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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告第9号(12月14日付)

「放送で傍聴を呼びかけておきながら、行ってみたら非公開。ふざけるな」
村民のみなさんの怒りはもっともです。

 

 12月6日〜9日の4日間、村議会12月定例会が開催されました。いずれの日もそうですが、とくに2日目の7日は傍聴席が埋まるほどに多くの村民のみなさんが傍聴に来てくださいました。
 ところが、6日は公開(=傍聴可能)だった「全員協議会(村長提出)」が、7日の昼休み終了目前に突然、「非公開」(=村民に傍聴させない)に切り換わったのです。「理由」は「村長の要請による」という理不尽なもの。
 午後の一般質問(本会議)が終わり、議長が「全員協議会は非公開です。傍聴者、報道はお帰り下さい」と言うや、信濃毎日新聞と妻有新聞の記者が村長に激しく詰め寄りました。しかし、全協は非公開のまま。
 妻有新聞が12月10日号でこの事態を厳しく批判しています。また、「議員に「『口止め』はあり得ない」と議員の姿勢を問うています。もっともな問いかけだと思います。
 私は、有権者たる村民の代表を務める議員の一人として、村民のみなさん、栄村の復興をご支援下さっているみなさんの“知る権利”を守るため、この『報告』において可能なかぎり、事態の真相をお知らせする議員の責務を果たしたいと思います。


重要案件が続出し、厳しい議論になった12月議会
 12月議会は、実際の会期は4日間で定例会としては短い方でしたが、提案・採決された議案等は17件と多く、かつ、内容が重要なものでした。また、それに加え、8日の全協(非公開)では栄村振興公社の経営の問題をめぐって、非常にシビアな(=厳しい)議論が2時間余続きました。
 村長提出の議案でとくに厳しい議論になったのは、「保健師看護師等奨学資金貸付条例」案(以下、「看護師等奨学金条例」と略す)、一般会計補正予算第6号の「切明温泉源泉の鉱泉地買収」の2件です。
 「看護師等奨学金条例」案は、6日の本会議で、「奨学金の支給には賛成だが、条文に問題箇所が多い」として疑問や批判が続出。その結果、理事者側は8日午前の本会議冒頭、議案の撤回を表明。9日午後の本会議に新たな条例案を提出して、ようやく可決されました。この〈提案→撤回→提案やり直し〉という事態は近年ではかなり珍しい事態だと思います。何が問題になったのかは11頁で説明します。
 もう1つの「切明温泉源泉の鉱泉地買収」はまさに7日の非公開の「全協(村長提出)」で当初説明が行われた案件です。9日の採決では賛成6:反対5のギリギリの可決でした。これについては、8〜10頁で説明します。
 また、議案第103号「栄村過疎地域自立促進計画の変更」は、私のみが質疑しましたが、森川氏の選挙公約にある「秋山のバス路線問題」に関わるものであり、かなり重要かつ大きな案件でした。これについては11〜12頁で説明します。

 


振興公社の現在の状況について
 いま、村民が不安を感じていて、とても関心の高い問題です。
 私は、7日の一般質問でこの問題を取り上げ、森川村長の現状認識を問い質しました。

 

■「このままで営業できないだろうという数字が出ている」(森川村長)
 正確と公正を期すため、私の一般質問に対する森川村長の答弁を詳しく紹介します。
    「振興公社の過去5年なり10年間の経営状況を分析して、どう

    すれば事業的に施設をもっていけるか、それも実施したい。そ

    れを実施する前に、今、資金的に公社の方がちょっと収入が落

    ち込んでしまった。これから来年の3月いっぱいまで、このまま

    で公社が営業できないだろうという数字が出てきております。

    ならば今は、平成29年度の事業に向けて、また営業をしてもら

    わなければ……栄村の中心に座っている振興公社の観光行政が

    乱れたのでは、私が観光を進めるという目的から、また一歩後

    退してしまいます。……今回、何とか手当をしなければという

    ことでは充分考えており、……振興公社がこの村の施設を管理

    してもらうということで必要な経費は出すべきだろう……その

    方向で考えております。」
 ここで言われていることは、民間企業の普通の議論では、「経営破綻」と呼ばれる事態です。
 森川氏は「これから来年の3月いっぱいまで」と言っていますが、4月になれば状況が好転するというわけではありません。とりあえず「3月までの必要な資金」が必要だから、「3月いっぱいまで」と言っているだけのことで、4月以降も「必要な経費は出す」という事態、すなわち振興公社の赤字補てんのために村(一般会計)からのお金の投入が続きます。

