配達日誌5月24日〜29日
- 配達日誌
- 2014.05.30 Friday
24日(土) 昨日までの肌寒さとは一変、暖かいを通り越して暑い一日だった。昼過ぎ、国道117の平滝気温表示器では25℃だった。
21、22日にほとんど配達できなかったのを取り返そうと、今日は150軒配達を目標とし、152軒を廻った。さすがに最後は疲れたが、いいシャッターチャンスはその後に訪れた。配達を終えた後、長瀬の東部保育園で民具保全の記録活動の模様を拝見して帰る途中、右前方に何人もの人が手植えで田植えしている姿が見えた。すぐに車を停めて、その田んぼへ。柳在家のあるお家の家族総出の田植えだった。
80歳を超えるご夫婦とそのお子さんたち。おかあさんによれば、「おとうさんは90歳が近い」とのこと。「こんなの珍しいでしょ。ポット苗で、それ用の機械でないと機械植えできないので、こうやって手植えしているんです。秋ははぜ掛けして。やっぱりはぜ掛けした米がいちばんおいしいよ」とのこと。「歩み」本文にも写真を掲載したいと思うが、まずは1枚。
配達の〆は「道の駅」での久しぶりのソフトクリーム。暑い一日だったのでピッタリ。震災で箕作の酪農家がいなくなってオーナーは変わったが、製法・美味しさは変わらない。私はシンプルなバニラ(コーン型)が好き。若い女性はカップ型を好む人も多いようだ。
国道117を進む人は是非、お立ち寄りを。300円です。
25日(日) 午前中、天地、原向、天代、北野、中野、極野と廻る。計82軒だが、比較的ゆったりとしたペースで廻れ、農作業中の人に声をかけることも多かった。村は代掻きと田植えの真っ最中だ。昨日・今日と今度の週末がピークであろう。
中野の畑であまり見慣れない苗を見かけ、隣の畑で作業しているおかあさんに尋ねてみた。ヒメヒマワリというもので、出荷用とのこと(下写真)。花は8〜9月に咲くという。調べると、本来の花名は「キクイモモドキ」というらしい。ヒマワリ属の「キクイモ(菊芋)」に似た花を咲かせることからついた名前だそうだ。村を廻ると、いろんなものをつくっている人に出会うものだ。
昨日あたりから心掛けていることがある。運転中および歩行時の姿勢だ。疲れてくると背中の真ん中あたりが張るというか、だるいというか。腹筋・背筋が弱いのが原因だと思うが、それをどう強化するかで悩んだ。私は脊椎(腰骨)に問題があるので、いわゆる腹筋運動はできない。そこで、以前に接骨院で「歩く時にお腹に力を入れなさい」と言われたことを思い出し、お腹に力を入れるようにした。必然的に背筋がピンとして、肩甲骨の下がぐにゃっとした状態もなくなり、体が楽になる。とはいっても、相当に意識しないとできない。しばらくの間、習慣化するように頑張りたい。もともとそんなに長生きしたいとは思っていないが、今年64歳。生きている間はそれなりに元気に動ける状態でありたいので、いままではあまり考えなかった体の鍛錬ということを意識するようになった次第だ。
26日(月) 午前中、白鳥・平滝の一部と箕作、泉平、大久保などを廻る。
箕作では自宅横の作業場でアスパラの出荷作業をされているご一家に出会った(下写真)。朝は5時から収穫だとのこと。アスパラ農家はどこも朝が早い。「少し持っていくかい」と言って下さり、アスパラを一塊(20本近いか)いただいた。
泉平では畑で菜っ葉を摘んでいるおかあさんに出会う(下写真)。五月菜だ。下平(しただいら、国道117沿いなどの標高の低いところ)ではかなり前に終わったが、標高が高い泉平、しかもその泉平の中でも山に近いところではまだ摘めるのだ。「もうそろそろ終わりだ」と言っておられたが、「食べるかい」と言って五月菜をくださった。お浸しにするのが美味しい。
午後2時半からは役場ホールで開催の第5回復興推進委員会を傍聴。必要なことは「復興への歩み」本紙にレポートしたいが、聴いていて、何のための委員会なのか、まったく意味不明という感じだ。傍聴は私と県北信地方事務所の職員1名のみ。メディアの取材もなし。取材しないメディアにも問題はあるだろうが、「わざわざ人と時間を割いて取材するだけの意味を見いだせない」と言われてもしかたないだろうと思う。でも、私は可能なかぎり傍聴を続けたいと思っている。
