プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

栄村復興への歩みNo.282

直売所つながり







 3枚の写真。まず、それぞれを説明します。
 1枚目は「こめっこ シフォン えごま」というケーキです。2枚目は森集落の小林昇子(のりこ)さん。栄中の下にある畑で撮らせていただきました。3枚目は直売所かたくりで販売されている卵です。
 さて、この3つがどうつながっているのか、です。

 早河聖光(きよみつ)さん、直売所かたくりに卵を出荷されています。森集落の隣、羽倉(はくら)集落(津南町)にお住まいです。その早河さん、奥さまの史恵(ふみえ)さんから「えごまを手に入れてほしい」と言われ、直売所かたくりで小林昇子さんが出荷されているえごまを購入されました。その時、直売所の小林高行さんから昇子さんのお家を教えてもらったそうです(高行さんと昇子さんは姓が同じ小林ですが、親戚関係ではないそうです)。
 史恵さんは昇子さんのえごまを使ってシフォンケーキを作られました。そして、早川さんが出来上がった「こめっこ シフォン えごま」を昇子さんのお家に届けられました。すると、昇子さんは、「えごまを作っている仲間が私の他に二人いるんだ。そのしょ(=人)のえごまも使ってくれや」と話されました。青倉の高橋キヨさんと野田沢の山本保子さんです。
 そういう訳で、3枚の写真が直売所かたくりを介してつながているのです。



 えごま入りのシフォンケーキ、津南の清水フードの敷地内にある「ママのおやつ」(上写真)で製造・販売されています。えごまのプチプチ感がとてもいいです。早河史恵さんは神奈川県藤沢市生まれ。聖光さんは東京育ちで、19年前にご夫婦で津南町に移住して来られたそうです。株式会社フェアリーズファームという農業生産法人をたちあげておられ、二人の息子さんを津南町で育てられました。「移住者」「起業家」という2つのキーワードがあてはまる方ですね。史恵さんは「地元産」の原料にこだわってケーキを作っておられます。

「少しでも稼げるというのは張り合いがあるね」(昇子さん)
 2枚目の畑の写真の草が生えていなくて、白い切り株の見えるところが、昇子さんがえごまを栽培されているところ。
 「えごまをつくるようになって10年くらいかな。これまでは全部まとめて1ヶ所に売っていたんだけど、値が安くてね。去年から直売所で自分で値をつけて売れるようになった。少しでも稼げるというのは張り合いがあっていいね」。畑のそばでお聞きした昇子さんの言葉です。有名な徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」の生みの親、横石知二さんも「1円でも多くの報酬を得られる」ことが大事だと言っておられます。
 直売所が村のかあちゃんに張り合いを生み出し、人と人のつながりも生み出す。そして、より付加価値のある地域商品(ケーキ)が出来てくる。
 これこそ、私たちがこれから目指していくべき村の姿、産業おこしのモデルなのではないでしょうか。

 

この記事のトラックバックURL
トラックバック