3月議会に出る村(長)の方針は「毎年5千万円投入」になりかねない危険なもの
 20日の全協で示された村(長)の対処方針は以下のとおりです。
    イ) H30年度当初予算では、前年と同じ額の指定管理料

      1,850万円を計上する。
    ロ) その金額では足らないので、6月定例会に追加資金

      入のお願いを出すことになる。
    ハ) 4施設の指定管理の契約が3月31日で切れるが、これ

      まで通り4施設とも振興公社に指定管理を委託する5

      年契約を結ぶこととし、3月議会で承認を求める。
 ロの項が示していることは、村が3〜5千万円の追加資金投入をするということです。
 森川村長は、昨年、5千万円の出捐金を提案した際、「出捐金や補助金は金輪際出さない」と明言しています。その発言との整合性をどう確保するのでしょうか。
 たしかに森川村長も苦しいところでしょう。
 しかし、行政の長たるもの、曖昧なことは許されません。振興公社問題の核心に自ら雌を入れるべきです。

 

● 事態打開の鍵は、公社理事会の抜本的刷新、そして村民の公社運営参加
 私はこの間、毎日のように公社関係の書類を見つめ続け、考えに考えています。
 振興公社の経営は栄村の観光(産業)のあり方と一体の関係にあり、栄村の観光の展望を明確にしていかないかぎり、公社の黒字経営の展望も開けてこないという問題があります。
 しかし、振興公社の経営問題の最も深刻なことは、その点にあるのではありません。
 最も深刻なことは、経営判断をするために当然存在して然るべき書類(数字)が存在していないことなのです。収入についても支出についても、黒字・赤字を判断する指標となるまともな予算書や決算諸書類が充分にはなく、たとえば月々の結果が出た時に「今月はヤバイ。来月は支出のこの項を削る、あるいは支出を先送りにする。収入面では、ここに営業をかけて、いくらの収入増を実現しよう」というような議論ができないのです。
 いいかえれば、経営陣が経営者としての仕事をしていないということです。
 現在の経営陣=理事会、とくに理事長には退陣していただくしかありません。これが事態打開の鍵です。
 そして、村民の運営参加を実現していくことです。村民のみなさんは振興公社と公社が管理する4つの施設を“なくてはならないもの”と思っています。そして、その存続と発展のために知恵と力を提供したいという気持ちを強く持っておられます。
 理事会(さらには評議員会)を一新し、村民が心を一つにして守り、発展させる振興公社に変えていこうではありませんか。いまこそ、栄村村民の底力を発揮するときです。
 3月議会ではそのために全身全霊を尽くして頑張りたいと決意しています。

 


◎ 飯山警察署が捜査に乗り出しました
  ――誹謗文書の長瀬団地ロビーへの貼付け事件
 2月7日午後2時、飯山警察署生活安全刑事課の捜査員が、村役場所管課長の立ち会いの下、村の長瀬団地1階ロビーに立ち入り、本事件の現場検証を行いました。私も被害者として現場に立ち会いました。
 現場の写真撮影等が行われ、誹謗文書貼付けのガムテープの痕跡も明確に確認されたようです。
 また、飯山警察署が書類を作成し、私が署名・捺印して正式の被害届が受理されました。こうして、刑法231条(侮辱罪)違反での捜査が正式に開始されました。
 村ではこれまでにも同種の事件がありながら、正式捜査にまで行かずに曖昧なまま終わっていたことがあるようですが、今回は徹底的に追及し、この種の犯罪を根絶します。

 


私・松尾に対する「質問」にお答えします

 

● 2月1日、村長から「質問状」を手渡されました
 私は2月1日、県道笹原〜長瀬間の通行止め問題に関して斉藤康夫議員(産社副委員長)とともに役場で産業建設課長と話をしていましたが、その話の終わりかけた頃、誰かが私の斜め後ろから近づき、私の手に押し込むような感じで封筒を渡すのに気づきました。振り向いて見ると、森川村長でした。役場の封筒に入り、担当課欄には「村長」と手書きされていました。宛先は「松尾眞議員」ではなく、「栄村森 松尾眞様」でした(下写真参照)。

 

文書には「下水内 役場印」の割印があり、公文書です


 産建課長との話を終えてロビーに出た後、開封すると、「女性の皆さんと語る会」の席上で村長に手渡された私に関する質問状(原文は手書き)を村長がワープロで打ち直したので、それに答えられる限り答えてほしいというものでした。「質問状」は2つあり、一つは主に私の学歴について詐称ではないかと問うもの(+京都精華大学勤務の職歴も詐称ではないか)、もう一つは昨年6月に逮捕された大阪正明被告の逃亡に私・松尾が関わっていたのではないかという趣旨のものでした。
 村長(行政の長)は議員の資格等を所管する役職ではないし、また、村民個々人の学歴等について問い合わせに答える職責・立場にあるわけではありません。したがって、私が森川村長にお答えするような問題ではないと考えます。
 他方、私は選挙で選出された議員ですので、村民の方々の中に私の経歴等について疑問を持つ方がおられたら、いつでもお答えする用意があります。今回は、残念ながら、質問者の名前は知らされていませんので、直接にお答えすることができません。そこで、基本的に村内全世帯にお配りさせていただいているこの「議員活動報告」に書くのが妥当だと判断し、以下を記すものです。


● 京都大学が私の在籍を証明する書類を交付
 私は若い頃、新聞・テレビ等でしばしば「京大生 松尾真」として紹介されてきましたので、いまさら証明書など不要だと思っていましたが、今回の「質問状」では「証明書をもって本人から証明がなければ……経歴詐称または学歴詐称になる」とまで書かれていますので、京都大学に証明書の発行を求めました。その証明書は写真で掲載するとおりです。念のため、この証明書を栄村選挙管理委員会に提出いたします。

 

 

 なお、この「質問状」を書かれた方は、「除籍になれば在籍の事実が消える」と誤解されているようですが、京都大学はそのような扱いをしていないことを申し添えます。


● 私は民事訴訟で京都精華大学を訴え、「京都精華大学は原告(松尾)に対して解決金を支払う義務を負う」とする裁判所の和解調停で決着しました
 私の学歴を問われた方は、私と京都精華大学の関係をめぐっても、「懲戒解雇以上に大学側は松尾眞が准教授として存在していたこと自体を無くすということで示談しているのではないでしょうか。これが本当ならば、これもまた職歴詐称に当たりますよね」と書かれています。
 私が京都精華大学で懲戒解雇処分を受けたことは事実ですが、それはまったく不当な処分であり、私は処分直後(2012年秋)に京都地方裁判所で「処分取り消し」を求める訴訟を起こしました。
 その結果、2015年、京都地方裁判所において、大学側が原告たる私に対して解決金を支払う義務を負うとした裁判所の和解勧告に原告・被告双方が同意するという決着をみました。専門家からは私の実質勝訴という評価をいただいています。
 以上のことから「職歴詐称」云々が当たらないことは明白です。一言申し添えるならば、「准教授として存在していたこと自体を無くす」というような処分が日本社会において法的にあり得るのでしょうか。「質問者」の方に逆にお尋ねしたい心境です。

 

● 満11年に及ぶ私の村での暮らしぶりは皆さんがご存知です
 もう一つの「質問状」は、私を直接に名指すのではなく、「渋谷暴動事件で委員長として命令した人が栄村の議員」、「この議員と大阪正明の関係(過去〜現在)と、逃亡についての関係を村民全員に報告して下さい」と書いています。しかし、この「議員」というのは私・松尾を指していることはどなたでもお分かりになると思います。だからこそ、森川村長も私にこの「質問状」を渡されたのでしょう。
 「議員活動報告」第20号でも書きましたように、私が破防法事件で逮捕・起訴されたこと、学生運動をしていたことは事実です。ただし、大昔のことです。私は2007年4月から栄村で暮らしています。今年で満11年です。その間の暮らしぶりは多くの村民がご存知です。「大阪正明の逃亡との関係は」などと問うこと自体が愚かであり、ひいては私の名誉を毀損しかねないものです。
 申し添えますが、渋谷暴動事件当時、私は破防法事件で警視庁に留置中であり、「命令」など出来ようがありません。また、新聞報道によれば、今回の大阪正明被告の起訴にあたって、警視庁は渋谷暴動事件関係者全員に対して再事情聴取をしたそうですが、私はそのような事情聴取を受けていません。「関係者」ではないということです。

 

●「質問状」の不可解さ
 以上、私は議員という公職に就いている者として、あえて個人のプライバシーも曝け出して、 “疑問”にお答えしました。
 そのうえで、私は森川村長から渡された「質問状」について、不可解に思う点がありますので、最後にそのことについても書かせていただきます。
 「質問状」が森川村長に渡されたのは「女性の皆さんと語る会」の席上だということですが、その「会」が開催されたのは昨秋の4回、うち最後の会が12月9日(東部地区)でした。なのに、なぜ、2月1日までその「質問状」を村長が放置されていたのか、ということです。
 それに関連して、一つめの「質問状」に添付されていた文書に非常に不可解な点があります。一つめの「質問状」は計3枚で構成され、1枚目が「質問」本文、2〜3枚目はインターネット記事を印刷したものです。その印刷物にはネット記事を印刷した日付が入っています。それは「2017/12/23」という日付です(下写真参照)。2月20日に森川村長にお尋ねしたところ、その2枚は「女性と語る会」の席上で渡された「質問状」に付けられていたものだということです。しかし、「女性を語る会」の最終回は2017年12月9日です。なぜ、12月9日までに村長に渡された文書の中に「2017年12月23日」に印刷されたものが入っているのでしょうか。非常に不思議です。

 

黒塗りは村長側が行ったものです

 

 以上です。私は今後も、必要なことはきちんとお答えする姿勢ですが、疑問のある方は私に直接お尋ねいただくか、公職選挙法上で問われる経歴等については栄村選挙管理委員会にお尋ねいただくようにお願いいたします。村長という行政の長は議員の経歴や言動について所管する立場にはないことをご理解いただきたいと思います。

 


松尾まことの議員活動報告第23号(1月27日付)

 1月23日から1週間近く、猛烈な寒波の襲来でしたが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
 降雪量・積雪量としては豪雪地・栄村にとって特異なものとは言えませんが、何日も降り続いたのが困りましたね。さらに、寒さが種々の難儀を引き起こしたと思います。
 何かお困り事がありましたら、私をはじめとして議員に気軽に声をおかけください。役場にかけ合うことを含め、全力で対応させていただきます。

 

 さて、議会は12月の定例会が終了した後、1月は臨時議会の開催はなく(1月16日に議員のみの全員協議会)、今のところ2月も臨時議会の予定は入っていません(19日に全員協議会)。臨時議会が相次いで開催された1年前とは対照的な状況です。
 しかし、3月には定例議会(6日〜13日の予定)が控ええています。新年度予算の審議がメインです。その中には昨年夏以来の温泉条例の問題、そして振興公社への指定管理の契約の期間満了・更新の問題、それに伴う指定管理料(2017年度は1,850万円)の問題があります。通常ならば、定例会を前にして村長から議会全員協議会開催の申し入れがあるものですが、そういう動きは現在のところ見られません(健康支援課関係の協議のみ、申し入れがあります)。
 3月議会にむけて、村政の動向に強い関心をもって注目すべき状況です。

 

 そんな中、今号では、振興公社の経営状況をめぐる問題(1月中旬配布の「公社新聞ゆめさかえ」に対する批判を含む)、さらに、私・松尾に対する異常な個人攻撃、誹謗中傷の実相と、それに対する私の対応についての報告、この2点を中心に「議員活動報告」をお伝えします。

 

 

振興公社の経営はどうなっているのか?
 〜経営状況には触れず、「政治新聞」のごとき内容の「公社新聞」〜

 

● 公社がどうなっているのか、とても心配な状況
 年末、公社施設の利用者の間でとても評判のよい職員が「退職」しました。「定年」や「転職」ではありません。とても働き者で、公社施設への愛情溢れる人です。「退職」を聞いた人はみんな、「どうして?」と首をかしげています。なにか公社組織の中がギクシャクしている感じがします。
 また、春の観光シーズンに向かってすでに走り出しているべき時期になっていますが、とくに秋山郷の2つの施設、「のよさの里」(今冬期は休業)、雄川閣がどんな営業をしていくのか、まったく見えていません。現状では2つの施設をあわせて職員が2人しかいない状態なのです。
 そして何よりも「公社新聞ゆめさかえ」(1月17日付第2号特別版)が経営問題そっちのけで「政治」論議ばかりしていることが気がかりです。公社は村から指定管理で観光施設を預かり、サービス事業を担う存在であって、村政担当機関ではありません。

