プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

小谷村・白馬村情報12月10日

小谷村の家屋・宅地地盤被害の具体的様相
 ㈳中越防災安全推進機構の阿部巧さんが9日、小谷村に入られ(3回目)、情報を寄せて下さいました。阿部さんは栄村の震災時、栄村に駆けつけて下さり、3月から5月にかけては連日のように栄村で動いて下さった人で、栄村では知る人が多いことと思います。
 
 阿部さんが送って下さった写真から3枚、紹介させていただきます。



「屋根に上がっての雪下しが必要だが、危険を感じ『とても上がる気になれない』」と阿部さんは書いておられます。「とても上がる気になれない」というのは住人の言葉です。
 家が波打ち、写真中央には大きな亀裂が見えます。



 阿部さんのコメント。「家の中から外に抜けるようにクラックが入っている。家だけでなく、宅地被害も大きい。この場での再建は不可能との認識を皆している。この点も中越と酷似した状況と感じる」。
 補足しますと、阿部さんが「この場での再建は不可能」と判断されているということではありません。被災者の方がそう認識されているということです。阿部さんは「いまこそ、中越での経験を小谷の人たちに提供するとき」と認識されています。
 私は栄村震災の事例では坪野集落で多かった被害と似ていると思います。震災から一定の期間が過ぎてからですが、地盤のことがわかる専門家の方から、「宅地の基礎を作り直せば修復可能」という判断を聞いたことがあります。
 しかし、そういう基礎(地盤)の工事には膨大な費用がかかり、栄村での震災の際、そういうことへの国等の補助は基本的にありませんでした。
 今度の地震では、長野県が家屋の被害だけでなく、宅地の被害の調査にも入っていて、栄村の震災の時との違いが見られます。この調査が復旧への支援(補助)につながるのかどうか、1つの注目点だと思います。


 
 阿部さんのコメント。「村の多くは『くず屋』、人が住んでいれば家の中が暖まり少しずつ落雪するが、人が住んでいないので、雪が落ちにくい。落ちる時は多量の雪が一気に落ちるので、家への負担は相当あるように感じる」。
 「くず屋」というのは栄村の人たちにはわかることですが、都会の人には馴染みがない言葉でしょう。茅葺きの家のことを言います(現在は茅葺きの上にトタンがはられている)。
 阿部さんが「人が住んでいないので…」と言っておられるのは、空き家だということではなく、今回の震災で越冬のための応急措置をしたうえで、住人は今冬の間、避難するということです。非常に厳しい問題です。
 
 中越防災安全推進機構は交替制で小谷村に常時駐在する体制をとっておられます。阿部さんのご協力を得て、さまざまな情報を提供していきたいと思います。
 
仮設住宅の建設始まる
 10日付の信毎で白馬村での仮設住宅建設が始まっている様子が報じられました。写真入りです。
http://www.shinmai.co.jp/news/20141209/KT141209FSI090006000.php
でご覧になれると思います。
 記事によれば、8日から工事が始まり、9日は「基礎」ができたようです(仮設の「基礎」は木の杭を打ち込み、その上に鋼の土台を設置するというもの)。
   *「仮設住宅」が「仮設」といわれるのは、「仮住まいの家」
    だから仮設と呼ぶということではありません。建築基準法で
    定められた建築物の基礎を有していない建物なので「仮設」
    と呼ばれます。
 「基礎」ができれば、建物は基本的に予め規格に従って加工された材を組み立てる方式なので、建てるのにそんなに日数を要しません。「年内完成・入居」が目指されていますが、内装に結構の時間を要するのではないかと思います。
 
 なお、工事を担当しているのは「大和(だいわ)リース」。栄村の時と同じ会社です。
 各都道府県は震災等に備えて、あらかじめプレハブ業者と一定数の仮設住宅の建設について契約を結んでいます。契約を結んだ業者側は一定数の仮設住宅用の資材を常時用意しておくことになっています。栄村の震災の時は、長野県が45世帯分をあらかじめ契約していました。

JR大糸線、国道148号線の復旧
 JR大糸線は7日、不通になっていた白馬駅−南小谷駅間が開通し、全線復旧しました。
 また、同じく白馬村(北城)−小谷村(千国)間で不通になっていた国道148号線が9日、片側通行規制で仮復旧しました。物流関係の大型車、小谷村のスキー場観光にとって大きな力になると思います。
 
農地・農業用施設被害、20億円超で栄村の震災を上回る
 9日の信毎は、長野県が8日、今回の地震での農地、水路、農業用施設の被害総額が約20億6040万円に上ると発表したと報じています。積雪でまだ確認できていない被害もあるため、総額はさらに増える見通しです。
 この被害額は栄村の震災での18億9300万円を超えるものです。
 また、県農政部が、これとは別にキノコなどの農水産物被害が8228万円あったことも発表したと報じています。
 栄村のキノコ生産者の話では、栄村の時は震災でダメになってしまったキノコの被害額の調査はなかったとのこと。
 今回、被害額が算定されたことが被害の補償等に結びつくのか、注目したいと思います(なお、キノコ生産には稲作のような共済の制度がないそうです)。
 
道路など土木施設の被害は計300箇所、65億円
 これも県建設部の発表として、9日の信毎が報じています。
 
国が白馬村と小谷村を激甚災害に指定へ
 山谷防災担当相が9日の記者会見でその考えをあきらかにしたとのことです。
 この指定がされるかどうかは復旧にとって非常に大きな問題です。
 農地や道路などの災害復旧経費には通常、国は2分の1程度の補助しかしませんが、激甚災害に指定されると、補助率が8〜9割に引き上げられるのです。
 ただ、2つの問題があります。
 1つは、被害額(→復旧に要する費用)の大きさから、補助率が「8割」と「9割」では村の負担額は億単位で違ってきます。「激甚災害の指定」で安心することなく、補助率がどうなるか(どうするか)に注目しなければなりません。
 2つは、指定対象が白馬村と小谷村に限られ、小川村、大町市、長野市などの被害の復旧には通常の補助率しか適用されないという問題です。法律の細かな規定がありますが、今回の震災被災地全体を一括して激甚災害に指定するというような政治的決断が政府に強く求められると思います。
 
 本日はここまでとします。
 「小谷村・白馬村支援基金」へのご協力をよろしくお願いします。


この記事のトラックバックURL
トラックバック