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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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白馬村の状況3月8日

 約2か月ぶりで白馬村に行ってきました。2月下旬に神城・堀之内区区長の鎌倉宏さんからご連絡をいただき、できるだけ早く行きたいと思っていました。

 地震で傾いていたお宮・城嶺神社が雪の重みで潰れました
 今回の訪問の直接の目的は、12月に雪の重みで潰れてしまったという城嶺神社の状況を自分の目で確かめることにありました。
 お宮は堀之内区の集落から40mほど高い台地の上にありますが、お宮に至る道は急峻です。

 
お宮のある山


この坂を上る。雪に足をとられ、大変だった。
  
 坂を上りきり、目にした光景は信じられないものでした。
 1枚目が3月8日撮影、2枚目が11月28日撮影です。





 11月撮影の写真の左側に見えていた拝殿が見えません。3月8日撮影の真ん中に見える少し雪がこんもりしたところ、これが、拝殿が潰れた跡なのです。そして、8日撮影の写真で写真左手に屋根が見えますが、これは本殿。11月28日撮影時には拝殿の真後ろにありました(次の写真の左手が拝殿、右手が本殿。横手から撮影)。右へ傾いていた拝殿が雪で押されて、屋根の位置が大きく右へずれる形で潰れているのです。



 また、1枚目の写真で本殿は前方へ大きく傾いています。
 拝殿の潰れ方をもう1枚の写真でご覧ください。


拝殿は屋根だけが残り、下の空間がすべて押し潰されています。

再建へ踏み出す堀之内区の人びと
 区長・鎌倉さんのお話では拝殿の雪の重みによる倒壊が現認されたのは12月19日。倒壊を防ぐ突っかい棒を立てる段取りを詰めている矢先のことだったそうです。
 堀之内区の人びとはそれでもめげず、1月10日、新年祭に替わる復興祈願祭を行い、さらにお宮の再建計画をたてておられます。
 お宮の再建には公金の支援は入りませんので、自力再建。当初1千万円程度での再建を構想されましたが、大工さんとの詰めで2千万円を要することが判明しました。堀之内区でこの所要額を寄金で募ろうと計画されています。
 8日はその寄金集めの方法について鎌倉さんといろいろとお話しました。
 私は「小谷村・白馬村を支援する栄村有志の会」のみなさんに報告し、みなさんからお寄せいただいた「小谷村・白馬村支援寄金」からの拠出を検討していただくとともに、お宮再建にむけての情報発信に協力させていただきたいと考えています。

仮設コミュニティーセンターの建設を早ければ4月に
 白馬村の被災地の現在の積雪は栄村の半分くらいという感じでした。



 雪消えと共に復旧・復興へ大きく動き出すべく、さまざまな準備が行われています。
 その1つが堀之内区の公民館の再建。県に要望されたようですが、「仮設住宅の敷地内でないと建てられない」とのことで、堀之内区の中に仮設のコミュニティーセンターを自力設置する方向で検討されています(堀之内区と仮設住宅は徒歩では15〜20分かかるくらい離れています)。やはり区の中でみんなが寄り合って、議論できる場が不可欠です。
 検討されている案は、私たちが震災の年、青倉で建てたのと同じくコンテナハウスを使うものです。3連棟の平屋の計画だそうで、青倉仮設公民館の1階部分と同じようなものになると思われます。レンタル料が月額20万円で、9ヶ月間の仮設を予定されています。
 建設予定地はお宮の下にある空き地(下写真)。お宮再建とワンセットで考えられているのです。
 4月26日にお宮の春祭が予定されていますので、それまでに設置したいとのことでした。


 
被害状況の把握が区自らの手でしっかり行われています
 私が鎌倉さんのお宅を訪問したのは午前10時すぎ。訪問は2度目ですが、1度目は復旧工事前で家の前での立ち話で、お家の中に招き入れていただいたのは今回が初めてです。お部屋に案内されて驚いたのは、机の上や周辺に地図や書類がいっぱい置かれていたこと。



 その1枚が上の写真のものです。「地滑り」、「擁壁倒壊」、「クラック」などの文字が地図に書き込まれています。堀之内区の被害状況図です。お話によれば、避難所にいる段階から作成されていたとのこと。また、これとは別に、「ゼンリン住宅地図」に、住家と非住家のすべてについて全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊の色分けを塗り込んだものもあります。
 堀之内区は、震災発生以前に、防災マップを作成していて、地震時、家の下敷きになった人などの救出がスムーズに進んだことが当時のニュースで報道され、大きな話題になりましたが、震災後の取り組みにも括目(かつもく)すべきものがあると思います。
 
住宅再建と農地被害状況の把握にむけて

 被災者の現在の大きな関心の1つは住宅の再建問題です。
 堀之内区は76世帯で構成され、7つの組から成りますが、組の中にほぼ全世帯が仮設住宅に避難されているというケースもあります。高齢者のみの世帯も多く、公営住宅の建設を期待されている方も多いようです。
 すでに山古志を視察されたようですが、私は2つのことをお伝えしてきました。1つは、「入居希望者は『入れていただけるだけで有難い』という気持ちで、公営住宅の設計等についてなかなか希望、意見を言えない。そこを打開する必要がある」こと。2つは、「マンション形式ではなく、栄村と同じく長屋形式が望ましいが、岩手県大槌町の公営住宅のように縁側があるものが望ましい」ことです。
 農地については、鎌倉さんは「雪が降る前は住宅等のことで手一杯で、農地の被害はまったく把握できていない」と話されていました。
 
総合的な支援が求められていると思います
 もうすぐ春。白馬村の被災地が動き出そうとしています。
 白馬村も栄村と同様、農村特有の“総合的・複合的な被害”に見舞われています。県は全力で復旧・復興に取り組んでくれていますが、住宅、道路、公民館、お宮、農地、水路等々、総合的な取り組みが必要で、さまざまな個人・団体が連携して、総合的な支援を行うことが求められていると思います。
 堀之内区では3月22日に区総会が開催され、同日午後には、白馬村北城と姉妹関係を結んでいる和歌山県大地町の人たちが応援に駆けつけられます。
 できれば3月22日も訪問して、さらにレポートを重ねていきたいと思っています。


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