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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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トマトの国と地元・森集落の人びとが手を携える

 

 素敵な景色ですね。
 8月12日朝に行われた森集落の山の開田でのソバ播きの様子です。
 11日に予定されていましたが、雨で一日延期。播いた翌日は結構の雨。畑に水が溜まるほどではなかったので大丈夫だろうと思っていましたが、14、15、16日と繰り返しの雨の後、17日朝に発芽の様子を撮影に行きました。
 バッチリ発芽しています。

 

 


 ソバ播きをしたのは森農業改善組合。昨年に続き2度目の挑戦です。
 今年は昨年と異なることが2つありました。1つは、ソバの種を自動播きする機械の導入。もう1つは、お盆休みということもあって、若手メンバーが複数参加したこと(下写真。こちらは従来の手動種まき機を使っています)。

 

 

● 「収穫祭はトマトの国でやりたいなあ!」
 ソバは順調に育てば、10月中旬に収穫。天日干しによる乾燥を経て、11月上旬には手打ちそばで収穫祭を楽しみます。
 昨年は森公民会での開催でしたが、今年は「トマトの国でやろう!」という声が上がっています。というのも、森農業改善組合のお米がトマトの国のご飯として使われている縁から、今春、トマトの国が森農業改善組合に加入したからです。
 森集落の人たちは日頃、なにかにつけてトマトの国を地元施設として頻繁に利用しています。温泉に毎日通う人は少なくとも15名くらい。各種の寄合・宴会にもしばしば利用します。「おらがトマトの国」ということですね。
 ですから、「トマトの国を何としても守りたい」、「トマトの国に多くのお客さんに来てもらいたい」という気持ちをみんなが持っています。そういう意味で、「トマトの国」にやって来る多くのお客さんに森開田の手打ちそばを是非とも味わっていただきたいと思っているのです。

 

● 地元民の力を結集して「トマトの国」を盛り上げていく!

 


 上の写真は7月2日、トマトの国の前の広場の草刈りを終えた後、お茶を飲む愛湯会の面々。トマトの国のスタッフの顔も見えます。この日は森の共同作業と日程が重なり、森以外の人たちが主力となっての草刈りでした。行政区的には隣町になる羽倉集落の人たちも参加して下さいました。
 トマトの国もその一つである村の観光レクリエーション施設は、政治的権力を持つ人などの意思次第で左右されるものではないし、今後もそうであってはなりません。施設の従業員と地元の人たちがしっかりと力を合わせ、知恵も出し合って、村外からやって来て下さるお客さまに栄村らしいおもてなしを実現していく。そうして、村民の福利の増進にもつなげていく。そういう施設です。
森集落だけでなく、青倉の人も、横倉や平滝の人も、そして羽倉・上郷の人も、みんな力を合わせて、トマトの国を大いに盛り上げていきましょう!


雄川閣、トマトの国などの村観光・温泉宿泊施設の再生・発展は可能です!

 「栄村復興への歩み」では、この間、〈栄村の素敵な観光スポット〉を随時紹介しています。他方、雄川閣など4つの村所有の観光・温泉宿泊施設のあり方についても提言を重ねてきています。議会では、4つの施設について、「公社解散・新会社設立」の方向性が提起されています。また、7月第1週末には村からの配布物で「栄村の観光施設経営診断結果」という「お知らせ」が各世帯に配られました。「診断結果」はスキー場について閉鎖を示唆するなど、栄村の観光(施設)の将来像について随分と消極的・否定的な印象を与えるものだと感じます。
 私は、素晴らしい観光スポットを活かすことと、村の観光施設を観光施設らしく運営することを結びつければ、経営状況の大幅な改善は可能だと考えています。以下、その考えの一端を紹介します。

 