27日(火) 昨夜から雨で、予報では今日の昼までとのことだった。そのため、午前中は室内作業の予定にしていたが、朝起きてみると快晴。依頼された写真データ探し、手紙書きなどした後、9時半頃から森の開田に向かった。震災の復旧工事が行われた田んぼで不具合が生じているものが複数あると聞いたためだ。詳しいことは「復興への歩み」本文で扱いたいが、中越大震災で大きな問題となったことである。村ではこういう事態にきめ細かな対応ができていない模様で、突っ込んで考える必要がある。
その後立ち寄った先でのお茶のみで、「ふきのきんぴら」と「行者にんにくのたまり漬け」をいただく。美味しかったですよ。
ふきのきんぴら
行者にんにくのたまり漬
午後は月岡、野田沢、程久保などを廻ったが、初めて顔を合わせたおかあさんが、「綴じていて、こんな厚さになった」と手で厚さを示しながら話して下さった。「綴じているよ」と言って下さる方がよくおられるが、有難いことだ。なによりも元気補給剤です。
また、程久保で田植えの途中の休憩に出会い、私も加えていただく。お茶だけと思ったが、赤飯、ぜんまいの煮物などを勧められ、昼食からさほど時間が経っていなかったが誘惑には勝てず、いただいてしまう。美味い! 「昔は、ぜんまいなんて、特別な時にしか食べられなかったごっつおだった」という話も出る。
配達が終わったのは4時半すぎだったが、野々海への道が開いていることを知っていたので野々海池にむかった。村でも25℃くらいの暑さだったが、途中から風がひんやりしてきた。野々海はまだ雪の世界。
28日(水) 午前中は久々の草刈り。作業中はなんとも感じなかったが、後で少し腰に張りが…。
午後、志久見、柳在家、切欠、長瀬、当部を廻って、No.221の配達完了。
24日に田植えの様子を撮影させていただいたお家に写真集を作ってお届けした。「いい記念になる。来年はできるかどうか、わからないし」と、たいへん喜んでいただいた。ご夫婦は80歳代、「来年はできるかどうか」という言葉が重い。レポートやブログに公表する以外にも、こういう写真のお届けをやっていきたいと思う。
24日に田植えの様子を撮影した田んぼ(28日午後撮影)
栄村も今日は30℃を超えた。とにかく暑い。湿気はないので気持ち
はすがすがしいが…。柳在家を廻っているとき、2軒で「暑いね」という話になり、「昨日、野々海に行きましたが、まだ雪がありますよ」と言うと、「そんなに違うんだね」と感心されていた。
というわけで、今日はこの後、野々海池の雪写真のレポートを作る。
29日(木) 昨日でNo.221の配達が完了し、体も疲れているので、今日はのんびり。
とはいっても、午前中は写真の整理などを行ない、昼ごろから外へ。午後3時すぎ、アスパラの畑を訪ね、アスパラの収穫のしかたや、出荷時のA級、B級のランク分けの目安などを教わった。
A級、B級の見分けは傷がないか、曲がりの具合なども目安になるが、最大のものは穂先の具合。これが開いているとB級、へたをするとC級になってしまうという。2つの写真を掲載する。A級とB級を判定してみてください。
収穫の様子を見せてもらったが、ノコギリ刃の専用の鎌でパッパッと採っていかれる。一瞬の技だが、26cmを目安に切り、さらに畑に残った部分を切り落としていく。26cmというのは出荷の長さからきているものだが、この長さでないと腰に付けている籠にうまく収まらないそうだ。
収穫は1日に2回。朝は4時半起きで5時頃に畑へ。収穫作業は2〜3時間。もう1回は夕刻4時半頃から。陽が照っている時間帯の収穫はよくないそうだ。遅い時は7時半頃までかかるという。収穫の後には選別、荷造り等があるわけで、たいへんな仕事だと思う。
