栄村復興への歩みNo.263
- 栄村の子ども・子育て支援
- 2015.08.31 Monday
子どもまつり、楽しく賑やかに開催されました
上写真のチラシ、ご覧になった人は多いでしょうが、小さなお子さんがいない世帯では、「さかえむら子どもまつり」の様子がどんなであったか、ご存じないかと思います。そこで、本号では全頁を使って、こどもまつりの様子を紹介します。
まず、下の写真です。
これはウォータースライダーという遊びです。
銀色のシートが見えますが、ここに水が流れていて、その上を滑り降りる、とてもスリリングなものです。楽しそうでしょう。子どもたちの表情をクローズアップしてみます。
(お子さんの写真掲載は保護者の方のご承諾をいただいています)
最高の笑顔ですね!
滑る前は“おっかない”という気持ちもあったでしょうが、そんなものが吹っ飛んでしまう楽しさなのでしょうね。
実行委員会スタッフの岡一太さん(白鳥)が考案・準備してくださったそうです。
銀色シートの下は黒パイ。シートは雪の保存のために以前に購入されたものの活用だそうです。
まつりは午前10時に始まりましたが、受付を済ませた後、子どもたちは遊びの輪に早く入りたいというので走り出します。
ウォータースライダー以外にどんな遊びがあったのか、紹介しましょう。
水射的。テントの端に吊るされている景品を水鉄砲で撃ち落とすというもの。左から2人目の子が放った水が景品に当たっています。右から2人目に見える久保田成哉さんがお世話してくださっていました。
スーパーボールすくい。
金魚すくいの要領でボールを釣り上げる。女の子、上手に釣り上げています。隣のおにいちゃんもこの後、上手にボールをカップに入れていました。
スタッフのみなさん、面白い遊びを考え出すものですね。
「巨大しゃぼん玉」。輪っかをうまく動かすと、しゃぼん玉がゆらゆら揺れながら、いろんな形に変形します。原料はただの洗剤だそうですが。
ジャンプして、宙に浮くしゃぼん玉を叩くなんていう想定外の遊び方も出てきました。見ている小さな子も楽しそう。
池では、お父さんやお母さんも一緒に魚つかみどり。
素手で魚を上手につかむ子も。
水に溶かした片栗粉で粘土細工する遊び。
私は仕事の都合で開会の10時から11時20分頃までしか撮影できなかったのですが、その間に「すいかのタネ飛ばし大会」がありました。飛ばした距離を競うのですが、優勝はスタッフの山田匡馬(きょうま)君。ガッツポーズがきまっています(後姿でご免なさい)。
競技の様子は、子どもではなく、みんなから「じじ」と呼ばれていた青少年育成協議会長さんの姿をどうぞ。
ご本人以上に、横で見ているスタッフの樋口瞭さんが緊張している様子が面白いですね。
この「おまつり」は参加費300円の有料(ただし3歳未満児、保護者は無料)でしたが、参加者数は100名を超えたそうです。近隣市町村からの参加もあったようです。当日は涼しく、水遊びをした子どもたちは少し寒かったようですが、でも、元気に遊び回りました。
リーダー・スタッフの紹介
これだけの企画を考案・準備するには大変な労力を要したと思います。準備・運営、協力してくださった人たちを紹介します。
写真右はリーダーの斉藤碧人(あおと)君、中央は宮川健太君。共に中学生ですが、私が栄村にやって来た9年前はちょこちょこ遊び回っている小学校1年生でした。「自然学校」で遊び、学ぶ中でリーダーに育ってきました。
碧人君の子どもを見やる目はもう大人のそれですね。
総合司会進行役を務めて下さった油科千里さん(右)と斉藤杏奈(あんな)さん。各コーナーで遊ぶ子どもたちへのインタビューもやってくれました。
山田匡馬(きょうま)君。ウォータースライダーの試乗をやっているところですが、運動神経も抜群。頼もしいリーダーです。もう立派な青年です。
「食べものコーナー」の1つ、「焼きもろこし」をボランティアで出店して下さった小赤沢青年団の一人、山田裕樹(ゆうき)さん。
「たこ焼き健ちゃん」こと、月岡健治さん。職人並みの手捌きです。
栄村公民館主事の島崎佳(よし)美(み)さん。信州大学で野外教育を専攻したスペシャリスト。
栄村ならではの子どもまつり
「さかえむら子どもまつり」は今年が5回目ですが、「栄村だからこそ出来るまつり」だと思いました。
まずなによりも、上写真に見られるように自然の緑に囲まれた素晴らしい環境の中で子どもたちがのびのびと遊べたことです。
写真のような緑豊かな風景は、村の人たちにとって見慣れた、とくに特別なところはないものだと思いますが、都会などではどんなにお金をかけても容易に得られるものではありません。
栄村は、子どもたちが大自然の中でのびのびと育つことができる素晴らしい村なのですね。この村の特性を大いに宣伝していきたいものです。
自然学校で育った中学生・高校生などのリーダー
「子どもまつり」で特筆すべきことは、中学生や高校生のリーダーがたくさんいることです。
その活躍は一朝一夕で実現されたものではありません。「自然学校」の長年の取り組みが生み出した素晴らしい村の若き担い手たちなのです。