 

● 異様感を多くの村民が感じた「公社新聞」
 1月18〜20日頃に各世帯に区長文書配布で届いた「公社新聞」。私はかなり多くの村民から聞かれました。「いったい、あれは何だい? 公社は村から観光施設を受託管理している民間法人。経営状況の報告をすべきで、「『福利厚生』よりも『村民の公平性』とか、『日本一安心できる村に』とか、いつから村政担当になったんだい? 挙句の果てに議会批判。おかしいじゃないか」と。
 私も同感と言わざるをえません。

 

■ 温泉条例に関してデタラメな記述
 付け加えれば、温泉条例に関する記述のデタラメさ。共通入浴券の料金、年間1万2千円について、「温泉条例で40年前に決められたまま」としていることです。たしかに温泉条例の制定は40年前の昭和52年ですが、その後、5次にわたって条例改正が行われています。直近は平成20年3月です。現在の「1人年間1万2千円」という料金が「40年前に決められた」などというのはデタラメもいいところ。こういう重要な事実関係を知ってか知らずか、デタラメを書きながら、「みんなで考えよう村のこと」という見出しを掲げるとは、その基本姿勢に根本的な疑問をもたざるをえないのではないでしょうか。

 

■ 議会の議決を「一部の意見で決定」と言うのは議会制民主主義の根本否定
 「ゆめさかえ」第2号特別版は、昨年9月議会での温泉条例改定案の否決について、「住民に知らされることなく、一部の意見で決定」と書いています。
 どうやら「1票差」というのが「ゆめさかえ」執筆者にはご不満のようですが、議会制民主主義というものは徹底議論の後は多数決で物事を決めるものです。「1票差」ということも議会制民主主義の仕組みの想定内です。それを「一部の意見で決定」と言うならば、議会というものは成り立ちません。
 さらに、「住民に知らされることなく」と書いていますが、私は昨年7月の全協から9月議会に至るまで、「議員活動報告」等で議論の内容を詳しく書いてきました。村民のみなさんにお読みいただき、さまざまなご意見を頂戴しました。そして、そのご意見を議会での議論に反映させています。9月議会の際には、「公社管理施設の温泉でも共通入浴券を維持し、年間1万2千円を2万円に改定する」という案を村長に提言することもしました。
 公社が自前で入浴券を発行したいというなら、本来ならば、理事長自ら議会への出席を求め、ご自身で説明されればよいのではないでしょうか。議会に参考人として出席されること、いつでも歓迎します。

 

● 公社管理施設を利用するお客さまに対する感謝の気持ちはないのでしょうか?
 「ゆめさかえ」の「経営は甘くない」という項には呆れてしまいました。
 たとえば、「昼食客、宴会など宿泊に比べ、単価が低く、サービス提供時間の制約のあるものは、多くの人手を要し、人件費がかさみます」という一文、お客さまのことをどう考えているのでしょうか。
 たとえば村の小学校や中学校の同窓会。村民のみなさんは同窓会の世話役を引き受け、「少しでも公社の儲けにつながるように」と願い、公社管理の施設をご利用下さっています。村外から同窓会に参加される皆さんも同じ思いを共有して下さっています。
 引用した一文は、そのお客さまにむかって、「手がかかる割に儲けにならない」と言っているに等しいではありませんか。
 「お蕎麦1杯8百円」の例示も、「これが経営者を名乗る人が言うことなのか?!」と呆れてしまいます。「お蕎麦10杯で8千円」の収入に対して、「1人アルバイトを頼めば、1日8千円程度の人件費がかかります」と言うのです。わずか10杯のお蕎麦を提供するのに、時給を仮に千円として8時間ものアルバイト雇用が必要だと言うのでしょうか?
 日帰り入浴客や共通入浴券利用者に対しては、「宿泊者から住民の入浴マナーにクレームが入ったらしい」とか、「村民の中のわずかな人だけ」と言っています。みなさん、怒っています。「入浴マナーが悪い」と言うならば、具体的に指摘してください。そもそも、「村民の中のわずかな人だけ」と言うのは、たしかに安いとはいえお金を払って入浴しているお客さんをお客さんとは思っていないとしか言いようがありません。

 

● 経営状況の報告こそが求められています
 村民が一番大きな関心を抱いているのは、「公社の経営は続けていけるのか?」です。
 振興公社は私たち栄村民の財産であり、無くては困るものです。そのゆくえが本当に心配です。
 ところで、公社は、昨年1月に「当面の支払不能危機の回避」用として2,100万円、3月には「金融機関からの借入の担保金」として2,900万円の出捐金を村から受け取りました。
 他方、昨年2月に公社理事会が議会に示した「再建5ヶ年計画」ではH29年度の収支予定について、事業収入1億6,790万円、経常費用1億8,598万円余とし、約1,800万円余の赤字が出るとしています。「計画」の範囲にとどまったとしても赤字が約1,800万円も出れば、出捐金2,900万円の6割強が消え、H30年度の経営見通しを立てられないことになります。
 もう2月を迎えます。H29年度の決算の見通しが出せる時期(出さなければならない時期)です。そして、4月からのH30年度の経営見通しを出さなければならない時期です。
 さもないと、この3月31日で契約期限が切れる4施設の指定管理について、引き続き振興公社と指定管理の契約を結ぶのかどうか、3月議会で審議・決定することができません。
 公社理事長は、「組織のTOP」としての責任をもって、公社の経営の現状と見通しをただちに明らかにすべきです。
 村民が楽しく利用できる公社施設、職員が明るく元気に働ける公社、村外のお客さまに喜んでいただける公社施設を守り、発展させることが大事だと考えます。

 


許されない誹謗中傷攻撃
 1月12日、私・松尾に対する誹謗中傷ビラの公共の場所への貼り付け事件が発生しました。下写真のものです。

 


 貼り付けられた場所は長瀬団地の公共スペースです。私は、団地住民の方からご連絡をいただき、12日夕、現場を確認してきました。
 私が12日夕に訪れた時には、団地住民の方々がこの誹謗中傷ビラの貼り付けに抗議する文章を出しておられ、とても感動しました。その内容は、
  「この中傷の貼紙をした方 誰ですか? ここに貼っているという

  ことは団地内全世帯が言っていると思われてしまいます。 個人

  であるならば、自分のポストへ貼ってください!」
というものです。この方はご自分のお名前をはっきりと書かれていました。
 また、別の方が、この住民の抗議文の横に「まったく同意見です」と書き込みされていました。この方も自らのお名前を書かれていました。
 住民の方々の抗議文が貼り出された時点で、誹謗中傷ビラを貼り付けた者の策謀は破綻したと言えます。

 

■ 刑法230条での処罰の対象となる悪質犯罪
 写真で示した誹謗中傷ビラは、刑法230条に規定される「名誉毀損」の犯罪行為そのものです。「名誉毀損罪」というのは、
  「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有

  無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の

  罰金に処する」
というものです。
 この刑法230条で言う「公然と」というのは、「不特定または多数の人が認識し得る状態」のことを指します。今回の誹謗ビラが貼り付けられたのは長瀬団地の1階ロビーという公共の場です。「公然と」という構成要件に該当します。また、「事実を提示し」の「事実」というのは、後段に「その事実の有無にかかわらず」とあるように、内容の真偽を問いません。私を指して「信用できない松尾議員」と書いたことが刑法230条の構成要件に該当するわけです。

 

■ 飯山警察署に通報
 私は1月15日、飯山警察署に出向き、この名誉毀損事件の被害者として届けをしてきました。証拠となる写真などを求められ、提出しました。

 

● 私の言論活動への不当な圧力
 12月後半から1月前半にかけて、「松尾まことの議員活動報告」などの私の言論活動に対する不当な圧力が強まっています。
 最初は「小さなこと」から始まりました。12月19日、議会事務局長から電話があり、私の「議員活動報告21号(11月28日付)」で「先輩議員から厳しいご指摘」と書いていることについて、「村長が、この『先輩議員』の名前を知りたいと言っている。教えてもらえますか」というものです。私は「お答えできません。村長が知りたいならば、ご自分で私に申し入れてください」とお答えしました。
 その件はそれで終わったのですが、翌12月20日にも議会事務局長から電話があり、「『議員活動報告』のことで議長が協議したいので、27日に事務局に来てください」と言うのです。

 

■ 村長が議会に干渉
 12月27日午前9時から、議会事務局で福原議長とお会いしました。「村長が松尾議員に謝罪文を求めている」との話でした。30分強くらいだったでしょうか、議長とお話して別れ際に文書のコピーをいただきました。
 文書は12月19日付で、「栄村村長森川浩市」の署名と公印があります。宛先は「栄村議会議長 福原和人様」、文書見出しは「『松尾まことの議員活動報告』記事について」というもの。
 内容は、‐照議員への議会としての聴取とその結果の文書による報告、⊂照議員の謝罪文掲載、の2点を求めるというものです。
 これは、地方自治制度の根幹を成すものの1つ、〈議会の自律権〉、すなわち「議会が国や県の機関やその町村の執行機関からなんらの干渉や関与を受けないで、自らを規律する権限」(『議員必携』54頁)を、村長が侵(おか)し、議会に不法・不当な干渉をするものです。

 

■ 1月9日、10日のやりとり
 12月27日は「仕事納め」の日でしたので、議長とは「年明けにお話しする」約束でお別れしましたので、私は年明けの3連休も終わった1月9日午前8時半に議長に電話し、翌10日に会談することが決まりました。9日の電話の際、私は村長の12月19日付文書が〈議会の自律権〉を侵すものではないかという指摘をさせていただきました。
 その結果、議長は「受け取るべき文書ではない」という判断を示して、9日段階で村長に文書を返されたそうです。10日の議長との会談ではその旨をお聞きしました。

 

■ 「ネットでの発信をしないで」という情報発信への圧力
 以上の他にも、いろいろあります。一例だけ挙げますと、県道笹原〜長瀬間の台風21号災害箇所の件です。
 12月27日には、「産業建設課からの申し入れ」として、「危険箇所に立ち入って写真を撮らないでほしい」と言われました。また、1月5日には、宛先は「議員各位」となっていましたが、災害箇所の「積雪等」について、「インターネットに掲載しないよう」にという文書通知を受けました。他の議員さんは「ネットで発信しているのは松尾さんだけだから、あれは松尾さん宛の文書だね」と言っておられました。

 

● 私は議会での議論を村民のみなさまに報告し続けます。また、自分の考えも率直に書きます。
 議会でどういうことが議論されているかを村民のみなさんにご報告することは議員の責務です。ですから、誹謗中傷攻撃を受けようが、村長からあれこれ言われようが、報告すべきことは「議員活動報告」にしっかりと書いていきます。
 「松尾まことの議員活動報告」第22号(12月10日付)で村長が問題視したのは、12月議会での一般質問をめぐって、私が「重要な内容の質問であるにもかかわらず、村長あるいは副村長、課長の答弁が内容空疎で、議員の質問に真剣に答えないケースも見られました」と書いたことでした。しかし、これは一般質問をめぐって、実際の質疑を聞いて私が率直な論評を行ったものです。私が「内容空疎」、「真剣に答えない」と思ったやりとり、実際に質問された議員ご自身がそのように感じておられます。また、傍聴者も私と同じ感想をもっておられます。
 私は圧力を感じて、報告する内容・書く内容を自己規制するようなことはしません。それは村民・有権者のみなさんへの背信行為になります。
 また、災害現場への取材等は、「栄村復興への歩み」を発行するジャーナリストとしての活動を含めて、危険な場所にも自己責任で赴き、取材と報道を行います。もちろん、復旧工事の現場等にあっては、現場代理人など、現場の責任者の方に事前了承をお願いして取材します。
 また、この際、インターネットやSNSを使っての情報発信についても一言します。
 いまの社会は、「情報化社会」、「ネット社会」と呼ばれ、インターネットはある意味では新聞やテレビ以上に重要な情報通信手段になっています。「情報が瞬時に世界中に伝わる」というのは現代の常識です。現に栄村の震災の時、東京キー局でのテレビでは栄村の震災が報道されていないのに、栄村に多くのボランティアのみなさんが来てくださった、10億円以上に義援金が寄せられたのは、まさにネットのおかげでした。
 私の情報発信内容がすべて正しいとは言いません。ご意見やご批判があって当然です。むしろ大歓迎です。それによって発信内容がよりよいものになると思います。しかし、意見・批判と誹謗中傷・圧力とは異なります。後者は許されるものではありません。
みなさまの温かいご支援を支えに今後とも頑張って参ります。よろしくお願いします。

