プロフィール

profile
栄村復興への歩み
2011年3月に震度6強の地震で被災した長野県栄村で暮らす松尾真のレポートを更新しています。

カテゴリー

categories

サイト内検索

Search

カレンダー

calender
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< March 2016 >>

最近の記事

selected entries

最近のトラックバック

recent trackback

月別アーカイブ

archives

栄村関連リンク

links

携帯用QRコード

mobile
qrcode

ブックマーク & RSS

Bookmark&RSS

66歳は今日もやんちゃしています



 雪面に足跡が見えますね。
 写真上方に見える道から、私が上がってきた跡です。今日の昼すぎ、12時40分頃。その先に楽しみなものが待っていることを思えば、こんなの大変でもなんでもない。
 この先ではさらに、つぎの箇所も上っていく。




 そうして出会ったものは、



 何処に向かったのか、もうお分かりの方にはわかるでしょう。ただ、自然保護のために場所は明かしません。

 今年は雪が少なく、雪消えも早いので「念のため」と思って出かけた。
 「いくら雪が消えてきているとはいっても、ミズバショウの開花期というものがあるだろうから、まだ出ていないだろう。でも、『出ていない』ということが確認できれば、それでいい」と思っていた。
 だが、それは開花し始めていた!!
 昨年は開花を確認したのが4月19日。今日見たものよりも少し開花が進んだものだったが、今年は約20日ほど早い。その昨年がさらに一昨年よりも半月ほど早かった。
 今日のミズバショウの様子を何枚か示そう。



 黄色みがかった淡緑色の花序がはっきり見え、白色の仏炎苞もふくらみを見せている。このようなミズバショウらしい姿になっているものはまだ数少なかった。右のものは、外側の茶色っぽい皮がこれから剥がれて、左のような姿を見せる。



 全体の様子はこんな感じ。
 当分暖かな日が続くと予報されているので、1週間後頃が見頃となるのでしょうか。
 この場所、じつは雪が消えると非常に行きづらいところ。なんとか雪があるうちに見頃になってほしいものです。


 雪面を上ってミズバショウの群生地に向かったとき、最初に私を驚かせたのは賑やかな「鳥」の鳴き声。でも、聞いたことがないもの。「何だろう?」と思っていると、最初の雪面を上りきって、1つめの沼地が視界に入ったとき、その鳴き声が急に大きくなった。鳥ではなく、カエルだった。私が沼地に近づくと、ぴたっと鳴き声がやみ、姿を撮ることはできなかったが、沼地には卵がいっぱい。



 鳴き声から判断すると、里の田んぼなどによくいるカエルとは種類が異なるように思う。


 ミズバショウを見て雪面を下るとき、タラの木が芽を出し始めているのを見ることができた。




 車を降りて歩き始めたのが12時15分。群生地から戻り、車を停めた地点に戻ったのが1時23分頃。
 歩いた道はところどころ雪が消えた場所もあったが、ほとんどはつぎのような雪道。



 昨年4月19日に行った時よりも、車を降りて歩く距離は長かった。

 その地点よりもはるかに里に近い地点で最初の難所があった。下写真の場所。軽トラで強引に突破した。ここで降車では片道4〜50分歩かなければならなくなる。




 今日はこれより前、イワウチワの開花を撮影したいと思って、下の写真の崖面を下った。木の枝などを掴みながらの下り・登り。残念ながら、開花は確認できず。



 腕などの筋肉がやや張り気味。温泉に浸かって緩めたいなと思っています。

 

カタクリ街道でも開花  北野では開花数がいっきに増加



 今日(29日)午前、カタクリ街道でカタクリ2輪の開花を確認しました。上写真がそのうちの1輪です。もう一輪は下写真。



 花の様子からみて、1〜2日前から開花していたものと思われます。開花していた場所は、道路からはかなり上の崖面。相当注意深く見ないと、見落とします。
 この2枚の写真は次の写真の崖面を登り、斜面に腹這いになって撮ったものです。



 上の写真で鮮明化している箇所に最初の1輪を発見。
 そこで、下写真に書き込んだ赤ラインのように崖を登り、2枚目の写真のカタクリを撮影。さらにその上方に1枚目の写真のカタクリを見つけました。



 道路上から最初の1輪を確認したのが11時42分。崖面の登り、撮影を終えて下りてきたのが正午きっかりでした。昨年はもっと容易に登れたように記憶していますが、今年は大変でした。