 

■「指定管理料」とは
 非公開とされた全協の協議事項の(4)は、「一般財団法人 栄村振興公社 指定管理料の増額について」とされていました(このことは妻有新聞もすでに報道)。つまり、森川氏が「必要な経費」と言うお金を「指定管理料の増額」という名目で出そうということです。
 そこで、「指定管理」、「指定管理料」について説明します。

 

 「指定管理は」とは、村の公の財産の管理を民間企業等に委ねることをいいます。栄村が振興公社に管理を委ねているのは「トマトの国」、「北野天満温泉」、「のよさの里」、「森宮野原駅交流館」の4施設を指します(「雄川閣」は村と公社が結んだ指定管理の基本協定では対象になっていません)。2003(平成18)年の地方自治法改正で導入された制度です。
 村は、2013(平成25)年4月、一般財団法人栄村振興公社を指定管理者とし、村と公社は指定管理に関する「基本協定」を結びました。
    *村は長年、栄村振興公社に施設の管理を委託してきましたが、

     2005年4月以前の振興公社はいわゆる公益財団であったので、

     「民間への委託」ではなく、したがって「指定管理」の扱いで

     はありませんでした。
 「基本協定」では、施設の管理運営に要する経費をどのように賄うかについて取り決めます。一般的には、3つのケースがあります。
   (ア) 指定管理委託を受けた民間事業者が、施設の利用料等の収入で

     賄う
      *振興公社の場合でいえば、宿泊代等で得る収入
      *大都市や観光が盛んな地域では委託を受けた民間事業は相

       当に儲かります。行政側は、役所で直接管理した場合の人

       件費等を削ることができるので、指定管理に出すのです。
   (イ) 行政側が、必要経費を指定管理料として支払う
   (ウ) 利用料等の収入と指定管理料の併用で賄う
 振興公社の場合、2013(平成25)年4月、指定管理料ゼロ、ずなわち利用料収入等で施設の管理運営をするということでスタートしました。ただし、施設は村の財産ですから、施設の大規模修繕等は村の支出で行うことが取り決められていて、実際、村は毎年、そういう支出をしています。

 

■2015(平成27)年度から1千60万円の指定管理料 ―― その意味は?
 私は今年4月末に議員になってから、振興公社の現状について調査する中で、昨年度(2015年度・平成27年度)から振興公社に対して指定管理料が支払われていることを知りました。金額は1,060万円です。
 9月定例会で審議された「平成27年度決算説明書」には、
     「栄村振興公社指定管理委託料 10,600,000」
と記載されているのみだったので、私は「指定管理委託料の算出根拠は?」と質問しました。答弁は商工観光課長(平成27年度当時は振興公社事務局長だった人)が行い、
   「これは『指定管理委託料』という名目にしてありますが、実際は、

    共通入浴券での入浴が公社にとって大きな赤字になるので、それを

    埋めるために、この金額を『指定管理委託料』という名目で入れて

    います」
という答弁でした。
 言いかえれば、振興公社で赤字が出る要因は共通入浴券にあり、その赤字を補てんしさえすれば、あとは施設利用料収入等で経営していけるという認識を村は示したのです。今年9月の議会でのことです。そして、本年度(平成28年度)も村の当初予算で「栄村振興公社指定管理委託料 1,060万円」が計上されています。

 

■「もう払えるお金がない」という状況
 さて、「これから来年の3月いっぱいまで、このままで公社が営業できないだろう」という森川村長の答弁に戻ります。
 具体的には職員の給料支払いなどが困難になるのだと思われます。
 私はこの事態を予見していました。今年6月29日付の「栄村復興への歩み」No.287を「振興公社特集」にし、公社の平成27年度決算書を分析した結果を提示しました。
 公社の手持ち現金及び預金は約2,780万円、それに対して1年間で人件費に3千万円以上を要すると見られることから、「運転資金は充分ではない」と結論づけました。11月か12月に事実上の破綻危機を迎えると予測したのですが、実際は破綻危機は2ヶ月ほど先延ばしになったようです。夏に村から本年度の指定管理委託料1,060万円が入ったからです。