 

◎ 1月全協について
 1月16日に議員のみの議会全員協議会が開催されました。ただし、主たる協議が行われた午前中は非公開でした。栄村の観光施設に関する「事業診断報告」というものが村側から説明され、その「報告」を村が「部外秘」扱いとして非公開を望んだためです。
 「事業診断報告」が出されたこと自体は村長が公に場で明らかにされていることです。議員からは、内容を村民に公開すべきだという意見が相次ぎました。
 3月議会の一般質問をはじめとして、私だけでなく、多くの議員が議論していくと思われますので、今後、村民のみなさんにご報告できるよう、努力していきたいと考えています。

 紙幅が尽きましたので、今号はここまでとさせていただきます。


松尾まことの議員活動報告第22号(12月10日付)

12月定例会の報告

 

 今号は12月5日〜8日の4日間開催された12月定例会の報告が中心です。
 今次定例会では、村長専決処分の承認を求めるもの2件、議案7件、人事同意3件をいずれも原案通り可決(専決処分は承認、人事は同意)しました。村長提出議案を否決あるいは修正したものはありませんので、信毎などに大きな記事が出ることはありません。言いかえれば、“紛糾議会”ではなかったということです。しかし、「紛糾することがなければ、重要な議会ではない」ということではありません。村民の暮らしに直結する重要な内容が審議されました。今号では、その内容をきちんと報告したいと思います。
 今回の議会、傍聴者はきわめて少なかったです。否決案件があった1月臨時議会の時、席が足らなくなるほどに多数の傍聴があったのとは対照的です。傍聴者への資料の配布がなくて、審議の内容が分かりづらいという問題がありますが、充実した審議に努めていますので、今後の議会、是非、傍聴にお越しくださいますよう、お願いいたします。


◎ 承認した専決処分2件の内容
■ 専決処分とは
 〈ある案件が緊急を要し、議会を招集する時間的余裕がない場合に議会の権限に属する事項を村長が議会に代わって意思決定する〉ことを専決処分と言います。ただし、村長は次の議会に専決処分の内容を報告し、議会の承認を得なければなりません。抽象的に言っても分かりづらいかと思いますので、今回の専決処分の内容を具体的に紹介しましょう。
 1つ目は、9月29日に行われた専決処分で、一般会計補正予算(第4号*)1,040万4千円です。10月22日に行われた衆院選挙の経費540万4千円と、秋山路線バスのダイヤ改定への対応に関する経費500万円です。衆院選の経費は全額、国庫から委託金が支払われますので、村の財政負担は発生していません。
   *「第4号」というのは本年度4回目の補正ということを意味

    します。


● 秋山の路線バス減少への対策経費について
 この問題は、本「議員活動報告」第19号(9月18日付)で少し言及しました。南越後観光の秋山路線バスの朝の第1便と夕刻の最終便が10月1日から見玉止まりとされたことへの対策として、森宮交通にデマンドバスの運行を委託するというものです。9月19日の議会全員協議会で村長から事前説明・協議がありましたので、専決処分そのものには問題ありません。
 私はこの路線バス代替のデマンドバスの10〜11月の運用状況を尋ねました。10月は利用回数13回、乗車数20名、11月は12回、12人という答弁でした。この数字は早朝便と夕最終便の必要不可欠性を示しています。
 南越後観光は赤字バス路線を廃止する方針を強めていて、昼間の4便についても来春4月以降維持されるかどうか、不安があります。対策を真剣に検討していかなければなりません。今議会では阿部伸治議員が一般質問でこの問題を取り上げました。今後、さらに議論を深めていきたいと考えています。

 

● 台風21号被害の復旧のための補正予算9,972万4千円
 約1億円です。村の年間財政規模(本年度の一般会計年初予算は35億6千万円)からすると、台風21号の被害の大きさが分かります(なお、笹原〜長瀬間の土砂崩れは県道なので県費で復旧されます。したがって、その復旧費は村補正予算には入っていません)。
 農地災害復旧費9,313万5千円、林道関係130万円、村道関係450万円などです。
 財源としては、支出額の約半分に当たる4,308万5千円について県の災害復旧補助金を見込んでいますが、県の査定を受けて初めて補助金額と復旧工事の内容が確定します。
 私は、議会開催前に産業建設課を訪ね、復旧補正予算が付けられる箇所を尋ねました。箇所数のみ説明を受けましたが、県の査定が確定した後、具体的な被災箇所と復旧工事の内容を改めて尋ねるつもりです。
 専決処分の審議では、地元負担金との関係で復旧工事を断念したケースがあるかを尋ねました。1件あったそうです。今回の復旧予算の財源のうち1,119万円は地元負担金です。負担率は昨年度に引き下げられたとはいえ、農地で20%、農業施設、村道、林道で10%。被災した地元にとってきついものです。災害時の地元負担を軽減できるように、国の制度の改革を含めて、追求していく必要があります。

 

 

◎ 補正予算5件と条例改正2件の内容
 村長提出議案7件の内訳は、一般会計補正予算(第5号)、国保特別会計補正予算(事業勘定と施設勘定の2件、それぞれ第3号)、介護保険特別会計補正予算(第3号)、簡易水道特別会計補正予算(第3号)の補正予算案件5件と、福祉医療費給付金条例と村営住宅条例の改正案2件です。重要な補正内容、暮らしに直結する条例改正内容に絞って説明します。

 

● 社協への事業運営補助金3,960万円
 一般会計補正予算(第5号)の総額は5,269万1千円ですので、社協への事業運営補助金が占める割合は非常に大きいものです。
 この件については、「議員活動報告」第21号でも言及しました。11月16日の議会全員協議会での「指定管理料を年度途中で増額するのはおかしい」という指摘を村長が受け入れ、3,960万円全額を「事業運営補助金」として支出することにしたことは評価できます。
 そのうえで、私は「高齢者総合福祉センターの指定管理料と社協事業運営補助金について、十分な整理・検討が行われていないのではないか」と質問しました。担当課長から、「高齢者総合福祉センターの社協への指定管理とデイサービス委託の本年度からの実施を急いだので、十分な精査ができていない。本年度の結果を見て、十分な精査をふまえた予算編成ができるのは平成31年度からにならざるをえない」との答弁。
 高齢化がどんどん進む中、介護サービスがどうなるのか、村民にとって死活問題です。「家族が介護サービスを必要とするようになった時、最初にどこに相談に行けばよいのか、分からない」、「介護サービスの全体像が分からない」という声も多く聞きます。
 議会では、産業社会常任委員会が1月に社協との懇談会を開催し、介護サービスについて検討を深める予定です。

 

● 医療費無償化を高校生まで拡大
 「福祉医療費給付金条例」の改正です。じつは9月定例会での条例改正に続く本年2回目の改正。9月の改正では、中学生までの医療費が無償化されましたが(実施は来年8月から)、県内他市町村の動向を調べたところ、無償化の対象を高校生にまで拡大した市町村が多かったことが判明し、栄村も無償化の対象範囲を高校生まで広げることになりました。

 

 

◎ 一般質問であきらかになった重要論点
 12月議会は定例会ですので、6日、7日の2日間、一般質問が行われました。8議員が一般質問しました。中には、「平素から役場の担当部署に尋ねれば、わざわざ一般質問しなくてもすぐに分かることじゃないか」という類のものもありました。また、重要な内容の質問であるにもかかわらず、村長あるいは副村長、課長の答弁が内容空疎で、議員の質問に真剣に答えないケースも見られました。
 しかし、‖篠垢ら重要な答弁を引き出したケース、村政(行政)の問題点が浮き彫りになったもの、森川村政が目指す方向性があきらかになったものがありました。以下、それらの点について報告します。

 

● 移住促進にむけて、住宅斡旋・提供の支援制度の改善へ
 この論点は私の一般質問でのものです。
 私は、今回は―の観光の総括、改善すべき点、⊃邑対策、移住・定住政策の2点を取り上げました。,療世諒鷙陲亙未竜_颪望り、ここでは△療世帽覆辰栃鷙陲靴泙后

 

■ 移住――昨年度、今年度の実績
 2015(平成27)年度に策定された「総合戦略・人口ビジョン」では毎年「5組(18歳以上69歳以下の男女各5名)の移住者を実現」と記されています。村の将来人口1400人を確保するうえでの鍵とされているものです。
 その実現度を尋ねたところ、昨年度は3件8人で、今年度(11月末現在)は2件3人でした。また、移住の相談件数はH27年度20件、H28年度8件、今年度4件です。

 

■ 移住を促進するうえで最重要のポイントの1つは住宅の確保
 いま、村に空き家は数多くありますが(現在126軒)、村営住宅に空きはなく、移住希望者(とくに若者)が入居できる住宅がありません。栄村に就職したにもかかわらず、住宅を確保できないため、村外から通勤している若者もいるのが現状です。
 全国各地の事例を見ると、「空き家・古民家を住居とするのに最小限修理しなければならない箇所(たとえばトイレと台所)のみ修理し、あとは暮らしながら何年もかけて徐々にリフォームしていく」という若者が数多く見られます。
 栄村の住宅支援政策は、こういう動向に対応できるものになっていないのでは?というのが、私が提起した問題。
 村の支援策は、(イ)マイホーム新築あるいは中古住宅購入には200万円補助、(ロ)村内業者の手で50万円以上のリフォームした場合に10万円補助の2つのメニューのみ。(イ)は住宅購入資金がある定年退職者には対応できるが、若者には不向き、(ロ)は震災復旧対応メニューで、自分の手で家を直しながら移住する若者は利用できません。
 村長は私の問題点指摘を受けとめ、住宅確保のための村の支援制度の全面見直しを明言しました。これは移住者確保政策の強化への重要な一歩であり、私は今後、具体的な方策の提案を進めていきます。
 村は今年、国の方針に従う形で「空き家バンク制度」を発足させましたが、全国の先行事例を見ると、あまり効果がないことがであきらかになっています。移住希望の若者の声を受けとめ、全国各地で有効性を発揮している民間の知恵・手法を栄村でも活かせるようにしていきたいと思います。
 村長はまた、役場の移住相談受付の窓口が一本化されていない現状を見直すと明言しました。

 

● 行政サービスの一部の民間移行(委託)をめぐる問題
 これは相澤博文議員の一般質問で出てきた論点です。
 私が注目したのは、行政サービスについて、森川村長が「民間に委ねられるものは民間に委ねる」と明言し、具体的事例として、今年春から実施されているデイサービスの社協への移行を挙げ、さらに観光協会の一般法人化−観光課業務の移行、診療所の個人開業院化の可能性に言及したことです。
 村長の発言の背景には、栄村の財政力の弱体性、役場職員の現行定員の維持が困難化する可能性があります。
 私は、「民間に委ねられるものは民間に委ねる」という考えそのものは一概に否定すべきものだとは思いません。「行政サービス」という言葉が当たり前のように使われる昨今ですが、行政は「なんでもサービス機関」ではありません。しかし同時に、住民福祉の増進は行政の責任であり、サービス事業の民間運営化で行政の責任が曖昧になることがあってはなりません
 また、財政の観点だけからの検討には、国レベルの先行事例に見られるように、「公務員は人件費が高い。人件費圧縮のために民営化」という発想法に流れる傾向があります。しかし、これは現場で働く人たちの給与を含む労働条件の悪化を引き起こす危険があります。
 村の行政の適正規模・あり方について、慎重かつ十分な検討・議論が必要です。

 

● 集落懇談会等で出された意見・要望の取り扱い方
  ―― 全面公開がスジなのに、内容を答えない役場の姿勢は問題
 集落懇談会、女性の会など、村民が村長や役場にむかって種々の意見や要望を話す機会があります。最近もかなりの頻度で、村内各所で開催されています。
 そういう場で出された声を行政はどう扱っていくのか? 村民のみなさんが知りたいところですね。12月定例会の一般質問では、保坂良徳議員が質問しました。
 私は、懇談会等で出された村民の声を箇条書き的に整理した一覧表のようなものが村から発表されれば、村や議員が解決にむけて取り組むべき課題が明確になっていいなと思って、村側の答弁に注目しました。
 ところが、村長や課長から返ってきた答弁は非常に残念なものでした。
 「出された要望・意見を担当課に振り、そこで検討させる」という答弁です。
 たしかに、村民の要望に応えられるかどうかについて、担当課での検討は必要ですが、それ以前に村長・役場としてやるべきことがあると思います。上に書いたように、懇談会で出た村民の意見や要望を公開することです。この公開を行えば、「あっ、私と同じようなことを考えている人がいるんだ。私一人だけがそんなことを考えているのかなと孤立感を感じていたが、同じようなことを考えている人がいるんだということで元気が出てきた」、「ほう、他所の集落でもうちの集落と同じような課題を抱えているんだ」という反応が出てきます。
 情報公開は村民の思いの共有を生み出します。これが村の元気、活性化を生み出していくのです。
 また、懇談会で出された意見・要望の全面公開がされないと、どういう意見・要望は村に受け入れられて実現されたのか、どういう意見・要望は斥(しりぞ)けられたのかがわかりません。そういう事態は行政の公平性を保っていくうえでも好ましくありません。

