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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告No.36(7月31日付)

消えた出捐金約6800万円
村はどう説明し、処理するのか?!

 

 7月23日、議会全員協議会(全協)が開かれました。村長提出の全協は午前11時から。
解散した一般財団法人栄村振興公社の清算手続き終了をうけて、公社幹部が参考人として出席しましたが、最大の焦点は
  村の財産である出捐金(しゅつえんきん)8千万円の扱い
です。
 この件に関する何らかの議案を村が9月定例会に提出する用意が示されるものと私は思っていましたが、まったく意外なことに、「8月に区長配布文書で全世帯に配布する村長名の文書案」というものが示されてきました。
 私は、この問題、9月定例会での村の正式対応の提示を待って、村民のみなさんへの報告を書こうと思っていましたが、信毎や妻有新聞に記事が出たこともあり、急遽、本号で報告させていただくことにしました。

 

「6,800万円余は管理運営費に使われた」
  ――これでは村の財産消失の理由にはならない
 振興公社は最後に残ったお金1,190万円余(正確には1,190万5,047円)を村に寄付したとしていますが、これは裏を返せば、村が公社に出した出捐金8千万円のうち6,800万円余(じつに8割5分)は消えてしまったということです。
 村は公社への出捐金について、村の財産として8千万円分の「出捐証書」というものを保管しています。この財産をどう処理するのでしょうか?「なくなってしまった」で済む問題ではありません。
 以下、出捐金とは何か、それはどうして減失(げんしつ)してしまったのか、をみていきます。


1. 村と公社の関係
 村は一般財団法人栄村振興公社に総計8千万円の出捐金を出してきました。
    平成25年4月の一般財団設立時に3千万円
    平成29年2月に2,100万円
    平成29年3月の2,900万円
です。
 一般財団法人というものは、一定の額の財産を保有していることを根拠として法人格を認められるものです。
平成25年4月、栄村振興公社を設立しようとした時、関係者の元には「一定の額の財産」はありませんでした。そこで、村が3千万円を供出することで栄村振興公社を設立し、法人格を取得したのです。
 ただ、村(役場)は自ら経営する立場にはたたず、一般財団法人に事業運営を委ねたのだと解することができます。いわば「公設民営」の組織だと言ってもいいでしょう。しかし、〈まったくの民間任せ〉にしたわけではありません。平成28年春までは公社理事長に副村長が就任し、事務局長に役場職員を派遣しました。また、平成28年以降は、公社の最高意思決定機関である評議員会に村長(後に副村長)が入り、また村議会議長も評議員になってきました。

 

2. 出捐金とは何か?
 ここでどうしても把握しておかなければならない問題があります。
 「出捐金とは何ぞや?」という問題です。
 出捐金というのは一般にはあまり耳にしない用語です。

 

● 村の言う定義(説明)は充分かつ正しいか?
 村は7月23日の全協で示した文案の中で、
   「出捐金とは、例えば財団法人設立のために一定の

    財産を提供すること等を言い、返済の義務はあり

    ません」
と書いています。文の前半(「財団法人設立のために一定の財産を提供」)は正しいでしょうが、後半部の「返済の義務はありません」は正確ではなく、誤った理解や措置を生みかねない表現です。
 出捐金は、受け取った財団法人の財産(資金)的な土台となるもので、「指定正味財産」というものとして取り扱われます。一般の会社でいえば資本金にあたるものです。
 資本金というものは、会社の経営のプロセスである程度運転資金等に利用されてもいいのですが、やはり会社の財産的基礎(土台)になるものですから、年度末には満額を財産として確保できている状態に戻すようにするものです。
 村は、7月23日の全協での質疑の中で出捐金を「寄付金のようなもの」とも言いましたが、これも正確ではありません。
 出捐金は寄付金ではなく、出資金に近いものです。ただ、利益の配当を求めない、出資証券を売るなどして資金を取り戻す(=実質的には「返済」と同じことになる)ことはしないという点で、出資金とは異なるということです。
 「(出捐金の)返済を求めない」のは、出捐金で設立された財団法人が健全な経営・運営の財産的土台を村が提供し続けるという意味に解するのが最も妥当かつ適切な理解です。

 

3. 平成25年設立時の出捐金3千万円は、早くも平成27・28年度で消失している。
 一般財団法人栄村振興公社は毎年4月1日から翌年3月31日までを会計年度とし、会計年度末に決算を行って、貸借対照表(バランスシート)を作成・公表してきました。
 平成25年度の貸借対照表を見ると、
   指定正味財産 30,000,000円 一般正味財産 9,514,609円
   正味財産合計 39,514,609円
    *一般正味財産とは、その年度の純利益を財産として

     積んだものです。
となっています。
 また、平成26年度は
   指定正味財産 30,000,000円 一般正味財産 6,255,820円
   正味財産合計 36,255,820円
です。
 しかし、平成27年度の貸借対照表では、
   指定正味財産 30,000,000円 一般正味財産 225,380円
   正味財産合計 30,225,380円
 さらに、平成28年度貸借対照表では、
   指定正味財産 80,000,000円 一般正味財産 △29,261,601円
   正味財産合計 50,738,399円
となります。

