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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩み号外(11月9日付)

 11月8日、臨時議会等が開催されましたが、そのうち、午後1時半からは「振興公社理事との懇談」でした。「懇談会」という性格上、非公開でしたが、そこで議員が知りえたことは「秘密事項」という性格のものではなく、また、村民のみなさんの関心が非常に高い性質のものであるので、速報をお知らせしたいと思います。

 

 この懇談会は、議会側が9月の全員協議会で「振興公社では最近、若い人が次々と辞めるなど、心配な状況だ。理事長に来てもらって話を聞きたい」と決定し、開催されるに至ったものです。
 議会としては公社理事長のみを招聘したつもりでしたが、公社理事全員(理事長を含め5名)が出席され、さらに、何故なのか不明ですが、森川村長と福原商工観光課長が同席しました。
 以下、懇談で明らかになった重要な諸点を報告します。

 

🔷4宿泊施設の経営に集中し、公益事業からは撤退する
 公社側からは、冒頭から「経営の再建が急務」であることが強調され、「母体は宿泊4施設、これを健全経営にする」、「公益的事業は廃止」、「宿泊4施設経営で体力が出来たら、また公益的事業にのり出す」という話が出ました。
 たとえば、「トマトの国」では12月1日から温泉入浴時間が午後2時〜7時にの5時間に短縮されます(従来は午前10時から)。また、食堂営業も廃止されます。温泉入浴時間の短縮の直接の狙いは、ボイラーを炊く時間を減らし、コストをカットすることにあるようです。
 また、森宮野原駅の委託業務を公社が返上した(そのため、随分と混乱しました)のも「公益的事業からの撤退」の事例です。
 この後に記すとおり、振興公社は運転資金がほぼ枯渇した状態になっています。
 「経営」という観点から言えば、1つの「合理的な」方向性かもしれません。
 公社理事会側からは、「一般財団法人に切り替わった時、民間企業となるべきだった。にもかかわらず、公益法人のままやって来たのが問題」という認識も示されました。

 

🔷「さかえむらトマトジュースの仕入れ一括支払いをする資金がない」
 以上の話だけでも衝撃的なものでしたが、もっとショッキングな話が理事長・高橋氏の口から飛び出しました。
   「さかえむらトマトジュース、特産物で栄村の宝物ですが、

    製造業者との間では7千ケースを一括購入・一括支払で引

    き取ることになっているが、この一括支払をする資金がな

    い。金融機関に借入を申し入れたが、信用保証機関の保証

    が必要。しかし、信用保証機関は『一般財団法人には保証

    しない』と言われ、ダメだった。その後、1金融機関から、

    『村が保証し、議会も同意するなら、貸し出してもいい』

    という話が来ている」。
 一括支払の金額は1,050万円。
 トマトジュースは人気商品で、売れ残っているわけではありません。しかし、トマトジュースの売上金は、翌年度仕入資金をプールすることなく、公社全体の運転資金に流用されていたようで、残されていなかったのです。
 栄村の人気商品トマトジュースの確保のために資金の借入、そのための村・議会の保証と同意が必要だというのなら、私は議会としての同意にも応じる用意がありますが、そのことと、一括仕入れに必要な資金を運転資金に流用していたという放漫経営の責任問題は別の問題。後者の問題に対する関係者の責任は徹底的に追及されなければなりません。

 

🔷運転資金がない!
 私は6月段階で、振興公社の平成27年度決算書を分析し、「運転資金は間もなく枯渇する」と警鐘を鳴らしました。私の予測ではこの11〜12月に資金ショートの破たん危機が訪れるのではないかと推測していました。
 8日の懇談会で公社理事会側から出された見解では、「1月に回転資金がなくなる」ということでした。
 経営破たん(倒産)を回避するには、2つのことが必要です。
 1つは、借入金等行い、破たんを回避することです。しかし、常識的に言えば、信頼できる経営再建計画がなければ、資金を貸し出す金融機関は存在しないでしょう。
 2つは、経営破たんを避けられない状況を生み出した経営陣の責任の徹底的な解明です。
 その責任は現経営陣(理事)だけでなく、退任した理事等の元幹部も問われます。公社のお金を私していた人はいないと思いますが、経営破たんが必至となる放漫経営を自ら推進していたとするならば、背任等の責任が問われることすらありえるでしょう。