● 適した器がなければ、せっかくの美味しい料理もアピールできない
 本紙No.339(6月17日付)で、国道405号線整備促進期成同盟会の総会が雄川閣で開催されたこと、総会後の祝宴に出された料理が好評であったことを紹介しました。
 そのお料理をめぐって、その後、こんな話を聞きました。「雄川閣には料理に合う器(うつわ)がない。あの日に使われた器のかなりの部分はトマトの国から借り出したものだ」。余ほどに珍しい器ならともかく、ごくごく普通の器でも、雄川閣には同じような色合い・模様の器しかないというのです。
 最近、雄川閣で食事をする機会が複数回ありましたが、「ちょっと器に工夫をすれば、美味しい料理がもっと引き立つのになあ」と思いました。どうやら、振興公社では料理にふさわしい器を用意するということにお金をかけていないようです。
 最近、トマトの国が「ご法要プラン」のチラシを新聞折り込みで出しました。「こんな料理だったら、トマトで法事をやってもいいなあ」という声を多く聞き ます。

 

チラシの料理写真をスキャンして再現しました


 議会に提出された「収支計画書」を見ると、トマトの平成30年度計画に「法事用器代の追加」と書かれています。
新しい専門職の板前さんが赴任されたこと、専用の器を購入し、板前さんが腕をふるった料理を一段と引き立たせる器が揃えられたこと、さらに言えば、料理の写真の撮り方がプロ級の腕であること、こうした要因が折り込みチラシの評判を呼んだのだと思います。

 

● 必要なおもてなしスタッフを揃える→経費増大→経費を上回る収入の確保へ勉強・工夫・サービス内容の充実
 雄川閣に1時間も滞在していると、かなりのお客さまが来られているのがわかります。
 でも、率直に言わせていただくと、スタッフの対応・おもてなしは不十分です。
 まず、フロントにスタッフがいない場合がかなりあります。訪ねてくるお客さまは必ずしも雄川閣の利用者とは限りません。「川原の温泉」のことを尋ねるだけ、さらには道路についてのお尋ねだけという場合も結構あるようです。
 でも、現在の秋山郷の状況からすると、雄川閣こそ“秋山の顔”であり、“観光案内センター”なのではないでしょうか。だから、フロントにはつねにスタッフがいなければなりません。お尋ねのお客さまに対応したからといって、ただちに収入増に結び付かないかもしれません。しかし、そこでの丁寧な対応がお客さまを雄川閣に引きつけ、遠くない将来の収入増につながります。
 こういうこと、現在の振興公社の中で十分に議論されてきたでしょうか。おそらく、NO(ノー)でしょう。したがってまた、スタッフへの教育もほとんどできていないでしょう。

 

● 「秋山郷の事だったら、何でも知っている」というスタッフの存在がお客さまを引きつける
 フロントに必ずスタッフがいる。それには人件費がかかります。経費増です。
 フロントに立つスタッフには、「秋山郷のことだったら何でもわかる」という案内能力が求められます。秋山にはいま、こういう情報がゲットできる場所が基本的にないですね。だから、こういうスタッフがいたら、雄川閣に立ち寄るお客さまが必ず増えます。
現在の雄川閣にも、元スタッフ手書きの秋山郷の道案内図が貼りだされています。たしかに既成のパンフレットよりも分かりやすい点がありますが、私からすると不満です。秋山の道をある程度知っていないと理解できないのです。
 フロントに立つスタッフをはじめとして、雄川閣のスタッフが秋山郷を何度も巡り、お客さまが実際に車で走った時に迷いそうな箇所とか、綺麗な景色を楽しむために車をちょっと停めることができるのは何処か…、こういうことを調べ、案内図を分かりやすく手作りで作成し、貼りだすだけでなく、お客さまにサッと渡せるようにする。このことだけで、雄川閣の評価は高まり、来客数−売上げが増大するでしょう。
 いま、そういう積極経営が求められています。栄村の観光施設の再生・発展にむかって頑張りましょう!


栄村の観光資源に磨きをかけよう!

 村の観光4施設(トマトの国、北野天満温泉、雄川閣、のよさの里)の管理・経営をどうするのかが大きな課題になっていますが、それは「栄村の観光事業をどうするのか」という問題でもあります。
 栄村には、素晴らしい観光資源がたくさんあります。しかし、それらが生かされていません。村の観光パンフレットに紹介されているのは「天池」、「布岩」など限られたものだけで、紹介されているものも、アクセス方法の紹介が不十分ですし、道路等での案内表示も不足しています。
 こういう現状に切り込み、村民みんなの力で栄村の観光資源を掘り起こし、磨きをかけることを呼びかけたいと思います。

 