 


◎ 議会全員協議会 ―― 笹原〜長瀬間の災害対応を協議
 定例会の際には必ず、議会全員協議会(議長提出)が行われます。村長ら理事者側は出席せず、議員だけで協議する場です(以下では、「全協」と略します)。
 「議員活動報告」前号でも少し書きましたが、従来、議論らしい議論があまりできていませんでした。12月定例会での全協は、11月28日の議会運営委員会で議題調整を行った段階では、1月の全協の日程調整以外の議題がないようでしたので、私は11月16日の全協に続いて、県道笹原〜長瀬間の災害・通行止めの問題について、議会としての検討、県・村への要望等について議論するように提案しました。私の提案は採用され、12月定例会の初日5日の午後、議員間での議論が行われました。地元議員として桑原武幸氏が報告を行い、さらに産社委員長として11月28日の地元説明会を傍聴した私も報告しました。
 その後、議論が行われ、冬期間の雪崩への対応等について、議会の考え・要望をまとめ、議会終了後、村長に申し入れを行うことになりました。
 以上、経過の報告のみですが、少しずつ、全協のあり方が変わりつつあるかなあと思います。

 ところで、議員が議会閉会中に、議員としてどんな活動をどのように行うのかをめぐって、私は議長や事務局から注意を受けることがよくあります。議員としての活動を議会が開催される時だけに限れば、何の摩擦も生じませんが、それはいいことではないと思います。法律・規則等に定められたルールに従ってですが、私はもっともっと「暗黙の慣例」のようなものには縛られず、積極的に活動していきたいと思っています。

 


◎ 観光レクリエーション施設等管理運営に関する調査研究特別委員会
 6日午後、全協の終了後、特別委員会の初会議が開催されました。議論の主テーマは特別委員会での検討の進め方。
 12月定例会開催前に相澤委員長の発案で、「観光レクリエーション施設」の運営実績に関する資料の提供を役場に求めましたが、各施設の年度別収支や客室稼働率などが記されたペーパーが2枚提出されたにとどまり、特別委での議論の材料に足るものではありませんでした。
 そこで、「施設の現場で働く人たちの声を聴くことから始めよう」ということになりました。ただし、議員が10名もずらっと顔を揃えた状態で、「みなさん、率直な声をお聞かせください」と求めても、現場の人たちはモノを言いにくいだろうという判断で、議員数名で現場施設を訪れ、ざっくばらんに現場の声を聴くという方式を採用することにしました。また、村が観光レクリエーション施設に指定している施設をご利用のみなさんの声をお聴きする機会も設けようという話になっています。
 特別委委員長・副委員長でスケジュール案を作り、かなりピッチを上げて、この現場意見聴き取り活動を進めていきたいと考えています。現場のみなさん、どうぞ、率直な思いをお聞かせください。

 


◎ 来年度の予算は、どういうスケジュールで編成されていくか
 1年が過ぎ去るのが早いですねえ。もう師走です。
 年末を迎えて、新聞・TVのニュースで頻繁に報道されるのが国の来年度予算です。村も来年度予算の編成期に入っています。
 「平成30年度予算案」が村議会で審議されるのは来年3月上旬の定例会です。しっかり審議し、村民の声が反映される予算にしたいと思いますが、審議対象となる予算の編成権は村長のみが有しています。その予算編成の段取りはどうなっているのでしょうか。
今月12月は、各部署から出された予算要求に基づく予算原案の課長クラスによる査定が行われます。そして、それをふまえて、1月に理事者査定が行われます。理事者査定−村長の査定によって予算案が最終的に固まっていくわけです。
 したがって、「こういう予算は是非とも確保してもらわなければ」というものがある場合、12月〜1月上旬にもう一度声を大にして訴えることが大事だと言えます。
 とは言っても、村民のみなさんが一人で役場に行って申し入れをするというのは気が重いですよね。ご要望がありましたら、是非、議員に声をおかけください。大事な要望の実現のためには積極的に動いていきます。

 


松尾まことの議員活動報告第20号(10月28日付)

◎ 温泉条例問題――森川氏は議員の提案になぜ耳を傾けないのか?

 

 9月定例会での「温泉条例改正案」の否決については、すでに本『議員活動報告』第19号でご報告しましたが、今回は、もう一歩踏み込んで、否決に至る経緯をお伝えしたいと思います。この問題・経緯をめぐっては、じつはいくつかの不思議があります。

 

■ “否決”が目に見えていた「条例改正案」を森川氏はなぜ追加提案したのか?
 不思議の1つは、村長提案は、村長自身から見ても“否決”になることが必至のものであったのに、なぜ、それを議会最終日に追加提出したのか? ということです。
 「温泉条例改正」をめぐっては、7〜8月に村長要請で3回もの議会全員協議会が開かれました。1つの提案をめぐって全協が3回も開催されるのは異例のことです。そして、村長が3度も提案しても、議員の納得を得られなかったのです。議員の理解を得られなかった核心は、トマトの国、北野天満温泉の入浴券を村温泉条例の対象から外し、振興公社の自由(もっと端的に言えば、理事長の自由)にまかせるということです。この点を改めない限り、同意できないというのが議員多数の意見でした。
 村長が9月定例会の当初議案として「温泉条例改正案」を提出できなかったのは、まさに上記のことを村長もわかっていたからです。

 

■ 「議員からの提案をお願いします」が最近の森川氏の口ぐせ
 7〜8月の議会全員協議会で森川氏が繰り返し言ったのは、「議員からの提案をお願いします」ということです。
 森川村長の提案が議員の納得を得られないという現実が厳然としてある。だからこそ、森川氏は「議員からの提案を」と繰り返し言ったのです。

 

■ 有志議員5名が連名で村長に代案を提案――9月5日のことです
 「全協で3回も協議した温泉条例問題で村が議案を出してきていない。この危機を打開する必要がある。」――私を含む5名の議員が危機感を抱きました。
 そこで、その5名(相澤議員、阿部議員、斉藤議員、保坂議員、私・松尾)が9月定例会の初日・5日の本会議終了後、村長室を訪ね、温泉条例問題について「要望」を提出しました。「要望」という形で「温泉条例改正案」の代案を提示したのです。単に文書を届けたというのではなく、村長と話し合い、提案の趣旨をわかりやすく説明しました。
 村長は「新聞にあれこれ書かれるのは嫌だ」と言いながら、私たちの提案に関心を示しました。また、この段階では、村側が「追加提案する」としていた「温泉条例改正議案」がまだ出来上がっていないことを、同席した商工観光課長が認めていました。
 なお、私たちが村長に「要望」を提出するにあたっては、事前に福原和人議長に私たちの「要望書」をお渡しし、村長と面会することをお知らせしていました。

 

■ 私たちの「要望書」の内容
 私たちの「要望書」の内容は2つの項目からなり、簡潔明瞭です。
 第1点は、トマトの国・北野天満温泉も従来通り、村が発行する共通入浴券の対象とすること。
 第2点は、入浴券の価格で、「大人年間2万円、高齢者(70歳以上)1万2千円、子ども(12歳未満)無料」とするものです。住民の声をお聴きして考えた価格です。
 村民誰もが同意できる内容だと思います。村の温泉条例が第1条で定める目的、「住民の福祉増進」を守り、前進させることを主眼に提案(「要望書」)を作ったわけです。

 

■ 議員の有志での行動を制約する規則のようなものは見当たりません
 私が今号の冒頭に「不思議」と書いたことの2つめは、この私たちの提案をめぐる議会での動きです。
 私たちは議会全員協議会(議員のみ出席の協議会)において、福原議長から注意を受けるところとなったのです。「5人だけで動くのはまずい。議会全員協議会などで協議し、議会としてまとまって行動すべきだ」というお叱りです。
 私は、「なぜ、いけないの?」と思いましたが、これまでの議会の慣例等に詳しくないので、どう対応すべきか、苦慮しました。
 しかし、9月定例会終了後、他の議員さんが福原議長のこの「指導」に疑問を提示されています。私も『議員必携』や議会の会議規則などを改めて検討しましたが、私たちの今回の「要望書」提出を規制するような規則(ルール)は見当たりません。
 今回、なぜ、5名での「要望書提出」だったのか。それは、7〜8月の3回にもわたる協議会で、トマトの国・北野天満温泉の入浴券を温泉条例から外すことをめぐって議員の考えも分かれ、この5名がほぼ共通する考えを表明していたからです。
 そこで、今回、村民のみなさんへの問題提起の意味で、以上の事実をあきらかにすることにしました。
 なお、この問題では、議員歴の長いある議員が私たちの行動を強く非難された事実も報告しておきます。

 森川氏は今回の否決をきちんと受けとめるのではなく、あくまでもその考えを押し通す姿勢のように見えます。温泉条例の目的=「住民の福祉増進」を守り、前進させることが必要です。私は入浴券問題で、あくまでも「住民の福祉増進」を実現していく立場から、さらに努力を強めていきたいと考えています。

 


◎ 「期成同盟会」というものをご存知ですか
 これまでに「栄村復興への歩み」で「秋山郷国道整備促進期成同盟会」のことを紹介したことがあります(No.309)。また、同紙No.315で箕作平滝大橋開通式の日程決定に関連して、「県道箕作飯山線改修期成同盟会」というものの存在に言及しました。
 いずれの期成同盟会も、その総会に私は議会産業社会常任委員長として出席しました。この他、7月に「一般国道117号改良促進長野県期成同盟会」というものの総会にも出席しました。
 秋山郷国道整備促進期成同盟会に関する記事の中で、福原和人氏から「秋山の期成同盟会は他の期成同盟会とは性格が異なる」というお話をお聞きしたことを紹介しました。その後、上記のように国道117号線関係と県道箕作飯山線関係の期成同盟会の総会に出席してみて、一般に「期成同盟会」というものがどういうものなのか、ようやくわかってきました。福原氏が言う通り、秋山の期成同盟会と他の期成同盟会は性格が違いました。

 

■ 期成同盟会は、首長と議会代表で構成されるのが一般的
 国道117号線の期成同盟会は、飯山市、中野市、木島平村、野沢温泉村、栄村の2市3村が構成自治体で、市長・村長、議会議長、議会関係常任委員会長が会員となっています。各市村の関係部署の課長で「期成同盟会幹事会」が構成されています。また、地元の県議3名が顧問になっています。総会は基本的に年1回開かれますが、その場には県北信建設事務所の所長などが来賓として参加します。
 「県道箕作飯山線」の場合は、野沢温泉村と栄村の2村が関係自治体で、村長が会長・副会長、議会議長と議会関係常任委員会委員長が理事、副議長が監事となり、2村の関係区の区長などが会員となっています。この場合も、関係部署の課長が幹事になっています。さらに、県道箕作飯山線の場合は、県議3名と共に北信建設事務所長が顧問に就任しています。こちらも基本的に年1回、総会が開催されます。

 

■ 「道路等の整備には期成同盟会が必要」が“常識”のようです
 国道117号線、県道箕作飯山線、いずれの総会でも、前年度の事業報告、決算報告、当年度の事業計画、予算が審議されます。ただし、ほとんど質疑はなく、いわゆる「シャンシャン大会」というのが実状です。期成同盟会総会でいちばん重要なのは、県などへの「要望書」を決議し、それを総会に出席している県北信建設事務所長などに手渡すことだと見受けられます。いわゆる陳情です。また、その陳情をうけて、県北信建設事務所長などが道路整備の状況や今後の計画などを説明します。
 また、期成同盟会の幹部は県の予算編成期に県庁に出向いて、陳情することが慣例となっているようです。
 このように、総会だけを見ていると、非常に儀式めいた感じで、「どんな道路整備や改修を要望するのか、いったい、どこで議論しているのか」と不思議に思わざるをえません。どうやら、「幹事会」というのがキーのようです。ここで、市や村は地方建設事務所にいろんな要望を出して、県側の腹を読む。建設事務所側は、県庁から予算を取りたいと考えている事業に市や村の同意を取り付け、いわば県庁への圧力として使う。いい悪いは別として、そういうことなのではないかと推察します。
 以上のような次第で、「関係自治体で構成する『〇〇促進期成同盟会』という存在がないと、国道・県道などの整備は進まない」というのが“常識”になっています。

