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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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松尾まことの議員活動報告No.44(4月16日付)

農地・農業政策が重要
〜3月定例会での森川氏との質疑から〜

 

 栄村にとって農業は基幹産業です。農地が守られ、農業が生き生きと展開されていてこそ、栄村です。
 3月定例会の一般質問の2つ目の柱として農業施策、とくに中山間地域等直接支払制度の第5期をめぐる問題と、ふるさと納税を原資とする農業施策・コメ政策を取り上げました。
 その質疑の全容を、議事録を基に紹介します。
  (話言葉の煩雑さを避けるために言葉遣いについて

   は編集しています。)

 

◎ 中山間地第5期への村の対応は?
松尾 中山間地域等直接支払の第5期ですが、この制度が栄村の農業にとってどの程度の重要性を持っていると村長は認識されているのか。まず聞かせていただきたい。
 上倉議員への答弁の中で、「第5期について、県に問い合わせた」という事でしたが、それはいつ頃のことなのか、教えていただきたい。
 集落協定に係わる人たちの5期に対する不安ですね。これに対して、昨日産建課参事がお答えになった対応で十分な対応になっていると村長はお考えかどうか。とりわけ、第5期で新たな課題となっている集落戦略ですが、直接支払制度に係わる国の農水省の第三者委員会の議論の記録を読む限り、第4期で既に全国の協定の約1割が取り組んだ集落戦略と大きくは異ならないものになると私は思います。
 そこで、第4期において農水省から既に過去3年くらいにわたって告知されている「集落戦略の記載例」というものを、村長と参事はご覧になっているかどうかお聞かせ願いたい。

 

森川村長 中山間地域直接支払制度は、私どものような辺地のようなところと、整備された地域の標準化をできるようにする助成金であると認識しています。ですから、農業をどこにおいても同じことができるということのために取り組んでいるものだと私は考えています。
 県に聞いたのは、この質問が出てから直ぐです。そして、産建課参事の言った内容はその通りだということで解釈しております。
 あと、集落の・・・何でしたっけ?
← 私が質問要旨通告を出したのは2月14日。森川氏はその後、初めて、第5期について県に問い合わせたと言う。第5期への取組が圧倒的に遅い!


松尾 「集落戦略の記載例」

 

森川村長 見たかどうかですね。申し訳ありませんが見たことはありません
← 「集落戦略の記載例」も見ていないとは! これでは村の農業施策をまともに考えることはできません。

 

 

松尾 参事は如何ですか。

 

産業建設課参事 国の方から中山間地直接支払制度の冊子の中で、「集落戦略の記載例」というものが1ページだけですが載っているのは見ております。

 

松尾 直接支払制度が非常に有利な条件のあるところと、我が栄村のような条件の不利なところと平準化するためのものだというのはその通りだと思います。だからこそ傾斜地が多い栄村での農業にとっては、これは必要不可欠だということだと思います。
 村長がお答えになった「昨日の産建課参事の答えが十分だ」というのはどうにも納得いかない。要は、色んな集落協定の親方をされている方とか、事務局を担っている方は、「いったい第5期というのはどういうものが要求されるのだろう」、これが不安でしょうがないのです。私は色んなところで第5期のことについて書いたり、話したりしていたものですから、つい2週間から3週間ほど前、村のある方からこういう質問を受けました。「集落戦略というのは、集落の人口ビジョンまで作らなければいけないのか」と。これはもっともな不安だと思うのです。「一つの集落の10年後の姿を描け」と言われたら、あの地方創生計画では、「計画を立てる前に人口ビジョンを示せ」と言われた事例がありますから。
 そこで重要な役割を果たしていくのが、この「集落戦略の記載例」なのです。これのポイントは何処にあるかと言えば、「現状はどうですか」、「4期までやってきた人はそのままその田んぼをやり続けられるか」、「自分がやれないという場合、もう既に委託する先が決まっているか」、「委託を希望しているけれども、まだ委託先が決まっていないかどうか」。これをまず答えなさい、丸を付けて。
 「概ね10年、15年後に向けて、そのそれぞれの田んぼを維持しようとしたら、どういう課題がありますか」ということへの回答も求められます。これ端的に言えば、「うちの農業法人で必ずこれは引き受けますという約束をしてくれている農事組合法人なり何なりが、その集落で確保されているかどうかを答えてください」という話なのです。
 だけど、これは栄村にとっては厳しいです。栄村にはそんなにまだ農事組合法人等々できていないですから。栄村の中でどれだけの法人が確保できるのかという事を含めて検討しないとなかなか集落戦略は書けない。
 こうなってくると、集落の努力だけではどうにもならない。やはり村がある種の指導力を発揮して、栄村全体の中で法人化に取り組めるところをどれくらい育成するかを考えなければいけない。
 今日、直ぐにそういうことについて村がどういう施策をするつもりか、とお尋ねする気はありませんが、要は、村の人たちが何を心配しているのか。そのことをキチンと担当部署が受け止めて、それに対応することを求めたいのです。
 そうしたら、「4期にこういうものが1ページだけあったのは知っているけども」と言って、「集落戦略の記載例」というものが農林省から出ていることを村の人に教えていないのは、これはやはり役場の対応としては不十分でしょうと私は申し上げたいです。やはり農政を担当している役場の係と、現実にそれぞれの集落で踏ん張っている人たちの間で本当にお互いの気持ちが通じ合うようなやり取りができないと村民の不安というものは取り除くことができないのではないか。その点について村長がどうお考えか、一言だけお答えいただきたい。

