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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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初雪の翌日の風景から

 

 森の開田から下ってきた時に目にした風景。
 今日、いちばん最後に撮った1枚です。午後4時20分撮影。
 正面左に見えるのは高倉山、右は鳥甲山。この30分ほど前、開田を上る際には雲海はまだ出ていませんでした。
 栄村で暮らしていても、こういう風景はそう見られるものではないし、撮れるものではないと思います。午前中に上った人の話によれば、開田の上部には30cm以上の積雪があったそうです。しかし、偶々、今日は中条川上流の山腹崩壊地点で、森開田用水頭首工工事と1号崩壊地崩壊斜面の吹付工事の竣工検査があり、その関係で車が走れる状態になっていて、こういう写真が撮れました。
 いつ、初雪が降るか、その積雪量はどのくらいか、初雪時にまだ紅葉の名残りがあるかどうか、こういうことは自然界が決めることで、人間がいくら求めても、この写真のようなシチュエーションを自在に得ることはできませんが、「この道路を12月初め頃までは除雪するとすれば、いい観光スポットの提供ができるなあ」なんて思ったりしました。

 

 

 

 同じく鳥甲山、高倉山が見えますが、こちらは「トマトの国」の前からの撮影。午後2時20分すぎです。
 左手前に見える雪の山は「トマトの国」駐車場の積雪の除雪で出来たものです。今朝は除雪なしでは駐車場に入れない状況でした。

 

 

 横倉の田んぼからの眺め。紅葉の名残りが綺麗な手前の丘陵は青倉の四つ廻りです。飯山線のレールも見えます。午後2時半すぎ。

 

 

 同じく横倉の田んぼから。先の1枚と同じ方角を見ていますが、少し違う場所から、より遠景を撮ってみました。

 

 

 上の1枚と同じ地点から、横倉の民家も視界に入れて撮りました。

 

 

 午後3時40分すぎの撮影ですが、太陽はもう夕陽の感じ。雪が融けた田んぼの水溜まりに夕陽が映っています。

 


 午後4時17分に森の開田から撮った山並み。私には確かではないのですが、左側の山が八海山なのではないでしょうか。夕陽に映えて、少しピンク色に見えました。

 


栄村復興への歩みNo.320(11月18日付)

 

箕作平滝大橋が開通
〜久保田・油科両家3代家族が渡り初め〜

 

 11月15日午前、県道箕作飯山線の全線開通にむけて箕作平滝大橋の開通式が挙行され、箕作の久保田光具さん、平滝の油科仲一さんのそれぞれ3代家族が渡り初めをされました。上写真は、みなさんが箕作側から渡り始め、橋中央に向かわれるところです。
  *久保田光具さんは百合居橋の渡り初めも経験されているそうです。

 


 箕作平滝大橋は全長169m、車道幅5.5m(+路肩、堆雪帯が両側に各1.75m)で、緩やかなカーブと勾配をともなう、非常にゆったりした素晴らしい橋です。今回は、箕作平滝大橋と小箕作橋、取付道路の379mの区間が通行できるようになりました。

 

● 明石大橋の橋脚建設は先月着工、全線開通は2020年の予定
 県道箕作飯山線の箕作〜明石(あかいし)間の交通不能区間を解消する事業は全長2kmに及ぶもので、もう1つの大橋・明石大橋の橋脚建設は先月着工されました。千曲川の水量が減少する冬期に工事が行われるため、今冬と来冬の2シーズンを要し、3年がかりの工事となります。

 


 上写真が明石大橋の建設現場。現在は工事用道路を造っています。写真右手奥に国道117号線白鳥大橋が見えます。対岸が明石地区です。

 

● 60年間に及ぶ悲願の実現へ第一歩。“災害に強い道路ネットワーク構築”が大きく前進
 県道箕作飯山線の箕作〜明石間の開通を求めて栄村と野沢温泉村が期成同盟会を結成したのは60年前。昔は、明石の子どもたちが栄村の学校に通っていて、明石と栄村のつながりは非常に強いもの。明石大橋が出来て、全線開通となれば、明石と栄村の新たな絆が生まれるでしょう。
 今般、箕作〜明石間の整備が進められたのは6年前の震災が直接のきっかけ。栄村震災復興計画の“災害に強い道路ネットワークの構築”を実現すべく、国道117号線が通行不能となった場合のバイパスとして計画されたのです。平成24年度〜27年度は国から「社会資本整備総合交付金(復興)」が交付されました。現在は5年間の復興期間が終わったため、「社会資本整備総合交付金(広域連携)」という枠組みで引き続き国費が投入されています。
 2020年(平成32年)の全線開通へ、みなさん、工事の進捗状況にご注目ください。


笹原〜長瀬間の土砂崩れ・通行止めについて

 本紙前号でお伝えした笹原〜長瀬間の県道の土砂崩れ・通行止めですが、県が応急措置と本格復旧にむけて種々の措置を講じています。
 災害直後の10月26日に太田副知事が北信地域の視察で村を訪れた際に現場を視察。27日には森川村長が県庁を訪れ、油井県建設部長に対策を要望。また、11月13日には、県道秋山郷宮野原(停)線の整備を求める地元期成同盟会が年に1回の陳情で県庁を訪れ、東部と秋山の区長会などが今回の災害に対する緊急かつしっかりとした対策を要望しました。
 県(北信建設事務所)では現在、土砂や倒木の撤去作業を進めるとともに、ボーリング調査などを行い、さらなる土砂流出や冬期の雪崩の可能性などを検討し、通行止め解除(片側通行)の早期実現と来春以降の本格復旧の具体策を詰めています。具体的な策が固まれば、地元住民への説明会を開催する予定のようです。
 11月16日に開催された議会全員協議会(議長提出)では、以上のような状況を議員全員で確認し、いっそうの要望活動などが必要な場合、議会として迅速に行動することを申し合わせました。

