プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

栄村復興への歩みNo.348(10月26日付)

 

 

 

 

紅葉の秋山郷はにぎやかでした

 

 紅葉が本格化したここ2週間(10月10日〜24日)に4回、秋山郷の観光客のみなさんの動きを見て廻りました。(写真は1枚目:22日鳥甲山ムジナ平登山口、2枚目:21日苗場山三合目駐車場、3枚目:22日秋山林道コミズ付近、4枚目:16日天池前)
 秋晴れになった21日(日)、22日(月)の人出は凄かったです。21日、午前8時台に天池の駐車場がすでに満杯になっていました。21日は日曜日ですから当然といえば当然とも言えますが、平日の22日も秋山林道をひっきりなしに車が行き交う様子は久々に見るもの。私が紅葉の秋山郷を初めて訪れた11年前の時の賑わいと変わらないなあとも思いました。


● お客さんとの会話が楽しい
 16日に切明で名古屋から来られた男性3人組。「一度、ここの温泉に入りたいと思って来たんですよ。お蕎麦が美味しかったのでお替りしましたよ」。同じころに来られたご夫婦は南魚沼市から。やはり温泉が目的。22日に出会ったのは茨城県から来られたご夫婦。「いまの時期に来ます。今年で3年連続です」とのこと。

 


 21日朝は、9時に上写真の場所:上野原林道の旧展望台横で新潟ナンバーの男性と出会いました。「ここは最高の場所ですよね(この場所からの眺めは下写真を参照)。紅葉の時期は1週に一度のペースで来ています。紅葉が本格化してきましたね。この後は楽養館で温泉に浸かります。定番コースです」。相当朝早くに自宅を出て来られたのでしょうね。

 


 その後、小赤沢方向に下る途中で面白いバスに出会い、そのバスを追いかけて苗場山三合目駐車場へ。1頁2枚目の写真に写っているバスです。行先表示板に「山に登り隊」と書かれています。お話を伺うと、「千葉の山好きグループ」の自家用バスだそうです。
 22日昼頃、秋山林道ミズノサワでは滋賀ナンバーの車の人に声をかけました(下写真参照)。というのも、私は3歳から10歳まで滋賀県彦根市で育ったので、滋賀県の人だとわかると声をかけてしまうのです。もう80歳近いのかなと思われるご両親と娘さんの3人連れでした。お父さまは写真撮影がご趣味のようで、杖をつきながら写真を撮っておられました。「つい最近までフィルム写真機を使っていましたが、壊れたので初めてデジタルを買いました。デジタルでの初撮影です」とのこと。長年、西武にお勤めになり、その縁で西武の創始者・堤家の出身地、滋賀県五箇荘(ごかしょう)(近江商人発祥の地)で暮らされるようになったそうです。「この場所、春、雪がどれくらいあると思われますか?」とお尋ねすると、ズバリ「7mくらいですか」というご返事。いろんな所を廻っておられて、“見る目”をお持ちの方だなあと思いました。

 


 22日午前、布岩山の東側の絶景ポイントでは熊谷ナンバーの人が写真を撮っているところに出会いました。「ちょっと教えていただけますか。苗場山というのはどの山ですか。鳥甲山は?」。おそらく初めて秋山郷に来られたのだと思います。この方には矢櫃(やびつ)トンネル横のビューポイントもお教えしました。「午前中は逆光です。写真愛好家は午後1〜2時頃を狙われます」と。その日の午後4時少し前、「もう遅いかな」と思いながらビューポイントに向かうと、先の方から鈴の音。熊谷ナンバーの人と再び出会い、「先ほどは有難うございました」とご挨拶いただきました。

 

ビューポイントから見る夕陽に映える苗場山と小赤沢集落

 

栄村がめざすべき観光のあり方が見えてきました
 栄村を訪れるお客さま、さまざまな人がおられます。その大半の人たちはとてもフレンドリーで、「できれば地元の人と話して、いろんなことを聞いてみたいな」という思いを秘められています。
たとえば、切明温泉にやって来る人が必ず尋ねられることが一つあります。
   「冬もここは営業しているのですか?」
   「冬、ここまで来るのはたいへんですよね。道路の雪はどうするの

    ですか?」
 私はつぎのようにお答えしています。
   「はい、営業しています。道路は朝7時ころまでに除雪されます。」
   「是非、冬も来てください。鳥甲山、ご覧になったでしょう。冬は

    もっと絶景ですよ。」
   「でしょうね。でも、あの道を冬に運転するのは無理だなあ。」
   「それはそうでしょう。千曲川沿いにJR飯山線の森宮野原駅というの

    がありますが、そこからここ切明まで送迎するようにしますよ。そ

    れだったら、来られるでしょう?」
   「そうですね。それだったら、来てみたい。」

 


夫婦滝などを観るために切明橋を散策

 

夕刻になっても雄川閣を訪れる人は多い

 