 

 以上から明らかなことは、平成27年度で純利益がほとんど確保できなくなり、ついに平成28年度、当初の指定正味財産3千万円を食い潰すこととなったということです。上記の平成28年度貸借対照表で、指定正味財産は8千万円となっているにもかかわらず、正味財産合計が約5千万円しかないというのは、そのことを明瞭に示しています。

 

4. 平成27〜28年度に何が起きていたのか?
 財団設立時の村の出捐金(⇒公社の指定正味財産)3千万円が消失した。それは何故なのか。これはやはりきちんと解明・説明されなければなりません。
 ここで着目しなければならないのが、平成25年度〜27年度上半期にかけて、いわゆる3億円事業(震災復興緊急雇用創出交付金事業)が村から公社に委託されていたことです。

 

《3億円事業の概要》
  平成24年度 総事業費4千853万6,648円 うち人件費2千145万8,733円
  平成25年度 総事業費9千228万0,090円 うち人件費4千824万5,320円
  平成26年度 総事業費9千290万3,827円 うち人件費5千710万8,322円
  平成27年度 総事業費4千560万0,259円 うち人件費2千854万3,700円
       (平成24年度と平成27年度はそれぞれ半年間)

 

 3億円(事業)は振興公社に対して支払われた補助金ではなく、事業の委託(公社側からいえば受託)です。したがって、3億円事業で村から公社に支払われたお金については、振興公社の一般会計とは区別された受託事業特別会計として独自に会計処理される必要があります。
 ところが、そういう適切な会計処理が行われていませんでした。そのことは平成27年度の監査で指摘されます。
 すなわち、平成25、26年度の決算書では上記の9千228万0,090円、9千290万3,827円を振興公社は「地方公共団体補助金」として扱っていました。平成27年度決算の監査でこの点の誤りを指摘されます。そこで、公社は平成27年度の「3億円事業」の入金の費目名を「地方公共団体受託金」と書き換えます。しかし、書き換えたのは費目名のみで、公社の一般会計と受託事業会計を分けて決算することはしませんでした。
 その結果、恐ろしいことが起こりました。
 平成27年度上半期には「3億円事業」受託金で賃金を支払っていた公社職員(正職・臨職を問わず)の雇用が基本的には平成27年度下半期も継続しているにもかかわらず、それらの職員に支払う賃金の原資が確保できなくなったのです。
 「3億円事業」の本来の趣旨からすれば、「3億円事業」実施期間中に振興公社の営業力を高め、売上・営業利益を大きく増大させて、平成27年度下半期以降の雇用を確保できるようにすることが求められていたのです。しかし、そうはなっていなかった。
 このため、平成27年度下半期から賃金支払のために基本財産を食い潰す過程が始まったと見ることができます。そして、平成28年度もそういう事態が続きます。
 平成28年度決算で一般正味財産の赤字が2千926万1,601円にものぼり、公社設立時の指定正味財産(=村の出捐金)3千万円がほぼ全額消失したことの原因と意味が、以上で基本的に明らかになると思います。

 

5. 平成29年初頭の2,100万円、2,900万円の出捐金(計5千万円)のほとんどは何故、消えたのか?
 平成28年度、5月下旬に振興公社の新理事会が発足します。
 新理事長が就任直後に発出された挨拶状には「振興公社は本当は赤字」という趣旨のことが書かれていました。公社の財政状況についてそれなりの認識をお持ちだったのだと思います。そして、平成28年9月、トマトジュースの仕入れ金が支払えないという形で問題の深刻さが表面化します。それへの村の対処が平成29年2月の2,100万円、3月の2,900万円、計5千万円の出捐金拠出です。
 最初の2,100万円は「2月、3月の給料支払等が出来ない」ということで議会も認めたものですから、ひとまず運転資金として使われたのは出捐金の趣旨に反しないと思われますが、平成29年度以降の営業で利益をあげ、2,100万円の指定正味財産を回復させるのが本来的なあり方です。
 次の2,900万円については、「定期預金とし、それを担保として運転資金を金融機関から借り入れる」とされていました。
 昨年(平成30年)6月に議会に示された平成29年度決算書では、たしかに「資産の部」に2,900万円の定期預金がありました。しかし、同時に「負債の部」に「短期借入金2,500万円」という項目がありました。「定期を担保に運転資金を借入する」という趣旨に合致しているかに見えますが、同時期に示された公社の平成30年度収支計画には短期借入金の返済計画がまったくありませんでした。返済がないと、定期預金のうち少なくとも2,500万円は消えてなくなります。
 私を含む議員が昨年6月の定例議会において、「振興公社は経営破綻している。公社を解散し、村の観光施設を運営する新会社を設立すべきだ」と述べたのは、それゆえです。
 いちばん大事な点は、短期借入金はどういう返済計画の下で借入されたのか、返済の目途もなく「指定正味財産たる定期預金を食い潰す」ものとして行われたのか、ということです。
 村は公社の解散・清算をめぐって、この点をしっかり精査して、そのうえで、平成28年度の出捐金5千万円の最終処理を判断することが求められます。

 

