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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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改めて被害の大変さを思い知りました

  私自身の手で被害の実態と被災者の仮設住宅入居の希望等を逐一把握する必要が生じ、電話等で聞き取り調査をする一方、午前中、最も被害が激しい集落の1つ、青倉集落を歩いてまわりました。とくにこの間、足をむけることができていなかった川手地区(第1常会)の最も端の地域をまわり、その被害の大変さを改めて思い知りました。
 まず、2軒の家の写真をご覧ください。




 私の知人Kさんのご両親の家(上)とKさんご自身の家(下)です。ご両親の家はあきらかに傾いています。Kさんのお宅はこの写真でみるかぎり、そんなに大した被害があるようには見えません。2つの家は近接しています。


 ご両親の家を正面から見ると、倒壊してしまわなかったのが不思議なくらいの感じです。

    
 そして、もっと驚いたのが、上写真のこのお宅の前の地面の様子です。上右の写真で右側に斜面に雪があるのが見えますが、その手前から下を見たのが次の写真です。


 赤いのは国道117号線の北沢橋という橋です。その下は千曲川に注ぎ込む北沢川という川。川自体はさほどの水量はない川なのですが、Kさんのご両親の家の手前からいっきにかなり大きな崖になっています。いまは雪に覆われているので、その様子があまりはっきり見えないのですが、この崖がおそらく大きく崩れているものと思われます。
 これと合わせて、先ほどの写真ではあまり被害がないように見えたKさんの家の前を見てみたいと思います。
  

 上写真はKさん宅の前の地面の地割れです。そして、左写真の雪の山状に見えている部分をクローズアップしたものが下写真です。この雪の山は地震で雪崩てきたもので、これが融けたときの様子を想像してください。地盤が川の底にむかって押されていることは明白で、とても危険な状態にあることがわかります。


 この2軒のお家はもう住めないというばかりでなく、この場所に住宅を再建することも難しいでしょう。ご本人もそのように考えておられ、集落の仲間で相談して代替地を探そうという話になっているようです。

 青倉のこのあたりは、そもそも、後方の関田山脈から千曲川にむかって、いまだに地盤の移動が続いていると言われています。
 復興にむけて個人の力には余る被害の深刻さが浮かび上がってきます。
《明日が見える》ようにするために、いま、何が必要か

 さて、今日はこのことについて考えてみたいと思います。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事