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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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何気ない風景を撮る

 

 24日の午後4時すぎ、原向(はらむき)集落堀切(ほりきり)地区のたった1軒のお宅に配達して、次の登渡(とど)地区にむけて車をスタートさせようとした時に目に入った景色。
 この日は青空が見えながら雪が降るという変な天気だったが、ここでは雪は止んでいた。
 木の枝先にはすでに春が感じられる。東の青空から射してくる明るさにも冬の厳しさとは異なるものが感じられる。
 堀切で暮らすかあちゃんが、先日、「私は何気ない風景が好きなの」と言っておられた。
 たまに家から外に出た時、かあちゃんの目にもこの景色が入っていることだろう。
 右に見える建物は、留守屋の作業所・物置。住人は数年前に亡くなられたが、息子さんが首都圏から通い、田んぼを続けておられる。留守屋の冬の管理は大変だが、この建物からは人とのつながりがあることが感じとれる。


 今日は、「こんな風景を撮りたい」と思って、わざわざ出かけた先で撮ったものではなく、配達の途中で出会った「何気ない風景」を集めてみた。

 

 

 25日午前10時少し前、平滝集落にて。
 国道117号線よりも山寄りのゾーンを廻り、油科正一さん宅(屋号「ほしば」)と油科光子さん宅(屋号「新屋」)の間の道を進んだ先での撮影。25日の昼間は快晴でポカポカ陽気になったが、この時間はまだ雪。
 この道は野々海池に通じるもの。もちろん今の時期は途中で進めなくなる。私は写真手前の道分かれのところを右へ進み上倉重平さん宅(屋号「重介」)に向かった。

 

 

 

 私自身も初めて目にする風景。
 写真中央に見えるのは青倉集落の棚田がある西山田(にしやまだ)の山。
 写真左側に山に上っていく九十九折れの農道が雪に覆われながらも見える。杉の木も見える真ん中の小山は、火の神様・秋葉様が祀られており、また、現代においては携帯のアンテナなども設けられている。
 撮影地点は森集落中条地区の集落内道路。手前に見える雪は中条地区内道路の雪の壁の上部。午後2時すぎの撮影。

 

 下はほぼ同じ地点で撮ったもの。
 スキー場がいつもとは少し違う感じで見える。

 

 

 

 

 家の裏手の急崖に自然に積もった雪、家周りの雪をロータリーで飛ばしたもの、上の道路から除雪で飛ばされた雪、その3種の雪がつながりあって生まれた景色。
 坪野集落の斉藤英喜(えいき)さん宅(屋号「上の中段」)のポストに「復興への歩み」を入れ、振り返って車に戻ろうとした時にパッと目に入った景色。
 「上の中段」という屋号の由来が一瞬にして理解できる風景でもあると思う。

 

 

 

 22日朝9時半すぎ、精米のための米運び作業を始める直前に青倉共同車庫横の雪山から。
 雪崩防止柵が見えるのは冬期閉鎖の四ツ廻りの道路。
 この間、ブナの木の枝先の色の変化をできるだけ近くから撮ってみたいと思っていたが、意外なところで、その1枚が撮れた。

 

 下が撮影地点の雪山。道路除雪でタイヤドーザーが押し出した雪の山。右手の屋根は共同車庫のもの。

 

 

 

 

 22日正午すぎ、森宮野原(もりみやのはら)駅と五宝木(ごほうぎ)住宅。
 この地点からは線路もあまり見えず、右手に見えるものが駅だということは初めての人にはわからないかもしれない。
 五宝木地区は、冬期間、除雪が困難なために五宝木から山を下ってくる人たちが暮らす村営住宅。

 

 下は森宮野原駅前駐車場での1枚。駐車場の除雪で飛ばされた雪で駅のホームは辛うじて屋根だけが見える状態になっている。

 

 

 

 

 豪雪の村で、春の訪れを最も強く感じさせるのはぶ厚い雪が融けて田んぼの土が見えること。19日午後撮影。
 1週間前になるが、箕作(みつくり)集落のあるお宅に「復興への歩み」を届けた際に、この景色が目に入ったときは驚いた。「えっ!もう田んぼが出ているの?!」。
 その秘密は水。
 前回の配達の時、高齢のご夫婦が懸命に雪をかまっておられた。田んぼに流れ込む水路を開けておられたのだろう。下がその水の流れ。

 

 

 

 

 箕作のお宮のそばにて。千曲川に清水川原のスノーシェッドが映る。
 別のあるものを撮影しようとした時に偶然目に入ったもの。やはり19日午後の撮影。

 


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