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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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秋山林道地すべり箇所の地質調査

 7月臨時議会で成立した平成29年度一般会計補正予算(第2号)に「地すべり対策事業地質調査業務」887万8千円というのがありました。箇所は「林道秋山線」となっていました。6〜7月はミズノサワよりも奥には行っていなかったので、その箇所がよくわからなかったのですが、9月9日、奥志賀まで走った際に現場を確認、さらに20日、測量業務が行われている現場に遭遇しました。その報告です。

 

 

 20日午後、業者さんが測量されているところです。法面吹付が施された箇所が傷んでいるのが見えます。この日は写真に見える山腹にポールを立て、それを目印に測量されていました。
 今後、山腹の何ヶ所かでボーリング調査をされるそうです。「どうやって、ボーリング用の機器を運び、設置するのですか?」、「モノレールで上げます」。モノレールを設置する箇所の草木がすでに伐採されていました。
 上写真の左下に見える側壁、次の写真のように地すべり圧力で上の方が道路側に膨らんできています。測量業者さんの話では「水は出ていない」そうです。

 


 本年度は測量調査のみで、その結果を見て、対策工事案が検討されます。
この箇所、志賀高原、カヤの平方面から来ると素晴らしい風景が広がるところ。観光面から言って、とても重要な対策工事になります。

 

<お詫び>
 配達が遅れていて申し訳ありません。
 懸命にやっていきますので、よろしくお願いいたします。


6月30日〜7月1日の大雨災害の復旧工事

 31日夜、大音声で「短時間記録的大雨情報」が流された時はびっくりしました。該当した地域は伊那市の方だったようですが。
 九州北部の豪雨災害をはじめとして記録的な豪雨による被害が全国各地で相次いでいます。そんな中、もう1ヶ月前のことになりますが、わが栄村でも国庫負担の対象となる大雨災害がありました。7月1日に発生した道路災害(斜面崩れ)です。その現場を紹介します。
 災害は2ヶ所で発生しました。1つは村道鳥甲(とりこう)線です。極野(にての)から五宝木(ごほうぎ)にむかって進むと、北野集落へ流れる美座川(びざかわ)上流の渓谷の上部を走る箇所があります。地図に赤い印をつけた箇所です。

 


 調査等がすでに実施され、土砂崩れ箇所にブルーシートが張られている状況を7月21日に撮影してきました。次の2枚の写真です。

 

 

 

 もう1ヶ所は村道中条1線。森集落の牛ヶ窪地区(田と畑のみで住宅はなし)に上がる道路です。国道117からの上がり口に「全面通行止め」の看板が出ています。ここも斜面の土砂崩れ。
 7月1日の午後2時頃、地元住民のお一人が「変な音がする」と言って、近所の人に声をかけ、お二人で音のする方向を眺めていたところ、いっきに崩れてきたそうです。

 

中条線の災害箇所(写真奥に見える家は木村文二さん宅)


 鳥甲線の災害は、大雨が収まった後の役場の道路パトロールで発見されました。

 

7月臨時議会で災害復旧予算が成立
 7月1日の強雨はたしかに激しい雨でしたが、こんな災害が起きているとは、私は不覚にも想像していませんでした。
 私が知ったきっかけは7月11日に配布された7月臨時議会の一般会計補正予算書。「梅雨前線豪雨による災害復旧」として2,772万9千円が計上されました(国庫負担1,293万3千円、地方債750万円、村一般財源729万6千円)。
 産業建設課の説明によると、6月30日午後5時からの24時間の降雨量が118mmに達しました(原向に設置されている雨量計のデータ)。
 国に「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」というものがあり、その中で「24時間降水量80mm以上または1時間雨量20mm程度以上」で、道路等の公共土木施設に被害があった場合、国が復旧工事費用の一定割合を負担することになっています。今回の補正予算によれば、国が70%程度を負担することが予定されています。
 村が復旧工事の予算を決定し、調査・測量等を進める中で、災害から2ヶ月以内に国による査定が行われ、国庫負担額が正式に決定される運びとなります。

 栄村の大地震から約6年半。あんな大地震は二度と起こってほしくありません。しかし、自然災害が非常に増えている昨今、改めて災害への緊張感をもって、災害への備えを日頃から強めていかなければならないと思います。


秋山の地すべり災害現場と対策工事の状況

 

 上の写真、かなり衝撃的なものだと思います。
 中津川右岸が大きく崩れています。写真中央部分の地面(工事現場のすぐそば)などはまだ崩落が進みそうな状況です。これは地すべりが引き起こしている事態です。
 場所は、屋敷にある秋山分校から少し下流の地点です。
 写真に見える崖・山の上はじつは国道405号線です。屋敷に下る地点の少し手前の国道脇に赤色灯が設置されています(下写真)。地すべりを感知すると自動的に作動し、赤色灯が点灯・回転するようになっているようです。

 


 昨年度から国交省湯沢砂防事務所の発注で対策工事が行われています。内容は、地すべり発生山腹箇所の地中から水を抜き取るシステムの構築です。昨年度、一定の水抜き取りパイプが土中に入れられましたが、本年度はさらに大規模に水抜き取りを進めるようで、現在はその前提として、前頁に見える工事作業現場でかなり大きくて深い集水升が掘られています。

 


昨年度地中に入れられた水抜き取りパイプの出口

 

現在掘られている集水升

掘削中の集水升は現在の深さが約18m、さらに30m強まで掘り進められる

 

 本年度は、この集水升の設置、続いて、地すべり斜面への水抜き取りパイプの一層大規模な挿入が予定されています。工事の元請は竹花組ですが、下請として十日町市松之山の高橋組という会社が入っています。地すべり多発地域の業者で地すべり対策工事に精通しているようです。
 中津川右岸の崩落個所は、川の流れによって浸食・一層の崩落が予測されますから、護岸工事が必要だと思われますが、「まず、山腹中の水の抜き取り」ということで護岸工事は少なくとも本年度中は予定されていません。
 この地すべり地点の上を走る国道405号線は秋山郷の基幹道路。この地すべりは秋山郷の基幹道路の崩壊・消滅にもつながりかねない深刻な事態です。地元関係者からは「もっと抜本的で早急な対策工事が必要だ」という声も聞かれます。
 この地すべり問題、栄村議会で話題になったことがありません。議会等の場で森川村長の口から出たこともありません。対策工事の担当が国(湯沢砂防事務所)だということが背景にあるわけですが、村の基幹交通網、秋山郷住民の暮らしの根幹に関わる大問題。村政の重要課題として議論されていないことは大問題だと思います。

 

(この他に、極野〜五宝木間の道路、志久見川の護岸補強工事、北野〜天代間の新土合橋建設工事の本年度予定、国道117号線灰雨スノーシェッドに代わるトンネル建設のための地質調査の実施など、レポートすべきことが多いですが、紙面が足らないため、極野〜五宝木間については五宝木住民向け特別レポートを作成し、他の3件は次号で扱います。)


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