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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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秋山郷で暮らす

 

 5月20日午前、「復興への歩み」などの配達で屋敷集落を廻っていた時、田掻きをしている人が目に飛び込んできました。オレンジ色の作業着に見覚えがありました。「坪内さんかな」と思って、田んぼに行くと、坪内さんの奥さんが耕運機で田掻きの真っ最中。坪内さんの了解を得て、写真を撮らせていただきました。
 坪内さんはこの3月末まで地域おこし協力隊員(3年間)。現在は屋敷集落に住み、役場産業建設課の臨時職員として道路維持管理などの業務を担っておられます。昨春、結婚され、奥さまの恵理子さんも都会から移住して来られました。
 この日の午後に開催されたシンポジウムで初めて知ったのですが、坪内夫妻が作業されていた田んぼが、屋敷集落で耕作されている唯一の田んぼだそうです。

 

● 「秋山郷新歩時生(しんぽじうむ)」
 5月20日午後、小赤沢の「とねんぼ」で信越秋山郷会主催のシンポジウムがありました。
 「今できることを、今いる人たちで、今やる」という趣旨で、そのことを「新歩時生」という文字表記が表しています。
シンポジウムでは、史料保全有志の会代表の白水(しろうず)智氏が基調講演、小林幸一(津南町観光協会)、山田克也(秋山区長会長)、杉森奈那子(地域おこし協力隊)、坪内大地の4氏が意見発表されました。

 

秋山の暮らしの風景 5月6日撮影ですが、春が来るとすぐに、

秋山の多くの家で花豆(高原豆)の畑作りが始まる。

 

秋山の暮らしの風景 ほとんどの家で薪がつくられている

 

● 秋山郷での暮らしをいかに持続可能にしていくか
 有益なお話をたくさん聴くことができましたが、なかでも坪内さんのお話に強く共感を覚えました。
 彼は、秋山郷の現在、2〜30年後、さらにその2〜30年後についての予測を提起しました。「現在は60〜70歳代が世帯主」。「2〜30年後は、いまは都会で暮らす子どものかなりの部分、定年後Uターンで秋山郷に戻って来るのではないか」。「その子どもの子供、つまり現世帯主の孫は、秋山郷を『ふるさと』と思い、お盆や正月に帰省するが、Uターンは期待できないのではないか」。「すると、秋山郷の将来はIターン者にかなり依存することになる」。坪内さんの言葉を正確に再現できているわけではありませんが、こういう趣旨だったと思います。私も坪内さんと同じように思います。 続いて、坪内さんは、「でも、2つ、問
題がある」と言われました。1つは、「Iターン者が住む家がない」ということです。
 坪内さんの体験をふまえた問題の提起です。「家財(仏壇)がある」、「お盆に帰って来る」等の理由で家を貸してもらえないというのです。そこで提案されたのは、「1棟貸し」ではなく、「貸すのは1階のみ。2階には家主の家財を置く」という方式。坪内さんご自身、この方式で現在のお住まいを借りておられるそうです。この方式だと、家の管理、除雪を借家人にやってもらえるうえに家賃も入るので家主にとってとてもお得となります。「なるほど!」と思う
提案でした。
 2つ目は、秋山の保育所の問題です。
 坪内さんは「秋山郷はいま結婚ブーム」と言われました。たしかに、ここ2年で4組のカップルが成婚されています。そして、小さなお子さんがおられるIターン者ご夫婦も秋山郷にお住まいです。でも、現在は秋山の保育所は休園になっています。津南町の秋山郷・結東には双子の幼児がおられるそうです。坪内さんは、「今日は議員さんも来ておられるので、栄村と津南町が共同で保育所を開設するように努力してほしい」と話されました。

 じつに重要な問題提起だと思います。秋山郷に引き継がれてきた山の暮らし、本当に素晴らしいと思います。だからこそ、この問題提起にどうこたえていくか、みんなで真剣に考えなければならないと思います。


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