 

🔷振興公社は振興公社でなくなる。定款の抜本変更が必要。
 現理事会が、「運転資金が確保できない」という状況に注目し、民間経営的手法を用い、「4宿泊施設を母体にして儲かるようにする」というのは、ある意味で当然の対応だとは思います。
 しかし、法人というものは、その設立にあたって「定款」というものを決め、その法人の設立目的・事業内容を定めています。
 現理事会の「宿泊4施設経営を時期に、公益的事業は廃止(あるいは当面は中止)」という方針は、振興公社の現在の「定款」には反します。
 参考までに、「定款」を紹介します。
   第3条(目的) 当法人は、栄村の恵まれた自然を生かし、都市との

     交流等の事業を行うとともに、地域経済の発展と住民福祉の

     向上に寄与することを目的とする。
   第4条(事業) 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を

     行う。
    (1) 地域活動に関する情報の収集および提供
    (2) 自然の保護及び活用並びに民俗催事の提供
    (3) 都市との交流及び農林産物の振興
    (4) 保健休養施設の管理運営
    (5) 栄村が設置する施設の受託管理
    (6) 労働者派遣事業
    (7) 自動車のレンタル及びリース
    (8) その他各号に関連する事業

 

 宿泊4施設の管理運営(経営)は、「定款」第4条の(5)項に当たるものです。それに対して、(1)〜(4)が公益的事業にあたります。
 繰り返しますが、私は「振興公社」が経営再建のために定款第4条(5)項の事業に集中し、しかも民間企業経営的手法を導入するというのは、私企業の経営方針としては、一理あるものだと考えます。しかし、それは「定款」第4条(1)〜(4)には合致しませんから、当然、定款の改正が必要です。
 また、「経営再建が軌道にのれば公益的事業にまた乗り出す」と言っていますが、それは一般民間企業が、会社の得た利益を基にして公益事業に貢献する社会事業(いわゆるフィランソロピー活動)似たものであって、振興公社(及びその「定款」)が目指してきたものとは異なります。
 懇談の様子を見ていると、理事の中には経営再建方針と定款の関係性について自覚されていない方もおられるように見受けられました。
 この項でここまでに述べたことを一言でいえば、「振興公社はもはや振興公社ではなくなる」ということです。言いかえれば、「宿泊4施設管理運営会社」に変わったのです。

 

🔷驚くべき森川村長の発言
 ――「開いた口がふさがらない」とはこのこと
 議会が出席を求めたわけではないのに懇談会に出てきた森川村長。最後に発言の機会を求めました。発言の前半、前村長あるいは前々村長の振興公社経営方針に対する批判を口にしていましたが、後半、突然、公社理事長・高橋氏の方に向いて、
   「いくら欲しいんだい? 5千万か」
と言い出したのです。「必要か」ではなく、「欲しいのか」という表現にも驚きました。
 高橋氏は、一瞬の躊躇の後、「うーん、5千万とまでは…。3千万あれば…」と答えます。
 私が声をあげ、続いて、阿部伸治氏が声をあげました。
   「ここはそんな話をする場ではない。やめてください」
 森川氏は一瞬、怒ったようで、よく聞き取れなかったものの怒気をはらんで何かを言いました。しかし、私や阿部氏の注意は当然至極のもので、議長は森川氏と高橋氏のやりとりをやめさせ、懇談会は終了しました。

 なお、4宿泊施設という「旅館業」の運営・経営に関わる振興公社理事に同業者(旅館経営者)が関わることの利益相反性も話題になりました。リバーサイドハウスの山田さんは明確に否定され、それには私も「山田さんの発言は信頼する」旨を表明しましたが、「雪あかり」経営者の高橋氏については、ご本人は同様に否定されたものの、過去1年間、私が高橋氏と話してきたことの経緯・内容をふまえ、「利益相反性がないとは言えない。そのことは後日、議論を詰めたい」と申し伝えました。
 以上、取り急ぎの報告です。


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