村の子どもたちは小学生時代、「自然学校」に参加しますが、卒業して中学生になると「自然学校」で小学生をサポートするリーダーになります。高校生・大学生、さらに社会人になってもに参加してくれています。今回の「子どもまつり」でもそういう青年たちの姿がたくさん見られました。
写真左端の滝澤一史さんは現在、長野農業大学校在学中
「子どもまつり」や「自然学校」で“遊ぶ”村の子どもたちは、存分に遊ぶと共に、このお兄さんやお姉さんの姿を見ながら育ち、村の中での自分たちの役割などを学びとり、栄村を引き継ぐ人材として育っていくのだといえるでしょう。
今年の自然学校
今年度の自然学校は、「暮らしの文化」の体験を狙いにして、春の田植えから始まって、田の草取り、稲刈り、新米試食、注連縄作り、耳団子づくりまでやるそうです。
また、夏休みには秋山で2泊3日のキャンプが行われましたが、野外活動のプロフェッショナル集団「SOUP(スープ)」(信州アウトドアプロジェクト、事務所は「トマト苑」)の指導で滝の上からの飛び込みなど、とてもハードなメニューを体験し、“生きる力”を大いに伸ばしたと聞きます。
9月6日(日)には「暮らしの文化」体験の一環として、秋山の上野原から和山に通じる古道を歩くそうです。きっと面白い発見があることでしょう。
村らしい学びと遊び、そして子育てを“栄村の魅力”として打ち出そう
いま、全国各地、各々の地域特性をどう打ち出し、魅力を高めていくかが問われています。
そして、全国、とくに都市部で需要の高いものが、「子どもが伸び伸びと育つことができる環境」、「子育てに強力なサポートがある地域」です。
「子どもまつり」、そして自然学校に見られるものは、まさに「子どもが伸び伸びと育つことができる環境」そのものです。
ところが、栄村には弱点もあります。
「子育てに強力なサポートがある」とはとても言えないことです。
たしかに保育料の引き下げや3番目のお子さんの保育料無料化などの動きはありますが、それはほとんどの自治体が取り組んでいることで、“栄村の魅力”として押し出せる「子育て強力サポート」とはとても言えません。
「元気な子どもの声が響く村」を本気で実現しよう
最近、多くの村民、とくに若い人たちから、「『復興計画』の『元気な子どもの声が響く村』はどうなったのかな?」という疑問の声が聞こえてきます。ある若いおかあさんは
「いいスローガンだと思ったが、村(役場)は本当に取り
組む気があるの?」
と言っておられました。
どうなんでしょう、村の幹部は、「子どもを増やそう」と考えているのか、それとも、「超少子化時代だ。しょうがないじゃない」と思っているのか。はっきりさせてほしいと思います。
もし後者だというのならば、そんな幹部には「ノー!」です。
言葉だけを聞きたいのではありません。具体的な行動で態度を明確にしてほしいと思います。ひとまず、具体的なポイントして、3つのことを挙げたいと思います。1つ。子どもたちが育つ現場を村幹部は見に来てください。保育所の現場を訪れてください。(「子どもまつり」会場に残念ながら村幹部の姿は見えませんでした。)2つ。お母さんたちの声を頻繁に聴いてください。ただし、堅苦しい懇談会などではダメだと思います。若いお母さんたちが子育てをし、働いている現場を訪ねて、声を聴くことです。3つ。もう少し思いきってお金を投じてください。私は自然学校や「子どもまつり」の予算を聞いて愕然(がくぜん)としました。村が青少年育成協議会に出す年間予算がわずか65万円、その中から自然学校は45万円、「子どもまつり」は8万5千円。
村も国も財政が厳しいと言われますが、お金がないわけではありません。コンサル会社には年間1千万、2千万のお金を渡しているじゃありませんか。
子育て中の若いお父さん・お母さん、子育てサポートで活動する人たちの自由大胆な発想法で使えるお金を少なくとも年間1千万円くらい投じて、なにも惜しくないでしょう。そして、無駄遣いされる恐れはまったくないでしょう。
ある人が言っておられました。「田んぼに元肥をやらなきゃ、稲は育たないよね。子どもにお金を投じないでいい村にはならないよ」と。まったくそのとおりだと思います。
「元気な子どもの声が響く村」を本当に実現しましょう。
子どもと一緒に遊ぶお父さんの姿が目立ちました
「子どもまつり」だけでの編集。異例の号となりましたが、趣旨をご理解いただけますようお願いします。
上写真のチラシ、ご覧になった人は多いでしょうが、小さなお子さんがいない世帯では、「さかえむら子どもまつり」の様子がどんなであったか、ご存じないかと思います。そこで、本号では全頁を使って、こどもまつりの様子を紹介します。
まず、下の写真です。
これはウォータースライダーという遊びです。
銀色のシートが見えますが、ここに水が流れていて、その上を滑り降りる、とてもスリリングなものです。楽しそうでしょう。子どもたちの表情をクローズアップしてみます。
(お子さんの写真掲載は保護者の方のご承諾をいただいています)
最高の笑顔ですね!