 

振興公社をどうすべきか
 年が明けると、1月12日に臨時議会が予定されています。振興公社に破綻危機のりきりのためのお金を投入する補正予算案が、おそらくこの臨時議会に提出されてくると予想されます。
 私は12月議会の中でもその旨を表明しましたが、「ただただ当面の危機をのりきるためにカネを投入する」というのには反対です。そういうことをいったん始めると際限がなくなります。3月議会に出る来年度予算にも「指定管理委託料」という名の公社への資金投入がかなり大きな金額で入ってくることになるでしょう。
 いま、必要なことは、公社の経営破綻危機の原因にきちんとメスを入れ、根本的な再建策の基本を明らかにし、その再建策に見合う形で村からの支援策を決めることです。

 

■「生涯現役事業」、いわゆる3億円事業で公社はおかしくなった
 振興公社の経営状況はここ数年で急速におかしくなりました。その時期は、「生涯現役事業」、いわゆる3億円事業が行われた時期と符合しています。
 年間1億円ものお金が入ってくる。振興公社にはかつてなかった巨大資金の流入が振興公社経営陣の財務感覚を麻痺させ、「3億円」資金が入らなくなるや(昨年9月で終了)、埋められない大赤字が累積していく状況になったと見るのが妥当でしょう。
 したがって、まず、当時の経営陣(理事長は当時の副村長、事務局長は役場職員)の責任が問われます。単なる道義的な責任の追及ではありません。法に照らして、責任を明確にすることが必要です。「過去のことをごちゃごちゃ掘り返しても何も進まない」と言う人もおられるようですが、そうではありません。東京都の豊洲市場問題をご覧ください。退職者も含めて、懲戒処分が行われています。
 経営責任が不問にされたり、曖昧にされたりする組織が健全経営に戻れるなんてことはありえません。

 

■再建のプロの導入が必要
 議論を前へ進めます。
まず、振興公社に指定管理委託している村の宿泊施設4つを、現在の栄村の観光力(誘客能力等)で黒字にできるのか。これは、振興公社について云々する以前に、村自身が明確にしなければならないことです。
 つぎに、宿泊施設4つをいまと同じ形態で運営することが妥当なのかどうかも検討しなければなりません。それぞれの施設を独立経営にする方がよいという考えもありえます。偶然的要因も絡んでいるようですが、「トマトの国」は昨年度黒字でした。通過客、日帰り客を主たる営業対象として運営する方が売上収入が飛躍的に伸びると予測されるケースもあります。雄川閣です。かなりの人が「あそこは手放さないと公社全体を赤字にする」と評する施設もあります。
 再建策の骨格は半年以内くらいに明確にする必要があります。
 一般の民間企業の場合、「経営再建をまかせられる」と金融機関等が認める再建のプロの投入を前提として、破綻処理・経営再建のための資金融資が行われます。
 私は、ただちに再建のプロを投入する必要があると考えます。その人材は公募で求めるのが妥当であり、栄村に利害関係を有さない人でなければなりません。

 

■村からの資金投入は「再建支援」「融資」を明確にすることが必要
 いま、金融機関は振興公社への緊急融資には応じてくれないでしょう。
 村が緊急融資することが必要になります。雇用を守ることも、これで可能になります。
    *当面の雇用は守られますが、職員は、再建プロセスにおい

     て、再建に寄与できるかどうかが問われることになるでし

     ょう。
 しかし、これは“融資”であって、経営危機を隠す「指定管理委託料の増額」という名目であってはなりません。「出捐金(しゅつえんきん)」という提案をする方もおられますが、来年度予算でも引き続き資金投入が必要になることを考えると、「出捐金」を何度も出すというのはおかしな話になります。
    *出捐金とは――「当事者の一方が、その意思に基づいて自