● 写真を提示して議会一般質問をしました
 私は6月18日の村議会一般質問で、4枚のカラー写真を示しながら、「これを観光資源だと思いますか?」と質問しました。写真提示の質問というのはまったく新たな手法です。

 

 

 

 

一般質問で提示した4枚の写真

 写真を具体的に示した効果ではないかと思いますが、村長からは「観光資源だと思う」という答弁がありました。そのうえで、大事なのはこれらの資源をいかに保全・管理し、活用していくかです。

 

● 「村土の92.8%が山林原野」――それゆえの観光資源の活かし方を考える
 これまで私は主にきれいな景色や花などを観光資源として紹介してきましたが、最近、もう一つ、関心を抱くものが出てきました。
 下の写真に赤色の〇マークを入れました。近くの木から鳥が飛び立っていった直後を撮ったものです。何という鳥なのか、私には分かりませんが…。

 


 場所はスキー場内の村道で、標高770mくらいのところです。道路(砂利道)を挟んでこの写真と反対側の様子は次の写真。

 


 これまでやったことがなかったことですが、軽トラを停め、エンジンも止めて、しばらくの間、辺りで鳥がさえずる音に耳を傾けました。少なくとも5〜6種類の鳴き声を聴くことができました。
 上の写真の一帯からはウグイスのさえずり(ホーホケキョ)、地鳴き(警戒の鳴き声)、谷渡り(谷から谷へ、枝から枝へ移動する時の鳴き声)、いずれも聴こえました(この3種類の区別は、家に戻ってからサントリー提供の「日本の鳥百科」というホームページで調べました)。
 ブッポウソウを見ることができるゾーンで何時間もカメラを構えて、シャッターチャンスを待つ人の姿を見ると、「自分には真似できないなあ」と思いますが、鳴き声に耳を傾けるだけなら、私でも出来ます。そして、たしかに楽しいです。
 「こんなに多くの鳥の声を聴けるところは、そう多くはない」――これは、バードウォッチングで「トマトの国」に宿泊されたお客さんの感想です。
 お客さまの案内役と鳥の環境保護役とを兼ねるガイドを数名でも確保できれば、バードウォッチング関係で観光(宿泊)客を相当に増やすことができるのではないでしょうか。
 なお、山での撮影ではありませんが、4月初めにはこんな写真を撮ることができました。梅とメジロのツーショットです。

 

 

 この原稿を書いている最中、窓の外からしきりにアカショウビンの鳴き声が聞こえてきます。栄村、本当にすごい環境です!


景観ポイントを探る(その2)

 前号から引き続く企画記事です。前回は秋山林道から見る鳥甲山の素晴らしい景観を取り上げましたので、今回は水内地域の景観ポイントの1つを紹介したいと思います。

 

 


 この2枚は、スキー場内の村道を上り始めて間もなく見える眺めです。重なる部分がありますが、上写真では苗場山、千曲川、鳥甲山が見え、下写真では野沢温泉スキー場がある毛無山まで見えます。

 


 同じような景色に見えるかと思いますが、先の2枚を撮影した地点から車で3分進んでいます。100mくらいの標高差があり、眺めに変化が認められると思います。
 最後に、スキー場の頂上からの眺めです。

 


 3枚目の撮影地点からさらに200m以上の標高差があります。
 眺めが随分と変わるのがお分かりいただけるでしょうか。標高が上がるに連れて、苗場山〜毛無山の山並みがぐっと近づいてくる感じがします。これらの写真の撮影は4月30日ですが、その3日前にある方をご案内したところ、「凄い景色! 眺めがどんどん変わりますね」と絶賛をいただきました。その日はもっと空が青々とした快晴でしたので、印象はこれらの写真よりもより強烈だっただろうと思います。

 

 今回ご紹介したのは芽吹きが進行中の時期。年間で最もよい季節だと言えますが、夏は夏で素敵な見どころがあり、秋は紅葉のパノラマを眺めることができます。
 ただ、3枚目から進んで間もなく、道は舗装路から未舗装路に変わり、ものすごいデコボコ道になります。軽トラでもきつい道で、普通車で進むのは非常に困難になります。私はこの10年間ほど、何回も何回もこの道を上がりながら、「下手に舗装すると、自然保護に理解のない人が侵入しかねない」と思い、舗装することに躊躇を感じてきました。しかし、最近、きちんとした管理を前提として舗装し、より多くの人たちにこの景観を楽しんでいただく方が村の観光の発展にとって有益なのではないかと考えるように変わりました。みなさんは、どのようにお考えになりますか。是非、ご意見をお聞かせください。


