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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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9月定例会での松尾まことの一般質問

I. 「村の防災体制について」

 

 台風10号で大きな被害がもたらされました。災害によって亡くなられた北海道や岩手県の方々に対して、心からの追悼の意を表します。

 栄村はいうまでもなく、5年前に大地震に見舞われました。幸いなことに全国的なご支援をいただき、震災の爪痕がほとんど見られないほどに復旧が進んできました。たいへん嬉しいことです。しかし、一度、震災を経験したからといって、「もう災害に見舞われることはない」などということはありません。全国から大きな支援をいただいた自治体であればこそ、全国の模範ともなりうるような防災体制の確立・充実に努めなければなりません。

 

1. 奥志賀公園栄線の災害をめぐって
 そこで、まず第1に、7月末に奥志賀公園栄線で落石・土砂災害が発生し、8月10日午後4時まで通行止めとなった件について、質問します。
 本災害の発生については県建設事務所から村に連絡があったものと思われますが、その連絡を受けて以降、8月10日の通行止め解除に至るまでの間の、村の対応について、時系列に沿って報告、説明を願います。
 また、通行止めが解除されたのは、災害箇所の応急復旧工事が完了したからですが、村長が公約等で掲げている「奥志賀公園線の5月1日〜11月30日の7か月間通行可能化」という観点から見た場合、応急復旧工事の内容・結果をどのように評価されているか、考えを示してください。

 

2. 大雨警報への対応について
 第2に、7〜8月の間、長野地方気象台から頻繁に発令された大雨警報についてお尋ねします。
 警報は発令と同時に、村内放送で地方気象台の告知がなされます。
 その告知では、「土砂災害のおそれがありますので、川の流域等にお住まいの方は警戒してください」という趣旨のことが言われます。
 台風による大雨で土石流が発生し、避難指示によって避難した経験をもつ者としては、こういう告知放送を聞くと、ギクッとします。ましてや、その後の対策工事が未完了の状態ですから、なおさらのことです。
 しかし、大雨警報が出されても、自分が暮らす地区では晴れている、また、雨が降っても、ごくわずかな降雨にとどまるというケースが少なくありません。
 こういうことが何度も続くと、大雨警報が出ても、多くの人が無警戒なままで日常の暮らしを続け、本当に大雨がきたとき、避難等に遅れが生じる危険があります。とりわけ、最近の豪雨は非常に短時間に突如発生して、気象警報も間に合わない傾向が強まっているだけに心配です。
 「栄村に大雨警報発令」といっても、栄村の村土は広く、大雨の可能性があるゾーンは限られたものであることは間々あります。
 そこで、村役場が、行政組織としての能力を発揮して、より具体的かつ詳細な情報を村民に提供することが必要かつ大事だと考えます。
 村は、この7〜8月期の大雨警報発令時に、いま申し上げた意味で、村としての対応をどのようにとったのか、お答えください。

 

3. 県所管の災害復旧関連工事と村の関与について
 第3に、以上のこととの関連で、県所管の災害復旧関連工事について、村はどのように関与しているのか、ないしは関わっていないのかについてお尋ねします。
 先ほどお尋ねした奥志賀公園栄線の場合も応急復旧工事を所管したのは県でしたが、他にも、地震による中条川上流の山腹崩壊、鳥甲線脇の法面崩落危険箇所など、県が復旧対策工事を所管しているところが多々あります。
 災害当初においては、村が県に被害状況を知らせ、復旧対策工事を要望した経緯があると思われますが、復旧対策工事は1年では終わらず、途中、予算不足で工事がストップする場合すらあります。
 そういう中で、県が所管する未完の災害復旧工事等については、工事予算が村予算に関わらないこともあってか、村政の場で話題になること、議論されることがあまりありません。
 こうした県所管の災害復旧工事等について、村はどのように関与しているのか、進捗状況の把握や工事促進の要請などがどのようになされているのか、お答えください。

 

〈質問気紡个垢訖浩鄲篠垢療弁要旨〉
* 栄線は重要路線である。
* 5月1日から11月末まで通行可能にしてもらいたいと訴えている。
* 過日、県議会の関係で、訴えさせてもらった。
* 秋山郷住民約200人が北信総合病院に行く、飯山日赤に通うのに、こちらの道路を通れば30分くらい早く着く。
* 村の防災体制については、地震災害や風水害などについて地域防災計画に基づく対応をとっている。

 

