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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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栄村復興への歩みNo.321(12月1日付)

雪時期の通行の可否が大きな問題
  ――北信建設事務所が説明会(28日、北野公民館)

 

 11月28日夜、北信建設事務所が県道笹原〜長瀬間の災害・復旧工事をめぐって初めての地元説明会を開催しました。北野、極野など地元住民30名以上が集まり、建設事務所側の説明の後、厳しい質疑応答がありました。


● 現場では防護柵設置
 説明会に先立ち、私は土砂崩れ・全面通行止めの現場に行きました。

 


 上の写真ですが、道路上にH鋼を埋め込んで防護柵を造る作業が行われていました。H鋼を21本たて、その間に丸太を入れ、さらに道路の擁壁側に“かすがい”を入れます。12月11日頃までに完成の予定。
 これを見て、私は「これならば冬期も通行可か」と思い、期待感をもって説明会に臨みました。

 

● 県の方針は「本格降雪になれば再び全面通行止め」
 説明会で配布された資料の「工程表」を見ると、防護柵の完成に合わせて「片側通行」の文字。一瞬、ホッとしました。しかし、12月下旬に再び「全面通行止め」の文字。しかも、来年4月一杯までです。愕然(がくぜん)としました。
 説明会では、北信建設事務所の担当者が「被災経過と復旧工法」、「施工期間中の対応」の順で説明をしました。「復旧工法」については、かなり本格的な対策が計画されていることがわかりました。崩壊箇所の法面枠工、雪崩予防柵の設置などで、来年12月頃までかかります(ただし、28日に説明されたものは、国の「災害査定」を受けるために設計されたもので、国の査定次第で変更される可能性があるものです)。
 しかし、説明が「施工期間中の対応」に進むと、資料の「工程表」に記載されている通り、「12月10日ないし11日に防護柵が完成したら片側交互通行を可とする。しかし、本格的な雪になり、降雪量が50cmを超え、雪崩注意報が発令されるようになれば全面通行止めに戻す」と話されました。

 

● 住民からは厳しい意見が相次ぐ
 説明の後、質疑応答。9名の住民が挙手して発言されました(二度、三度にわたって発言された方もおられます)。いずれも、県に対して叱責(しっせき)するもの、地域にとっての県道被災箇所の通行の必要不可欠性、県が考えている迂回路の危険性をめぐるものです。
 第1に“叱責”ですが、発災から1ヶ月強を超えた時点での初めての地元説明会に「遅すぎる」、「迂回路があると考えて、県道被災箇所の対策のスピードが遅くなっているのではないか」というものです。「説明会が遅い」という点に関しては、北信建設事務所飯山事務所長が謝罪しましたが…。
 第2の被災箇所の冬期通行の不可欠性について、第3点の迂回路(原向から長瀬に下る県道。通称「百年道路」)の危険性の具体的な指摘と併せて、栄村の冬の暮らしの実相の紹介をまじえながら、切実な訴えが相次ぎました。県は「防護柵はあくまでも落石等への対応措置で、雪崩の破壊力に耐えられるものではない。雪崩での人身事故を発生させるわけにはいかない。安全第一での措置」という返答を繰り返しました。住民も「安全第一」は理解していますが、その意味でいえば、迂回路も「安全第一」に反する危険性があります。
 冬の栄村の雪の厳しさを具体的に話す住民の発言で、建設事務所側に認識の一定の深まりは得られたのではないかと思いますが、質疑応答は冬期通行止めをめぐって平行線のまま終わりました。
 最後に、住民から「今日の住民の問いかけに対する返答はいつもらえるのか」という問いかけがありましたが、明確な回答はありませんでした。

 

原向から長瀬に下る道路の危険箇所

ガードロープは冬期間取り外し。写真左手には蓋無しの側溝がある。

冬期は道路凍結で滑る、除雪による幅員減少で離合困難等で危険大。

 

● 村(役場)も加わって、住民の暮らし・思いに寄り添ったきめ細かい対応を行うことを求めます
 私自身、「通行可として大丈夫」とは言えません。しかし同時に、「雪が本格化すれば全面通行止め。迂回路利用」の県方針をスッとのみ込むことはできません。まだまだ話し合いと検討の余地があると私は思います。たとえば、降雪期、積雪期とひと口に言って済ますのはどうかと思います。かなりの積雪があっても安定している時期もあるはずです。
 この問題は復旧工事を担当する北信建設事務所の担当者が来て説明会を行うというだけでは打開できないのではないか、県は工事担当者だけでなく、住民の暮らしをどう守るかを考える職員も現地に派遣して話し合いを深める必要があると思います。また、村は、道路管理者が県であることから県に委ねるというのではなく、県と一体となって住民との話し合い、諸対策の検討・実施に取り組まなければならないと思います。28日の説明会で「説明は終わった」とすることは絶対に受け入れられません。


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