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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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温泉共通入浴券の存続を――値上げの必要性はみなさん、理解されています

 いま、村民の間で大きな関心事になっているのが、トマトの国や北野天満などの温泉で村民が利用している「共通入浴券」の問題。
 昨年3月末、トマトの国などの施設に下写真の掲示が貼り出されました。村長名のものです。
 私自身も利用者の一人ですが、みなさん、この掲示に従って、「平成28年3月31日までの入浴券」を購入してこられました。

 

 

「トマトの国」の営業時間短縮で一気に不安が高まった
 昨年暮れの12月1日から、「トマトの国」の温泉入浴可能時間が「午前11時〜午後7時」から「午後2時〜午後7時」に短縮されました。「営業時間変更のお知らせ」が貼り出されただけで、理由説明などは何もありませんでした。
 同時に、振興公社の経営危機も明るみに出てきました。
 そのため、村民の間で、「もう温泉に入れなくなるんじゃないか」という不安感がいっきに高まったのです。私は入浴時や配達時に多くの人から「どうなっているの? 大丈夫なの?」と尋ねられるようになりました。

 

期限まで1ヶ月が近づいても、何の説明も出ていない
 最近、みなさんから出る言葉は、「もう1ヶ月ちょっとで券が切れるよ。このままでは4月1日から入れなくなるじゃないか」というものです。
 じつは、1月24日の臨時議会の後、議員だけの全員協議会の最後に、「2月9日の臨時議会の後に村長提出の全員協議会がある」、そして、その協議テーマの1つが「共通入浴券について」だという話がありました。
 ところが、2月6日に開催された議会運営委員会では、「共通入浴券の問題は2月9日に間に合わない」と話されました(私は議運メンバーではないので、議運メンバーの議員からの聞き取り)。実際、2月9日の全員協議会では共通入浴券の問題はいっさい出ませんでした。
 本当にもうすぐ全員の共通入浴券の期限が切れます。事態は切迫しているのです。

 

共通入浴券の仕組み
 いまさらという面もありますが、共通入浴券の仕組みを確認しておきます。
 これは、年間1万2千円(70歳以上は7,500円)を支払えば、村が保有する温泉に何回でも自由に入れるという一種の定期券です。役場が発行しています。
 利用できる温泉のうち、トマトの国、北野天満、のよさの里、雄川閣は振興公社が村に代わって管理運営していますので、これらの温泉に入る人は公社管理施設を利用する形になり、共通入浴券の申込・料金支払いも基本的に公社施設フロントで行います。そのため、振興公社にお金を支払っているかのように思われがちですが、違います。私たちは村役場にお金を支払っているのです。
 温泉を管理運営している振興公社には村役場から費用が支払われます。
 ただし、つい近年まで、村役場から振興公社に支払われる金額が少なく、そのことが公社の経営圧迫要因に一つになっているという問題がありました。しかし、この点については、平成27年度から「共通入浴券での温泉入浴の経費に関する公社の負担をなくすために指定管理委託料の名目で年間1,060万円が支払われるようになった」(昨年9月の決算議会での福原洋一商工観光課長の説明に基づきます)ので、共通入浴券が安価であることが現在の振興公社経営危機の原因だと考えるのは間違いです。

 

「値上げはやむをえない」が利用者の共通認識
 入浴中の会話、配達時のみなさんとの会話では、「まあ、安いから値上げはしかたないと思う」というのが大多数の人の意見です。女性風呂でもそういう会話が交わされているそうです。
 現在の1万2千円を3万円まで値上げするのはみなさんの許容範囲内のように思われます。ただし、いくつかの条件・要望があります。
 第1は、3万円の場合、一度に支払うのはきついという人もおられて、「2回の分納」や「半年券」という新しい制度を導入してほしいということです。「半年券」は、金額の問題だけでなく、たとえば「冬の期間だけ利用したい」といった要望とも関係しています。
 第2は、高齢者に対する割引です。現在は70歳以上の場合、年間7,500円ですが、年齢区分をもう1つ増やし、「70歳以上75歳未満は2万円」、「75歳以上は1万円または据え置き」というような考え方です。
 第3は、多人数家族のケースへの配慮です。70歳未満で3〜4人家族の場合、「3万円」ですと、9〜12万円の支払いになり、相当厳しいことになります。人口減少の中、多人数家族は大事な存在であり、なんらかの配慮が必要ではないかと思います。
 第4に、トマトや北野の温泉をご利用の津南町の人たちへの配慮も欲しいです。津南町の一定のゾーンの人たちとは県境を超えて、“同じ地域の住民”としての付き合いがあります。そういう人たちのご利用はじつは栄村の施設の賑わいを支えている大事な要素です。

 

村の住民福祉政策としての明確化を
 温泉の入浴料は、普通は1回500円ですから、共通入浴券は3万円に値上げになったとしても、相当にお得な価格であることは間違いありません。
 共通入浴券制度はこれまで明示されてきたわけではありませんが、「村民が村の資源である温泉を安く利用でき、とくに高齢者が温泉利用で楽しく長生きできるように」という住民福祉政策の観点で運用されてきたと思います。
 また、「少子化・人口減少」が大きな問題になっている中で、「子育てしやすい栄村」ということにとっても、温泉は重要な役割を果たしています。まだ一人ではお風呂に入れない幼児をお連れのお母さんの場合、一緒に温泉に入る村のかあちゃんたちが代わる代わる幼児を世話して、お母さんが温泉にゆっくりと浸かったり、体を洗ったりできるようにしています。村の若いお母さんだけでなく、観光で栄村を訪れ、温泉に子連れで入浴された都市部の若いお母さんも、村のかあちゃんたちに援けてもらい、とても喜んでおられます。

これは栄村の誇るべきことであり、今後は、住民福祉政策として明確に打ち出していくことが求められます。
「村民の声をしっかり聞く」と公約している森川村長が一日も早く、こういう政策判断をされるよう求めたいと思います。

 

 

温泉入浴を終え、家路につく森集落の夏乃(かの)ちゃん

夏乃ちゃんの手を握るのはお母さんとご近所のかあちゃん

 

 


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