(A級、B級の見分けですが、下がA級。味は変わらないという。こういう市場が定める出荷システムというのはおかしいと私は思うんですが…)
(了)
21、22日にほとんど配達できなかったのを取り返そうと、今日は150軒配達を目標とし、152軒を廻った。さすがに最後は疲れたが、いいシャッターチャンスはその後に訪れた。配達を終えた後、長瀬の東部保育園で民具保全の記録活動の模様を拝見して帰る途中、右前方に何人もの人が手植えで田植えしている姿が見えた。すぐに車を停めて、その田んぼへ。柳在家のあるお家の家族総出の田植えだった。
80歳を超えるご夫婦とそのお子さんたち。おかあさんによれば、「おとうさんは90歳が近い」とのこと。「こんなの珍しいでしょ。ポット苗で、それ用の機械でないと機械植えできないので、こうやって手植えしているんです。秋ははぜ掛けして。やっぱりはぜ掛けした米がいちばんおいしいよ」とのこと。「歩み」本文にも写真を掲載したいと思うが、まずは1枚。
配達の〆は「道の駅」での久しぶりのソフトクリーム。暑い一日だったのでピッタリ。震災で箕作の酪農家がいなくなってオーナーは変わったが、製法・美味しさは変わらない。私はシンプルなバニラ(コーン型)が好き。若い女性はカップ型を好む人も多いようだ。
国道117を進む人は是非、お立ち寄りを。300円です。
25日(日) 午前中、天地、原向、天代、北野、中野、極野と廻る。計82軒だが、比較的ゆったりとしたペースで廻れ、農作業中の人に声をかけることも多かった。村は代掻きと田植えの真っ最中だ。昨日・今日と今度の週末がピークであろう。
中野の畑であまり見慣れない苗を見かけ、隣の畑で作業しているおかあさんに尋ねてみた。ヒメヒマワリというもので、出荷用とのこと(下写真)。花は8〜9月に咲くという。調べると、本来の花名は「キクイモモドキ」というらしい。ヒマワリ属の「キクイモ(菊芋)」に似た花を咲かせることからついた名前だそうだ。村を廻ると、いろんなものをつくっている人に出会うものだ。
昨日あたりから心掛けていることがある。運転中および歩行時の姿勢だ。疲れてくると背中の真ん中あたりが張るというか、だるいというか。腹筋・背筋が弱いのが原因だと思うが、それをどう強化するかで悩んだ。私は脊椎(腰骨)に問題があるので、いわゆる腹筋運動はできない。そこで、以前に接骨院で「歩く時にお腹に力を入れなさい」と言われたことを思い出し、お腹に力を入れるようにした。必然的に背筋がピンとして、肩甲骨の下がぐにゃっとした状態もなくなり、体が楽になる。とはいっても、相当に意識しないとできない。しばらくの間、習慣化するように頑張りたい。もともとそんなに長生きしたいとは思っていないが、今年64歳。生きている間はそれなりに元気に動ける状態でありたいので、いままではあまり考えなかった体の鍛錬ということを意識するようになった次第だ。
26日(月) 午前中、白鳥・平滝の一部と箕作、泉平、大久保などを廻る。
箕作では自宅横の作業場でアスパラの出荷作業をされているご一家に出会った(下写真)。朝は5時から収穫だとのこと。アスパラ農家はどこも朝が早い。「少し持っていくかい」と言って下さり、アスパラを一塊(20本近いか)いただいた。
泉平では畑で菜っ葉を摘んでいるおかあさんに出会う(下写真)。五月菜だ。下平(しただいら、国道117沿いなどの標高の低いところ)ではかなり前に終わったが、標高が高い泉平、しかもその泉平の中でも山に近いところではまだ摘めるのだ。「もうそろそろ終わりだ」と言っておられたが、「食べるかい」と言って五月菜をくださった。お浸しにするのが美味しい。
午後2時半からは役場ホールで開催の第5回復興推進委員会を傍聴。必要なことは「復興への歩み」本紙にレポートしたいが、聴いていて、何のための委員会なのか、まったく意味不明という感じだ。傍聴は私と県北信地方事務所の職員1名のみ。メディアの取材もなし。取材しないメディアにも問題はあるだろうが、「わざわざ人と時間を割いて取材するだけの意味を見いだせない」と言われてもしかたないだろうと思う。でも、私は可能なかぎり傍聴を続けたいと思っている。