景観ポイントを探る

 5月8日、栄村秋山郷観光協会の通常総会が開催されました。「観光協会は何をなすべきか」については課題が多いと思いますが、H30年度事業計画(案)では1つ、注目する点がありました。「写真スポットや絶景スポットの整備」という項目です。
 栄村には、〈隠れた景観ポイント〉がたくさんあります。観光に訪れた人は気づきにくい、また、近づきにくいところです。

 


 上は日出山線と鳥甲線の分岐点から秋山林道を屋敷方面に向かう途中の地点。手前に見える土の山は足もとが不安なところですが、ここを越えると素晴らしい景観が広がります。その姿が下の写真。

 


 是非、多くの人に見ていただきたいものです。しかし、それにはこの足場の悪い所を整備する必要があります。そんなに難しいこと、費用がかさむことではないと思いますが、そういう小さな努力が秋山郷観光を育てていくと思います。
 この近くには次のような景観スポットもあります。ここ数年、紅葉期にカメラを向ける観光客が増えています。

 

 

 

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栄村復興への歩みNo.335
2018年5月11日発行 編集・発行人 松尾真 連絡先:電話080−2029−0236、mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−1361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


自然資源、観光資源の〈調査・選定・管理・保全〉という施策を

 4月の栄村に夏日の日があるという“異常天候”の春になっています。そういう中でも、少し標高の高い地域に行くと、「まだようやく春が訪れたばかり」という感じの場合もあり、村内でも様子がかなり異なります。そういうこともあって、今号では自然界の様子を多く紹介しました。
 それらの記事には、もう一つ別の狙いもあります。「栄村は自然が豊か」とよく言われますが、自然や観光の資源という意味でどんなものがあるか、きちんと調査し、選定する、そしてそれらを管理・保全するという施策が必要だということを訴えたいのです。〈観光商品の開発〉の大前提・土台です。1頁で紹介した森老人クラブの素晴らしいお花見は栄村の素晴らしい地点の調査・選定への大きなヒントを教えていると思います。

 


4月26日、天池からの鳥甲山の眺望

 


4月26日未明、苗場山には降雪があったようです。樹々への着雪が天池から見えました。


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栄村復興への歩みNo.334 2018年5月3日発行
編集・発行人 松尾真 連絡先:電話080−2029−0236、 mail;aokura@sakaemura.net
ゆうちょ銀行 11100−1361481 栄村復興への歩み協賛寄金 ながの農協栄出張所 普通0009390 栄村復興への歩み発行協賛金松尾眞


村民みんなの参加で振興公社を立て直しましょう

● 振興公社は栄村のみんなにとって大事な存在
 振興公社の「興」という字は「興(おこ)す」という意味です。つまり、振興公社は、その名の通り、栄村の村おこしの中心となる存在です。
 村民の多くのみなさんが「振興公社はどうなるのか?」と心配されています。
 みんなが自分の思いを声にし、その声と公社職員の気持ち・働きとが結びつけば、振興公社は必ずよくなると私は確信しています。私は議員としての仕事もそういう気持ちでやらせていただいています。
 懸命に働く職員の士気を挫くような振る舞いをする方にはご退場願って、一日も早く“明るい振興公社”を取り戻したいものです。村民みんなが力をあわせて、そういう振興公社を取り戻していきましょう。

 

● たくさんのお客さんを迎え入れるには、どうしたらよいか
 振興公社を村民みんなの力で盛り上げていく取り組みはこれまでにも見られます。「トマトの国」の温泉に通う村民は、自分の畑でとれた野菜を宿泊客の人たちに食べてもらおうと無料で届けています。
 その野菜や山菜、「トマトの国」の料理に使われ、宿泊客のみなさんから好評を得ています。「農家が届ける新鮮野菜モリモリ料理」、こんなメニューを打ち出せば、「トマトの国」の有名料理、ブランド商品になるでしょう。