 まずは、声かけ、お茶のみが大事なのです。
 雄川閣、トマトの国、北野天満温泉などの村観光温泉宿泊施設、玄関を入ってすぐのところにフロントがありますが、お客さまがちょっと座れる、そして「お茶を一杯どうぞ」とサービスを提供できるスペースがありません。いや、正確に言うと、雄川閣の場合はスペースそのものはあります。
 このスペースに、村のばあちゃんが座っていて、「ちょっとお茶を飲んでいきなさいな」、「これはおれが作った漬け物だ。一つ、つまんでみんしゃい」――こんなふうになれば最高です。
 一人一人のばあちゃんが座るのは週に1回、せいぜい1時間強で十分です。宿泊施設のスタッフが車で迎えに行き、来てもらったら、せっかくの機会ですから、ばあちゃんにも温泉に入ってもらう。お客さまと話しができたら、きちんと時給の報酬が支払われる。そんなシステムをつくっていけばいいのです。
 もう一つは、ちょっと変な表現かもしれませんが、“パトロール型の観光ガイド”です。
 これは紅葉期などの期間限定でいいと思いますが、観光に来た人が案内所を尋ねて来るのを待つのではなく、秋山郷の中をガイドがグルグル廻り、観光に来た人がビューポイントなどを尋ねやすいように、ガイドの方から声かけをするのです。第一声は「こんにちは!」で十分です。手元の観光パンフに写真が掲載されている地点に行きたいのだけれど、どう道を進んだらいいのか、分からないという人がたくさんいます。だから、一声かければ、ガイドさんに色んなことを尋ねる会話が始まります。
 こういうサービスがあれば、「いいところだなあ」となり、リピーターが誕生してきます。
 このパトロール型のガイド、地域の人がローテーションを組んで協力すれば、そんなに実施困難なことではないでしょう。

 

 

“夢灯”を機に整備された天池周回散策路を楽しむ人びと。

この人たちの視界に入っている眺めは下の写真。

観光スポットの環境を整備すると、観光の人びとが入りやすくなります。

 

 

 温泉施設のフロントでの出迎え・お茶のみ、パトロール型のガイド――共通しているのは、地元地域の人たちに少しずつでいいので、力を発揮していただくということです。地域ぐるみのお出迎え態勢で観光力をアップし、栄村・秋山郷を賑やかにしていくということ。観光客が増えて賑やかになるとともに、なによりも地元の人たちが活性化して地域そのものが賑やか・元気になるのです。

 

● 基本動線は飯山線−森宮野原〜秋山郷・切明
  ――宿泊施設連携で送迎態勢を

 

 ところで、紅葉期に限らず、栄村・秋山郷を訪れる観光客の最も多い目的は何だと思われますか。
 答えは登山だと思います。秋山郷に宿泊するお客さまの約半分は苗場山、鳥甲山、佐武流山の登山客です。
 この登山客の人たちの最大の悩みは、秋山郷・栄村内の《足》がないことです。
 1つは、飯山線からのアクセス路です。
 JR東日本は昨年に続いて、今秋も秋山郷への旅のキャンペーンを首都圏全域の駅で繰り広げてくれています(下写真)。
 でも、森宮野原駅から栄村村内の観光ポイントへの《足》がないのです。観光にちょうどよい時間に森宮野原駅に着く列車は1日に1本(せいぜい2本)です。宿泊施設が出迎えのバスを出すことが誘客のポイントです。

 

 


 2つは、宿舎から登山口までの《足》、山から下りてきた時の《足》です。
 やはり宿泊施設による送迎態勢がカギです。
 「宿泊施設にそんな人の余裕はない」と言う人がいるかもしれません。違うのです。送迎できる人的態勢を整えることによってお客さまが増え、送迎態勢に従事する職員を雇用する経費も充分に賄える営業収入を確保することができるようになるのです。
 そして、こういう態勢が整えば、観光のお客さまの秋山郷内周遊をサポートすることもできるようになります。
 「鶏が先か、卵が先か」という話がありますが、それに似せて表現すれば、「まずは送迎態勢の整備、するとお客さまが増える」のです。そのためには先行投資を辞さない積極果敢な観光施策の展開が必要です。

 

 最後に、JR東日本のキャンペーンの舞台・布岩の様子をご紹介します(22日朝撮影)。

 

 

 

                                                          

購読料更新期を迎えています。ご支援くださる方々のご寄付もお願いしています。

 

 本紙は、今年2月から、有料購読化をさせていただきました。お陰さまで発行態勢のベースが確立されつつあります。年間2,400円ですので、新しい年への購読料更新をよろしくお願いします。お電話をいただければ、みなさまの都合に合うようにご訪問させていただきます。
 また、ご支援のご寄付をお願いするキャンペーン期間を今から年末にかけて設定させていただきます。ガソリン代高騰への対応、配達・取材車の整備、PC更新が大きな課題になっています。ご理解、ご支援をお願い申し上げます。


この記事のトラックバックURL
トラックバック