27日(火) 昨夜から雨で、予報では今日の昼までとのことだった。そのため、午前中は室内作業の予定にしていたが、朝起きてみると快晴。依頼された写真データ探し、手紙書きなどした後、9時半頃から森の開田に向かった。震災の復旧工事が行われた田んぼで不具合が生じているものが複数あると聞いたためだ。詳しいことは「復興への歩み」本文で扱いたいが、中越大震災で大きな問題となったことである。村ではこういう事態にきめ細かな対応ができていない模様で、突っ込んで考える必要がある。
その後立ち寄った先でのお茶のみで、「ふきのきんぴら」と「行者にんにくのたまり漬け」をいただく。美味しかったですよ。
ふきのきんぴら
行者にんにくのたまり漬
午後は月岡、野田沢、程久保などを廻ったが、初めて顔を合わせたおかあさんが、「綴じていて、こんな厚さになった」と手で厚さを示しながら話して下さった。「綴じているよ」と言って下さる方がよくおられるが、有難いことだ。なによりも元気補給剤です。
また、程久保で田植えの途中の休憩に出会い、私も加えていただく。お茶だけと思ったが、赤飯、ぜんまいの煮物などを勧められ、昼食からさほど時間が経っていなかったが誘惑には勝てず、いただいてしまう。美味い! 「昔は、ぜんまいなんて、特別な時にしか食べられなかったごっつおだった」という話も出る。
配達が終わったのは4時半すぎだったが、野々海への道が開いていることを知っていたので野々海池にむかった。村でも25℃くらいの暑さだったが、途中から風がひんやりしてきた。野々海はまだ雪の世界。
28日(水) 午前中は久々の草刈り。作業中はなんとも感じなかったが、後で少し腰に張りが…。
午後、志久見、柳在家、切欠、長瀬、当部を廻って、No.221の配達完了。
24日に田植えの様子を撮影させていただいたお家に写真集を作ってお届けした。「いい記念になる。来年はできるかどうか、わからないし」と、たいへん喜んでいただいた。ご夫婦は80歳代、「来年はできるかどうか」という言葉が重い。レポートやブログに公表する以外にも、こういう写真のお届けをやっていきたいと思う。
24日に田植えの様子を撮影した田んぼ(28日午後撮影)
栄村も今日は30℃を超えた。とにかく暑い。湿気はないので気持ち
はすがすがしいが…。柳在家を廻っているとき、2軒で「暑いね」という話になり、「昨日、野々海に行きましたが、まだ雪がありますよ」と言うと、「そんなに違うんだね」と感心されていた。
というわけで、今日はこの後、野々海池の雪写真のレポートを作る。
29日(木) 昨日でNo.221の配達が完了し、体も疲れているので、今日はのんびり。
とはいっても、午前中は写真の整理などを行ない、昼ごろから外へ。午後3時すぎ、アスパラの畑を訪ね、アスパラの収穫のしかたや、出荷時のA級、B級のランク分けの目安などを教わった。
A級、B級の見分けは傷がないか、曲がりの具合なども目安になるが、最大のものは穂先の具合。これが開いているとB級、へたをするとC級になってしまうという。2つの写真を掲載する。A級とB級を判定してみてください。
収穫の様子を見せてもらったが、ノコギリ刃の専用の鎌でパッパッと採っていかれる。一瞬の技だが、26cmを目安に切り、さらに畑に残った部分を切り落としていく。26cmというのは出荷の長さからきているものだが、この長さでないと腰に付けている籠にうまく収まらないそうだ。
収穫は1日に2回。朝は4時半起きで5時頃に畑へ。収穫作業は2〜3時間。もう1回は夕刻4時半頃から。陽が照っている時間帯の収穫はよくないそうだ。遅い時は7時半頃までかかるという。収穫の後には選別、荷造り等があるわけで、たいへんな仕事だと思う。
(A級、B級の見分けですが、下がA級。味は変わらないという。こういう市場が定める出荷システムというのはおかしいと私は思うんですが…)
(了)