 

東京の中高生が書いた寄せ書き(一昨年8月)


 「トマトの国」を利用する客層の重要な核は、栄村に農村体験や農村調査にやって来る学生団体です。1団体がかなりの人数になります。「トマトの国」の従業員は現在3名。この3名だけではとても対応しきれません。正規職員を少なくとも5名体制に拡充するとともに、たとえば朝食時の人出不足を埋めるために地元(中条、青倉、森)の人に1〜2時間のお手伝いをお願いする。無償ボランティアか有償かは、振興公社の財務状況を見ながら判断すればよいですが、赤字が大きい現状から脱却するためには無償ボランティアを買って出るよという人も数多くおられるようです。
 また、「トマトの国」そのものを体験学習や調査学習の場にすることも有効でしょう。
 村の歴史・伝統や食について、かあちゃんやとうちゃんの話を聞ける場にするのです。一人暮らしの人にとっては、自宅に学生さんたちを迎え入れるよりも、「トマトの国」で話をするほうが負担も軽くてよいのではないでしょうか。温泉に一緒に浸かりながら、いろんな話をする・聴くというのもよいと思います。

 

● 村の人たちがのんびり温泉と昼食を楽しむ機会を増やす
 最近、こういう声をよく聞きます。「先週、仲間のかあちゃんたちと十日町の温泉に行ってきたんだよ。お昼も食べてね。まあ、そんなに贅沢もできないけれど。でもさ、村に温泉があるのに、なんで十日町までいかなきゃなんねえのかな」。
 「トマトの国」の日帰り入浴の時間が「午前11時〜」から「午後2時〜」に短縮されたこと、昼食営業がなくなったことが原因です。
 人手不足の「トマトの国」では従業員が大変なことはよくわかります。
 ひとまず、月2〜3回、あるいは週1日に限定して、〈お昼にのんびり温泉入浴〉の日を作ってみてはどうでしょうか。さすがに農繁期には〈昼からのんびり温泉〉という人は少ないでしょうから、田植えの後とか、農閑期に限定した取り組みでもいい
と思います。

 

森集落の人たちの「トマト」での昼の集まり(昨年12月)

平素の昼入浴はもっと簡素な昼食で充分ですが


 お昼の食事は何千円もする宴会料理ではなく、せいぜい千円までのものを2〜3種用意できればいいと思います。やって来る人たちは車を運転できない人が多いですから、送迎付きにする必要があります。そして、これも「俺が送迎してやるよ」というボランティアの人を組み込んだ送迎システムにできるといいなあと思います。

 

● 地元の施設運営協力会と公社の協働のしくみを
 野菜の提供やボランティアの話が出てきましたが、振興公社というものは純営利企業ではなく、地域の振興をめざす公的性格を有しています。
 ですから、その事業運営は公社の社員だけでやるのではなく、地元の人たちと意見交換をしながら運営するのがベストだと思います。
 「トマトの国」には「愛湯会」というものがあり、年に数回、「トマトの国」で懇親会をやっています。3月15日にも開催されました。「愛湯会」はあくまでも温泉を愛好する人びとの集まりですので、「愛湯会」をそのまま施設運営協力会にスライドさせることはできません。しかし、「施設運営協力会」的なものをつくる素地は存在していると言えるでしょう。もう一歩、前に進めることは充分に可能だと思われます。北野天満温泉でもそういう地域の人たちがおられるようですし、秋山の人たちは秋山郷の2施設に思い入れがあると思います。
 


この1枚の写真から〈冬の秋山郷〉への観光客入れ込み増大へのヒントをつかめるでしょうか

 

 2月19日朝、秋山に配達に行く途中に撮影したものです。
 この場所を通った時、私は一瞬、息をのみました。「綺麗!」がまず感じたこと。次に、「怖いな!」が続きました。
 縦状に見える筋は雪崩ですね。私の車の前をタイヤドーザーが進んでいて、路面に落ちた雪はきれいに片づけられており、通行にはまったく支障がありませんでしたが。
 私はこの地点で車を停めたのではなく、通り過ぎてカーブで退避場所があるところで車を停め、歩いてこの地点に戻り、撮影をしました。撮るだけの値打ちがあると思ったからです。