 その後、坪野集落と天代集落での「復興への歩み」の配達を終えて、北野天満温泉に立ち寄ったのが13時5分。北野天満温泉では昨日開花を撮影しているのでパスしようかとも思いましたが、行ってみて大正解。今日は1輪や2輪ではなく、3〜4輪が固まって咲いている箇所が複数あるような状況になっていました。
 カタクリを見に上っていく坂道の雪もほとんど消え、もう普通の靴で見に行けます。



 この坂を上り、八角堂の手前で右に折れて、平坦な道(人が行違える程度の幅)を下の写真のあたりまで進みます。







 ほうきんとう(ふきのとう)とのツーショットも。




 近くの天代集落や坪野集落では福寿草の群生も楽しめます。




 今週後半はカタクリ、梅、福寿草など、花見頃です。
 どうぞ、お出かけください。
 

早春の夕陽2点

 今日28日の夕陽です。





 

カタクリが開花、そして梅は見頃に・・・〜北野天満温泉の春〜





 北野天満温泉のカタクリの開花を今日28日午前、確認しました。
 確認できたのは2輪。同時に、開花目前と思われる、蕾の先端が割れているものも多数確認できました。
 今日は午前9時すぎで13℃。明後日以降は15℃を超えるようで、今秋後半、いっきに開花が進むだろうと思われます。


北野天満温泉では、白と赤の梅が3〜5分咲き。お花見にお出かけになりませんか。




バックに雪が見えるのも素敵です。




 カタクリと梅が咲く丘には、キクイチゲあるいはアズマイチゲも可憐な花を咲かせています。



   遠くに見えるものを望遠を効かせて撮ったので、キクイチゲかアズマイチゲか、明確な判断がつきません。
   写真を拡大して見ると、葉が下に垂れていず、花もやや紫っぽい感じがあるので、キクイチゲの可能性が高いように思われます。



 この一輪は間近に見られた。花が淡紫色で、キクイチゲに間違いありません。


 北野天満温泉近くの笹原の「カタクリの里山」でも開花間近なカタクリを10輪ほど、見ることができました。
 長瀬のカタクリ街道も、遅くとも明後日30日には開花になるのではないかと思われます。
 下写真はカタクリの葉が枯葉を突き破ってれてきている様子(笹原にて)。




 北野天満温泉からは離れますが、志久見街道・小峠付近で見たマンサクと、蕾が出たイワウチワもご覧ください。





 

青倉・西山田の棚田の小さな旅

 青倉米産直の購入者への月刊のお便り、「お米のふるさと便り」3月25日号(第8巻第6号)からの紹介です。




 青倉・西山田の棚田での1枚。22日午後の撮影です。田んぼにはまだ雪が少し残っていますが、もうすっかり春です。
 前方に見えるのは秋山郷の鳥甲連峰。まだ雪山ですが、秋山ももう雪はわずかで、里は春を迎えています。
 寒の戻りもありますが、何もかもが半月から1ヶ月早く進んでいるようです。

西山田の棚田の小さな旅

 22日午後3時すぎ、青倉集落の西の端、西山田の棚田への山道の登り口に立った。
 道は先週すでに割られていたが、入り口に大きなブルドーザーが置かれていて、車は入れない。雪長靴に履き替え、歩いて登ることにした。次の写真のいちばん上まで、くねくねと曲がる道を進むのだ。30分ほどかかる。



 当初は「ブルが置かれてなければ…」と思ったが、歩いて登って正解だった。登り始めて間もなく、車では越えられない雪が残っていたのだ。それだけではない。歩いて登ったからこその発見、喜びが随所にあった。
 歩き始めて間もなく、ジャンパーを脱ぎ、腰に巻きつけた。



 右写真の道の左手、越後の真っ白な山を遠望できる。



 青倉の集落の全体を眺めわたすこともできる。



 写真左端に赤い屋根が見える。青倉のお宮だ。
 その先には、すっかり雪が姿を消した中条川上流の山腹崩壊地も見える。

 道脇の大きな雪の塊(上)、雪の上に落ちているブナの実(下)





 
歩き始めて約15分、突然、パーッと明るくなり、視界が広がった。



 西山田の棚田のいちばん下の田んぼが広がる一帯だ。西陽が眩しい。
 ここまでは山かげを歩いてきたのだ。

 最初の田んぼゾーンの中を歩く途中、道の脇にはこんな面白い雪の芸術作品も。造ろうとして造れる形ではない。



最初の田んぼゾーンを通り過ぎて振り返ってみた。



 青倉集落を撮影した先の写真と較べて、青倉の集落がかなり下に見えるようになった。





 標高にして100mほど登ったか、山の上は陽当たりがよく、道にはもう雪がまったくない。

 ゆっくり歩いていると、「こっち、こっち」と樹と花が声をかけてくるのか、なにかの気配を感じて目をやると、春一番の花・マンサクである。小さな花だが、冬のモノクロの世界からの別れを告げる。