     の財産を減少させることにより、他人の財産を増加させる

     ことをいう。例えば、財団法人設立のため一定の財産を提

     供することは出捐に当たる。」(「公益法人関連用語集」

     より)
 “融資”ですから、返済を求めます。再建のプロの投入、再建計画を前提として融資し、再建が軌道にのった後に返済してもらいます。

 

■村民の温泉入浴はどうなるのか?
 いま、村民のみなさんが最も心配しておられることは、「私たちは温泉に入れなくなるのか?」ということです。
 このような不安を引き起こしている直接の要因は、
    1. 今年春、村が「来年春から温泉共通入浴券を値上げする」

     と発表し、それからもう半年以上を経過しているにもかか

     わらず、来春以降の料金等をまったく発表していないこと
    2. 「トマトの国」で「温泉営業は12月1日から午後2時開始」

     という変更が突然告知され、また、食堂営業が廃止されたこ

     と
にあります。これに加えて、公社理事長人事に疑念を抱く人がかなり多いこと、公社を辞める職員が相次いでいることを心配する人が多いこともあります。
 私は、村民の温泉入浴について、つぎのように考えます。
    1. 村民の温泉入浴(温泉共通入浴券)の問題は、公社の経営

     危機とは関係なく解決することが可能であり、村はただちに

     来春以降の料金を決定し、公表すべきだ。
    2. 「村民誰もが毎日、温泉に入れる」というのは素晴らしい

     ことであり、栄村が村外にむかって誇るべきことです。この

     環境の維持を村の施策として明確に打ち出すべきです。
    3. 村民には応分の負担を求める。生産年齢の人は年間3万円程

     度(ただし、納入の分割は認める)、高齢者割引は現行金額を

     守る。温泉維持に要する経費と共通入浴券収入の差額は住民福

     祉施策の経費として村が補てんする。
    4. 温泉施設管理者(具体的には振興公社)には、上記3の財政

     措置に基づいて、必要経費を支払う。これは指定管理委託料や

     再建支援融資とはまったく別個のものである。(財政上の扱い

     としては施設修繕費と同じ形である)
 以上のことは、現在の栄村の財政面の状況からも可能な施策であり、ただちに施策の決定を望むものです。

 以上、かなり難解な話もありますが、わからない点があれば、ご質問下さい。私は、元気な栄村を実現するために頑張りたいと思います。

 


「切明温泉源泉地の買収」とは何ぞや
 2頁で言及した「切明温泉源泉地の買収」について、村民のみなさんに報告すべきだと考えることを以下に記します。

 

■審議手続きをめぐる大きな問題
 まず、7日午後の全協(村長提出)で、村長から「買収」案の説明がありました。「買収」ですから、当然、相手さんがいるわけで、そのお名前が外に出ては困るという趣旨でしょうか、「個人名が出ては困るので」ということで非公開の全協となりました。
 2時間ほど議論が続きましたが、事の真相についてまったく合点がいきませんでした。
 村長は9日、「追加議案」として、「源泉地買収 400万円」を盛り込んだ補正予算案を追加議案として提出してきました。これには2つの問題があります。
 第1には、人事院勧告に基づく職員給与の改訂に係る予算補正とこの買収予算を1つの補正予算案として出してきたことです。人事院勧告に基づく給与改訂には誰もが賛成しなければならないことを利用して、源泉地買収を押し通そうとするものだという批判を免れることはできません。
 第2は、「全協に資料等を出した」ことを理由に、議会本会議には関係資料等をいっさい提出しなかったことです。これは、全員協議会は「本会議や委員会と同様の実質審議となることがないよう、節度をもって運用すべきである」(『議員必携』181頁)という議会運営の大原則に反するものです。

 

■買収する土地の場所が確定できない?!
 森川氏が「買収したい」とする「源泉地」なるものは約49屬里發里任垢、森川氏によれば、山ノ内町地籍で番地は特定されているものの、具体的にどの場所なのか、地図上で確定することはできないし、現地に行っても「ここです」と特定できない、というのです。「理由」は、「山ノ内町には公図もなければ、国土調査も行われていないから」というのです。
 こんな無茶苦茶な話があるでしょうか。
 次の写真をご覧ください。

 