〈質問気紡个垢訌輒害歡垢療弁要旨>
* 村職員の中には気象の知識をもち、今後の見込みを判断できるものはいない。
* 気象庁、国・県の情報を基に万が一の災害に備える態勢をとってきた。防災計画に基づく第一次警戒配備だ。村の防災担当、総務課長が警戒にあたる。
* 場合によっては消防団へ待機命令も出したり、万全の態勢をとってきた。

 

〈質問気紡个垢觧唆鳩設課長の答弁要旨>
奥志賀公園栄線通行止め関係
* 7月28日13時56分、北信建設事務所中野事務所より「13時00分から土砂崩れによる通行止め」のFAX。
* 14時、北信建設事務所中野事務所より規制看板を設置する旨の電話。
* 14時10分、役場から村の商工観光課、振興公社、観光協会、道の駅にFAXで情報提供。
* その後、全村向け告知放送。19時40分にも同内容の告知放送。
* 7月29日9時00分、北信建設事務所中野事務所より、現地の状況、対応方法について電話。
* 9時30分、上記の内容を商工観光課、振興公社、観光協会、道の駅、津南町商工観光班にFAX。
* 8月1日、17時00分、早期通行止め解除を要請する旨、当方から北信建設事務所に要望。
* 8月2日13時30分、北信建設事務所中野事務所より、「8月11日通行止め解除の予定で工事中、あくまでも予定であることを前提に観光関係者に伝えてほしい」旨の連絡。
* 同13時45分、商工観光課、振興公社、観光協会、道の駅等にFAX。
* 8月3日から9日までの間、随時、北信建設事務所中野事務所に定期的に連絡し、工事進捗状況等について情報を得る。
* 8月10日15時34分、北信建設事務所中野事務所より「8月10日16時00分をもって通行止め解除」の連絡。
* 同15時45分、商工観光課、振興公社、観光協会、道の駅、津南町商工観光班、切明リバーサイドハウス、雪あかり、雄川閣に上記内容を連絡。
* 7月28日から8月10日にかけて、村ホームページに通行止め情報を掲載。

 

県所管の災害工事等
* 県所管工事はいわゆる管理区分にもとづき所管部署が対応。中条川の場合、下流は県建設部、上流は県林務部、用水路等は栄村。
* 施工業者が複数入る場合、安全協議会を立ち上げ、調整。必要に応じて、関係地区住民向けのチラシ作成、説明会開催をする。


答弁を受けての松尾の発言
 改めて答弁は求めませんが、まず奥志賀公園栄線の件。
 経緯は承知しました。実は今回のはあくまでも応急復旧工事であり、現場を見てきたが、今回の応急復旧で設置されたのは本当に応急的なネットが二つで、素人考えですが、おそらく冬の積雪の圧力には耐えきれないのではないかと考えられます。
 そうすると、今春も問題になったが、たとえ奥志賀公園栄線の春の除雪が終わったとしても、それからまた対策工事をやるということで、除雪が終わってさらに1ヶ月間位開通が遅れるということが起こり得ると思います。それを避ける、村長も言っている5月の連休期間から使えるようにということであれば、この秋、本格的な積雪の前に現在の応急措置からもう一歩踏み込んだ対応をしていただくように県に要望しないと、これは来春に非常に大きな影響が出ると思います。その点のご努力をお願いしたい。
 

 2つ目の大雨警報関連ですが、総務課長が言った、「村として万全の態勢をとっている」というのは法令上の問題とか、あるいは防災計画との関係では問題のない態勢をとっていることは重々分かるが、そのことと村民が何を知り得て、どう備え得るかということとは、やはり次元が違う。総務課長が言った「気象の知識のある職員はいない」というのは事実そのとおりだと思うが、現在はごく普通の一般市民であっても気象庁のホームページにアクセスして、「高解像度降水ナウキャスト」というものをみれば、1時間前から見ている時間の1時間後まで雨雲がどのように動くか、栄村の画面がこれ位の画面(手で画面の大きさを示す)で出てきます。
 この間、大雨警報が出た時はだいたい私は覗いていましたが、「今ちょうど奥志賀公園栄線のカヤの平付近が真っ赤になっている。そこから1時間後の予測を見ていると段々それが切明の奥に移っていく。一定の降雨量を越えた時は県建設事務所が奥志賀公園栄線を通行止めにする。1時間後、切明のもう少し奥の方に雨雲が行けば、そこからさらに30分、1時間後に切明温泉より下流の中津川が非常に水位が上がってくる」。こういう見当がつくわけです。
 実は昨年一度だけ情報防災係がそういう情報を告知放送で流してくれています。こちらは全く晴れているのに大雨警報が出て不思議だと思ったら「今、野反湖のところで非常に強い雨が降っているので、この後中津川で水位が上がる危険性があるので、中津川流域の方は警戒してください」という放送が流されて非常に助かったことがあります。
 今週の日曜日の夜に「NHKスペシャル」で最近の異常気象についての放送がありましたが、東京大学の専門家が「高解像度降水ナウキャスト」を紹介して、「これはスマートフォンで見られるから、国民の皆さんはみんなこれで情報を得て、自分の地域にいつ大雨がくるのか、自分で判断するように」と、推奨していました。
 ただし、栄村の場合、高齢者の方が多くてスマートフォンを使うとか、パソコンを開くとかいうことができない、あるいはそういう習慣のない方が多くおられますので、役場の情報防災係でそういうものを大雨警報が出た時に見て、「今、何処で実際に大雨が降っている」とか「1時間後こういう予測を気象庁がしています」という情報提供をしていただければ、いわゆる「狼少年」になることは避けられるのではないかと思います。そのことを是非一つ検討していただきたい。