 

■ 住民参加型が基本であるべきだと考えます
 国道・県道の整備等は地元住民の暮らしに大きく関わる問題であり、もっと住民が参加する中で議論され、決定されていくのが望ましいと、私は考えます。その意味で、秋山郷の国道405整備をめぐる期成同盟会のあり方の方が望ましい姿に近いと思います。
 今回は「期成同盟会」というものの存在を紹介することが主眼ですが、今後、その具体的な内容の報告・紹介もこの「議員活動報告」で書き、みなさんのご意見をお聞きしていきたいと考えています。

 


◎ 私たちの暮らしのゴミはどのように処理されているか

 

 私たちが日常の暮らしを営む中で“ごみ”が出ることは避けられません。
 栄村では、現在、「燃やせるゴミ」については毎週火曜日と金曜日にゴミ収集車が廻ってきてくれます。また、ペットボトルや空き缶、新聞紙等の回収も行われます。ゴミを出す際には有料の「ゴミ袋」に入れますので、その袋に記されている「津南地域衛生施設組合」という名称はみなさんご存知のことと思います。
 でも、この「津南地域衛生施設組合」とはどういうものなのか、また、ゴミの処理にはどれくらいのおカネがかかっているのか、あまり知られていないのではないでしょうか。
 私は5月の新議会で産業社会常任委員長として「津南地域衛生施設組合議会」の議員に選ばれました。そして、7月7日、その「組合議会」の定例会に初めて出席しました。
 そこで、今回は、津南地域衛生施設組合とその議会の構成、平成28年度決算での栄村のゴミ等の処理量、要した費用などを紹介したいと思います。

 

■ 「一部事務組合」とは
 市町村などの自治体が行政事務の一部を他の自治体と共同で行おうという場合、地方自治法の規定に基づいて、「一部事務組合」というものを作ることができます。栄村のゴミ処理などを行う「津南地域衛生施設組合」はその「一部事務組合」のひとつです。
 「津南地域衛生施設組合」は、当初、津南町、栄村、松之山町、中里村の2町2村で組織されました。その後、松之山町、中里村が「平成の大合併」で十日町市と合併し、十日町市となったため、現在は津南町、栄村、十日町市の3市町村で構成されています。
 「組合」の長は「管理者」と呼ばれ、また、「組合」の議会を設置することができます。「津南地域衛生施設組合」の管理者は津南町長です。そして、議会は津南町議会から2名、栄村議会から2名、十日町市議会から3名の計7名の市町村議員で構成されています。議長は津南町議会議長の草津進氏です。「津南地域衛生施設組合」は独自の予算を決めて、この衛生行政を担っています。財源は基本的に各市町村が拠出する負担金です。

 

■ ごみ処理は栄村と津南町の2町村のみ
 「組合」の構成は1市1町1村ですが、ごみ処理については現在、栄村と津南町の2町村のみになっています。十日町市が旧松之山町区域と旧中里村区域のごみ処理を十日町市のごみ処理場に移したためです。それでも、十日町市が「組合」に入っているのは、上記2地区のし尿処理業務と火葬業務については津南地域衛生施設組合で行っているためです。
 「組合」で処理するごみの量を見ますと、
   平成  4年度(1992年度) 455万3千kg
   平成27年度(2015年度) 753万3,720kg
   平成28年度(2016年度) 436万1,440kg
 平成4年度と平成27年度の対比は、約四半世紀を経て、私たちの暮らしが出すごみの量がとても増えていることを示しています。他方、昨年28年度に約40%減少しています。これは旧松之山地区と中里地区のごみ処理が十日町市に移ったためです。
 なお、「ごみ処理量 436万1,440kg」と言われても、その量がどれくらいのものなのか、あまり実感をもって感じとることができないと思います。「1世帯1日あたり」にすると2,698g、「1人1日あたり」ですと997gです。私たちはすいぶんとたくさんのゴミを生み出しているのですね!

 

■ ごみ処理等にどれだけの費用がかかるか、今後の体制をどうするか
 これだけのごみを処理するのに、どれくらいの費用がかかるのか。あまり知られていません。昨28年度の決算によれば、1億7,303万8千円を要しています。1世帯あたりの処理経費は年間3万5,021円にもなります。
 その処理費用の主な財源は栄村と津南町の分担金です。つまり、私たちの税金ということになります。分担額割合は人口と搬出ごみ量から算出されます。
 こういう数字を知ると、「自分が出すごみの量を少しは減らそう」という気持ちが出てくるかもしれませんね。

「津南地域衛生施設組合」が現在抱えている大きな課題は、ごみ焼却施設の老朽化対策をどうするか、です。
 現在の施設は平成4(2002)年に完成したもので、かなり老朽化しています。必要な補修を行いながら使用し続けているのが現状。新焼却施設の建設という課題も浮かび上がってきています。他方で、十日町市が施設更新した十日町市のゴミ焼却場への合流を呼びかけてきています。ただし、それには最終処分場(焼却灰の処理)の受け入れやごみ分別方式の大きな変更などの重大な問題が伴います。

 今回は、まださわり程度の情報提供ですが、これをきっかけに栄村のごみ(処理)問題をみんなで考えていきたいと思っています。

 


◎ 9月8日村長、12日副村長と、私・松尾が会談しました

 

 私は9月定例会会期中の9月8日に村長と、さらに12日には副村長と会談しました。議員としての行動ですので、みなさんにご報告します。
 発端は9月6日、福原議長からのお話でした。「村長が『目安箱』への投書に対応するため、松尾さんから話を聞きたいと言っている」とのこと。私はお話することを承諾し、8日の本会議終了後、村長室で福原議長、議会事務局長の立ち会いの下、森川村長とお会いしました。質問は、「『松尾議員は刑務所に服役したことがある』という話があるが、本当か」、「『京大中退』という学歴は本当か」の2点でした。
 私は以下のようにお答えしました。
 第1点目。私が若い頃、学生運動をしていたことは事実である。起訴され、有罪判決を受けたことも事実。しかし、刑務所に服役したことはない。また、若い頃の運動組織とはもう何十年も前から絶縁している。
  〔補足説明〕私は46年前の21歳の時、集会で演説をしたことが

   破防法(はぼうほう)という法律に違反するとして起訴されまし

   た。元横浜市長の飛鳥田(あすかた)一雄さんをはじめとする

   百人以上の弁護団に支えられて、「破防法での集会演説取り締

   まりは『表現の自由』を保障する憲法に違反する」として19年

   間、裁判を争いましたが、違憲・無罪の判決が得られず、執行

   猶予の有罪判決を受けました。執行猶予期間は20年以上前に終

   わっています。
 第2点目。京都大学経済学部を中退した。大学は「中途退学証明書」なんて発行しないが、証明が必要ならば、社会的地位のある同級生がたくさんおられるので、必要ならば紹介します。
 以上の説明で、森川村長は納得されました。

 

■ 「村長が松尾さんに話してもらえず、悩んでいる」(副村長)?!
 ところが、12日午後、阿部伸治議員(副議長)から、「副村長が、『村長が投書をめぐって松尾さんから話を聞こうとしたが、松尾さんに話してもらえず、悩んでいる。なんとかならないか』と自分(=阿部伸治氏)に言ってきた」という話が飛び込んできました。阿部伸治さんは、「松尾さんが話さないなんてありえないですよ。」と言って下さったそうですが、私は副村長と直接話す必要があると判断し、夕刻、役場に行き、副村長と約1時間会談しました。
 私が、村長との会談の経過、私の若い時代のこと、京都大学中退の経緯等をお話し、副村長からは「スッキリしました。人の過去のことはあまりあれこれ言うべきではないですね」という結論的な発言がありました。
 その後、村長からも、副村長からも、この件で新たなお話はありません。私の説明に納得していただけたものと思います。

 

■ 過去は変えられませんが、未来は変えられます。私は全力で議員活動をやっていきます。
 以上のような経緯ですが、私が21歳の時というのはもう46年も前のことです。いまさらその過去を変えることはできません。しかし、未来は変えられます。私はそのように生きて来たし、また、これからもそういう信念でやっていきたいと思っています。
 10年前、栄村で暮らすことになり、いろんなことを経験する中で、「こういう村を守っていきたい」という思いがどんどん強まり、とくに震災を機に『栄村復興への歩み』を作るようになり、村の諸課題の解決の一助になりたいという思いから議員にもならせていただいています。
 9月8日の村長との会談から12日の副村長との会談にかけての経過には「なにかおかしいな」と感じるところがありますが、私は何があっても怯まず、正々堂々と歩んでいきます。


松尾まことの議員活動報告第21号(11月28日付)

◎ 笹原〜長瀬間の県道土砂崩れ・全面通行止めと、議員・議会の動き

 

 台風21号(10月23日に村に最も接近)による大雨で県道秋山郷森宮野原(停)線の笹原〜長瀬間で土砂崩れが発生し、同線が全面通行止めになっていることは周知のとおりです。
 私はこれまで「栄村復興への歩み」No.319(11月3日付)、No.320(11月18日付)等で被害状況と、復旧にむけての県・村の対応等について報じてきました。そのために、10月25日、11月2日等に災害現場を訪れています。これらの行動は、「栄村復興への歩み」編集・発行人というジャーナリストとしての行動であると同時に、自らが村議会議員であるという自覚をもっての行動でもありました。

 

■ 村民(先輩議員)からの厳しいご指摘
 しかし、11月5日(日曜日)にある村民の方とお話した時、「こういう災害の時、議会はすぐに行動を起こさなければいけない」という叱責をいただきました。30年ほど以前の議会の動きというものも教えていただきました。
 私はこのご指摘を厳しく受けとめました。
 私自身、6年前の地震の際、「議員・議会の動きが見えない」という批判意識を多くの村民の人たちと共有していました。その議員という立場に私自身がたった今、どう動いたらよいか。いろいろと考えました。
 道路などの災害に直接に対応するのは役場産業建設課、そして、議会の常任委員会は役場の課に対応する形で所掌分担しています。産業建設課に対応するのは産業社会常任委員会。私は5月からその委員長です。
 そこで、私は5日午後、産社副委員長の斉藤康夫議員と連絡・会談し、対応策を検討しました。私が現場で見てきたこと、斉藤氏の知るところについて情報交換し、「ひとまず、村の対処方針を把握するために村長に面会を求めよう」という結論に達しました。 すぐに私が雪坪の村長宅を訪ねて、翌6日午後1時に村長室で面会することの了承を得ました。
 「栄村復興への歩み」No.320の3〜4頁に書いた、災害後の村長・役場の動きはこの時に産建課長から示されたペーパーを基礎にしています。
 これらのことは他の産業社会常任委員会議員に電話でお伝えしました。

 

■ 11月16日の議会全員協議会で議論
 11月16日午前、議会全員協議会が開催されました。〈村長提出〉の全協の後に〈議長提出〉の全協(議員のみで会議)となりましたが、当初議題は観光施設に関する特別委員会の運営方法の問題のみ。その問題の協議の後、笹原〜長瀬間の災害・通行止め問題について私が全協の場で議論するように提案し、議員間での議論になりました。
 6日の村長との面会を含めて経過を私から報告し、複数の議員から意見が出ました。1つの具体的な問題としては、「迂回路の案内看板が不足で、村外から北野天満温泉を訪れた人が帰路で道に迷う。村の手で案内看板を増設すべきだ」という提案があり、閉会後、正副議長で村に申し入れをすることになりました。

 昨年4月の補選で議員になって以来1年半余、率直に言って、議員だけの全協の場で議論をどのように創り出していくことができるのか、取っ掛かりがなかなか見つからない状態で今日まで来てしまいました。しかし、今回の災害をめぐる11月16日全協での議論は非常にささやかなものですが、「議会での議員間の議論の創出」という点で1つの突破口になったのではないかと感じています。
議会の重要な役割の1つは行政をしっかりチェックすることですが、しかし議会の役割はそれに尽きるものではなく、村民の声を受けとめながら、議員間の議論を活発にし、村の暮らしをよくする政策の創造などを進めていくことです。
 この原稿を書いた後、28日夜には本件災害に関する県の説明会に出席し、さらに12月5日からの12月定例会で本件への対応策についてさらに議論することになっています。議会の活性化へ、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

 


◎ 観光レクリェーション施設に関する特別委員会、正副委員長を決定

 