 なにか無粋に見える鉄板だが、これには重要な歴史的意味がある。1961年、青倉集落を襲い、死者11名を出した大雪崩の後、雪崩を起こす西風をとめるために設置されたものなのだ。


 道なりに進めば遠回りになるので急な畦道を登ることにした。徒歩だからこそ出来ること。



 空だけを見ながら登ると、突然、目の前に貝立山と西山田の棚田の中心ゾーンが広がった。



 平素は軽トラで上るので、こういう急激な景色の変化はむら暮らし10年目にして初めての体験だ。

 私が2007年からおつき合いさせてもらっている、わずか1畝の田んぼと3ケ月ぶりの再会。




とても大きなフキノトウ。

 ヤマツツジも芽を出している。



 ユキツバキの蕾を見て廻り、1つだけ、赤く色づいたものを見つけた。




 残雪の上で、こんな木の実を見つけた。「何の実だろう?」と思って、周りの木々を見ると、桐の木から落ちたものだった。

 この後、残雪があるところのそばで、出たばかりのフキノトウを7〜8個摘み取り、夜はその天ぷら。


フキノトウの天ぷら。
手前の緑色が濃いものは“もぐさ”。

 最後に戯れの写真を1枚。
 西陽を背にして山を下る時、自身のシルエットを撮ってみた。




 今年は田植えの時期も少し早まるかもしれません。
 

今日は快晴、3月26日



 昨日の雪から一転、今日は朝から快晴。
 写真は泉平の水田と関田山脈。午前10時撮影。

 朝は寒かった。気象情報では「午前6時、−5℃」と報じられている。
 しかし、時間が進むにつれて、ジャンパーを脱ぎ捨てる気温に。お昼には10℃くらいまで上がった。

 ここからは、今日の朝からの写真を時間順に。


8:43。スキー場を望む。


8:46。「トマトの国」手前から鳥甲山(左)、三ツ山(右)を望む


9:17。橋を架ける準備作業が始まっている(泉平へ上る道から)。


9:45。泉平の田んぼ。雪の消え方が造形芸術的。


10:00。泉平の田と水路、関田山脈。


10:12。泉平からの帰路、常慶院にぬける道。日陰で雪がたくさん残っている。


10:18。箕作の庚申堂。


10:25。2日間の雪を耐えぬいたカタクリ。明日はもっと開くだろう。


10:57。2歳の女の子がおばあちゃんと散歩。月岡集落にて。


11:16。大久保集落から関田山脈を望む。


11:17。県宝阿部家住宅を裏側から。
裏側の軒下には、今朝の寒さを物語るツララが。




11:34。栃の実の皮むき。


12:01。東部パイロットにて。


12:04。東部パイロットから。



雪消えの早さ

8:42。自宅裏の田の法面。
 
13:01。


 

時期はずれの「大雪」?!



 今日の午前10時頃に撮影した私の軽トラ。
 昨日も雪が断続的に降っていたが積もらない雪だったので、「車庫に入れる必要はないだろう」と思って、外に停めていた。

 昨夜遅く、屋根から雪が落ちるような音がして、変だなと思いながら、外に出て確認することはなかった。
 今朝は朝から電話やデータのダウンロードで室内だったが、国道に除雪車が出たので、「そんなに積もったのか」と思って外に出ると、上の写真のような状況。久しぶりにスノーダンプを引っ張り出して、車庫前を除雪した。
 次の写真は、10時15分すぎに撮影したもので、奥に見えるのは「トマトの国」。ロータリーが雪を飛ばす光景を目にするのは本当に久しぶり。




 この積雪の影響をもろに受けたのが各種工事現場。
 中条地区では、白山神社の脇で導流堤建設工事が始まっているが、積雪で掘削ができず、今日は作業中止。



 平滝と箕作では、箕作〜明石間のバイパス道路のための橋を架ける工事の準備が始まっていたが、せっかく除雪したところに雪が積もり、「一からやり直し」とのこと。撮影アングルが少し異なるが、昨日の様子と今日の比較を示す。


24日夕


今日25日11時頃


 工事関係者は、「大雪」と表現されていた。
 雪は11時頃にはやんだ。いまは陽がさし始めてきている。
 先週末あたりから、タイヤ交換する人の姿を見るようになっていたが、タイヤ交換してしまった人、今朝は大変だったろうと思う。私は頻繁に山に入るので、まだ当面、冬タイヤのまま。
 

