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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩みNo.223


 6月7日(土)の午後、わずか2畝ほどの田んぼに7人もの人が入って田植えしている様子です。
 田植えをしているのは埼玉県さいたま市などから来られた人たち。中には「もう5年目よ」という方もおられます。場所は、小滝集落の千曲川のすぐ近くの田んぼ。ご家庭の事情でこの4月に千葉県に移られた加藤彰紀さんが小滝在住期間中ずっと世話をしてこられた田んぼです。千葉移住後も「田んぼはやり続ける」ということで、6月4日に村に戻られ、上の写真の田んぼの他、4枚の田は2条植えの田植え機で田植えされました(平素の水見は小滝の中澤謙吾さんがお世話下さるそうです)。

「土の感触がとても気持ちいい」

 
 2枚目の写真は、初めて田植えに参加された30歳の女性。田植えの感想をお聞きしてみました。
  「田んぼに手を突っ込んだときの感触がとてもいいです」
  「ニュルッとして気持ち悪くなかったですか?」
  「いえ、陶芸の粘土のような感じ。田んぼの水はとても温かった
   ですし」
  「水路で手を洗っておられましたけれど、水路の水は冷たいで
   しょ」
  「はい、とても冷たくて」
  「田んぼには夜の間に水を入れ、日中、太陽の光で田んぼの水を
   温めるんですよ」
  「へえー、工夫されているんですね」

みなさん、お話会のエキスパート
 参加者の中の最も年長者は、「今年で5年目」と仰る近藤幸子(さちこ)さん。

近藤幸子さん

 民話の語りや子どもへの読み聞かせがお上手で、栄村の特養ホーム「フランセーズ悠さかえ」にもボランティアで来てくださっています。震災復興支援のイベントにも。冒頭の写真の田んぼでの田植えが終わった後、2条植え機械で田植えされた田んぼの補植にも入られましたが、転んでずぶ濡れになりながらも夕方5時近くまで頑張られました。
 
「顔が見えているから美味しい」
 田植えに来られた人たちをはじめとして首都圏の人たちがこれらの田んぼのお米を購入されます。         
 そのお値段は“1kg600円”。1俵(60kg)換算すると3万6千円です。栽培は化学肥料を使わず、有機肥料しか使わないというもの。除草は手作業、乾燥は天日干しです。収量は反収4俵程度にとどまりますが、36,000×4=144,000円で、反収8俵でJAに出荷した場合の最大1万4千円×8=11万2千円よりも収益ははるかに高いんですね。
 田んぼ(田植えや稲刈り)を通じて都会の人とむらの人が触れ合う機会が生まれ、「作り手の顔が見えるから美味しい」となります。

他にも田植え交流がいくつか
 この加藤さんたちの田植え交流とほぼ同じくらいの期間にわたって続いている田んぼの交流としては、東京・駒場保育所の園児たちと笹原の関沢義平さんご一家の交流、青倉・西山田での田んぼでの駒場保育所父母OBとの交流などがあります。

田植えの前にタケノコとりも体験(青倉)
(田植え後の昼食は自分が採ったタケノコでタケノコ汁)

 駒場保育所の給食のご飯は青倉米です。通常市販のものよりも割高ですが、子どもたちの健康を考えて購入されています。お味噌も斉藤勝美さん手製のものです。     
 
田植え交流をもっと広げ、栄村の価値を高めていく

 信毎などを読んでいると、棚田を活用した田植え交流が県内いろんなところで活発に行われています。都会の人との交流だけでなく、地元の小学生の棚田での田植え体験というのも目立ちます。
 地域が活性化しているところは必ずといっていいほど、田植え交流を盛んにやっています。個人やグループがやっているだけでなく、行政なども力を入れています。
 “手植えでの田植え”――効率だけを考えれば、「やってられない」ものですが、経済効率以上の大きなものを生みだします。
 前号などで紹介したように、村のご家族で手植えをされている方もおられます。そういうケースも含めて、村のみなさんの力で田んぼをめぐる交流をもっともっと盛んにしていくといいなと思います。
 

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