滑る前は“おっかない”という気持ちもあったでしょうが、そんなものが吹っ飛んでしまう楽しさなのでしょうね。
実行委員会スタッフの岡一太さん(白鳥)が考案・準備してくださったそうです。
銀色シートの下は黒パイ。シートは雪の保存のために以前に購入されたものの活用だそうです。
まつりは午前10時に始まりましたが、受付を済ませた後、子どもたちは遊びの輪に早く入りたいというので走り出します。
ウォータースライダー以外にどんな遊びがあったのか、紹介しましょう。
水射的。テントの端に吊るされている景品を水鉄砲で撃ち落とすというもの。左から2人目の子が放った水が景品に当たっています。右から2人目に見える久保田成哉さんがお世話してくださっていました。
スーパーボールすくい。
金魚すくいの要領でボールを釣り上げる。女の子、上手に釣り上げています。隣のおにいちゃんもこの後、上手にボールをカップに入れていました。
スタッフのみなさん、面白い遊びを考え出すものですね。
「巨大しゃぼん玉」。輪っかをうまく動かすと、しゃぼん玉がゆらゆら揺れながら、いろんな形に変形します。原料はただの洗剤だそうですが。
ジャンプして、宙に浮くしゃぼん玉を叩くなんていう想定外の遊び方も出てきました。見ている小さな子も楽しそう。
池では、お父さんやお母さんも一緒に魚つかみどり。
素手で魚を上手につかむ子も。
水に溶かした片栗粉で粘土細工する遊び。
私は仕事の都合で開会の10時から11時20分頃までしか撮影できなかったのですが、その間に「すいかのタネ飛ばし大会」がありました。飛ばした距離を競うのですが、優勝はスタッフの山田匡馬(きょうま)君。ガッツポーズがきまっています(後姿でご免なさい)。
競技の様子は、子どもではなく、みんなから「じじ」と呼ばれていた青少年育成協議会長さんの姿をどうぞ。
ご本人以上に、横で見ているスタッフの樋口瞭さんが緊張している様子が面白いですね。
この「おまつり」は参加費300円の有料(ただし3歳未満児、保護者は無料)でしたが、参加者数は100名を超えたそうです。近隣市町村からの参加もあったようです。当日は涼しく、水遊びをした子どもたちは少し寒かったようですが、でも、元気に遊び回りました。
リーダー・スタッフの紹介
これだけの企画を考案・準備するには大変な労力を要したと思います。準備・運営、協力してくださった人たちを紹介します。
写真右はリーダーの斉藤碧人(あおと)君、中央は宮川健太君。共に中学生ですが、私が栄村にやって来た9年前はちょこちょこ遊び回っている小学校1年生でした。「自然学校」で遊び、学ぶ中でリーダーに育ってきました。
碧人君の子どもを見やる目はもう大人のそれですね。
総合司会進行役を務めて下さった油科千里さん(右)と斉藤杏奈(あんな)さん。各コーナーで遊ぶ子どもたちへのインタビューもやってくれました。
山田匡馬(きょうま)君。ウォータースライダーの試乗をやっているところですが、運動神経も抜群。頼もしいリーダーです。もう立派な青年です。
「食べものコーナー」の1つ、「焼きもろこし」をボランティアで出店して下さった小赤沢青年団の一人、山田裕樹(ゆうき)さん。
「たこ焼き健ちゃん」こと、月岡健治さん。職人並みの手捌きです。
栄村公民館主事の島崎佳(よし)美(み)さん。信州大学で野外教育を専攻したスペシャリスト。
栄村ならではの子どもまつり
「さかえむら子どもまつり」は今年が5回目ですが、「栄村だからこそ出来るまつり」だと思いました。
まずなによりも、上写真に見られるように自然の緑に囲まれた素晴らしい環境の中で子どもたちがのびのびと遊べたことです。
写真のような緑豊かな風景は、村の人たちにとって見慣れた、とくに特別なところはないものだと思いますが、都会などではどんなにお金をかけても容易に得られるものではありません。
栄村は、子どもたちが大自然の中でのびのびと育つことができる素晴らしい村なのですね。この村の特性を大いに宣伝していきたいものです。
自然学校で育った中学生・高校生などのリーダー
「子どもまつり」で特筆すべきことは、中学生や高校生のリーダーがたくさんいることです。
その活躍は一朝一夕で実現されたものではありません。「自然学校」の長年の取り組みが生み出した素晴らしい村の若き担い手たちなのです。