 3点目については産業建設課長からお答えいただいたことはよく分かるが、たとえばこういうことをちょっと考えていただきたい。3月議会では間に合わないかもしれないが、県の予算が固まった段階で、「栄村関係の災害復旧工事の今年度の国、県の予算はこういうふうにつきました。したがってこういうふうに工事が進む予定です」と全村民にあきらかにしてもらいたい。
 これは村全体の防災態勢の強化という意味で、村の取り組みの成果ですから、国、県が取り組んでくれるということも村政の一つの報告として村民の皆さんにお伝えするというふうに努力していただきたい。
 以上はすべて要望ですので、改めて答弁は求めません。

 

質問気料躋
* まず、村長等の答弁の後、私が「再質問」で再答弁を求めるのではなく、「要望」あるいは「提言」にとどめていることについて、説明しておきます。
 一般質問は、建前は「時間制限なし」ですが、実際には制約があります。6月定例会の際、私が用意した質問の全文を見た議長から「短くするように」と求められたことは先に報告したとおりです。
 今回は、あらかじめ用意の質問文は可能なかぎり簡潔にして、3つの大きな質問項目(以上に紹介したのは、そのうちの第1問)全体で、答弁時間も含めて1時間程度で終わるように配慮しました。
 実際、1時間余で終了しましたが、傍聴に来て下さっていた支援者の人から、「議長は時計を見て、時間を気にしていたよ」と教えられました。
 私は、3つの質問項目すべてを質問できるよう、「再質問→再答弁」で時間がかかることを避けたいと考えています。そして、「要望」ないし「提言」という形で、答弁の問題点を指摘すると同時に、今後の村政・行政運営に物申していく足場を築いておこうと考えています。
 一般質問は、そこでのやりとりだけで終わると、議員のパフォーマンスにしかならないという一面を有しています。パフォーマンスに終わることなく、日々の村政をめぐるやりとりに繋がるように心がけている次第です。

 

* 私の一般質問に限らず、他の議員の一般質問への答弁をみても、森川村長は自身での答弁は最小限にとどめ、課長に答弁させるタイプではないかと思います。
 なお、森川村長が「県議会関係で要望」と答弁したのは、その後、村長自身にたしかめたところ、北信地方事務所において、県議会と北信地域の首長の会合があり、そこで発言・要望したことを指しています。

 

* 大雨警報時の村役場の対応についての総務課長の答弁はいかにも「お役人の答弁」という感じです。
 そのうえで、「高解像度降水ナウキャスト」の活用をめぐる私の提案に対しては、村長も総務課長も関心がある姿勢で聞いていましたので、提案の意味はあったのではないかと思います。ただし、こういうことは不断に言い続けないと、役場の対応はすぐに後退するというのが私の経験則ですので、今後もくりかえし、言い続けていこうと考えています。

 

* 奥志賀公園栄線の災害への対応をめぐる産業建設課長の答弁には興味深い点がありました。
 じつは、私は、8月1日の午後1時に森川村長に面会し、「奥志賀公園栄線の災害について、TOPレベル(村長と北信建設事務所長、北信地方事務所長)で対策を詰めてもらいたい」という要望をしています。
 課長答弁をみると、その8月1日の夕刻から村が北信建設事務所への連絡を頻繁にとるようになり、応急復旧工事−早期通行止め解除への働きかけを行っています。
 8月1日の村長への申し入れは意味があった、村が「県まかせ」の対応にとどまらないよう、こういう働きかけを今後ももっともっと強めていかなければ、と考えています。

 


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