 

◎ふるさと納税を原資とする農家支援について
 つぎに、それから、要旨通告の2点目です。
 村長の施政方針で、令和2年度の重点施策の一つだと位置づけられた「米栽培農家支援」、これが本当に重点施策と呼べる、十分に意義ある施策になっているかどうか、私は疑問に思うのです。
 「作付面積に応じて支援」ということで提示されているものをよく計算しますと、1俵当りでは僅か700円しかならない。ふるさと納税を原資として特A米に加算されてきた加算金は1俵当り2,828円でした。今まで2,828円加算されていたものが、僅か700円となったら、これは農家はやっていけません。
 この「作付面積に応じた支援金」にする根拠として、村民に対して行われたアンケートの結果を上げられています。
 しかし、私、実にトリッキーな話だと思います。「作付面積に応じた支援金」とした場合に、1俵当り幾らの収入になるかが、アンケート実施の際に全然示されていないのです。従来のふるさと納税を原資にした特A米への加算は、自分の作った米のほとんどが特A米になったという人は満足しておられたけども、1等米が多いという方は大変不満を持っておられた。そこで、特A米だけの加算ではなくて、作付面積に応じた支援に切り替えるというのだったら、こちらに丸を付ける人は当然増えるのです。
 だけど、その時に「1俵当り2,828円ではなくて僅か700円です」と言われたら、これに丸を付ける人が果たしてどれくらいいるか。そこはよく踏まえて、あのアンケート結果を読み込んでいただきたい。
 ただ、村が無い袖を触れないのも事実です。ふるさと納税が1億2,000万円ないし1億5,000万円あった時と、2,000万円から2,200万円しか来ないというのとでは、元手が無いわけですから、無い袖を触れないというのは十分分かります。しかし、無い袖を触れないのですから、仮に2,200万円留まったとしても、この2,200万円をどう有効に使うかを考えなければいけない
 仮に2,200万円きたとしますね、それを農業振興基金に積んで、それを農家支援に回す。繰り返し言っておられますが、「返礼品は30%まで。返礼品代を含めて経費は50%まで。そうすると村で自由に使えるお金は1,000万円だ」と。
 だけど、村が1俵3万円で買い上げてくれて、「発送作業は自分たちでやりなさい。袋だとか、袋ラベルだとか、中に入れる返礼のお手紙は村の方で統一させていただきます」となれば、農家は間違いなく1俵2万円は稼げます。返礼品代3割以内、発送経費5割以内に収めることができます。
← かなりややこしい話のように思われるかもしれませんが、要はすべてを農協に委託するのではなく、村が返礼米を農家から1俵3万円(精米)で買い取るということです。
 そして、村にはさらに1,000万円残る。これをどう有効活用するかです。今はふるさと納税が2,200万円だとすると、新年度予算に書かれているように返礼品に使えるお米はせいぜい220俵か230俵。村にいっぱいもっとお米ができている。これをどうするか。村が支援するから皆さん直売に力を入れようではないかと農家に呼びかける。そして、村が例えば武蔵村山市にキャンペーンに行く、横浜の栄区にキャンペーンに行くという時に、「皆さんも自分の自慢のお米を5埖沺△△襪い呂修ΔいΤ稿でキャンペーンをする場合には1埖泙箸2埖泙諒が持って帰りやすいという事だったらそういう形で用意してほしいと。そういうキャンペーンにあなたたち自分で足を運ぶのでしたらその時の交通手段については村で1,000万円の農業振興基金を基にして村が車を出しましょう。統一の宣伝ののぼりくらいは村で用意しましょう。だけどやはり自分たちで稼がなければいけない時代になっているのです」ということを村が村民の皆さんにお伝えしていけば、1,000万円がもの凄く有効に活用できるではないですか。しかもその時は別に米に限らず、山菜を持って行ってもいいし、野菜を持って行ってもいいし、あるいは秋であればキノコを持って行ってもいい。
 とにかくふるさと納税を使った農家支援と言えば、「返礼品を特A米で出す。それは全部農協にやってもらう」としているから農家に入って来るお金が減ってしまうのです。経費が必要以上に膨らんでしまうのです。
 いま、私が話したような工夫を考えていただけないか。これは私の提案ですので、全面的な回答はできないかもしれませんが、そういう検討はしてみる価値があるかどうか、お答えいただければと思います。

