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栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

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飯山線の復旧工事が急ピッチで進む


 国道117号線を長野方向から来て、青倉トンネルを抜けてすぐのところに共同駐車場があります。その一角が青倉米の倉庫になっています。そこで一昨日からでしょうか、重機が入って大規模な除雪が始まりました。「何なのだろう?」と思っていたら、路盤が崩落した飯山線の復旧工事のための仮設道路づくりだとわかりました。

 先に一度、報告したことがあるかと思いますが、JR東日本は「飯山線を1ヶ月以内に復旧させる」方針だとのこと。仮設道路づくりの様子を見ていると、「これはどうも、本当に1ヶ月で復旧させそうだ」と思われてきます。

<都市と農山村の関係を考察する興味深いケース>
 みなさん、集中豪雨等による土砂崩れなどで過疎地域のローカル線の路盤が流されたした場合、半年、1年の単位で不通になるのが当たり前になっていることをご存じではないでしょうか。
 飯山線も栄村地区まで来る列車は1日に7〜8本。潜在的には観光面で相当に価値ある路線ですが、現状は典型的な赤字線です。
 その飯山線を1ヶ月で復旧させるという異例の措置は、まことに不思議なものです。
 しかし、ここ2年のこの地域での出来事を振り返ると、事態の真相・本質が見えてきます。

 じつは、この路盤崩落地点から車で20〜30分ほど十日町方向に走ると、JR東日本の宮中ダムがあります。ここで取水した水でJR山手線など首都圏の電車を走らせるのに必要な電力の約半分が発電されています。

 ところが、一昨年の3月、JR東が宮中ダムで違法取水をしていたことが発覚し、水利権が取り消されました。昨年春、新たな水利権について地元との合意が成立し、取水‐発電が再開されましたが、当面の5年間は試行期間という位置づけです。

 そのため、JR東日本はこの地域への地元対策に神経をとがらせています。今冬、栄村のすぐそばの津南町寺石踏切でJR社員の誤誘導で列車と乗用車が衝突し、車の運転者が死亡するという事故がありました。この時も、すぐにJR東の社長が事故現場を訪れるという異例の対応がとられました。

 これまで、都市(企業、工業)は農山村の資源を一方的に収奪してきました。ところが、宮中ダム違法取水‐水利権取り消しは、もはやそういう一方的な収奪関係が成り立たない時代になっていることを突き出したのです。

 飯山線復旧工事への早期の着手も同様のことを示しているといってよいでしょう。
 ただし、この仮設道路づくり現場周辺の地権者への説明が事後説明となり、しかも一片の文書によるものだけだったことは、本質の転換にはいまだ至っていないことを示しているようでもあります。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事