栄村復興への歩みNo.150(通算第184号)5月31日
- 復興ビジョン
- 2012.05.31 Thursday
ブナ苔玉「森彦」って、ご存知ですか?
―「地域資源の活用」の実例の1つ
昨30日、下高井農林高校(木島平村)環境クラブ顧問の山本元和先生という方のご訪問を受けました。下高井農林高校は、栄村からも毎年数名の生徒が入学し、村から通っています。そういう縁がある高校として、「栄村震災復興のための交流支援をできないか」というご趣旨での来村です。
そこでご紹介くださったのが、ブナ苔玉「森彦」です。
ブナ苔玉「森彦」
これは鍋倉山のブナ林で、ブナの実をとり、それを発芽させて、“盆栽”風に育てたものです。ブナ林で実から発芽したものを採取して育てるというやり方もできるそうです。
葉の部分をよく見ますと、剪定がされていて、葉がどんどん繁るというようにはならないようにされています。また、根が育つ土の量が限られていますので、これ以上に木が伸びて、どんどん大きくなることもないそうです。
要するに、“盆栽”なのですね。
この「森彦」の「兄弟」分として、「ブナ便」というものもあります。こちらはビンを鉢代わりにして育てるものです。左の写真がそれです。外から見ただけでは「ビン」だとは思えませんが、写真に見えるきれいな布でビンが巻かれているのです。
●地域特産品になりつつあります
「森彦」は下高井農林高校環境クラブが研究し、開発したものですが、鍋倉山の麓(ふもと)、飯山市温井集落の人たちがいま、「森彦」を作って販売したいという依頼があり、道の駅などで販売しておられるとのことです。
下高井農林高校環境クラブは、「ブナを使った商品を作ることで、地域の人が地域の自然を知り、地域型の環境保全を進められるようにしたい」との考えでブナ苔玉の開発に取り組んでこられたので、温井の人たちの申し出に喜んで対応されました。
●まさに「地域資源の活用」
「森彦」の名前の由来は、鍋倉山の麓にある「森太郎」という樹齢400年にもなるブナの巨木にあります。
山本先生からメールをいただき、「ブナ苔玉」というものを初めて知った時は、どういうものかよくイメージできなかったのですが、昨日、実物を拝見して、すっかり魅せられてしまいました。そして、「これなら売れるな」と強く思いました。下高井農林高校の農林祭りでは2千円で販売され、好評を得たそうです。まさに「地域資源を活かす商品開発」です。
昨年は、JA中央会主催のごはんDE笑顔プロジェクト選手権の関東甲信越大会で優勝、全国大会に出場され、NHKで全国放送されたとのこと。
●7月頃に栄村で講習会
山本先生のご提案で、栄村の人たちを対象とするブナ苔玉づくりの講習会をやってみたいと考えています。
6月半ばまでは田植えが忙しいですが、それも終わった7月頃の開催を考えています。具体的な日時が決まったらご案内しますが、その際は是非、ご参加ください。