6. 「管理運営費に使われました」という説明は認められません
 7月23日の全協で村が示した文案では、出捐金総額8千万円に対して、公社の村への寄付金は1千905万円余にとどまることから、「差し引いた68,094,926円は、出捐当時から解散までの公社の管理運営費に使われました」と記しています。
これは認められる説明ではありません。
 すでに説明したとおり、出捐金は財団法人のいわば資本金となるものを村が提供するというものです。管理運営費で費消してしまっていいものではありません。
 たしかに振興公社は膨大な赤字の累積で経営を続けることができなくなりました。
 ですから、解散を決めて清算を行えば、累積赤字の処理が課題となります。その累積赤字額が68,094,926円ということになると思いますが、その累積赤字を清算するために指定正味財産を取り潰すことを決定し、利害関係者全員の同意を得る、というのが正しい処理の仕方なのではないでしょうか。

 

 問題が解明されればお金が戻ってくるというわけではありませんが、村の財政の規律、倫理を明確にするために、きちんとした議論が必要です。

 

 

 

私・松尾は全協で議場からの退席を求められました
何が起こっているのでしょうか?

 

 7月23日は全協(村長提出)に先立って午前9時から全協(議長提出)が開催されました。
 ですが、私はこの全協(議長提出)の協議内容の重要部分を知りません。全協開会早々に議長から「松尾議員は退席を求めます」と言われ、議場から退出せざるをえなかったからです。
 退席を求める理由として言われたことは、「松尾議員に関することを議論するので、本人がいると他の議員が発言しづらいから」ということだけです。1時間以上が経ってから、議会事務局で待機する私に事務局長から「お待たせしました。お戻りください」と告げられ、全協の議席に戻りましたが、何が議論されたのか、私に対して何か決められたのか、何も説明はありませんでした。今日に至るも説明はありません。不可解です。

 

■「目安箱」への投書で指摘された事実はなかった
 私は、3月13日の3月定例会が終わった後の議長の私へのお話(これは一般的な話ではなく、「議長から松尾議員への指導」という一種の訓戒的なものです)、さらに4月25日の全協(議長提出)で議長から報告された話から、私をめぐって何が問題にされているのかは理解できます。
 村長が設置する「目安箱」に、「松尾議員が(当時の公社職員の一人に)解雇通告をした。議員としてあるまじき行為である。松尾議員を処分すべきだ」という趣旨の投書があったということです。
 4月25日の全協では私も議席にいる中で議論されたのですが、7月23日は私を退席させて議論が行われたのです。
 私が間接的に聞くかぎりでは、議会等が関係者に対する聞き取り調査を行った結果、上記の公社職員と私・松尾が会った事実は認められるが、「解雇通告をした」というような事実はなかったとのことです。
 私は3月13日の時点で、議長にあるがままの事実をお話し、「解雇通告」云々のような事実がないことは議長も確認されているのですが。

 

■ 私は選挙公約でお約束したとおり、情報公開の活動をしっかりやり続けます
 どうも、私をめぐって2つのことが問題にされているようです。
 1つは、企業組合ぬくもりに関わっていることです。
しかし、「企業組合を設立しよう」というのは昨年の夏、議会全協で議論したことですし、3月13日の議長との話でも「企業組合に関わること自体は問題ない。自分も指定管理者になっている苗場山観光の役員」だと言われています。さらに、企業組合を応援する議員は他にもいます。
 2つは、私の「議員活動報告」や「栄村復興への歩み」の執筆・配達・ネットでの公表です。
 「あまり書くな」とか、「注意したのに、また同じようなことを書く」などと一部の議員から言われます。また、「ネットで世界中に村の恥をさらすな」と言われた記憶もあります。
 でも、多くの村民の方から、「負けちゃいけないよ。あなたが知らせてくれることが、私たちが村の現状を知る唯一の手掛かりなのだから」と言っていただきます。
 私は2017年の村議選に立候補した時、「情報公開をやります」ということを最大公約に掲げました。それへの期待から当選させていただいたと思っています。
 ですから、「松尾まことの議員活動報告」は私の議員としての務めであると確信しています。また、私は選挙立候補の際、「職業 ジャーナリスト」と明記しました。
 新聞社の方々からは、「ジャーナリストというのは字数が多くて困る。文筆業や編集者というのではだめか」と尋ねられました。私はあくまでもジャーナリストと明記することにこだわりました。「文筆業」というのは「書きものをして収入を得る」という職業です。注文に合わせて文を書くこともありえる職業です。それに対して、ジャーナリストとはジャーナリズムの担い手を指しますが、著名なジャーナリスト立花隆さんは「ジャーナリズムの最も本質的な部分というのは、『フリーダム・オブ・スピーチ』と『フリーダム・オブ・プレス』にある」と言っておられます。言論の自由・出版の自由です。その自由というのは、「何を書いてもいいよ」という意味ではなく、「国家権力から国民の基本的人権を守るために書いたり、話したりする自由」ということです。
 私はそういう意味で、ジャーナリストとしての矜持(きょうじ)を守り、いろんな圧力には負けないで頑張っていきたいと思っています。
 今後とも、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 


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