 切明の吊り橋(東電発電所に通じている)の上から、いわゆる「川原から湧き出る温泉」の方向を撮影したものです。真ん中の川は魚野川(うおのがわ)(中津川)。写真の上方向が川の上流になります。川は上流から下流を見た時の右側を「右岸」、左側を「左岸」と呼びますので、写真の右手が左岸、左手が右岸ということになります。
 右岸に雄川閣があり、雄川閣のすぐそばに雄川閣で使用している温泉の源泉があります(なお、「雪あかり」、リバーサイドハウスにはここから分湯されています)。
 森川氏によれば、川の左岸(雄川閣の対岸)、吊り橋を渡って左に折れ、「川原から湧き出る温泉」に向かう道の途中に「買収したい源泉地」があるそうです。
 たしかに、このあたりに温泉湧出の可能性がある場所があり、昭和51年にある人が掘削しようとして問題を起こしたことがわかる公文書が存在します。
 しかし、今日に至るまで、雄川閣−切明温泉では、この場所から温泉を引いているという事実はありません。
 「買収したい」土地はどこにあるのか? 正確なことはいまだに不明です。

 

■「村が協定に反して、平成27年、勝手に温泉掘削をした」?!
 そんな不確定な「源泉地」なるものを森川氏はなぜ買収したいと言うのか? 森川氏の説明のポイントは以下のとおりです。
    1. 村は平成27年度に雄川閣の駐車場で新しい温泉の掘削を

     行なった。
    2. 今年5月、上記の「源泉地」の所有者(以下、「A氏」と

     する)と偶然出会い、「私は村の指導に従って開発しない

     ようにしているのに、村はなんの断りもせずに温泉を掘る

     のですね」という趣旨のことを言われた。
    3. 私は秋山郷の観光を発展させるために切明でいろんなこと

     をやりたいと考えている。その際に誰かからとやかく言わ

     れることがないよう、この「源泉地」を村で買収してスッ

     キリさせたい。
    4. A氏の身に何かあれば、相続手続きなどで問題が複雑にな

     るので、一刻も早く買収をしたい。
    5. 第三者を通じて話し合いをして、400万円という金額が浮

     上しているので、とにかく一刻も早く買収したい。

 栄村は、平成27年度、違法な掘削行為をしたのでしょうか。
 温泉の掘削には、温泉法という法律に基づいて、県知事の許可を得ることが必要です。栄村はきちんと県に申請書を提出し、県は「環境審議会温泉部会」で審議のうえ、許可を出しています。その審議の中では、
    「ご覧の図は、申請地から半径3km以内に位置している源泉を

     示した図です。源泉のほとんどを村が所有していますので、

     土地の権利関係は問題ありません。民間が所有している和山

     温泉が北側へ直線で2.13kmのところにありますが、ここに

     ついては同意が得られています。」
と報告されています。
 栄村は必要な法的手続きをきちんとおこない、県の許可の下で掘削をしたのです。

 もう1つ、A氏がある会社(以下、「B社」とする)の代表取締役を務めていた平成2年、B社を代表するA氏と栄村長・高橋彦芳氏の間で「協定書」が締結されています。この「協定書」も公文書として保管されています。そこでは「開発行為の自粛」に関する条項と、B社が切明温泉について分湯権を有し、「分湯は栄村温泉条例に基づく」と記された条項があります。
 また、昭和63年に切明温泉で行われた温泉関連の作業の結果を調査に来た県の保健所職員の報告書がやはり公文書として存在していますが、そこには「源泉所有者は栄村。温泉利用権者は栄村とB社」と記されています。

 以上のことから、切明温泉をめぐって問題になりうるのは温泉利用権(分湯権)であり、その問題はきちんと処理されていると、私は考えます。
 なお、村が土地を買収するという以上、少なくとも、その土地の登記書謄本、また、固定資産税に関わる書類が議会に示されるべきだと考えますが、そのような書類はいっさい提出されていません。
 私は、この問題の解明のため、さらに努力したいと考えています。

 