 11月16日の全協(議長提出)で、先の9月定例会で設置を決めた「観光レクリエーション施設管理運営に関する調査研究特別委員会」の本格始動にむけて、正副委員長を選出しました。委員長は相澤博文氏、副委員長は松尾です。相澤氏は本特別委員会設置の提案者、松尾は観光を所管する産業社会常任委員長ということで、全員一致で推薦・決定されました。
 今後、定例会の開催時、さらに議会閉会期間も含めて、1〜2年間、議会の立場から観光等に関わる施設について検討・議論していきます。その際、いちばん大事な視点は、観光の振興もさることながら、〈住民の福祉の向上〉にこそあると認識して調査研究していきたいと考えます。
 早速、相澤委員長が、条例で「栄村観光レクリエーション施設」と定められている施設の運営状況等に関する資料提供の依頼状を商工観光課に対して出しました。
 12月5日からの定例会で特別委員会を開催し、具体的な議論に踏み出します。

 


◎ 社協への補助金の増額 ―― 11月16日の全協(村長提出)
 

 11月16日開催の議会全員協議会(村長提出)は、「社会福祉協議会運営費補助及び指定管理料の増額について」が協議事項でした。
 12月定例会に村が提出する補正予算の編成にあたって、議会との協議が必要と村長が判断し、全協(村長提出)の開催を求めたものです。
 補正予算に関わることですので、12月定例会での補正予算の審議をふまえて詳しいことをお伝えしますが、ひとまず、次の点を報告しておきます。

 第1に、通所介護(デイサービス)事業が今年の春から社協への委託になりましたが、利用実績は着実に増加しています。事業が村民に浸透してきたためか、とくに秋以降、利用件数が増えています。
 第2に、社協の現在の財政事情です。
 通所介護事業の運営資金を保障する核は介護保険からの介護報酬です。しかし、介護保険から事業者に報酬が支払われるのは制度上、サービス提供の3か月後になります。その間、サービス業務従事者の人件費等を事業者(この場合は栄村社協)が自己資金で賄わなければなりません。栄村社協の場合、この自己資金があまりありません。今春以降、過年度の繰越金1,500万円を取り崩す形で対処してきましたが、この繰越金1,500万円を取り崩してしまうと、何かあった時の資金面での対応力がなくなります。このため、社協側から村に3,000万円の借入の申し入れがあったということです。
 第3に、上記の点への村の対応方針です。
 村長が協議を求めた案は、社協運営費への補助3,000万円、指定管理料の増額960万円というもの。
 協議で最も議論になったのは、「指定管理料」というものを年度途中で増額することの是非です。最初に問題提起したのは阿部伸治議員。それをうけて、私も発言しましたが、「指定管理料」というものの本来の性格は、高齢者総合福祉センターの建物の管理に要する費用を委託者の村が支払うというもの。したがって、社協が村からの委託を受けて実施する事業に関わる経費の増額と絡めて「指定管理料」を年度途中に増額するのは好ましくありません。
 議員からのこうした意見に対して、村長、担当課長共に理解された模様で、12月定例会には、社協の事業運営に必要な資金を補助金の増額で賄うことを基本とする補正予算案が提出されるものと期待しています。

 なお、介護保険制度は仕組みが難しい上に、毎年のように見直しが行われ、来年度にむけては国が「生活援助」の介護サービスの報酬引き下げなど、利用者・事業者を共に不安にするような案を検討しています。また、通所介護サービスの村直営から社協委託への転換が短期間のうちに実施されたため、必要経費の算出や予算の組み方についてよく分からない点が多々あると私は思っています。そこで、現在進行形の事業の実施に必要な補正予算は承認しつつ、担当部局(健康支援課)や社協からお話を聞き、議員・議会が介護のシステム・財政についてしっかり理解・把握するよう、近々に勉強会を開催する方向で調整を行っています。私たち議員が学んだことは村民のみなさんにもお伝えしていきます。

 


◎ ふるさと納税の新しい活用法について
  ―― 10月28日の新聞記事に注目して

 

 先日、スクラップすべき新聞記事を整理していて、少し前のものになりますが、10月28日の信毎の記事に注目しました。その記事を次頁に掲載・紹介します。

 

 

 記事をお読みいただければ、内容はだいたいお分かりいただけるかと思います。
 今年の前半は、ふるさと納税での「返礼品競争」がクローズアップされ、当時の高市総務相は「ふるさと納税」制度そのものにもかなり否定的な姿勢を示していました。ところが、新たに総務相に就任した野田聖子氏は「ふるさと納税」制度に積極的な姿勢を示しています。そういう中で出てきたのが前頁の記事です。総務省のHP(ホームページ)を検索したところ、A4判3枚で、この記事よりもさらに詳しく制度を説明しています。

 

■ 「ふるさと納税」制度についての私のもともとの考え
 私は、「ふるさと納税」制度について、もともとは疑問を抱いているところもあります。そもそも、「ふるさと納税」制度が制度としていつまで続くものか、不安があるからです。恒久性のないものへの村の財政の依存度を高めてしまった場合、一時(いっとき)は村の財政が豊かになっても、将来に財政基盤が揺らぎかねません。村外のさまざまな方々に村を応援していただく取っ掛かりとして「ふるさと納税」制度を活用するとしても、そういう支援者と村の直接の結びつきを開拓・強化していかなければ、と思います。
 また、現在、栄村が「ふるさと納税」を基本的に「農業支援目的寄付」に特化させていることにも疑問を抱いています。たしかに、栄村の小規模農業・米作を支援するための財源の確保は、国の交付金・補助金の現行制度の中では、難しい。「ふるさと納税」を「農業支援目的」に特化させ、返礼品とする米の一定価格での購入によって農家を支援するというのは1つの知恵だと思います。
 しかし、農業支援の分野においても、また、農業以外の分野において、もう少し工夫ができないものかという思いは、私のみならず多くの村民が抱いておられる気持ちだと思います。議会での議論の中でもそういう意見は出ています。

 

■ 新しい措置の積極的活用を考えたい
 そういう中で、先に紹介した記事に出会ったわけです。私はこれを積極的に活用すべきだと思います。具体案はこれから練りますが、議員間での議論も呼びかけていきたいと考えています。
 今後、この「議員活動報告」等で提案していきますので、みなさんのご意見もお聞かせください。
(本号は6頁版にさせていただきました)


松尾まことの議員活動報告第19号

5つの重要なことが決められました
    〜9月定例議会の報告〜

 

 9月5日から13日まで、栄村議会の第3回定例会が開催されました。9月の定例会は「決算議会」とも呼ばれますが、今年の9月定例会では、決算のみならず、5つの重要案件の審議・決定が行われました。
 まず、その骨子を報告します。

 

1. 一般会計2,508万8千円、特別会計2,588万6千円の補正予算が成立
 この補正予算に盛り込まれた重要施策については8頁で紹介します。
2. 来年8月から、中学生以下、医療費窓口支払いなしに(福祉医療費給付金条例改正)
 現在は窓口で3割負担を支払ったうえで、後に村から同金額が支払われるという方式ですが、これが来年8月から窓口での支払いが不要となります。長野県下の全市町村で一斉に実施されます。ただし、県外の医療機関で受診の場合は窓口支払いが必要になります。
 また、レセプト料300円も無料になります。
3. 平成28年度決算を認定
 決算特別委員会を設置し、11日、12日の2日間、徹底審議を行いました。
 13日の本会議で村長提出の平成28年度決算(一般会計と特別会計)を認定しましたが、審議の中で多くの問題点があきらかになりました。費目によっては到底、「認定」し難いものもある中での、いわば「条件付き認定」とでも言うべきものです。詳しいことは2頁以降で報告します。
 また、決算審議の過程で、議案書の一部が頻繁に差し替えられるという事態がありました。厳格に言えば、「議案撤回→新議案提出」という手続きを必要とするほどのものでした。村議会議長から村側に厳重な注意が行われました。
4. 観光施設に関する特別委員会を議会に設置
 正式名称は、「栄村観光レクリェーション施設管理運営に関する調査研究特別委員会」です。
設置の趣旨は、振興公社指定管理施設等について、村の議案提出の際の審議だけでは充分な審議ができないため、特別委員会を設置し、議会閉会中も含めて充分な調査や議論を行える場を設けることにあります。
5. 温泉条例改正案を賛成少数で否決
 これは新聞報道等でご存知の方も多いと思います。
 村長提案の核心は、「振興公社指定管理施設の温泉は、栄村温泉条例第26条の対象からはずす」ことにありました。私を含め過半数の議員がまさにこの点に反対し、否決に至りました。
 共通入浴券料金の値上げに関しては住民合意がある程度出来ていると思いますが、今回の争点は料金値上げではなく、上記のように振興公社に温泉運営のフリーハンド(自由裁量権)を与えることの是非でした。5頁以降で詳しく報告します。

 

 

◎ 平成28年度決算について
●そもそも決算審議とは
 私が決算審議に臨むのは昨年9月に続き、2回目です。正直に言いますと、昨年は初めての経験のため、手探り状態での審議となってしまい、充分な職責を果たせなかったと反省しています。
 そこで、今年は、決算議会に臨む前に、『議員必携』の「決算」に関する章を読み直しました。そこで強く印象づけられた箇所を紹介します。
   「町村長は、決算を議会の認定に付するに当たっては、

    決算書のほかに、
     (1) 歳入歳出決算事項別明細書
     (2) 実質収支に関する調書
     (3) 財産に関する調書
     (4) 会計年度における主要施策の成果説明書
    の各書類の提出を義務づけられている。」

    (同書265頁、下線強調は松尾)
とあり、さらに、議員の決算審議における仕事として、
   「『成果』とは、予算執行の単なる実績、データではなくて、

    施策の実現を目指して措置された予算執行によって成し遂げ

    た効果であることに着目して、決算審査のしめくくりにこの

    説明書を大いに活用したいものである。」(同書270頁)

 

●担当部局によって姿勢の差がはっきり出た「成果の説明」
 村長から提出された書類の中に、「決算説明書」(一般会計、特別会計各1冊)というものがあり、その表紙に「地方自治法第233条第5項の規定により、平成28年度の一般会計に係る主要施策の成果、その他の予算執行の実績を次のとおり報告します」と書かれています。これが『議員必携』で「会計年度における主要施策の成果説明書」と記されているものに当たるというわけです。
 しかし、「主要施策の成果」が本当に記されているかどうか、担当部局によって随分と違いがありました。「成果」と言えるものが具体的かつ詳細に記されていたのは教育委員会事務局所管のものというのが私の印象です。農林関係や土木関係は成果を判断するのに資するデータがいちおう出されていたと言えると思います。
 最もひどかったのは商工観光課所管の観光費関係です。
 たとえば、振興公社への指定管理料と出捐金に関して、1,060万円と5,000万円を支出したことが記されているのみで、どのように使われたのか、成果は何かについてはまったく書かれていません。しかも、先に書いた議案書類の差し替えが最も目立ったのが商工観光課関係でした。率直に言って、議会審議において商工観光課から出される数字等について、俄(にわ)かには信用することができないという悲しむべき現実があります。

 

●商工観光課は「委託料や補助金が適正に使われているか」をきちんと検査していないのではないか?
  ――振興公社や観光協会への委託費、補助金の明細が示されていません
 村は予算執行において、様々な事業を役場以外の企業・団体等に委託したり、民間団体に補助金を支払ったりします。
 委託先ないし補助対象団体におカネを渡したら、「後はご自由に」というわけにはいきません。たとえば、集落で「ふるさと復興支援金事業」を活用した経験をお持ちの方がたくさんおられると思いますが、事業終了後、役場から細かな書類の提出を求められ、事業現場の検査を受けますね。そして、役場に提出した事業計画書と合致しない点等があることが判明した場合、支援金の一部をカットされるということもありえます。
 ところが、振興公社への委託料支払いや出捐金、観光協会への補助金に関してはチェック(検査)が行われた形跡がまったく見られないのです。
 たとえば、振興公社への指定管理料1,060万円(平成29年度は1,850万円に増額)。
 「決算説明書」には、「委託料調」という一覧表が48頁にわたってあり、それぞれの委託料について「完了年月日」と「検査年月日」が記されています。しかし、振興公社への指定管理料については、これが記載されていません。検査していないということです。
 その結果はどうでしょう。振興公社の平成28年度決算書を調べると、平成28年度段階では指定管理の対象になっていなかった施設にも指定管理料が分配されていたのです。これはあきらかに不適正会計処理であり、本来ならばこの一点で、村は委託料の返還を求めなければならない事柄です。
 また、観光協会に対する補助金910万4,800円についても決算説明書には支出したことしか書かれていません。観光協会への補助金は「掴(つか)み金」として予算承認されたものではなく、内訳を示して予算提案されたものです。したがって、予算での内訳と比較照合して、補助金がどのように使われ、どのような成果を上げたのかを説明する義務が商工観光課にはあるのです。本年6月議会で観光協会への補助金をめぐって補正予算案の減額修正という事態に至った背景には、商工観光課の仕事のこういう杜撰(ずさん)さがあるのです。

