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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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「平滝発 長野行」切符が人気を高めています



 飯山線・平滝駅で1月10日に発行された「三才 長野間ゆき」の切符です。
 この切符、3月13日までしか購入できません。3月14日からはもう発行されない(できない)のです(その理由は後で書きます)。
 このため、鉄道ファン、とくに切符収集者の間で人気を集め、この切符を買うために栄村までわざわざやって来る人が増えています。(切符があらかじめ印刷されたているものに日付を押して発売するもの常備券というそうです)

東京の人、兵庫県の人、坂城町の中学生…

 10日、平滝駅11時40分着の森宮野原行の列車からお一人が雪の降り積もったホームに降りてこられました。東京の人です。
 「切符を購入したいのですが」。駅窓口で駅長の油科正見さんに告げられます。すると、油科さんも慣れたもので、「9種類で、合わせて3千4百円です」とお答えに。その切符が窓口の台にズラッと並べられたのが下の写真。



 私はこの方から事前に、「平滝で切符を購入し、12時9分の列車で白鳥駅に向かいます」とお聞きしていたので、白鳥行の切符を購入されるのだとばかり思っていたので、びっくりです。
 
 間もなく、12時9分発の長野方面行きの列車が来て、この東京の人は乗車されましたが、それと入れ替わりに一人の中学生が同列車から降りてきました。
   「栄中の中学生?」
   「いえ、坂城中です」
   「坂城町の坂城?」
   「はい。ちょっと用事があって来ました」
 私が「?」と思っていると、駅窓口に向かい、「長野行の切符をください」と切符を購入しています。やはり切符収集者のようです。
 この後、私が白鳥から森に向かって白鳥大橋を軽トラで走っていると、この坂城中生が白鳥にむかって橋上を歩いています。



 上写真の右手に写っているのがその中学生です。また、左手の男性は兵庫県尼崎(あまがさき)市から来られた人。午後1時すぎに白鳥駅の待合室で撮影させていただきました。お二人とも14時台の長野方面行きの列車に乗り、兵庫の男性は金沢へ、坂城中生は信越線の古間駅(黒姫駅の1つ手前)に行かれるそうです。古間駅に向かう理由は、古間駅が信越線唯一の委託駅で常備券を購入できるからです。

行き先駅名が印刷された常備券は非常に珍しいそうです

 いま、たとえば長野駅や首都圏などのJR駅で切符を購入する場合、自動券売機で買いますが、その切符は購入者が押した金額ボタンにしたがって、自動券売機がその都度に印刷します。全国のJR駅で発行される切符のほとんどはこのタイプのものです。
 他方、2頁の写真に見られるように、栄村の各駅で発行される切符には行き先の駅の名前があらかじめ印刷されています。同じ常備券でも上記の古間駅の場合は「古間→260円区間」というように印刷されていて、行き先駅名は印刷されていません。ですから、栄村の各駅で発行される切符は切符収集家にとっては特別な価値があるものなのです。これに加えて切符が硬券(切符の紙が現在のものよりももっと厚く、硬いもの)であれば、もっと申し分ないのですが、さすがにそれはありません。

北陸新幹線開業による変化
 来たる3月14日、北陸新幹線が開業し、飯山駅に1日上下12本の新幹線が停車します。
 この北陸新幹線開業に伴い、信越線の長野〜妙高高原駅間が第三セクター・しなの鉄道(北しなの線)に移行します。飯山線の運行はこれまで通り長野駅〜越後川口間で行われますが、長野〜豊野間はしなの鉄道区間を走ることになります。そのため、栄村村内のJR駅で発行される切符は豊野までのものとなり、2頁に書いたように「三才 長野間ゆき」という切符は発売されなくなります。
 3月13日まで、この切符を求めてかなり多くの人たちが栄村の4つの駅を訪れるでしょう。


白鳥駅で珍しい2千円札を出して切符を購入する東京の男性

飯山線の値打ちはどんどん上がっていくでしょう
 栄村の4つの駅、そして飯山線を訪れる人は、3月14日以降も減ることなく、逆に増えていく可能性が大です。
 10日(土)の夜、テレビ朝日系で放映された土曜ワイド劇場をご覧になった人、少なくはないことでしょう。サスペンスものですが、飯山線が舞台になりました。残念ながら栄村の駅は登場せず、戸狩野沢温泉駅と十日町駅だけが頻繁に登場しましたが、沿線の景色の良さがドラマの舞台に飯山線が選ばれた理由の1つであることはドラマの映像構成を見ればあきらかです。北陸新幹線から接続して飯山線に乗ってみようと思う人は増えるでしょう。
 また、JR東は今春から飯山線に観光列車「おいこっと」を走らせることを発表しました(「妻有新聞」1月9日号参照)。同列車が走るようになれば、国道117栄大橋上から写真撮影しようと栄村を訪れる「撮り鉄」(列車写真を撮る鉄道ファン)も増えるでしょう。


白鳥駅に置かれている旅の思い出帳
旅人が置き、数年に一度、回収に来られます

大事なことは栄村が何を発信するか
 飯山線で観光する人はまちがいなく増えますが、問題はそのうちのどれだけの人が栄村の駅に降り立ってくれるか、さらには栄村に宿泊し、村内観光を楽しもうというところまで進むか、です。
 それにはイベントを行うことももちろん必要でしょうが、観光列車が毎週末に走るとなれば、毎回イベントをやるというわけにもいかないでしょう。イベント以上にもっと大事なことがあると思います。<平素からどういう情報を発信するか>です。
 まず求められるのは、「美味しいお昼を食べられるお店」情報、ちょっと2時間ほど散歩できるコースの案内(ガイドが案内してくれればベスト)などですね。こういう情報が駅で見られる、「栄村」をネットで検索すればすぐに分(わ)かることです。また、そういう情報が定期的に(少なくとも週1回、理想的には1〜3日に1回)更新されていることです。聞くところによると、私のブログを見て、今冬、栄村を訪れて下さった方がおられるそうですし、10日に平滝駅に切符を購入しに来られた方も「復興への歩み」ブログ版の「お問い合わせフォーム」経由で連絡をとってきてくださいました。栄村役場のHPを開けば、飯山線に関する情報がTOPに出てくるといった取り組みもほしいですね。
 ばかでかいハコモノを作るだけが能ではありません。ちょっとした気遣(きづか)いが栄村を変えていくと思います。


活躍する飯山線の除雪車。「見たい!」という人は多い。これ
は配達中の車内から急きょ撮ったものですが。


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