早くもカタクリが開花&「中子の桜」の今





 “スプリング・エフェメラル”(春の妖精)と呼ばれるカタクリの花が早くも開花しました。
 この2枚はいずれも3月23日正午頃、平滝〜横倉間の清水河原スノーシェッド脇の崖に咲く様子を撮影したものです。
 昨春、この場所での開花を初めて撮影したのが4月4日。今春は2週間近く早いですね。

 この場所は、多くのカタクリが群生するというところではありません。しかも、道路脇の人の背丈よりも高い崖面で、手前に落石防止のフェンスもあって、そんなに花見を楽しめるというところではありません。



 でも、早くも開花したカタクリを一目見るということでは訪ねてみる価値があるでしょう。
 国道117から平滝のガソリンスタンド脇の道に入り、清水河原の巣のシェッドに入る手前左手です。



 「カタクリ街道」の名で知られる県道森宮野原・北野線の長瀬集落手前の群生地は、道路に近い部分ですでに葉が出ています。23日午前には蕾があるものも確認できました。



 週後半は冷え込むようですから、今週中の開花はないと思います。早ければ27日の日曜日、遅くとも28〜30日頃には開花が見られるでしょう(下写真は22日撮影)。




カタクリ街道


 もう一つの群生地、北野天満温泉前でも22日昼、蕾が出ているものを確認できました。こちらも開花が見られるのは27日以降になるかと思われます。







 他方、“中子の桜”ですが、23日午前、12日ぶりに訪れると、池の雪がすっかり消えていました。3月5日の様子も掲載します。




3月5日の中子の池の様子

 池の手前、「農家民宿れすとらん ひがし」さんのすぐ脇にある桜の木の蕾の様子もご覧ください。



 まだまだ硬いですね。
 でも、平年よりも開花が早くなることは間違いないと思います。
 

森集落じゅうに灯りをともす

 震災から満5年の3月12日夕、森集落の至るところにローソクの灯りがともりました。
 森商工振興会の呼びかけで、保育園児から小学生、わけしょ、70歳代の人まで森じゅうの人たちが立ち上がりました。“真の復興”をめざして、震災から5年目という節目、集落の底の底からの力が湧き出てきたのです。斎藤龍男森商工振興会長は、「スイカイランタンバスツアーでたくさんの人が栄村に来て泊って下さる。そんな中、私たちもなにかやりたいと思った」と話されました。また、取り組みの中心メンバーの人たちは「『結い』とは別の取り組みです」と言っておられます。
 マスコミ報道では森集落の人たちのこういう思いがきちんと伝えられていないように思います。復興への取り組みの局面が変わりつつあると思います。








国道117号線にもローソクの灯りがともった

読売新聞解説欄での栄村紹介の記事



 3月17日の読売新聞朝刊、半頁以上を使って「長野県栄村 豪雪の過疎地 3.12の震災」というレポート記事が掲載されました(上写真)。執筆者は編集委員の岩本洋二さん。3月1日から7日まで1週間、栄村に滞在して取材されたものです。
この取材、「栄村復興への歩み」のブログに2月23日に届いた1通のメールから始まりました。メールの文面を紹介します。

   東日本大震災(栄村にとっては長野県北部地震ですが)から5年ということで、東北3県
   以外の被災地(千葉県旭市など)の復興やそれに続く地域作りがどうなっているのかを取
   材しています。
   つきましては、3月上旬に1週間ほど栄村を訪ね、短い期間ではありますが雪かきなどのお
   手伝いをしながら、村の方がなぜ栄村に愛着を持っていらっしゃるのか、考えたいと思います。
   予定では3月1日に栄村を訪ね、5日から1週間滞在し、冬の栄村の暮らしを体験したいと
   思っています。

 後に岩本さんにお聞きしたところによれば、「栄村 復興」というキーワードでネットを検索されたら、すぐにブログ「栄村復興への歩み」が出てきたそうです。3月1日午後に森宮野原駅で出迎え、早速村内を一巡案内しました(秋山は3月4日の私の配達に同行)。その過程で斉藤克己さんや大庭光一さんと出会い、6日と7日は専門のカメラマンを同行してお二人の取材をされました。
 記事中に、「大災害に見舞われた村のその後を思った。村をたたむような事態になってはいまいか」という文章がありますが、これは大袈裟でもなんでもなく、本当にそう思われていたことが初めてお会いした日の会話から感じとれました。
 岩本さんの栄村を取材しての最大の感想は、文中にある「災害に負けない強靭(きょうじん)な地域とは何か。自然と向き合いたくましく生きる栄村から、そのヒントを教わった」ということだと思われます。
 この岩本氏の感想を村民がどう受けとめるか。栄村のこれからの進み方に大きく関係してくると思います。