村の子どもたちは小学生時代、「自然学校」に参加しますが、卒業して中学生になると「自然学校」で小学生をサポートするリーダーになります。高校生・大学生、さらに社会人になってもに参加してくれています。今回の「子どもまつり」でもそういう青年たちの姿がたくさん見られました。
写真左端の滝澤一史さんは現在、長野農業大学校在学中
「子どもまつり」や「自然学校」で“遊ぶ”村の子どもたちは、存分に遊ぶと共に、このお兄さんやお姉さんの姿を見ながら育ち、村の中での自分たちの役割などを学びとり、栄村を引き継ぐ人材として育っていくのだといえるでしょう。
今年の自然学校
今年度の自然学校は、「暮らしの文化」の体験を狙いにして、春の田植えから始まって、田の草取り、稲刈り、新米試食、注連縄作り、耳団子づくりまでやるそうです。
また、夏休みには秋山で2泊3日のキャンプが行われましたが、野外活動のプロフェッショナル集団「SOUP(スープ)」(信州アウトドアプロジェクト、事務所は「トマト苑」)の指導で滝の上からの飛び込みなど、とてもハードなメニューを体験し、“生きる力”を大いに伸ばしたと聞きます。
9月6日(日)には「暮らしの文化」体験の一環として、秋山の上野原から和山に通じる古道を歩くそうです。きっと面白い発見があることでしょう。
村らしい学びと遊び、そして子育てを“栄村の魅力”として打ち出そう
いま、全国各地、各々の地域特性をどう打ち出し、魅力を高めていくかが問われています。
そして、全国、とくに都市部で需要の高いものが、「子どもが伸び伸びと育つことができる環境」、「子育てに強力なサポートがある地域」です。
「子どもまつり」、そして自然学校に見られるものは、まさに「子どもが伸び伸びと育つことができる環境」そのものです。
ところが、栄村には弱点もあります。
「子育てに強力なサポートがある」とはとても言えないことです。
たしかに保育料の引き下げや3番目のお子さんの保育料無料化などの動きはありますが、それはほとんどの自治体が取り組んでいることで、“栄村の魅力”として押し出せる「子育て強力サポート」とはとても言えません。
「元気な子どもの声が響く村」を本気で実現しよう
最近、多くの村民、とくに若い人たちから、「『復興計画』の『元気な子どもの声が響く村』はどうなったのかな?」という疑問の声が聞こえてきます。ある若いおかあさんは
「いいスローガンだと思ったが、村(役場)は本当に取り
組む気があるの?」
と言っておられました。
どうなんでしょう、村の幹部は、「子どもを増やそう」と考えているのか、それとも、「超少子化時代だ。しょうがないじゃない」と思っているのか。はっきりさせてほしいと思います。
もし後者だというのならば、そんな幹部には「ノー!」です。
言葉だけを聞きたいのではありません。具体的な行動で態度を明確にしてほしいと思います。ひとまず、具体的なポイントして、3つのことを挙げたいと思います。1つ。子どもたちが育つ現場を村幹部は見に来てください。保育所の現場を訪れてください。(「子どもまつり」会場に残念ながら村幹部の姿は見えませんでした。)2つ。お母さんたちの声を頻繁に聴いてください。ただし、堅苦しい懇談会などではダメだと思います。若いお母さんたちが子育てをし、働いている現場を訪ねて、声を聴くことです。3つ。もう少し思いきってお金を投じてください。私は自然学校や「子どもまつり」の予算を聞いて愕然(がくぜん)としました。村が青少年育成協議会に出す年間予算がわずか65万円、その中から自然学校は45万円、「子どもまつり」は8万5千円。
村も国も財政が厳しいと言われますが、お金がないわけではありません。コンサル会社には年間1千万、2千万のお金を渡しているじゃありませんか。
子育て中の若いお父さん・お母さん、子育てサポートで活動する人たちの自由大胆な発想法で使えるお金を少なくとも年間1千万円くらい投じて、なにも惜しくないでしょう。そして、無駄遣いされる恐れはまったくないでしょう。
ある人が言っておられました。「田んぼに元肥をやらなきゃ、稲は育たないよね。子どもにお金を投じないでいい村にはならないよ」と。まったくそのとおりだと思います。
「元気な子どもの声が響く村」を本当に実現しましょう。
子どもと一緒に遊ぶお父さんの姿が目立ちました
「子どもまつり」だけでの編集。異例の号となりましたが、趣旨をご理解いただけますようお願いします。