 

森川村長 議員から言われた、まず第5期の中山間の関係、地元の役員になった方が心配されてはいけないと思います。やはりこれを率先して村の方で指導または入る、または村の方で事細かく心配ない対策を取れるように産業建設課参事の方から、まず、各集落の取り組んでいるところに周知文を出しまして、遅れている内容等も含めて、そして今後は村が状況を見て指導に入りますということで取り組みをさせていただきたいという方向にしたいと思います。
← 議会で相当にしつこく質さないと、こういう取り組みも始まらないというのが実状です。森川村政では農業施策にまともに取り組んでいないと言わざるをえません。

 

 また、今の米の関係のお話なのですが、ここまでの話になると村の本当に総合的な米の将来計画を見通した計画に練り直さなければなりませんので、ただ、これを直ぐに取り組むという事ではなくて、また研究しないという事ではなくて、早急に関係の部署で研究し、そして農業委員会、またそういう関係の農政審議会とか、関係のところで諮って「いかようなものか」ということで研究を大至急取り組ませていただきます。それは8月以内に取り組みをしたいと考えます。
← 私の提案に対して、森川氏は「ここまでの話になると村の本当に総合的な米の将来計画を見通した計画に練り直さなければなりません」と答えています。
 それは、言いかえれば、森川氏は4年間、村長の職に就いていながら、「総合的な米の将来計画」をまともに考えてこなかったということです。

 

◎農業施策と商店施策の一体性
松尾 積極的な答弁をいただきまして、これが一つの突破口になればと思います。
 ついでに一言付け加えさせていただきますが、午前中の7番議員の商店に関する質疑の中で、「今、この村の中で、地域で小売商店をやるというのは経営的に無理だ」というお話が村長からも商工観光課長からもありました。今、栄村の中で、例えば西部地区に1軒、東部地区に1軒、秋山地区に1軒商店を設けるとなったら、それは民間でできないです。できないけれども、今のふるさと納税を使って米の支援をどうするのか、あるいは農業政策をどうするのかという問題と商店政策はワンセットです。いま、全国各地で主流になっているのは、農業をどう持続させていくか、法人をどう立ち上げるか、5期にどう対応させていくかということと、商店をどうするかというのはワンセットで考えられています
 そもそも農水省がなぜ集落戦略ということを言い出したか。中山間地の直接支払制度は農地を守るという事からスタートしました。だけども、第三者委員会で議論されていることは、「農地を守ると言っても集落が無かったら農地を守れないではないか」ということです。
 だから今はこの関田山脈の裏側の櫛(くし)池(いけ)で取り組んでいることは、直接支払制度とワンセットで農業に取り組む法人で雪下ろしをやることです。上越の方は雪害対策救助員制度が無いですから。そういうことも取り組める総合的な法人に農業関係の法人を育てていってほしい。国も農水省だ、総務省だと行政縦割りにやっているのではなくて、総合的にミックスしてそういう取り組みができるように応援しよう、それが今、国の基本スタンスです。ですから、商店のことは商店のこと、農業のことは農業のことというふうに分けて考えるのではなくて、総合的に考えてほしい。交通対策もそれとワンセットということだと思います。
← 農業施策は農業だけにとどまらない広がりをもつということです。
 森川村政で停滞した農業施策を抜本的に改め、農業施策と「暮らしやすい集落」づくり施策を一体的に展開できるようにすることが必要です。

 


議員として何をなすべきか

 長々と一般質問の質疑内容をお読みいただき、有難うございます。
 お読みいただいてお分かりいただけたかと思いますが、私は行政を厳しくチェックすると同時に、「どうすればよいか」の提案も行っています。
 昨年6月定例会での農家支援策についての質疑(ふるさと納税制度の変更に伴う問題をめぐる質疑です)以来、森川氏は私の提案に対して受け入れるかのような答弁をします。村の施策の足りないところをきちんと指摘し、対案を提起しているのですから、そのようにしか答弁できないのでしょう。
 しかし、その後の展開をみると、「やる」と言ったことをなかなか実行に移してしていません。
 よくわかっていないのか、それともやる気が十分ではないのか。
 でも、課題は「待ったなし」のことですから、いつまでも待つわけにはいきません。
 この間、森川氏を支持する人たちの名前で出されているチラシを拝見していますが、農業施策をめぐっては、「実績」を誇るものもなければ、「今後の施策」の提起もありません。困ります。

 

 季節は、すじ播きから田起こし−代掻き−田植えという時期を迎えています。
 農業施策を充実させ、子どもや孫に栄村の農業を引き継いで行けるようにする。そういう使命が議員にはあると思います。
 みなさんには、そういう視点から身近の議員の活動状況をチェックしていただければいいなと思います。

 

(了)