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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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子どもたちの通学問題が深刻


飯山6:39発  森宮野原7:45着
森宮野原16:54発  飯山18:12着

これはJR飯山線の時刻表です。朝の飯山発で森宮野原まで行く列車はこれ1本です。逆に森宮野原から午後3時以降に出る列車で一番早いのはこの16:54発の列車です。

この時刻表を掲げたのは、飯山の仮住居に住む子どもたちの通学がこの列車を使うことになりそうだからです。
私はHさん宅を訪ねた後、同じ雇用促進住宅の別の棟に引っ越されたばかりのTさんを訪ねました。小学生のお子さんが二人いるお母さんです。
私が訪れたのは昼過ぎでしたが、午前中、同じく小学生をもつお母さん3人が集まって相談をされたそうです。

というのも、父母の強い要望があって、村は昨日から飯山〜学校間の通学用の車を出すようになったそうですが、その時の条件が「5月になってJR飯山線が運転を再開したら、送迎の車はやめる、列車通学するように」というものだったというのです。村の言い分は「公共交通機関があるのに、同じ路線に車を走らせることはできない」おいうものだそうです。
こんな馬鹿げた話があるでしょうか。


 小学校に入学したばかりの1年生に、朝6時39分の列車に乗り(駅まで徒歩で10分はかかるので朝食等を考えれば5時ないし5時半起床になる)、家に帰りつくのは夜の6時半近く、という生活を強要するというのでしょうか。
この問題は、このお母さんが4月6日の仮設住宅説明会で、「飯山では困る。一刻も早く仮設住宅に入れるようにしてほしい」と村長に訴えられた時にすでに話されていたことです。

低 学年は学校が早く終わります。16:54発の列車まで相当長い時間、待たなければなりません。ところが、学校はその時間、「責任はもてない。学童保育に預 けて下さい」と言っているそうです。低学年の学童保育は有料だそうです。震災で仕事を失い、生活費の確保に困っている人もいるときに、なんということで しょう。

<「避難所に戻りたい」>
このお母さんは、「引っ越して来たばかりだけど、避難所に戻りたい」と言われます。これを痛切な叫びと言わずして何と言うべきでしょうか。
また、「我儘かもしれないけれど、この住宅も確保していただいて、学校のない土日はここでゆっくり休めるといいのですが」とも言っておられました。「我儘」なんかではありません。
住民をここまで追い詰めるようなことは、行政として絶対にあってはならないことです。

私はNPOなどが車を出してでも、子どもたちが楽しい学校生活が送れるように支援したいと思っていますが、ひとまずは、行政当局にこの問題をどう考えているのか、お母さんたちが納得できる回答を出してもらいたいと思います。

4/20追記 親御さんたちが相談され、ひとまず、「親が交代で車を出して送迎する」ことになったそうです。