 

●振興公社への出捐金5千万円はどう使われたのか?
 振興公社への出捐金5千万円、これが大きな問題となったのは「つい昨日のこと」という感がしますが、本年1月と3月のことだったので平成28年度決算の対象となります。
 これについても、決算書説明書には計5千万円を支払ったことしか書かれていず、その後、どう扱われたのか(扱われているのか)について一切の記述・報告がありません。
 1月に公社に出した出捐金2,100万円は、「2月、3月の支払いが出来ない」ということでの緊急出資でしたから、当然、その結果を報告する義務が公社と商工観光課にあります。公社の決算を調べると、2〜3月の支払いに2,100万円全額を使う必要はなく、残余があったようです。
 「定期預金に入れて、それを担保として金融機関から資金を借りる」とされていた追加の出捐金2,900万円。こちらは、公社の決算書を見ると、定期預金に入れられたのは1千万円のみ。1,900万円は普通預金に入れられています。私は8月の全協と今回の決算議会とで、この点について質しました。
 商工観光課長の答弁は、8月全協では、「公社のことが新聞に書かれたので、金融機関からお金が借りられない」、そして、今決算議会では、「金融機関は担保がある2,900万円までしか貸せないと言っている」というもので、答弁内容が変わっています。また、普通預金は担保たりえないのが常識ですが、その点を質しても、答えは返ってきませんでした。

 

 以上、決算審議でとくに重要だった点の報告です。
 認定し難い点が多々あるわけですが、ひとまず、役場に猛反省を促すべき点は明確にしたということで、採決では「認定」に同意しました。来年の決算では徹底的な改善を求めるものです。

 

 

◎ 温泉条例改正案の否決について
 今回の定例議会提出の当初議案には入っていなかった温泉条例改正案、9月13日の最終日に追加提案されました(議案書の議員への配布は12日)。
 内容は8月21日の全協で村が示した案と同じ。共通入浴券が利用できる施設から振興公社管理の4つの温泉を外すというものです。また、条例案の中には書かれていませんが、口頭説明では振興公社は公社独自で発行する年間入浴券の価格を3万円とするということでした。

 

●「入浴に係る公社の収支は赤字」から「70万円の黒字」に説明が変わった
 村は、7月18日、8月9日、21日の3回にもわたる議会全員協議会では、「共通入浴券関係で振興公社は約500万円の赤字」と説明してきました。しかし、今回の審議では、この点が180度ひっくり返りました。8月21日の全協に提出した資料で、温泉入浴客から支払われた料金の収入をいっさい収支計算に入れていないことが指摘され、さらにその後、議員側が具体的に計算して「黒字である」ことをあきらかにしてきたからです。
 商工観光課長は「70万円の黒字です」と認めながら、なお、「振興公社の利益を増やすために、独自入浴券の発行、料金値上げが必要」と言うのです。
 こんな馬鹿げた話があるでしょうか。
 「取れる人から取って稼ごう」ということではないですか。私は、「本当の営業努力をしなければいけない。たとえばスキー大会の団体、これを1シーズン3つ増やせば、200万円の増収は可能だ」という趣旨の質問・提案をしました。これに対する課長の答弁は、「武蔵村山市の修学旅行を受け入れたいが、トマトの国の収容力を超える人数で受け入れられない」というもの。団体は武蔵村山市だけではないでしょう。60〜80人規模のスキー大会、営業努力をして探せば、2つや3つ、容易に見つけられるでしょう。

 

●「公社の自立のため」という詭弁
 村長が強調したのは、「公社を自立させる必要がある」ということでした。
 「取りやすい人から値上げでお金を取る」――これが「自立」でしょうか?! 否、です。
 いま、村(長)は、振興公社に出捐金を新たに出したり、指定管理料をさらに増額したりすることは困難であると判断しているようです。そこで、出捐金や指定管理料以外で、振興公社におカネを入れる方策として、公社指定管理の温泉を温泉条例で定める共通入浴券の対象から外し、それらの温泉への入浴料金の決定権を振興公社に渡そうという考えが浮かんできたものと思われます。
 審議で、村長は「公社には暴走させません。公社が料金を上げたいと言ってきたら、議会全協に報告します」と発言しました。ここがミソです。「全協に報告」とは、議会に審議権・採決権はないということです。ここがポイントなのです。

 

●温泉条例の基本は「住民福祉の増進」、そして村と公社の指定管理協定は「村の目的に沿った事業運営」が基本
 村長が言う「公社の自立(性)」、どうも「議会に縛られない」というところに本質があるようです。
 しかし、温泉条例は第1条で「住民の福祉増進」を目的だとしています。また、公社に指定管理委託している観光レクリェーション施設について、同設置条例は第2条で「村民の保健保養に供する」と規定しています。さらに、村と振興公社が指定管理について結んでいる協定では、第2条で「指定管理の意義」として「(公社は)地域の交流並びに文化、産業振興の推進による地域活性化を図ることを認識する」と定め、また第3条で「(公社は)施設の公共性を十分に理解し、その趣旨を尊重するものとする」と定められています。
 こういう条例の目的や指定管理の意義を担保するものが条例や指定管理協定の議会での審議・採決なのです。
 振興公社は、「議会の審議・採決に縛られているから、営業努力ができず、赤字になる」のではありません。私を含め、議員は振興公社の経営改善のためのアイディアを具体的に提案しています。公社施設の改善や誘客のための努力をしています。公社理事長にはもっとそういう提起を受けとめ、経営努力に努めていただきたいと思います。

 

●「共通入浴券利用者は村人口の7%にすぎない」――こんな村民分断を許してはなりません
 村長は審議の中で、「共通入浴券を利用している人は145人で、村民の7%にすぎない」と発言されました。私は審議の中でも言いましたが、こういう村長の発言はじつに悲しい。村民の中に分断を持ち込もうとするものと言わざるをえません。
 9月議会の会期中でしたが、共通入浴券の利用者ではない村民から私はこんな話をされました。
   「先日、むらの友だちとミオン(十日町市中里の温泉施設)

    に行ってきました。温泉に入って、お昼を食べて、半日ゆ

    っくりしたんです。でも、栄村に温泉があるのに、「日帰

    り入浴は午後2時から」というので、わざわざ中里まで行か

    なきゃならないというのは変じゃないですか?」
 まったくそのとおりです。
 温泉条例問題は単に共通入浴券だけの問題ではないのです。村民全体の福祉、保健保養に関わる重要問題なのです。

 

●問われる公社理事長の判断・対応
 今回の温泉条例改正案審議をめぐって、多くの村民から尋ねられたことに、
   「どうして商工観光課長が説明・答弁するの? 公社の理事長が

    どうして議会に出てこないの?」
ということがあります。
 「振興公社管理施設を温泉条例に基づく共通入浴券の対象から外す、公社独自の3万円の入浴券を発行したいというのならば、公社理事長から説明があって当然」と思うのはもっともなことです。議会に参考人という形で出席して発言することが可能です。
 高橋規夫理事長は昨年5月の理事長就任直後に公社の新聞『なじょだね』で村民への挨拶をされました。それから1年数ヶ月、次々と村民の利益に関わることで重要決定をされていながら、村民への直接説明はありません。矢面にたたされる公社職員が気の毒です。
 公社理事長ご自身が自らの口で村民と対話されること、ここに温泉問題、公社問題の根本的打開の鍵があると思います。

 

 

◎ 補正予算の内容について
 もう紙幅に余裕がなくなりました。村民生活に直結する事項のみ、ひとまずの報告をします。
 第1に、「山村活性化支援交付金事業」として「特産品開発事業」134万1千円。長野県伝統野菜に認定された「ししこしょう」などの加工品開発などが行われます。
 第2に、屋敷地区の林道川西線などの維持改修費708万9千円。「みずとや食堂」の近くの大雨時、道路が浸水する箇所の改修などです。
 第3に、「観光のあり方研究委員会の開催」費48万6千円。委員20名で年度内3回開催とのことです。
 第4に、観光協会への補助金追加710万2千円。人件費の補正がようやく実現されました。
 第5に、「中山間地域介護サービス事業提供体制モデル事業補助金」90万2千円。これは移動距離が長い中山間地の状況を考慮した介護サービスのモデル(介護者が移動に要する経費や手当の支給)を栄村で実現しようという県の事業に対応したもので、半額が県から出費されます。


<おわりに>
 書かなければならないことはまだまだあるのですが、もう8頁を使い果たしました。
 5月議会で産業社会常任委員長に就任したことから、これまでは知らなかった会合に出席する機会が増えています。そこで初めて知りえたことなども報告したいと思っています。10月号には是非、書きたいと思います。

 

 9月議会が終わって間もないですが、19日に村長提出の全協があります。協議事項は秋山の路線バスの問題。南越後交通が10月1日からのダイヤ改正で「朝の第1便と夕の最終便を見玉止まりにする」と、突然、通告してきたのです。来春には見玉〜和山間の全面廃止も考えているようです。秋山住民の足の確保のため、議員・議会は村と協力し、全力で対処していきます。

 

 


松尾まことの議員活動報告第18号

「共通入浴券」問題の基本論点と私の考え

 

 信毎8月10日付での報道もあり、「共通入浴券」問題に対する村民の関心はますます高まっています。
 8月21日には三度(みたび)、議会全員協議会(村長の要望によるもの)が開催されます。
 村内外から「栄村村政は大丈夫なのか?」という声も聞こえてきます。
 こういう時は、問題の原点にたちかえって、熟考を重ねることが大事だと思います。


◎ 温泉は村の条例でどのように位置づけられているか
 今回の「共通入浴券」問題の始まりは、村が昨年3月に「共通入浴券料金を平成29年4月から改定する」と告知したことです。
 つまり、村の温泉政策が検討対象なのです。
 村には、現在、村が所有する温泉源泉が7つ(切明、湯ノ沢、中条、北野、小赤沢、百合居、長瀬)、温泉利用施設が8つ(雄川閣、のよさの里、上の原浴場、トマトの国、北野天満温泉、百合居温泉、長瀬老人福祉センター、楽養館)あります。
 これらの温泉の管理・利用法については栄村温泉条例(昭和52年制定、最終改定平成20年)が定めています。また、振興公社に管理を委託している温泉宿泊施設などは村の「公の施設」(=「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」)として位置づけられ、その管理・利用法について栄村観光レクリェーション施設の設置及び管理に関する条例(昭和60年制定、最終改定平成29年)(以下、「観光施設条例」と略記)が定められています。

 

● 温泉条例第1条と「共通入浴券」
 温泉条例は第1条で〈目的〉として、次のように定めています。
   「この条例は、村が所有する温泉について、その保護及び住民に

    対して利用並びに管理、運営について必要なことを定め、住民

    の福祉の増進に寄与することを目的とする。」
 読んでの通り、「住民の福祉の増進に寄与する」ことが、村が温泉を所有・管理・運営する目的なのです。

 

● 観光施設条例のめざすものは何か
 つぎに、観光施設条例も見ておきます。
 この条例では、〈目的〉が第2条で明記されています。
   「村民及び観光客の保健保養に供することを目的として、栄村観

    光レクリェーション施設を別表1のとおり設置する。」
 「観光レクリェーション施設」という呼び方から、「観光のための施設」と思われるかもしれませんが、観光客と共に、なによりも「村民の保健保養に供する」ことが目的とされているのです。これは忘れがちなこと、あるいは誤解されていることかもしれません。正確な把握・理解が求められるところです。

 

● 「共通入浴券」は、2つの条例の〈目的〉を実現するために設けられた制度
 「共通入浴券」については、温泉条例の第25条で、
   「栄村が所有する温泉について、管理者を問わず使用できる共通

    入浴券を発行できる」
と定め、さらに第26条で「共通入浴券」を使用できる施設を具体的に列挙し、また、第29条で「共通入浴券の1年間の料金は、別表2のとおりとする」と定めています。
 現在の「年間大人1名12,000円」等の料金は、別表2に定められているものです。

 

◎ 〈村の財産としての温泉をどう有効活用するか〉が、まず最優先・最重要の論点

 さて、栄村に村が所有する温泉が7つあることについて、これを適切なことと見るか、多すぎる(あるいは、少ない)と見るか、色んな捉え方がありうると思います。

 