 

● 「冬の秋山は観光客は入らない」は本当か? じつは全くの逆です!
 栄村・秋山郷の観光をめぐって、栄村の観光関係者の間では「冬の秋山は観光客が入らない」、「冬の秋山への誘客は無理」ということが当たり前のように語られています。
 本当でしょうか?
 まったく否! です。
 「雪が凄いから客は来ない」と言うならば、テレビでもよく紹介される青森県酸ヶ湯温泉の賑わいなど、ありえないことになります。〈凄い雪〉こそが魅力なのです。前頁の写真のような場所こそ人を惹きつけるのです。
 課題があるとしたら、2つです。
 1つはアクセス。やはり6頁掲載の写真の場所のような所を雪(道)経験の無い人に「自分で来なさい」とは言えません。宿の送迎車、村や公社・観光協会などで準備する車でお世話することが必要です。酸ヶ湯温泉の宿はそうしておられるようです。
 2つはガイド
 先日、BSプレミアム「にっぽん百名山」で苗場山が取り上げられましたね。映像、とても綺麗でした。でも、がっかりしたことが1つありました。ガイドさんが地元の人ではなかったのです。じつは栄村には職業的ガイドさんが一名もおられないのです。長年にわたって課題とされながら、なんら打開されていません。
 職業的ガイドがそれでメシを食べていけるようになるには少なくとも数年はかかるでしょう。その間、村は当然、支援をすべきです。そして、職業的ガイド1〜2名と、「30分、1時間程度だったら茶のみ話をしたり、案内したりするの、OKだよ」という地元民との連携プレーでいくらでも誘客力抜群の観光スポットを創り出せます。

 

6頁写真の地点を進むと、晴れた日には苗場山を望める絶景

ポイントが眼前に現れます

 

● イベント主義ではなく、地元民の無理のない強力・参加を得よう
 問題が多かった振興公社委託の「3億円事業」。5回ほどでしょうか、モニターツアーというものが多額の資金を使って行われました。その経験は今に活かされているでしょうか? 継承されたものはゼロと言っても過言ではありません。
 何故でしょうか?
 いちばん大きな原因として挙げられるのは、観光関係者や地元民が日常のペースからかけ離れたところで、かなりの無理をせざるをえない〈イベント〉をやることが中心なので、繰り返しができない、ということです。
 イベント主義ではダメです。秋山郷の日常をうまく見せ、お客さまには楽しい経験をたくさんしていただくことです。私が19日に撮った写真を紹介します。

 


 

 上は、和山の山田初雄さん宅の玄関で撮らせていただいたもの。
 写真中央に見えるのはオスの熊の頭の骨。左上にはメスのものがあります。こういうもの、滅多に見られないですね。
 初雄さんご夫妻、とてもご高齢ですから、お茶のみのご協力まで得るのは難しいかもしれませんが、ガイド同伴でこれを見せていただきに玄関訪問させていただくことは可能なのではないでしょうか。さらに、ご夫妻とお顔を会わせることができれば最高だと思います。
 イベント主義ではない、こういうちょっとした発想法が冬の秋山郷観光客を増やすことにつながると思います。みなさん、どんどんアイディアをお出しください。

 

(次号No.329発行は3月3日頃の予定です)


こういう手をうてば、もっともっと多くのお客さまが栄村にやって来ます!

 栄村に来てくれるお客さん。もっともっと増やしたいですね。
 冬だけでも、スキー場来場が千人増えると、昼食代だけで800円×千人=80万円、直売所でのお買い物2種類計千円×千円=100万円、計180万円も増えます。8頁で紹介するように、直売所が次年度、年間2千万円の売上増加をめざすうえで、非常に重要な要因になります。

 

「こんな人が来られました!」、「冬の栄村、さかえスキー場の魅力はこんなところ」
  ――こういう情報をSNSでドンドン発信する

 いま、海外からのお客さまを含めて、旅する人はSNS(インターネットを使用する個人からの情報発信)で「○○、良かったよ!」と発信されている情報を得て、行き先を決めるケースが増えています。
 スキー場や直売所、さらに秋山の役場支所や観光協会が自らSNSで発信すると共に、お客さまが発信したツイッターをリツイート(お客さまの投稿を再投稿して拡散する)、フェイスブックをシェアする(いい記事を拡散する)ことが大事です。これは簡単なことのようにも見えますが、相当の時間とエネルギーを要します。スキー場などに、「SNSを使うのが大好き」という情報発信専任の人を配置することが戦略的な鍵になります。