 


道路上の倒木・土砂が撤去された(17日午前撮影)

 

災害現場の全体像(急崖の上は原向の田んぼゾーン)

 

崩壊面をクローズアップで見ると、不安定な状態であることがわかる。


ドローンを栄村で積極的に活用しましょう

 みなさん、“ドローン”という名前を耳にされたことはありますよね。また、「実物は見たことはないが、テレビでドローンが飛ぶ様子を見たことはある」という方も多いことと思います。
 そのドローンを栄村でいろんな用途に積極的に活用しようという提案をします。

 


 これはさかえ倶楽部スキー場をドローンで撮影したものです(9月撮影)。村で暮らす人はスキー場を目にする機会が多いと思いますが、こういう角度で見ることはないですね。ドローンだとこういう画像が自由に撮れます。スキーシーズンにも撮影してみたいと考えていますが、さかえ倶楽部スキー場の魅力がアップすると思いますね。

 

● 災害対策、有害獣対策、観光、農業、子どもの競技・・・、色んな用途があります
 本号の3〜4頁でも取り上げている県道笹原〜長瀬間の土砂崩れ災害。こういう災害が発生した場合、ドローンを飛ばせると、災害発生からあまり時をおかずに災害の全体像、土砂崩れが最初に生じた地点の様子などを上空から撮影することができます。すると、災害対策の検討も素早くできるようになります。
 少し初期投資経費が高くなりますが、ドローンに赤外線センサーを搭載して飛ばすと、クマ、イノシシ、シカなどの有害獣が山の中にいる地点を捉えることができます。そうすると、有害獣が里に出てくることを防止したり、駆除したりする対策が大きく進みます。農業では、薬剤散布、田畑の観察・管理などに活用できます。
 観光への活用も無限の可能性を持っています。観光客がゴーグルを着用し、自分がドローンの目となって、空から栄村の素晴らしい景観を縦横無尽に楽しむことができるのです。
 さらに、ドローンは子どもたちの健全な遊び、スポーツ競技にも活かせます。ドローンを操縦することは目と指と頭を使い、その能力を発達させます。先日、栄村の小学校5年生が初めてドローンの操縦に挑戦する様子を見ましたが、子どもは上達が早いですね。

 

● 素晴らしい支援者がおられます。民間と村が一体となって、栄村での取り組みを進めましょう
 ドローンの機種を2つ、紹介します。

 


 これは重量200g以下のドローンで、ドローンの操縦技能を習得する練習用の機材として最適のもの。価格は1万円台です。11月11日にグリーンピア津南で栄村の人が室内練習している際に撮影しました。

 

 

 こちらは「Inspire(インスパイア)」という機種で価格42万円。カメラが付いているのが確認できますが、飛行時にカメラが360度回転します。観光に威力を発揮すること間違いなしです。
 この他、価格26万円程度の機種もあり、災害時の初期調査などは、その機種でできるのではないかと思います。

 

 じつは栄村の隣り、津南町にはすでに「津南ドローン協議会」という団体があります。これを支援されているのが東京の大田ドローン協議会で、松田美房さんという方が月1回のペースで訪れ、さまざまな指導・支援をして下さっています。その大田ドローン協議会、松田さんがボランティアでの栄村への応援の意思表示をして下さっています。
私はすでに村(役場)にも種々の提案をさせていただき、協働で話を進めつつあります。多くの村民の方々のご賛同・参加をいただき、ドローン活用を進めていきたいと思います。


むらの風景

 

野々海池、今季初の雪化粧
11月13日午前の撮影です。
野々海水路の普請はすでに11月5日に終えられています。その際、一部の場所でわずかな雪が現認されましたが、本格降雪は12日夜〜13日朝が初のようです。

 

 


晩秋のアスパラ畑にて
立茎させたアスパラを刈り取る作業が行われているアスパラ畑と紅葉晩期の樹々、そして関田山脈。程久保集落にて17日午後。

 


モクモク上がる薪ストーブの煙
15日夕、秋山郷・屋敷集落にて撮影。


編集後記

  • -
  • 2017.11.20 Monday

・ ここしばらくの間、発行と配達のペースが落ちています。その原因をいろいろ考えてみました。色んな要因が絡んでいますが、いちばん大きな要因は私がこなさなければならない仕事の範囲(種類)が増えていることにあると思うに至りました。
さまざまな仕事、それぞれ必要があって取り組み始めたものですから、「あの仕事は削る」というわけにはいきません。少し時間がかかりますが、やるべき仕事をじっくり見つめ、どういうふうに仕事を廻していけば、「復興への歩み」の制作や配達がうまく定期的にやっていけるのか、考え出していきたいと思います。その中で、みなさまに「こういうことをお手伝いいただけませんか」とお願いすることも出てくるかもしれません。


・ そういう多忙な日々の中ですが、美味しいお蕎麦をいただく機会がありました。森集落の収穫祭です。No.318で紹介したソバ刈り作業をうけて、11月12日、森公民館でソバ打ち、そしてお蕎麦をいただく催しがあったのです。

 


・ 「栄村復興への歩み」を有料化させていただく件ですが、来年2月ないし3月からの実施にむけて、みなさまにご協力・ご支援をお願いする文書を別途用意しました。順次、お届けさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(この文書については、ブログにおいても別途公開させていただく予定です)
 


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