● 温泉は〈栄村の財産〉だと思います
 私はこれだけの温泉が村にあることは栄村にとって重要な意義がある財産だと思います。
 温泉は、調査・掘削するのにかなりの経費を要します。が、栄村は好意ある方のご支援などによって、比較的安価に調査・掘削できたと聞いています。
 温泉を掘ると、今度はその維持・管理・運営に経費を要します。
 そこで、先に見た温泉条例第1条が規定する〈目的〉=「住民の福祉の増進への寄与」の達成度と、それに要する費用、この両者のバランスに目を配ることが村の政治・行政における重要課題の1つとなります。この点について、村の予算・決算等において必要かつ十分な検討が重ねられてきたとは言えない面があり、これは非常に残念かつ由々しき問題であると思います。
 そのうえで、私は、以下に詳しく述べる理由で、村が所有する温泉を〈栄村の財産〉だと考えます。

 

● 「温泉で村民が元気に」――栄村を全国に知らしめる
 栄村及び近隣町村は温泉が豊かで、村民が日常的に温泉に親しむ機会に恵まれていることが当たり前のように思われています。しかし、全国的な標準レベルから見れば、日常的に温泉に親しむ機会に恵まれているという環境は珍しいものであり、特記されるべきことです。
 テレビ番組などを見ていますと、住民が温泉に日常的に入る地域が、珍しい、素晴らしい、そして特別な地域として紹介されています。
 一日の農作業などを終えた後、温泉に身を浸し、疲れを癒すことができる。これは素晴らしいことですし、都市部のサラリーマンなどからすれば垂涎(すいぜん)の的(=何としても手に入れたいと思うほど貴重なもの)となるものです。
 また、80歳代、90歳代のお年寄りが温泉に集い、体を癒し、色んな人びとと交わり、会話を楽しみ、元気に暮らす。これは超高齢社会になっている日本において、健康寿命*を長くするモデルとなるものだと言えます。
   *「健康寿命」とは、「平均寿命」とは別のもので、「健康上の問題

    で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されてい

    ます。
 農作業の様子と温泉に身を浸す姿をワンセットで伝える映像、お年寄りが温泉に集い、元気に暮らす姿の映像。いずれも、栄村ブランドとして全国発信し、栄村を「元気に暮らせる村」として全国的に知らしめることができるものだと思います。


● 「子どもたちが温泉に通い、村の人たちみんなの手で育てられている」――人口対策・定住対策の柱の1つになるもの
 一昨年のことです。学生時代に栄村を何度も訪れたことがある若いご夫婦が2泊3日の栄村旅行に来られました。2歳未満のお子さんを連れての初旅でした。
 奥さんはお子さん連れで「トマトの国」の温泉に入られました。すると、村のかあちゃんたちがそのお子さんを可愛がり、お母さんがゆっくりお湯に浸かれるように、お子さんを預かってくださったそうです。
   「私、子どもが生まれて以降、こんなにゆっくりお風呂に入れたのは初

    めて。やっぱり栄村はいいわ。」
 これが、彼女の口から出た言葉です
 こういう事例は、旅行者のケースだけではありません。温泉にやって来る村の子どもたちをみんなで面倒見していますね。
私も日常的に「トマトの国」のお世話になっていますが、廊下で、そして風呂場で子どもたちに出会うことはとても楽しみです。高齢者のご夫婦だけで暮らしておられる人たち、あるいは高齢者の一人暮らしの人たち、村の子どもたちがお湯に入ってくれば、わが孫を見るような気持ちになれるのではないでしょうか。これはきっと「高齢者が元気で楽しい暮らしをできる」ことにつながると思います。

 子どもたち自身にとってはどうでしょうか。
 最近はもう当たり前の話になってしまい、テレビなどでもあまり騒がれなくなりましたが、小学生や中学生が修学旅行先で同級生と一緒の入浴ができないという問題があります。水泳パンツが必需品だといわれます。
 村の子どもたちが温泉に日々通い、大人も子どもも一緒にお風呂に入る。
 理想的な子育て環境だといえます。
 そして、先に紹介した子ども連れの旅行者のお母さんのお話。
 「栄村は子育てにとって最適な環境」ということを全国に発信できる格好の話題です。

 栄村の人口減少、人口対策・定住対策が大きな課題になっています。
 「空き家対策」の検討も始まっていますが、人口対策・定住対策はハードの面だけでは成り立ちません。子育て環境、住宅、仕事の確保の3点セットが必要です。
 この3点のうち、「子育て環境」のアピールの重要なカードとして温泉活用を位置づける。そんな発想法が大事だと思います。

 

◎ 振興公社経営の基本は何か
 ところで、いま問題になっている「共通入浴券」問題。背景に振興公社の経営問題、出捐金や指定管理料とは別の形での振興公社への資金投入の問題があるという認識が村民の間でも広がっています。
 その認識は正しいと言えるでしょう。
 そこで、振興公社をめぐる問題についても考えてみたいと思います。

 

● 指定管理での管理委託の目的は何か?
 村が8月9日の議会全員協議会で示した提案では、振興公社が村から指定管理を委託されて管理する温泉施設を「共通入浴券」での利用可能施設から外すとされています。
 4つの温泉宿泊施設の振興公社への指定管理制度での管理委託は、法律(地方自治法244条)と村の条例=「栄村公の施設に係る指定管理者の指定管理手続等に関する条例」を根拠とするものです。
 上記条例の第4条は、指定管理者を選定する基準として、次の5つの項目を挙げています。
   (1) 施設の利用者の平等な利用が確保されること。
   (2) (指定管理応募者が提出した)事業計画書の内容が、

     施設の効用を最大限に発揮するものであること。
   (3) 事業計画書に沿った管理を安定して行う人員、資産そ

     の他の経営の規模及び能力を有しており、又は確保でき

     る見込みがあること。
   (4) (指定管理応募者が提出した)収支計画書の内容が、

     施設の安定した管理及び運営が図られるものであること。
   (5) その他村長等が施設の性質又は目的に応じて別に定める

     基準。
 下線部に注目して下さい。
 「村が所有する施設をただ委ねる」というのではないのです。施設の「性質・目的」をふまえ、「施設の効用を最大限に発揮する」ようにすることが、指定管理の狙いだといえます。
 そこで、先に見た温泉条例と、観光施設条例で定められている〈目的〉が関係してきます。
 つまり、〈住民の福祉の増進、保健保養に供する〉ことを確保できるように管理してもらうということです。

 

● 〈民間的手法での公社経営〉とは、どういうものか
 ところで、振興公社をめぐっては、〈民間的手法での公社経営〉への転換ということが課題となっています。
 当初の振興公社設立から長年、公社理事長には村長が就任、また、平成25年に一般財団法人に改組されて以降も、昨年5月までは副村長が公社理事長に就いていました。昨年5月、初めて民間人が理事長に就任し、それは〈民間的手法での公社経営〉への画期だといわれてきました。
 ところで、〈民間的手法での公社経営〉とは、そもそも、どういう意味なのでしょうか。
 わかりやすく言えば、俗に言う「親方日の丸」*ではなく、きちんと利益を生み出し、自力で運営・経営ができるということでしょう。
   *「親方」は日の丸、すなわち国の意。官庁や公営企業は、

    経営に破綻をきたしても、倒産する心配がないので、厳し

    さに欠け、経営が安易になりやすい点を皮肉っていう語。

   (デジタル大辞林)
 ただし、株式会社と同じものではありません。株式会社は利益を生み出し、その利益の相当分を出資者に配当として分配するものです。それに対して、振興公社のように一般財団法人は生み出された利益を出資者に分配することはありません(できません)。
 なお、〈自力で運営・経営できる〉ということと、管理を委託する村が一定額の指定管理料を公社に支払うこととは矛盾するものではありません。まさに〈公の施設〉としての維持・運営のために必要不可欠と認められる指定管理料の支払いは認められるものであり、本年度でいえば、1,850万円の指定管理料の支払いを議会も3月予算議会で承認したところです。

 

● 平成28年度振興公社決算
 毎年、6月定例議会には、〈栄村が出資している法人に関する平成28年度の経営状況について〉という報告書が提出されます。
 具体的には、有限会社栄村物産センター(「道の駅」の物産館の経営組織)、一般財団法人栄村振興公社、苗場山観光株式会社(苗場山頂ヒュッテと楽養館を経営)の3法人の決算書が提出されます。ただし、報告書が議員に配られるだけで、口頭での説明や審議の機会はありません。
 振興公社について、決算書から私が読み取ったことを以下に記します。
   ・ H28年度の経常収支 2,941万5,011円の赤字
   ・ H28年度末の資産状況
      現金・預金 4,752万9,384円
      負債 884万0642円(未払金、税未払額など)
   ・ 事業所別の経常収支(△印は赤字を意味する)
      雄川閣 △435万6,382円

      のよさの里 △521万3,343円
      トマトの国 △31万6,210円

      北野天満温泉 38万8,232円(黒字)
      管理部門 △1,893万7,035円

 

● 決算の数字から見えるもの
 第1は、経常収支の赤字額が、本年1月に出捐金5千万円の提案が出された際の資料での年度末赤字予想額3,377万578円よりも約435万円少なかったことです。
 赤字縮小のための経営努力もなされたことと思いますが、なによりも1月時点で出された資料での赤字予想額が過大であったのではないかと思われます。その象徴が「トマトの国」の赤字予想額で、昨年12月段階の資料では248万円強の黒字予想が、1月資料では約697万円の赤字予想に変えられていました。実際の決算額は約37万円の赤字です。出捐金を最大限引き出すために赤字予想額を過大に見せたと言われてもやむをえないのではないでしょうか。
 第2は、3月末時点での資産状況についてです。
3月末には、1月24日議会承認の出捐金2,100万円(当座の資金繰りのためのもの)、3月議会承認の出捐金2,900万円(「定期性預金に入れ、金融機関からの借金のための担保にする」と言われたもの)がすでに入っています。
 3月末の預金・預金から「借金の担保とするため定期性預金にまわす」とされた2,900万円を除いても、約1,853万円の現金・預金があります。そこから負債総額約884万円を差し引くと約1千万円弱の現金・預金が残ります。1月議会や3月議会での説明が醸し出した雰囲気(「明日にも倒産の恐れ」)とはかなり違うなあという感じがします。
 第3に、何が大きな赤字要因なのかということです。
 まず目立つのは、「のよさの里」が一般財団法人化のH25年度以降4年間連続で500〜900万円の赤字を続けていることです。他の3施設では見られない事態です。振興公社の経営再建のためには、「のよさの里」の抜本的対策を講じることが不可欠だということです。現理事会の下での再建策の検討が始まって1年余が経ちますが、この種の議論は基本的に聞こえてきません。
 もうひとつは、管理部門(一般の企業でいえば、営業する現場ではなく、本社的機能)に1,900万円もの経費がかかっていることです。経営の常識からいえば、この経費を賄うに十分な利益を営業部門で稼ぎ出すか、管理部門の縮小(たとえば管理部門人員の削減)か、いずれかの選択が迫られます。しかし、現実には役員報酬がH27年度比10倍化(約26万円が約230万円になった。H29年度はさらにその2倍化という話も聞こえてきています)するなど、この点の検討が十分になされているという材料は見えません。
   *なお、9日の全協で、「4月から理事(長)が固定報酬制になったと

    いう話を聴いたが、本当か」という阿部議員の質問に対して、森川

    村長は「初耳だ」と答えました。
    ちなみに、振興公社の定款は24条で、「理事及び監事の報酬、賞与

    その他の職務執行の対価として当法人から受ける財産上の利益は、

    評議員会の決議によって定める」と規定されています。森川氏は振

    興公社の評議員です。
    いったい、どうなっているのでしょうか。
 以上の2つは、振興公社の赤字の構造的要因だといえるでしょう。
 振興公社に対する指定管理料は今年度、1,060万円から1,850万円に引き上げられました。公社が管理する温泉の運営経費が主な算出根拠だとされています。ところが、8月9日の議会全員協議会で商工観光課長は「じつは温泉運営になお500万円の不足がある」と言い出しました。その時々でクルクル変わるマジックのような数字はもう御免です。
 赤字の構造的要因の打開策の検討なしには公社におカネを入れることはダメです。逆に、赤字の構造的要因の打開のための投資(したがって、将来、その資金の回収と利益の創出ができる)であることが明確であるならば、村の将来のためにも村が公社におカネを入れることは許されるでしょう。

 

 もう紙面がなくなりました。以上の報告を参考にしていただいて、村民のみなさんからご意見を出していただき、議論を深めていきたいと考えています。