「保健師看護師等奨学資金貸付条例」について
 これは、栄村役場及び診療所で働く保健師、看護師(准看護師を含む)を確保するため、栄村住民の子などが保健師・看護師等を養成する学校に進学した場合、月額10万円を上限とする奨学金を貸与し、卒業後ただちに栄村役場及び診療所に勤務し8年間勤めた場合は返済を免除するという趣旨のものです。
 私はいい施策・条例案だと思いますが、村が提出した当初案には問題点が大きく言って2点ありました。
 第1は、「資格要件」の第3項に「品行方正、学力優秀、志操確実かつ心身が健全な者であること」という規定があることです。きわめて主観的・恣意的な選抜を誘発しかねない条項で、議員からこの条項を削除を求める意見が多数出ました。
 第2は、返済免除の条件をめぐる問題です。「貸付を受けた本人は条件通りに栄村に勤務する意思があるのに、村で募集がなかったら、どうするのか?」という問題です。
 村側は「向こう10年間は採用枠がある」と答弁。そこで、議員が「じゃあ、10年間の時限条例にすべきだ」と言うと、村側は「10年後、返済が続いている人に返済を求める根拠条例がなくなると困る」と答弁。議員はさらに、「そうならば、貸付期間を10年間に限定する条項を入れればよい」と提案。

 村が議会にいったん提出した議案について、議会側には修正権がありますが、提出者側には修正権がありません。修正する場合は、いったん議案を撤回し、新たな議案を提出することが必要になります。
 村は原案では可決されないと判断したのでしょう。8日、本条例案を撤回し、9日、新たな条例案を提出しました。「資格要件」の第3項を削除し、また、「この条例に基づく貸付決定は平成39年度までとする」という条項を新たに入れたものです。
 議会は、9日午後の本会議で、全会一致で可決しました。

 

 

秋山のバスについて
 12月定例会には、「栄村過疎地域自立促進計画の変更について」という議案が提出されました。
 私が注目したのは、「交通通信体系の整備」に関わる施策の中に、「路線バス営業所建設」と「路線バス購入」が追加されたこと。
 「路線バス営業所建設」は、森川氏が選挙公約で掲げていた「和山に営業所、早朝の秋山発便の確保」に関わるものと考え、「路線バス購入」は津南〜和山間を走る南越後交通の路線バスを栄村が購入し、提供するのかと思い、質問しました。
 森川村長の答弁の骨子は以下のとおりです。
   1. 従前は早朝に和山を出発する便に使うバス車両は屋外に駐車、

    運転手は民宿等に宿泊でOKだったが、法改正により、「営業

    所に駐車・宿泊」が必要になったので、営業所を村で建設する。
   2. 「路線バス購入」は津南〜和山間の路線バス用ではなく、秋

    山郷の中を巡る観光用のシャトルバスに使用するもので、マイ

    クロバスである。
   3. 南越後交通は、「乗車定員29人以下」では津南〜和山間の路線

    に対する新潟県の補助金を得ることができないので、村が購入し

    たいと考えている車両には関心を示していない。
 「過疎地域自立促進計画」は、村が過疎債(借金だが、後に国が返済金の7割を負担する)を発行する前提として必要なものです。
 私は、村の施策の選択肢の幅を広げるために、同計画の変更案に賛成の挙手をしました。
 しかし、そのことと、実際にバス購入を進めるかどうかは別の問題だと考えます。
 森川村長が言う「秋山郷巡回のシャトルバス」、たしかにあれば便利でしょうが、実際に購入し運用する場合、シャトルバスの利用客をどの程度見込むか(見込めるか)、購入及び運用にどれくらいの経費がかかり、どの程度の収入が見込めるのか、その見通し・計画が明確にされなければなりません。
 バス車両という「ハード」を手に入れるのは簡単ですが、その運用という「ソフト」面がしっかりしなければ、村財政の圧迫要因を作り出すだけという懸念があります。振興公社に指定管理委託している温泉宿泊施設、一般会計からの繰り入れで辛うじて維持されているスキー場――そういう問題をふまえて、今後、慎重に検討する必要があります。

 


<お断り>
「松尾まことの議員活動報告」第8号(12月1日付)は、編集が遅れ、まだ編集途中です。12月議会での活動報告が急がれると考え、第9号の発行を先にしました。第8号は追って発行の予定です。ご理解のほど、お願い申し上げます。


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