 

「トマトの国」のお湯に午前11時から入浴できるようにする
 土曜日からスキー場に来たお客さま、日曜日は昼前まで滑って、温泉に浸かってひと休憩、そして帰りの高速の渋滞にはまらない時間帯に村を出発する。こんなスケジュールを考えておられます。
 ところが、「トマトの国」の日帰り入浴は現在「午後2時から」。これでは、みすみすお客さまを逃します。「孫がスキーしている間、私は温泉に入っていたい」という祖父母の方もかなりおられます。
 国道117号線の看板をご覧ください。先日、散歩していた青倉の住民が車で来られたお客さまから抗議されたそうです。「看板に10時半からって書いてあるじゃないですか。行ってみたら、『日帰り入浴は2時から営業』。せっかく来たのに入れない」と。
 地元住民は、「公社の人出が不足だったら、11時〜2時の間、私たちがボランティアでフロント受付をやってもいいですよ」と話しておられます。今日2月1日の午後2時にも、開店を待つかのように飯山市(中野市に近い地域)から入浴客が来られました。「ここは温泉らしい雰囲気のお湯で、いいですよね」。

 

 

秋山へのアクセスを改善する
 秋山郷は人気がありますが、最大の難点はアクセス(秋山に行く交通手段)です。
 国道405号線の見玉〜清水川原間の未改良区間、そしてなによりも結東〜清水川原間(とくに下り)です。根本的には道路拡幅等の改良が必要です。改良が技術的に可能なことはこの間の他区間の改良工事の実施で証明されていると思いますが、改良にも早くても3〜5年を要します。
 ひとまずの対策としては、森宮野原駅〜小赤沢間に1時間〜1時間半に1本の割合でシャトル便を走らせるのが最もよいと思います。運転手を 国道405号線結東〜清水川原間の狭いカーブ坂
含めて10人以下の定員、普通免許で運転できるもので充分です。これに観光の人を乗せることは、昨今の国の制度変更などで、ちょっとした工夫をすることで充分に可能だと思われます。しかも、このシャトル便は地元の人も利用できるようにして、〈秋山の足〉の確保も兼ねます。このシャトル便は昨秋の「秋山郷シャトル便」のように観光コースを決めて、いくつかの観光ポイントを巡るというのではなく、森宮野原←→小赤沢の直行便です。
 また、秋山の中では、乗用車クラスの車で秋山内をぐるぐる回る便を用意すればよいと思います。
 こういう仕組みを村、振興公社管理施設(雄川閣、のよさの里)、観光協会、地域おこし協力隊、さらに有志等が連携して立ち上げるのです。「そんな面倒なことはできない」と言う人があれば、それは「秋山郷観光の活性化は不可能」と言うに等しいです。
絶対に実現したいですね!

 

   「さかえ倶楽部スキー場の魅力はこんなところ」という項も

   掲載したかったのですが、頁数の関係で、今回はここまでと

   します。


今秋の観光の動きから、次の展望はどのように生まれているか(続編)

 前号の続きです。
 〈次の展望〉を話題にしたいと思います。

 

● “人”が鍵
 前号で雄川閣と苗場荘のことを紹介しましたが、お客さまと接する“人”が鍵を握っていると言えますね。
 かつての「秘境ブーム」の時に秋山郷を訪れる人びとをおもてなししてくださった方たちの多くは高齢になられ、民宿業を引退されています。それに代わって、徐々にですが新しい担い手が出てきています。この人たちを大事にして、頑張ってもらうことが「次の展望」を確かなものにしていくうえで第1に重要でしょう。

 

「郷の市」。10月13〜22日、切明温泉雄川閣前で開催。カレーとナメコ汁で

地域おこし協力隊・杉森さんと観光協会・白濱さんがおもてなし。

 

 「人と接することが大好き」という人こそ栄村(観光)の宝・財産です。前頁に写真を紹介した10月の「郷の市」はそういう意味でとても意義ある企画だったと思います。私が訪れた10月17日の時の印象ですが、カレーが美味しかったのと同時に、杉森さん、白濱さんのお客さまとの会話がとても豊かで、これぞ〈おもてなし〉と感じました。こういう場・機会がもっと増えるといいなあと思います。

 

● 滞在時間を増やす工夫を
 「秋山郷の宿泊客が減っている」、「宿泊客を増やさなければ」という声をよく耳にします。たしかに宿泊客を一人でも、二人でも多く増やしたいですね。
 ただ、「志賀高原にぬけられる道路が出来て以降、お客が秋山郷に泊らなくなった」ということを言う人がおられますが、それはちょっと違うと思います。たしかに秋山郷を観光して、その日のうちに志賀高原まで進み、そこで宿泊という人がかなりおられるのは事実です。しかし、志賀高原から進んできて切明温泉に至り、さらには秋山郷全体を見るというお客さまが多い(405号線で秋山郷へ上がってくる人よりも多いとすら言えます)のも事実です。
 問題は、「秋山郷を観光して、その日のうちに志賀高原まで進む」ということが、なぜ、起こるかです。
 現在の秋山郷の観光の仕掛けでは、秋山郷を観光して巡るのに最大限で2〜3時間で足りてしまうことが最大の原因だと考えられます。これを半日、さらには6〜7時間に伸ばすことができれば、必然的に秋山郷に宿泊する必要が出てくるのです。その典型的な事例は登山をする人のかなりの多くが秋山郷で前泊ないし後泊をするということです。

 

秋山郷の中で巡るポイントを5〜10ヶ所提案する
 滞在時間を6〜7時間に伸ばしてもらうには、秋山郷に来られた方に、ただ405号線と和山・切明線、そして志賀方面への秋山林道を走って終わりというのではなく(これが滞在2〜3時間を結果する)、むらの中の道や林道に入ってもらい、5〜10ヶ所を巡ってもらうことです。
 それには、初めて来た人でもその5〜10ヶ所を自分で廻れるように案内する〈ガイドマップ〉を作成し、観光の人たちが車を停めるポイントに置いて、取れるようにするのがよいでしょう。〈ガイドマップ〉はおカネをかけず、手作りでよいと思います。
 置いておく場所ですが、たとえば奥志賀公園栄線の清水小屋(遊歩道コース)入口。ここは春〜秋の間、かなり多くの車が停まっています。その中の多くの人が「ここからさらに先に進めば秋山郷がある」ことをご存じありません。雨が降ってもガイドマップが濡れない木のボックスのようなものを設置して、誰でもガイドマップを手に入れられるようにすればいいですね。このボックスももちろん手作りです。

 

清水小屋入口の駐車スペース

 

 そして、このガイドマップに沿って秋山郷を巡る人が、訪ねた場所ごとにスタンプを押し、スタンプが5個を超えたら、その数にしたがって、なんらかの特典を得られるようにするのです。
 こういう形で巡っていただくスポットの事例をもう一つ挙げると、集落の関係者のみなさんのご了解が必要ですが、屋敷集落の中を歩いて巡るというのも素敵だと思います。布岩などが、よく知られているものとはまた違った姿で見えます。人びとの暮らしの様子(たとえば、春には揉んだゼンマイが干してある等)が垣間見えるのも観光に来た人たちにと
っては興味深いことだと思います。(下写真は11月初め、小赤沢にて)

 

 

● 補助金頼りのイベントでは成果は生まれない
 栄村だけに限った話ではありませんが、〈観光振興・活性化〉というと、すぐに補助金を当てにするイベントをやるというスタイルがあります。でも、そういうのが成果を生んだという事例はほとんど見ません。「一攫千金」の夢を追いかけてもダメと言いかえてもいいかもしれません。
 上の文章で、ガイドマップをめぐって〈手作り〉を強調しました。補助金頼りとは真逆の発想です。もちろん、わずかでも補助が出るというのであれば、それを拒む理由はないと思いますが、まずは〈やる気〉の人が数人でも集まって、〈小さなこと〉から始めるのがじつは大きな成果への着実かつ大きな第一歩となるのではないでしょうか。